2010年02月20日
【「新しい農のかたち」の実現に向けた政策提言】(8)就農定住の成功事例
クマです。
政策シリーズも8回目となりました。
これまで、農政を考える上で、以下のような追求をしてきました。
【新しい農のかたち」の実現に向けた政策提言】シリーズ
第一章:皆が農業に求めるものは何か?
→食そのものよりも精神的な基盤
第二章:農・食の不安の根底を成すのは何か
→国として生産基盤を他国に依存している状況にあること。そしてその中心はアメリカの一局依存(支配基盤)となっていること。その状況を脱することは、不可能ではなく実例があること。
第三章:脱アメリカして、日本の食料供給はやっていけるのか
→日本の農業技術は充分やっていける技術の高さを持っていること。
第四章:実現基盤を持ちながら、現状の日本農業は衰退しているのはなぜか?
→私権制度、市場の制度に農が乗っていてそこに歪みの原因がある。そして、現実に則った制度が必要なこと。
第5章:日本の農業の現状を支え、将来に可能性があるあり方はなにか?
→兼業というありかたが示す現実と可能性から、新たな参入・広がりの可能性を模索。
第6章:これからの農業の担い手として中心となっていくのは?
→兼業の観点から企業の重要性とその可能性が大きいこと。
第7章:これまでの企業の体質で、農業参入は上手くいくのか?
→これまでの私権的体質・形態では、上手くいかない。(農業にかぎらず)企業も共同体的な存在になっていく必要がある。またその実践を始めている企業の実例もある。
大きくは、社会を支える農業を実現していくためには、共同体の再構築が必要で、それに繋がっていく方策・政策が有効なのだと思われます。
既存の集団の共同体化の流れはすでに始まっていて、その集団を受け入れ包摂して、農業の現場で新たな共同体ができて、大きな共同体へ成長して行かなくては、これまでの分断→弱小化(当事者意識の矮小化)の流れの中で衰退してきた農業を変えていけないのだと思います。
では、新たな参加者を受け入れる農業の現場・村・自治体は、どうあると上手くいくのでしょうか?
るいネットの就農成功事例の分析を紹介します。
応援宜しくお願いします。
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2010年02月17日
農業も応援してくれる仲間(協働者)を求めている ~協働から共同体へ~ その2「企業との協働」
みなさんこんにちはsugi70です。
農を取り巻く様々な関係者と繋がり、お互いに充足し合い、成長し合える「共同体」になるには?
がこのシリーズの主旨ですが、
前回は、お客さんとの関係を取り上げました。
そして、今回は第2弾として、企業(取引相手)との協働について述べて行きたいと思います。
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2010年02月13日
バイヤーは、地元活性化のコーディネーター(2)
前回のつづきです。
◆ストアブランドの野菜つくりと後継者育成~新しい形の流通の確立~
日テレに「鉄腕!DASH村!」という番組がありますが、それに負けず劣らずの5人のイケメン農業実践者が登場する、『イケメンファーマーズ 藤枝スマップ物語』を読むと、地元の農業生産者に向けた暖かい眼差しがうかがえます。
●イケメンファーマーズ 藤枝スマップ物語
>このストーリーは、しずてつストアと藤枝「さんかく山の里の会」が、契約をし、しずてつストアブランドの野菜を作ろうと始まったものである。後継者育成と新しい形の流通の確立を目指し、「さんかく山の里の会」の若手に仕事をお願いした。メンバーは5人。それぞれ個性のあるメンバーが、切磋琢磨し、おいしい野菜を作るまでのストーリー。名づけて、「イケメンファーマーズ・藤枝スマップ物語」。
>若いファーマーズ(農家の方)は、単独行動が多いという。「さんかく山の里の会」のリーダーである大塚さんはいう。「農業は、仲間が集まって情報交換をしていかないとなかなかやっていけない。今回の話は、彼ら若手にとって、いいチャンスだと思った。何度か話し合いを進めていくうちに、仲間意識が出てくるようになった」。~後略~(出典:イケメンファーマーズ 藤枝スマップ物語)
ストアブランドの野菜を作るために地元の2世代ファーマーを育て、その生産物をストアで売って地元で消費してもらう仕組みを作るのもバイヤーの仕事というわけです。
