2022年06月17日

『食農ブームはどこに向かう?』シリーズ1:食農ブームって何?

近年、食や農業への興味・関心が高まっています。このシリーズのタイトルにもある「食農ブーム」とは、一体どんなものなのでしょうか?

 

■「食農」ってそもそも何?

第一次産業としての農業はもちろんのこと、健康な食生活について学ぶ「食育」もよく耳にする言葉。最近は学校給食の一環として、食育が取り入れられていますね。

その一方、「食農」は初めて聞く方も多いと思います。

野菜や果物など、食べ物を自分たちで育てて、収穫する→大切に育てた作物を食べる。その過程の中で、農業や食事について学んでいく取り組みのことを言います。

農業体験や料理教室、地産地消の推進、家庭菜園の広まりなども、食農ブームの一つと言えるのではないでしょうか。

 

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2022年06月11日

シリーズ『種』10~DNA信仰が、植物本来の力を失わせた元凶~

本シリーズでは、農作物の源である『種』について追求し、外圧適応の仕組み・交配の仕組み・遺伝の仕組みについて、原理を掘り下げてきました。今回は、シリーズまとめとして、追求してきた内容を振り返ってみたいと思います。

これを通じて、持続可能な農業はどう実現していけばよいか?の展望を考える一助になればと思います。

画像は、こちらからお借りしました。

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2022年06月11日

シリーズ「食農ブームはどこに向かう?」プロローグ

新シリーズを立ち上げます!

タイトルは「食農ブームはどこに向かう?」です。
この3年に渡るコロナ禍の中で確実に広がっているのがアウトドアやキャンプ。さらには小さな農と料理~家庭菜園、外食を止めて自前で栽培し、新鮮や野菜を使って簡単な料理をつくる。新しい行き方としてこの2,3年静かなブームとして広がっているように思います。
一方で農業従事者は高齢化が進むと共に人口はこの5年間だけでも46万人減、2015年時点で200万人から2020年には154万人と急速に減じています。リンク参照

一方で農業離れ、一方でブーム。これは一体どういう現象でしょうか?

当ブログではこれまで農業を生産活動や産業の一つとして見て記事を作ってきましたが、
さて、その考え方や今は古いのではという思いに立ちこのシリーズを初めてみたいと思います。
つまり、農業の可能性として見た場合、最新の方向性として大農業、小農業とは違う”プチ農業”がひとつあるのではないでしょうか?誰もが明日からでも始められる専業でも兼業でもない、第3の農業のありようです。そしてこの新しい農のあり方は、同時に人々の食への意識の変化からも来ているように感じます。美味しいものを食べたい。安全なものを食べたい。そこから家庭菜園や貸し農園をやってみたい⇒新しい農への向かっているようにも思います。つまりこの新しい農の可能性とは、何か新しい生き方や価値観の変化に向かっているように感じています。

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2022年06月03日

シリーズ『種』9:「F1種子は安全である」として短絡的に安心して良いのか?

ここまで見てきたように、生物には1個体の一生の中で、新たな形質を獲得したり、それを次世代に受け継いでいく仕組みを持っていることがわかってきました。

 

本シリーズ最初の記事で紹介した、無農薬・無肥料の栽培方法を確立した関野さんのおっしゃるように、種取りをすることによって、その環境に適応した種が作られていくのだと思います。

 

ところが現在、一般に市販されている種のほとんどはF1種子であり、また世界中で生産される穀物の多くがGM作物(遺伝子組換え)となっています。これらの種子は、種取りをするのではなく、作付けの度に毎回種苗会社から種を購入します。

一般的に、遺伝子組換え種子については、その安全性の面で様々な視点から議論がされているところであり、現在日本では生産することはできません(ただし、飼料用として大量に輸入していますが)。しかし、F1種子については、安全であるという見方が一般的のようです。(参考:F1の種は本当に危険なのか?背景から読み解く

 

しかし、種取りをせず、毎回購入するF1種は、「生物は環境に適応していく」という自然の摂理に反しているように思います。本当に、単純に安全であると言って、安心できるものなのか?本記事では、F1種子の弊害についてまとめてみます。

菌根菌

 

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2022年06月02日

『稼ぐ農』シリーズ10 経営する力って何?

さて、いよいよ稼ぐ農も最終回です。これまでの追求で見えてきたのが農業で稼ぐとは組織作りであり、経営する力であるということのようです。農業を生業として産業の中で勝ち続けていくには様々な力が必要であることは明らかですが、中でも経営する力、商売をする力が重要になります。

ただ、経営と言ってもいろんな視点があり、今回はそれを大きく4つに分けて考えてみたいと思います。

 

  • 常に挑戦者であれ!

