2009年03月27日
日本が食糧自給を低下させた背景 (2章 草稿)
pochiです。改めて 「グランドセオリー食糧危機」の2章(草稿)を載せます。
日本が食糧自給を低下させた背景
1945年、敗戦を迎えた日本。敗戦後、極度の食糧不足の中、「食管法」を盾に米の強制供出を試みるも、農家が高値で売れるヤミ米の方に流したため供出率は45%に留まる。過酷な環境条件のもと進める開拓も思うようには進まなかった。そこで次々と農業分野に各種奨励金が投入され、1953年には財政投入額は336億円に達した。
そんな折、アメリカは日本に対し食糧増産の打ち切りを要求してくる。
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2009年03月25日
『摩天楼農場(ヴァーティカルファーム)』構想って?
『摩天楼農場(ヴァーティカルファーム)』
歯医者の待合室で、オモロイ記事の載っている雑誌をみました。それは、日経トレディ4月号の記事で、ニューヨーク市民800万人の食料を『摩天楼農場』で賄おうという大プロジェクトが動き始めた、というのです。
記事によれば、2年間でプランを固め、4年後には実験用施設を建ててシミュレーションを重ね、将来は実用化を目指すというのです。屋内の水耕栽培とすることで、水利用効率を上げ、自然災害や病・害虫をシャットアウトできるので、農薬不要。露地栽培に比べ作物収量は、6~10倍になるとのことです。
米国の「食料が産地から消費地までの輸送距離の平均は、約2400km」だが、究極の地産地消となるので消費エネルギーの低減、二酸化炭素排出量の低減が図れる。だから、摩天楼農場は地球温暖化防止にも役立つ、としています。
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2009年03月24日
農業に対する期待が高まるのは・・・必然!
みなさん、こんにちは
これからは農の時代だ
農業に対する期待が高まっている
そんな声をよく耳にするのですが、改めて、それってなんでだろう 🙄
について考えてみました
何年か前から、
物が売れない
特に欲しいものはない 🙁
なんてことが言われるようになってきて、昨年の世界的な経済破綻を受けて、一層
みんながお財布の紐を締めて、必要ないものには使わない という流れが
加速してきています
そんな中、市場の化けの皮 8) が外れて、本当に必要なものは何か
に頭を使うようになってきています
そして、実質的に必要なものは何か と考えたときに、真っ先に浮かぶのが
農業 食べ物
ということなんです
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2009年03月23日
もくもくファームってこんなとこ♪①テーマパーク
休日を使って、もくもくファームに行ってきたmeguです
もくもくファームって、三重県の伊賀市にある農事組合法人 。って、、、一体どんなとこ??
集客力もすごくって、注目されてきているって聞くけど、、、どんなとこ・・・??
実際行って見てくるのが一番♪と思い、行ってきました
するとそこは、懐かしい田んぼの並ぶ田舎の風景の中に現れたテーマパークでした
入園口では、もくもくファームのアイドル、ぶたちゃんがお出迎え
入園後、階段を上って目の前に現れたのは、モクモクファームの人気ショー☆ミニ豚芸
休日だったというのもありますが、ショーは人だかりができていました
お兄さんのトークもあり、可愛さまんてんのショーでした
下の写真は、ミニ豚芸にも登場するアイドルおこめちゃん♪
こんなに人が押し寄せる、もくもくファームの魅力に迫ります
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2009年03月22日
現在は、お互いの信頼関係を作り上げていく過程かも?