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2010年02月12日
バイヤーは、地元活性化のコーディネーター(1)
食品スーパーのバイヤーが、全国を駆け回って目ぼしい商品を開拓して物産展を開いたり、プライベート商品として開発して扱うことは良くある話です。それに留まらず、地元の生産者や加工業者を巻き込んで、地元活性化に寄与するスーパーがありますので、紹介したいと思います。
▲映像出典:しずてつストア藤吉原店
そのスーパーに行ったときに目に付いたのが、自家製造の豆腐を作るコーナーが店舗内にあることでした。昔は、街中に自家製の豆腐を作っている路面店があったものです。夕方には、出来た豆腐を木箱に収めて、自転車で売りに来てくれたことなどを思い出してしまいました。
▲映像出典:しずてつストア藤吉原店
鮮魚コーナーの設えも、目の前で調理しやすいように捌いてくれた昔ながらの路面店を髣髴とさせますし、農産関係も地場物が並んでいるコーナーがあるので、ホッとさせられます。近代的な食品スーパーですから、その食材の全てが地場産とはいきませんが、それでも積極的に地場ものを取り込もうとしている姿勢が見て取れます。
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2010年02月09日
「明るい農村」はこう作る ~ 長野県川上村の挑戦
こんにちは、こまつです。
農村活性化の成功事例として、るいネットより、長野県川上村の記事を紹介します。
写真は、「川上村ブログ」さんからお借りしました。
人 口 世帯数1,268 人口4,759(男2,554/女2,205)平成17年国勢調査
標 高 1,185m(川上村役場)
最高地 2,595m(金峰山山頂)
最低地 約1,110m(千曲川村内最下流)
気 温 年平均8.5℃ 最高30,1℃(8月)最低-18.9℃(1月)
「川上村公式ホームページ」より。
長野県川上村は、山梨県、埼玉県、群馬県との県境に位置します。西に八ヶ岳連峰が聳え立ち、東、北、南もそれぞれ2千メートル級の山々に囲まれ、かつては「陸の孤島」「信州のチベット」と呼ばれていたそうです。
その村が、今ではレタスの栽培を中心に平均売上2,500万円、出生率(一人の女性が一生に生む子どもの人数)1.83人(全国平均は1.34)など、全国でもまれに見る豊かな農村に生まれ変わりました。また川上村では、農業従事者のうち、30代、40代が約37パーセントと、全国平均の9.4パーセントを大きく上回っているのも特徴的です。
川上村は、どのようにしてこのような活気のある「明るい農村」に生まれ変わることができたのでしょうか?
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2010年02月08日
世界金融危機で、より本質的な教育のニーズが顕在化する …『自然体験学習教室』
どうも雅無乱です。
さて、このブログでも、何度か取り上げました類塾・類農園 自然体験学習教室。
いよいよ2月8日より今年の会員募集が始まりました!
あらためて、この類塾・類農園 自然体験学習教室を紹介したいと思います。
『自然体験学習教室』は、1年を通じて自然や農作物にふれ、出荷や販売などの「仕事」を体験し、地域のさまざまな方々と関わる中で、小学生を健全に育むことを目的として開講しています。
生徒数約1万3000名、41教室を大阪府に展開する『類塾』と、同グループが経営する奈良の『類農園』が共同で2000年4月から運営しており、今年で11年目です。
2010年の年間カリキュラム(予定)はこちら → 年間カリキュラム
「自然体験学習教室」の資料請求、申し込みなどはこちらから!
→類塾のホームページ『自然体験学習教室』
…と宣伝から入ってしまいましたが^^;)
実は、継続会員の受付開始から、「保護者の方や子どもたちの反応が例年よりいい!」「どんどん申込みがあって驚き!」といった報告を受けています。
世界的な経済の退潮がますます深刻になり、各家庭の経済状況の先行きにも暗雲が垂れ込め、財布のひもがますますかたくなっているこの時代、このような本格的な「農業教育」への関心が逆に高まってきている?