これまで様々な農業の成功者、稼いでいる人たちの事例を見てきましたが、彼らはいずれも生き生きと眼の前の課題に対峙しています。自ら新しい可能性を切り開き、トライしていく。そこにはサラリーマンのようなぶら下がりや使われるだけの労働者という意識は微塵もありません。経営をするということは未知の課題の連続でもあり、新しいことへの挑戦の連続だと思います。また、それを楽しめる事も経営者としての重要な素養の一つです。

『稼ぐ農』シリーズ1~稼ぐ力の基盤は何か?

『稼ぐ農』シリーズ3~「1本5000円のレンコンがバカ売れする理由」から観る稼ぐ力

『稼ぐ農』シリーズ6~自分たちでつくって、運んで、売る。が創りだす価値

 

  • 足元の地道な課題こそ稼ぐ原点

農業が突き詰めればいかに効率よく品質の高い生産を上げていくかに尽きるのですが、そのためには細かい日常の課題を丁寧にこなしていくことが必要です。どうやって効率を上げるか、ミスを減らすか、どうやって経費を減らすか、どうやってチームワークを作るか、そういった日々の課題が毎日積み重なっていきます。それら足元の地道な課題ですが、経営する上ではアイデアと同時にそれを実現していくための仕組み、工夫を継続していくことが大切になっていきます。多くの農業企業や個人の農家でさえ、ここの壁を抱えており、決して軽く扱えない課題です。

そこに目を付けたのが阿部梨園の阿部さん。阿部梨園の知恵袋は300のそういった工夫が詰まっており、HP、書籍、講演で多くの同業者の共感を得ています。https://tips.abe-nashien.com/

『稼ぐ農』シリーズ2~現場の緻密な追求と評価こそ「稼ぐ農」の基盤になる~

 

  • 数字で見える化する

農業経営はどんぶり勘定と言われています。どれだけの人工を投じてどれだけ生産したか、それを細かく管理して見える化している企業は意外と少ないと思います。

さらにどこに無駄な経費がかかっているか、どの部門やチームが効率が悪いか、また生産効率をよくするにはどういった工夫をするか、販売単価はどこまでが適正かなど、先月から同数字が変わったか、すべての課題を数字化し、常にみんなで共有していく。環境に影響される農業だから数字では表せないという感覚を捨て、全て数字化して客観的に評価していく。自然相手だからこそ逆に数字化していく、だから手に負えない自然に何とか対峙できる。今月はどれだけ稼いだかがみんなにわかる、そういった仕組みが農業の経営にこそ不可欠です。

 

  • 全員経営が農業には向いている

農業にふさわしい経営者とはなんだろうか?企業が農業を担う時に一番壁になるのが、雇用と従業員という枠組みです。
賃金、時間外労働、退職、教育と様々な人にまつわる課題が横たわっています。
また、社長ー部長―課長ー係長―・・・農業の企業にはそぐわない。

しかし、誰かが会社担い、リードしていかなければ立ち行かないのも事実です。高い意識で組織を作り、リードしていく人は必要不可欠ですが、それだけでは回りません。日々の生産は経営者も従業員も立場を超えて自ら担い、動き、生産から販売まで担う。自ら担うからこそ、様々なアイデアも挑戦も生まれていく。農業はどこまでいってもプレイングマネージャーです。農業を企業でやっている会社はどのように働く仲間を継続させ、さらに同志にしていくかが難しく、いろんな方法で取り組んでおられます。

例えば全員が経営者になり、全員で経営課題と現業課題を担う仕組みをとっているのがシリーズ6で紹介した類農園です。またシリーズ2で紹介したサラダボウルも同様に雇用―労働といった壁を「カイゼン」というシステムで突破していこうとされています。

これらの事例を見ると、経営する=稼ぐ=組織を作るという事になると思います。どうやって農業企業の組織を作っていくか、それが稼ぐ事であり、稼ぐこととは自分たちが生きていく全員経営者の共同体を作っていく事と同義だと思います。

そういう意味で(1)に戻りますが、稼ぐ農=集団をつくり社会に開いていく挑戦者であれ!ということだと思います。

『稼ぐ農』シリーズ6~自分たちでつくって、運んで、売る。が創りだす価値

『稼ぐ農』シリーズ2~現場の緻密な追求と評価こそ「稼ぐ農」の基盤になる~

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2022年06月02日

【コラム】類学舎「農業研修プログラム」紹介①:おしゃべりばかりして、まじめに課題に向かわない小学生。「楽しみたい」気持ちの背後にある本当の期待は?