「10kgで529円」、みなさん、これ何の数字だか判りますか? 🙄
平成18年の、お米の「農業所得」だそうです。10kgで529円ということは、60kg(1俵)で3174円。10aで10俵採れたとしても(かなり上出来ですが )、31740円→1haで31万7000円→10haで317万円ということですね。
でも、これってどうなんでしょう? 🙄
10ha作って317万円では、家族4人養っていけません 🙁
以下、農業協同組合新聞、「シリーズ 数字に注目! 気になるあぐりデータ」より転載します。
「10kgで529円」 お米の農業所得(18年、玄米ベース)
平成18年のデータでは、米(玄米)10kgの小売価格は3328円。このうち流通経費が1166円、生産経費(=生産者受け取り価格)が2162円となっている。米の小売り価格のうち約6割が生産コスト、約4割が流通コストだ。
生産者受け取り価格から肥料や農機具代、CEなどの利用料金といった経費を差し引くと、農業所得は529円。小売価格の16%にとどまる。農林水産省が家計調査、コメ価格形成センター、生産費調査などから推計した。
同省はキャベツについても推計しており、10kgの小売り価格が960円の場合、経費を差し引いた農業所得は136円、小売価格の14%となっている。野菜の場合は流通コストが6割を占める。
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2009年03月21日
かなり手強い農業の敵「猪」
三重のクマです。
年々酷くなる獣害について、どこの地域でも、対策に苦慮していますね。
新聞などに、時折「イノシシ撃退の決定打か!?」「獣害対策にライオンのフン?」などなど色々な試みが紹介されたりしていますが、決定打は今のところ見つかっていません。
私の住んでいる地域でも、この数年で急増した獣害被害に取り組むべく先日、町が主催の、獣害対策の講演会が行われました。
敵を知らなければ、対策は不十分になる!ので、害獣(主にイノシシ)の生態を中心とした講演でした。
エエッ?そうなん?というような、知らなかったイノシシの真実を知りましたので、いくつかに分けて報告していきます。
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2009年03月20日
「日本の肉食禁止はどこから来たのか?」
最近、農園にたくさんの研修生たちが入れ替わり来てくれ、喜んでいる正国です。
10人~13人が毎日一緒に食事をするわけですが、食材はほとんど農園でとれた野菜です。
肉はたまに登場する程度ですが、みんな普通になっています。
そんな中、「日本の肉食禁止はどこから来たのか?」という記事が目に留まりました。
当たり前のように食べている”肉”にこんな歴史があったとは!
JANJANニュース(http://www.news.janjan.jp/culture/0903/0903169499/1.php#pagetop)
> 日本の肉食禁止は、約1200年もの歴史があり、世界に例がない。一般的には、仏教思想の影響と考えられているが、上田孝道氏の見解では、それには裏がある。氏は、稲作文化の確立のために、仏教思想が利用されたのではないかという。また、世界の飢餓と肉食文化との関係も考えなければならない時期に来ているという。
以下の会話の名前で、「私」:成川順氏、「上田」:上田孝道氏です。
●1200年の歴史
私「日本の肉食禁止令は、いつからいつまで出ていたのですか?」
上田「天武天皇の時代、675年に出されました。禁じられた動物は、ウシ、ウマ、サル、イヌ、ニワトリでした。それから、解禁になったのは、1868年、明治元年のことです。約1200年間です。こんなことをした国は、世界のどこにもありませんよ」
私「ウシ、ウマが禁止されたのは農耕に差し障りが出るということでしょうね。サルだけが野生動物ですね。私は、マレー半島のジャングルで3ヶ月ほど暮らしたことがあるのですが、現地の狩猟採取民にサルの丸焼きを出されたことがあります。だいたい何でも食べるほうなんですが、そのときは遠慮しましたね。人間の形をしていたんですよ。サルが禁止されたのは、そういう感性と関係があるかもしれませんね。因果応報というやつです。肉食禁止は、やはり、殺生を禁じる仏教の教えと関係しているのでしょうか?」
●稲作経済の確立のため
上田「そこなんですよ。もちろん、仏教との関係は深いでしょうね。しかし、私は、肉食禁止のために仏教の教えが利用された面があるのではないか、と考えているのです。日本の気候では、牧畜より稲作のほうが、食糧生産に有利なんです。支配者たちは、日本国を治めるのに、稲作でいこうと考え、仏教思想を前面に掲げて、肉食禁止の社会を作っていったのではないでしょうか。稲作のほうが課税しやすいんですよ。また、稲作には、共同作業が多く、みんなが力を合わせる必要があります。そのためには、食生活も同じほうがいいでしょう」