今回は、このことについて追求してみたいと思います。
続きに関心のある方は、いつものクリックお願い!
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posted by nanbanandeya at : 2010年02月08日 | コメント (10件) | トラックバック (0) TweetList
2010年02月02日
農業経営と社会貢献~ナチュラルアートの事例から
こんにちは。
先日、農業ベンチャーとして成功している、㈱ナチュラルアート代表・鈴木誠氏の講演会に行って来ました。
全国の農業成功事例の紹介や、厳しい状況を乗り越えて可能性を切り拓いていく考え方など、農業者を元気づけてくれるような講演でした。
今回は、そんなナチュラルアートさんの紹介と、鈴木氏のインタビュー記事から、成功の秘訣を探ってみたいと思います。
㈱ナチュラルアートは、2003年に設立、全国に10カ所の直営農場を持ち、提携農家は1000軒、売上170億円にまで成長しています。
また、生産、流通、販売のみならず、農業コンサルや再生事業、ファイナンスまで行っているのが特徴です。近く、農業ポータルサイトの立ち上げも計画されています。
経営理念
100年続く会社を目指す
100年社会に貢献する
100年社会から求められる会社になる
新しい産業としての農業の構築
過去の延長ではなく、新しい農業
農業を通して、世界の食料事情の健全な発展に貢献し、かつ社会に広く貢献する
経営戦略
1.新産業としての農業プラットフォームの構築
2.持続可能な農業経営の確立
3.ポートフォリオ (品目・地域を分散し、規模も面積も圧倒的日本一の農業生産者グループを確立)
4.農業バリューチェーンの構築 (生産から加工・販売まで)
5.破綻農業会社の再生及びファイナンス
6.レバレッジを効かせたロールアップモデルの確立
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2010年01月31日
【農園便り】鶏の解体、今年もしました☆
類農園では毎年恒例となっている鶏の解体。今年も開催しました
毎年参加人数の増えているこのイベント☆昔は、農家の日常の光景だったようです また、昭和40年ごろまでは、卵を生まなくなった老雌鶏の肉をかしわ肉といって精肉店でも販売されていたそうです☆(今はあまり、見かけませんね。)
鶏は孵化して7ヶ月目あたりで卵の生産量のピークを向かえ、その後はどんどん減退していきます。2年半にもなると毎日産んでいた卵100%が50~60%にまで減退してしまいます。
その為類農園でも、毎年、周期的に新しく雛を迎え、老鶏は食用として有難く頂いているのです
どんな様子かというと・・・
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posted by staff at : 2010年01月31日 | コメント (7件) | トラックバック (0) TweetList
2010年01月30日
【「新しい農のかたち」の実現に向けた政策提言】(7)企業による自給自足の挑戦
こんにちは。
政策提言シリーズも7回目を迎えました。
ここ数年、様々の業種から、農業へ参入する企業が増えて来て、マスコミでも、盛んに取り上げられています。 企業の農業参入は、これからの日本の農の担い手として不可欠な存在になって行くでしょうが、参入して成功している例、上手く行かず撤退した例と、様々です。
そこで、このシリーズの仲間で、現在までの、業種別の事例をいくつか調べました。
その前に、いつものクリックお願いします。
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posted by naganobu at : 2010年01月30日 | コメント (6件) | トラックバック (0) TweetList
2010年01月26日
農業も応援してくれる仲間(協働者)を求めている ~協働から共同体へ~ その1「顔の見える農業」
こんにちは!農業一年生のsugi70です
最近るいネットを読んでいると、『お客さん』という立場について疑問に感じていたり、自営業や小規模で経営する集団に可能性があるという内容の投稿がありました。