全日制の類学舎では、答えのない課題を仲間と追求する「探求」、現実の圧力の中でどうする?を考える「仕事」を毎日のカリキュラムに取り入れ、社会で生き抜く力を磨いています。

その類学舎が、この春から新たに取り入れたカリキュラムが、毎月1回1週間、類農園に泊まり込みで行う「農業研修プログラム」です。

仲間と一緒に生活し課題に立ち向かうことで、農業技術の習得に留まらず、生活習慣や、ものごとの捉え方、周りへの感謝の気持ちを育むなど、人間性の育成もめざしています。

 

今月の最初のチームは高校生2人小学生4人の男子6人。農業研修プログラムも2ラウンド目に入ったので、高校生2人には「チームのまとめ役」を期待しました、期待を受けた高校生は意気込んでいたのですが、、、、

高校生は課題意識が強いので、時間や成果を意識して業務に取り組めますが、小学生は気を抜くとお喋りし始めて手が止まってしまい勝ちです。それに対して高校生は、チームとして成果を出そうと注意をするものの、なかなか思うようにいきません。
「どうしたら小学生がまじめに課題に取り組むようになるの?」
高校生は、いろんな人にアドバイスをもらいに行き、そこで得た答えは次のようなことでした。

「『おしゃべりしないで課題に取り組め』では、うまくいかないよ。小学生がおしゃべりするのは、なぜだと思う?
楽しみたいから。もっと正確に言うと充足したいから。課題意識で取り組む高校生とは違って、小学生は潜在思念に素直なので、充足できるかどうかにとても敏感なんだ。

おしゃべりして成果目標が達成できなかったら、本当は充足できていないんだよ。小学生が充足できているかどうか、小学生が何を考えているのか、もっと親身になって話を聞いてごらん。」

おしゃべりすることは悪いことではなく、むしろ一体感を作るのに必要なことです。どうすればみんなが充足できるのか、みんなは何を求めているのでしょう?
そこで、「農業研修プログラムに参加に際して、どういう期待感やわくわく感を持って参加したのか」をみんなに聞いてみました。
そこで出てきたのは、

・(初回参加でダメだったところを、今回で)もっと成長したい
・もっと仕事に向き合えるようになりたい
・作業を通じて積み重ねや工夫をして、成果を出せる頭の使い方を身に付けたい
・去年の合宿で成長したことを生かせるようになりたい
・プログラムを学んで、もっと人の役に立ちたい
・農業で生きていくのも良いなと思って参加した

というものでした。
「楽しみたい」という気持ちの背後に共通してあるのは、「成長したい」「みんなの役に立ちたい」という想いです。小学生だけでなく、高校生も社会人も本当に求めているものは同じだと思います。
その想いに応えることで、みんなが充足し、仕事の成果も上がります。類学舎生同士だけでなく、類農園の社員・パートさん、ご飯を持ってきてくれる飲食店さん、地域の方々や生産者さんなど、農業研修プログラムに関わる全員が充足し、全員の活力を上げることが新たな目標になりました。


来月は、農業研修プログラムも3ラウンド目に入ります。来月も、子供たちの成長ぶり、あるいは、新たにぶつかった壁など、類学舎生の様子をお伝えしますので、お楽しみに。

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2022年05月28日

【コラム】レタスの食べ比べ大会!カットレタスの味が薄いのは・・・

レタスの旬の時期がやってきましたね。

一口に「レタス」と言っても、様々な種類があります。

サラダによく使われるリーフレタス、火を通してもシャキシャキしている玉レタス、お肉など具材を巻いて食べるサニーレタスなど。

 

同じ種類でも、いくつもの品種があり、味も見た目も違います。さらに、保存方法や期間も様々。

一体どんな違いがあるのか?

今回は4種類の「玉レタス」で、食べ比べをしてみました☆

見た目からまず違いますね・・・

今回比べたのは、左から「直売所に売っている朝採れの玉レタス」「直売所に売っている玉レタス」「スーパーの玉レタス」の3種類に「カットレタス」を加えた4種類。

 

いざ、食べ比べ!