私「それに、肉食の前には、動物を殺すことになりますね。私は、年に100羽ほど鶏の解体をしていた時期があるんですが、あるとき、ふと、自分は人間も殺せるのかもしれないな、という気になりました。支配者たちが、そういう人間の持つ原初のエネルギーを怖れたということがあったかもしれませんね。ところで、この上田説について、大学の歴史学者はどういいますか?」
●建前としての歴史
上田「歴史というのは、支配者の歴史ですから、もちろん、支配者に批判的な解釈は、認めようとしませんよ。彼らにとって、肉食禁止は、仏教思想の影響以外は考えにくいのです」
私「上田さんのような解釈は、歴史学者としては、処世上まずいことになるというわけですか。ところで、日本には、ウシはいつごろからいるんですか?」
上田「1927年に、ナウマンゾウ、オオツノジカなどとともに野牛の骨が見つかっています。約2万年前には、野牛がいたようですが、それは滅びたようです。中国の『魏志倭人伝』(3世紀)には、倭国には牛馬がいない、と書かれています。ウシは、稲作文化とともに、農耕や運搬用に大陸から入ってきたのでしょうね。大和時代前期(4~7世紀)になってやっと、日本のウシは歴史に登場してきます」
●法令違反は多かった
私「肉食禁止は、どの程度守られたんでしょうか?」
上田「狩猟と漁労は認めていたので、100%の禁止ではなかったのです。戦国時代には、野武士が農民の牛馬を殺して食べたり、安土桃山時代には、キリスト教徒が肉食を始めたり、江戸時代には、彦根藩が幕府に牛肉の味噌漬けを献上したり、江戸末期には、公然と肉屋を開く者が現れたり、いろいろ法令違反はあったようです。肉食禁止を守らせるために詔勅がたびたび出されていますから、違法な肉食がいかに多かったかということかと思います」
私「精進料理という言葉がありますが、肉を食べないことが、人間としての『精進』らしいのですね。人間は、雑食動物ですから、肉食の誘惑はかなり強いのではないでしょうか。人間の欲望の中で、睡眠欲と食欲が強いといいますね。これを断てば、拷問は必要ない、といわれていますよね」
上田「しかし、肉食禁止は、1200年にわたって、貧しい農民に対してはかなり徹底していたので、肉食が解禁となった明治に入ってからも、多くの庶民は肉食を忌み嫌っていたんです」
●飢餓の解消
私「統計にもよりますが、現在、世界は、8億5640万人の飢餓人口(農民70%、漁民10%、都市住民20%)を抱えています。肉食を考えるとき、この現実を無視できないと思います。今後、肉食を減らす方向でコントロールしていくべきなのでしょうか」
上田「私の考える飼育法では、穀物代を大幅に節約できるのですが、現在の一般的な飼育法では、牛肉1㎏作るのに、穀物が10kg必要です。ということは、牛肉だと1人しか食べられないけど、穀物なら10人が食べられるということになります。皆が、考えていかなければならない問題だと思います」
●筆者の感想
604年の聖徳太子の「十七条の憲法」は、役人が守るべき心得として定められたものですが、ずっと以前から気になっているところがあります。第一条「人の和を大切にしなさい」 第三条「天皇の命令には必ず従いなさい」そして、その間にあるのが、第二条で、「仏教を厚く敬いなさい」となっているところです。
一条と三条をセットにして守ると、天皇制が確立されます。そして、二条は、その2つをつなぐものなのでしょう。上田さんの「肉食を禁止するために、仏教が利用された」という見解は、久しくこのことが気になっていた私には「目からうろこ」だったのです。
平城京は710年、長岡京は784年、平安京は794年です。上田説によれば、支配者たちは、日本史の出発点で、この国を統治するためにどうやら仏教を利用したのです。しかし、その仏教が、肥大化し、独り歩きを始めようとしたとき、奈良の都に仏教勢力を置き去りにするという挙に出たのではなかったでしょうか。
仏教寺院を見るとき、奈良と京都では、その存在感がぜんぜん違います。奈良の仏教寺院は、根が生えたかのように堂々としています。京都の仏教寺院は、美しすぎるのです。平安京によって、日本の仏教は、再び支配者の道具に成り下がっていったのではないでしょうか。
ミャンマーで何が起ころうと、チベットで何が起ころうと、日本の仏教界は、知らん顔です。それは、そういう「肉食禁止」にまつわる歴史に起因することなのかもしれません。