以下の投稿者は、昼食に立ち寄った、とあるベトナム料理店での、店主との関わりで得た気づきを述べています。
(大分省略してありますので、全文はるいネットでご覧下さい。)
『お客さん』という立場について考え直してみませんか。
『お客さん』とは、一般的には、お金を払ってモノやサービスを提供してもらう立場の人のことを指します。ですが私は、ある日、一般的に思われている『お客さん』という考え方を覆すような経験しました。
~中略~
料理を食べた後、デザートを待っている間に店の中にあるベトナムの文化、あるいは観光のことが書いてある本を読んで待っていました。やがて、デザートが来てこれも食べました。支払いの際、店主の男性に店に置いてある本にはベトナム伝統の祭りや文化、料理のことが書いてあっておもしろかったと話すと、非常に喜んでいました。
~中略~
しばらくして、私は再びこの店に立ち寄りました。(まだ気になるメニューがあって食べたかったというのが本音でしたが。)すると店主の男性が出てきました。店主から出てきた言葉は、無機的な『いらっしゃいませ』というあいさつではなく、 『お兄さんおかえりなさい。』 という言葉でした。私はびっくりしましたが、店主の態度は友好的でした。
料理を食べながら、店の中で蛇やカエルなどが描かれた装飾品があることを店主に話しました。すると店主は、『蛇やカエルやトカゲは、大事な動物だから模様に使われているんだよ。』と快く教えてくれました 。
それからしばらくして、代金を支払おうとしました。店主の男性は、 『君は好奇心旺盛だね。』といいつつ、私に対してにこやかな表情で握手をし、 『お兄ちゃん、また来てね。』 と最後に言いました。
私は全く想像していませんでした。ただ単純に、ベトナム文化や料理のことについて尋ねただけでした。推測にすぎないかもしれませんが、店主の男性からしてみれば、『自分たちの誇りある文化や料理に、興味や関心を持ってくれた。』という喜びの気持ちがわいたのでしょう。
私がこの経験で考えたこと。それは、これからは『お客さん』にも、『モノ、サービスを提供する側』に対してお金以外にも『喜び』や『活力』を与えることがより強く要求されるのでは、ということです。言いかえると、 『お客さんとしての品格』かもしれません。
そして、さらに投稿者は次のようなことも述べています。
『お客さん』と『提供する側』の垣根がなくなってできるもの。
『お客さん』と『提供する側』が互いに『喜び』や『活力』を与え、そして分かち合っている姿を見ること。そして経験することについて書きました。
さらに突き詰めると、『お客さん』と『提供する側』の垣根がどんどんなくなることにつながると考えることができます。こうなると、『お客さん』と『提供する側』という一方通行な関係もなくなり、本当の意味でのあたたかい人間同士のつながりが生まれます。結果として、互いに『喜び』や『活力』を与え、分かち合うことができる、新しい『共同体』へと進化するのではないのでしょうか。
たんなる『消費者』だった『お客さん』から、『供給者』と協働し、そして互いに充たしあえる『共同体』へと
進化すると書かれています。
また、参考となる投稿として、活力ある家業者たち(自営業者)が連携しあい新たな可能性を開いていくというものもあります。ご覧下さい
家業の可能性①~答えを見つけ始めた家業主たち~
それらを読んでいると、農業にも、参考になる部分がたくさんあるのでは、と感じました。
具体的には、農をとりまく様々な人との関係(お客さん・取引先・担い手)も、例えば「生産者」と「消費者」という一方的な関係ではなく、協働し合い、もっとお互いが充足できるような、新しい共同体が築けるのでは、ということです。
まず今回は、消費者との新しい関係について述べていきたいと思います
そこで、消費者との新しい関係としてまず思いつくのは「顔の見える農業」ではないでしょうか。10年くらい前からこの言葉はよく耳にするようになったそうですが、今回はこれに焦点を絞って、お客さんとの新しい関係を追及していきたいと思います
続きを読む前にポチっと☆応援ありがとうございます!
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posted by sugi70 at : 2010年01月26日 | コメント (4件) | トラックバック (0) TweetList