 

 

 

みんなの感想は・・・

1番「スカスカしてる。栄養が抜けている感じ」「味が薄い~」

2番「見た目が元気がない」「味は一番甘い!」「水っぽい」

3番「シャキシャキしている」「ずっと食べたくなる」「みずみずしい」

4番「味がしっかりしている」「見た目は一番新鮮そう」

 

 

正解はこちら!

 

 

1番 カットレタス

2番 スーパーのレタス

3番 直売所のレタス

4番 直売所の朝採れレタス

 

2~4番は好みが別れたところもありますが、

共通していたのは、1番のレタスの「味の薄さ」

その理由は、実はカットレタスの処理方法にあります。

 

カットレタスは、その名の通り、カットされて袋詰めされた状態で出荷されます。

(丸いままのレタスはしばらく置いておくと褐色になるのに、カット野菜は変色しない、なんてこともよく言われていますよね。)

ただ単に小さくしているだけではなく、袋詰めされる前に、消毒・殺菌されているからなんです!

殺菌方法もいろいろあります。(https://vegetables01.xyz/archives/4917より引用)

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■薬品を利用した雑菌消毒

カットレタスの雑菌消毒に使用する薬品として最も有名なのが、次亜塩素酸ナトリウムです。

雑菌消毒の時にカットレタスに付着した次亜塩素酸ナトリウムは、十分な水洗いと脱水処理など十分な衛生管理が行われ、コンビニやスーパーに並びます。

 

■オゾンを利用した雑菌消毒

オゾンは自然界にもある一般的な物質で、3つの酸素原子で構成される酸素の同素体です。

そのため、薬品を使う方法と比べて環境に優しく安全性が高い雑菌方法のようです。

消毒液の除去目的の洗浄が不要のため、レタスの栄養流失も少なくてすみます。

 

■電解水を利用した雑菌消毒

電解水は水と塩を電気利用して作られる水の事です。

電解水は洗浄力に優れたアルカリイオン水や除去力に優れた酸性電解水など、特徴を持つ種類があります。

薬品を使わないので、クロロホルムなどの生成物が発生しにくいので、地球環境に配慮した雑菌消毒法だと言えます。

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切った状態で薬品や水分に何度も浸けられると、切り口から栄養もどんどん抜けてしまいます。。。

 

「子どもが直売所の野菜なら喜んで食べる!」なんて声もありますが、実は野菜嫌いというより、農薬や塩素の味が苦手なだけなのかもしれませんね。

 

これからも野菜の選び方や品種の違いについて、食べ比べして発信していきたいと思います!

お楽しみに☆

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2022年05月28日

「稼ぐ農」シリーズ9:野菜の品質ってなに?食べ手が求める野菜とは?

「稼ぐ農シリーズ」も9回目となり、終盤に入ってきました。

これまで様々な事例をご紹介してきましたが、「売れる野菜とはなにか?野菜の品質とは?」について今回は扱っていきたいと思います。

 

有機野菜・無農薬は当たり前の時代

有機栽培、無農薬栽培が世間で知られるようになってから久しくなります。

健康に良い、持続的な栽培方法が、当たり前に近くなってきた時代において、求められる野菜の品質は様々になってきているのではないでしょうか。

有機栽培に食べ手は感心はするものの、それをきっかけにファンになることはほとんど無いのが現実です。

 

農家さんが「自分の野菜は一番」と感じていても、自身が栽培した野菜を何度も買ってもらうこと=ファンになってもらうことができなければ稼ぐ農は実現できません。

なぜなら、稼ぐ農を実現するために必要な「自前の流通網を獲得していく過程」においては、ファンを獲得し、ファンのネットワークを広げていく活動が、不可欠だからです。

 

自慢の技術力も、実際に「お客さんに食べてもらって、そしてファンになってもらって」初めて意味あるものになります

しかし、ファンをつくり、自前の流通網をつくることは、じつはむずかしい課題です。

 

野菜の品質は求める人によって違う、技術力も違う

おいしいも十人十色で人によって感じる方が違うし、どのように料理、加工するのかなど使い方によって野菜の作り方も全く違います。

 

例えば、カット野菜は工場でカットした後に消毒のために次亜塩素酸による消毒と水洗いを何度も繰り返すため、その過程でヘタらないように水を少なくして硬い野菜を栽培します。

 

ほうれん草など、通年で一定の供給量を確保することが大切な野菜であれば、安定供給を行うために工業的に管理する必要があり、温室の環境を機械的に調整したり、培養液の作り方を変えたりしています。

 