posted by totokaka at : 2009年03月20日 | コメント (6件) | トラックバック (0) TweetList
2009年03月19日
「食とグローバリズム」生産国の現状
こんばんは まるいちです。今日は、「食とグローバリズム」生産国の現状、と言う記事です。
■グローバリズム、グリーン・ニューディール、グリーン・ネオリベラリズム、フェアートレード、緑の革命・・・言葉としては耳障りが良いですが、その実態、事実は良く知られていません。
これらの事実の一部ですが、NHKのドキュメンタリー番組として報道された、発展途上国の様子、事実を紹介します。
番組は既に終わっていますが、放送内容の概要からもその内容は充分窺い知る事ができます。
※参考:愚樵空論「農業ビジネスは危険」
以下、「NHK BS世界のドキュメンタリー」http://www.nhk.or.jp/wdoc/index.htmlより引用。
●アマゾン 大豆が先住民を追いつめる
アメリカで世界第2位の大豆生産国に転じているブラジル。大豆畑に変わろうとしているのが熱帯雨林のアマゾンだ。資本主義の論理の中で、アマゾンに暮らす先住民は土地を追われ、さらに、熱帯雨林が大豆畑になることで周辺地域の降水量が激減するために環境にも異変が起きることを番組は指摘する。
国際的に増大する一方の大豆需要に応える形でアマゾンの熱帯雨林が今、大豆畑に変わろうとしている。今回、フランスが制作したこの番組は、アマゾンの熱帯雨林で繰り広げられている地元先住民と大豆農家との対立の現場をとらえ、熱帯雨林が大豆畑に変わることで温暖化にどのような影響があるかを掘り下げている。
アマゾン北部のマット・グロッソ州で、違法な伐採を行おうとする大豆農家と先住民との間に殺傷事件まで発生している対立の構図。その背景にあるのは、米・穀物メジャーのカーギル社がアマゾン川の港に大豆用の巨大倉庫を設置、大豆輸出に乗り出していること。貧しさのあまり、土地を大豆農家に売り渡すことで、先住民の生活がさらに困窮している現状を描く。さらに、複数の気象学者が熱帯雨林が大豆畑に変わることの影響について警告する。森林が失われることにより、南米全体の降水量が減り、砂漠化が進むという。先進国の大豆需要に応えようとする結果、ブラジル国内での貧富の差が進み、環境にも大きな影響をあたえていることが改めて浮かび上がる。
原題: Amasoya
制作: Free Studio(フランス) 2005年
担当者メモ
フランス制作のこの作品の魅力は、5分付近「先住民が抗議のために釣り客を拘束した」というコメントと10分付近アマゾン沿岸にそびえ立つカーギル社の巨大倉庫に尽きます。また、熱帯雨林が大豆畑に変わることでどのくらい地球規模の環境に影響を与えてしまうのかを訴えています。
●EU農業が発展途上国を圧迫する
欧州連合(EU)が農業に充てている補助金の額は、世界で最も高額である。
EUの生産者は、補助金を受けながら大量の余剰作物を生み出している。当初廃棄処分されていた余剰作物は、現在、発展途上国の市場に安く大量に輸出されている。企業に多額の輸出補助金が与えられているため、生産コストよりも安い金額で輸出できるのである。しかし、その結果、農業を国の基幹産業としている途上国では、生産者が価格競争に勝てず、職を失い、苦しい生活を余儀なくされている。
EUは、発展途上国に余った製品を大量に輸出する一方で、発展途上国からの輸入を制限している。生産コストの安い農産物がEUの市場に流れ込んでくれば、EUの農業に大きな打撃を与えるとみられているためだ。EUの農業保護政策は、発展途上国から産業を奪っているともいえる。
こうした諸事情を背景に、ヨーロッパへ密入国しようとする途上国の若者が増加している。貧困に苦しむ若者たちが、テロリスト集団の勧誘の対象となっていることも指摘されている。
番組は、ドミニカの酪農業、南アフリカの砂糖生産業、ガーナの養鶏業など、地元の農民の声を聞きながら、なぜEUの農業保護政策が途上国を苦しめているのか、そのからくりを解き明かし、警鐘を鳴らしている。
原題: Nailed to the Bottom
制作: DR(デンマーク) 2004年
担当者メモ
この番組は、2004年に時事番組部門のイタリア賞を受賞した作品です。イタリア賞はテレビ番組の国際コンクールとしてはもっとも権威のあるコンクールです。このドキュメンタリーは、ヨーロッパの農業補助金が結果的にアフリカの貧困を生み、その貧困がビン・ラデインの信奉者を生み、テロにつながっているという連環を見事に描いています。先進国のあり方がテロを生み出していることに警鐘を鳴らしています。
引続き、記事=事実を紹介しますので、是非読んで下さい。
続きを読む前にポチっと☆応援ありがとうございます!