また、高級なレストランで使う野菜であれば、どのような料理を作りたいのか、魅せたいのかに応じて、大きさを変えたり、作り方を変えたりします。

 

すなわち、「どのような人に喜んでほしいのか?」によって「求められる技術力」は全く異なるのです

総理大臣賞などの賞を獲得するなど仲間内で評価されても、最後は食べ手に求められる食べ物を作っていけなければ「稼ぐ農」は実現できません。

 

久松農園を経営する久松氏は著書の『キレイゴトぬきの農業論(新潮社 久松達央)』のなかで、こう語っています。

『つくり手にとっての“一級品”が食べ手にとって一級品であるかは別問題です。

別な言い方をすれば、仲間に褒められたくてつくっている野菜には、お客さんは感心しても感動はしないということです。』

 

つまり、ファンを作るために必要なのは、「つくった野菜で、いかにお客さんに喜んでもらえるのか?」ということなのです。

これは第1次産業である農業においても、食べ手(=消費者)の想いを掴み、その欠乏を実現するために技術力を高めていくという、世の中の企業と同じ力が求められるということです。

 

◯自前の流通網=ファンを増やすために必要なのは?

稼ぐ農を実現するためには「自前の流通網を作る」、「他の業態以上に利益を上げる」には、どれだけ食べ手が求めるものを感じられるのかが重要になります。

「農協に卸して終わり」では、いつまでたっても食べ手の求めるものを感じられません。

 

求めるものを掴んでいくためには、お客さんと繋がっていく必要があります。

しかし、そのためにはまず「食べ手に生産物のことを知ってもらう(ブランディング)」が重要になる。

 

類農園で扱っている人気商品の「浦さんの玉レタス」も直売所で扱い始めてから数年掛けて、ファンが定着してきました。

その他にも類農園では「おやつトマト」「とろとろナス」など、農家さんの魅力ある野菜をブランディングし、ファンを増やしていく活動を行っています。

食べ手に喜んでもらう野菜をつくることも大切ですが、同時にどれだけ生産した野菜の魅力を感じてもらえるのか、買ってもらうきっかけを作れるかが重要になります。

知ってもらう、食べ手に「また買いたい」と感じてもらうためには、商品のおいしさはもちろんですが、魅力に感じてもらうための「ストーリー(モノ×文脈)」のブランディングには重要です。

 

会員消費者を中心に野菜を販売している「久松農園」は、販売先、求めるお客さんに応じて売り方やセット商品の品目を変えて販売し、調理方法を発信(VegeRecipin)することで自分たちの野菜の魅力を知ってもらいファンを獲得しています。

 

 

久松農園ホームページ

 

「人間は脳で食べている」と言われるほど、現代人は生きるためだけでなく、楽しむために食べる人が多い時代

生産者も、どうすれば食べ手に楽しんでもらえるかを提案していけるかが大切になるのです。

同時に、どのような価格で販売すればお客さんに買ってもらえるのかという、シビアな経営感覚も重要になります。

 

稼ぐ農を実現するために、どのような力が必要になる?

稼ぐ農を実現するために必要な力。

・求める人の欠乏=市場の流れを掴む力

・求める人の欠乏を実現する技術力

・食べ手に生産物の魅力を知ってもらうブランディング力

・どのような価格であれば食べ手に買ってもらえるのかという経営感覚

 

すなわち、農業に求められるのは企業と同様に「経営する力」なのです。

 

これまでのシリーズでもご紹介してきたように、売れる野菜、稼ぐ農を実現するためには技術力と経営力が一体で必要となります。

久松農園さんやRED APPLEさんが多様な人材を集めて集団化していくのも、「技術力」と経営力を高めていくためなのだと思います。

 

<参考文献>

・キレイゴトぬきの農業論(新潮社 久松達央)

久松農園ホームページ

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2022年05月21日

「稼ぐ農」シリーズ8:稼ぐって何?