posted by nara1958 at : 2009年03月19日 | コメント (12件) | トラックバック (0) TweetList
2009年03月18日
種子市場の新しい可能性
農業で一番大事なものは種子ですよね。この種子が無かったらお米の野菜もできません。ですから昔から百姓は種を翌年の為に大事に採取し保管してきました。
しかし近年は百姓が種を取ることは殆どありません。種は種苗メーカーから購入しているのが殆どです。ですから、種を売ってもらわないと農作物 はできなくなります。 😥
つまり種を押さえてしまえば、農業しいては食糧を押さえる事ができて世界を手に入れる事もできるというわけです。 👿
最近種子の保管庫を作ったと言うニュースがあったので紹介します。
応援よろしくお願いします
posted by hakosuka at : 2009年03月18日 | コメント (4件) | トラックバック (0) TweetList
2009年03月16日
生産と消費を繋ぐ「農」の教育力
食と農を結ぶさまざまな体験の場に子どもを置いて、子どもに、地域を誇りに思う心を育てたい。
子どもに、食と農、いのちのつながりがわかる心を育てたい。
――そんな熱い思いで、いま全国に広がっているのが、田んぼや畑での「農業体験活動」。
農水省では、平成20年度に、全国で139の協力団体とともにモデル事業をすすめ、体験活動の「効果」も検証している。
るいネット農家が「先生役」の「教育ファーム」で地域が元気になるより引用
■「教育ファーム」の成果「カレーライスパン」とは?
まずは、子どもには、地域を変える力があると実感させてくれる兵庫県佐用町の生活研究グループ「ほほえみ会」の取り組みを紹介したい。
会員八名、平均年齢70歳をこえた「ほほえみ会」の代表、井口美子さんは、地元の小学生から「駅ばあちゃん」とよばれている。
佐用町は、兵庫県最西端の中山間地域。町の中央に、道の駅「宿場町ひらふく」がある。鳥取方面に抜けるバイパス国道が走り、昔の「平福」は因幡街道の宿場町としてにぎわった。
「ほほえみ会」は、その「道の駅」で直売所(因幡街道平成福の市)を運営しており、井口さんは道の駅のばあちゃんだから、「駅ばあちゃん」の愛称で親しまれているわけだ。
井口さんたち「ほほえみ会」の「教育ファーム」活動の対象は、地元の利神小学校3年生19名。地域の小学校4校が統合してできた小学校だが、児童数97名の小規模校だ。3年生の体験活動の舞台は、学校の近くの田畑と直売所、さらに廃校になった小学校の給食室を譲り受けた「ほほえみ会」の食品加工所。「ふれあい加工所」だ。
代表の井口さんは、平成10年から利神小学校3年生の「総合学習」のゲストティーチャーとして体験学習にかかわってきた。「学校の教室では先生から基本をしっかり勉強して、ばあちゃんのところにきたら、自分の力をどんどん発揮してや」と話しながら、井口さんは子どもたちを一人前に扱う。
体験させているのは、黒大豆や野菜つくり。そして直売所の商品開発にも3年生のアイデアを借りる。昨年登場して一躍人気をさらっているのはA君の開発した「カレーライスパン」だ。「ほほえみ会」では、平成17年に佐用産コシヒカリを使った米粉パンを開発し、きなこ米粉パンが定番商品になっているのだが、ここへ新たに仲間入りした格好だ。
2年前の夏休み、当時3年生の子どもたちへ、おいしいパンのアイデアを宿題にしたのがきっかけだ。A君は加工所での試作の当日、炊いたご飯とカレーをパンの具として持ち込んで、白いご飯に冷めたカレーをのせて米粉のパン生地で包んだのだ。井口さんもまさかと思ったアイデアだが、焼いてみるといい香りがして、うまい。試作品8個はたちまち子どもたちのおなかの中へ収まった。
カレーパンではない、カレーライスパン。A君が4年生になった昨年4月、満を持して直売所で発売を開始。1個130円、限定30個が、今は限定50個へ。「利神小のカレーライスパン」は10時には売り切れる人気商品になった。開発者のA君は、引っ込み思案で会話も苦手な子どもだったが、カレーライスパンがほめられて自信がついたのか、いまでは教室のリーダー格に変身したという。
平成20年度の栽培体験は、あえて子どもがきらいなピーマンを育てたが、とれた「ジャンボピーマン」を子どもたちはバリバリ食べる。こんなおいしいピーマンなら給食にも出してほしいと子どもたちから要望が出て、給食の食材になった。もちろん残食もない。
子どもたちが畑でかいた汗と、子ども自身のアイデアが、学校の給食を変え、直売所を元気にしている。
posted by takuya at : 2009年03月16日 | コメント (4件) | トラックバック (0) TweetList