稼ぐ農シリーズも8回目になります。
今回はこのシリーズのタイトルにもなっている「稼ぐ」について扱っていきます。

農業に限らず人々は生産活動をする際に成否のものさしにするのが「稼ぐ」という結果です。
いくらよい仕事をしても稼げなかったら評価されていない、必要とされていないとイコールなのです。或いはこういう考え方もあります。稼ぐのは単に努力と結果だけではない。普通にやっていればそう稼げない。競争に勝ち抜き、凌ぎを削り、知恵と工夫を重ねていく。その先にようやく少し稼げる。そういう稼ぐ為の同類の戦いを勝ち抜く事が稼ぐっていうこと。

工業生産の発想を使えば何時間でいくら生産したか、生産効率をどう上げるかというものもあるし、市場経済の発想を使えばいくらの原価で付加価値である利益をどう上げたか。経費をどう抑えるか、人件費をどう抑えるかというのも稼ぐためのポイントになります。逆に言えば農業においてこの工業生産、市場経済の論理がそのまま繋がるのかというのが興味深いというか追求ポイントになると思うのです。

農業は工業生産とは違い自然が相手です。天候や雨、台風の程度によっては全く生産があがらない場合も少なくない。虫や菌や動物といった外敵要因も作付けに大きく影響する。さらに味や形を均質で市場化するには多くの手間を擁します。豊作の時は価格がさがり、貧作の時は作物が出荷できない。さらにいくら機械化が進んだとしても、多くの作業は人の手に委ねられます。百姓に代表されるように様々な技術を駆使し、伝えられないような能力も必要とします。農業を数年間やり続けてやっと1人前になれる。そういう高熟練を求めるのも農業です。

そう考えると、農業は儲かるはずがないという諦観にも繋がるのです。

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さて、その上で敢えて稼ぐ農って何?どうやって稼ぐのかについてリサーチしてきました。
いくつか稼いでいる事例や稼げそうな方法論も紹介してきました。それらを全部試してみる、実践することが稼ぐ農に繋がるのでは・・・という思いで振り返ってみます。また、それらの最後にやっぱり稼ぐってなんだろうを提起していきたい。全部やることが稼ぐって事ではないという思いもあります。

『稼ぐ農』シリーズ1~稼ぐ力の基盤は何か?

「農業の新しいカタチを創る」をビジョンに掲げるサラダボウルだ。「新しいカタチを創ると言っても、何か特別なことをしたということではありません。他の業界で当たり前に行われていることを、ただ農業にも取り入れてきただけです。なぜつくるのか、こだわりはなにかといったコンセプト、また、どのように伝え、届けるのかという生産者自らの創意工夫が「価値」として消費者に支持される。

代表の田中氏は、元々は銀行員、その後は外資系生命保険会社に勤務。
異業種で培ってきた経営感覚が、農業の現場でも活きている。

『稼ぐ農』シリーズ2~現場の緻密な追求と評価こそ「稼ぐ農」の基盤になる~

サラダボウルの取り組みで目を引くのが「カイゼン」という活動です。
これは、生産効率を上げるため、各スタッフが主体で現場での作業や体制の改善ポイントを追求するという取り組み。
上層部ではなく、現場のスタッフが主体となって考える。マネージャーはその提案の課題を挙げ、またスタッフはブラッシュアップする。
「現場における細やかな追求と評価が組織を高める」という強い意志を感じます。

『稼ぐ農』シリーズ3~「1本5000円のレンコンがバカ売れする理由」から観る稼ぐ力

「新企画の商品によって、つくられる最終商品は、新しい社会のありようそのもの」であり「社会の需要が潜在している商品をつくろうというのではなく、新企画商品を受容する社会そのものもセットで形つくろう」といっています。
僕たちが本当に作らなければならないのは売りやすい商品ではなく農家が心を込めて大切に育てた作物を、本当に大切に扱ってもらえるような社会なのではないでしょうか」僕は農家は何よりも生産者としての矜持(きんじ)を見失ってはいけないと思っています。
そのような熱意は、最終的な消費者にも伝わるものなのです。結果的にそのような商品や食材が売れることになる。「どうやったら売れるか」は確かに大事ですが、「商品力を高めること」は、それよりももっと大事なのです。

『稼ぐ農』シリーズ6~自分たちでつくって、運んで、売る。が創りだす価値

生産・流通・販売、これらを一体のものとして展開してこそ、農業経営の可能性は大きく拓かれる。それを類農園は現実の経営活動をもって実証しようとしています。地域が抱える課題もそこから生まれる期待も、当事者として受けとめ経営の志としていく。
なんであれお客様からの生の声は、生産者にとって大きな活力源になります。「次はもっと良いものを」という生産者の意欲の高まりは、店頭に並ぶ商品の質をさらに高め、売場はより魅力的なものになっていきます。類農園は自ら生産と販売の両方を担うことで、日頃から生産者と消費者双方に正面から向き合い続けています。

『稼ぐ農』シリーズ7~集団化したリンゴ農家、産業を変革する新しい農のカタチ

「リンゴ作りのプロ集団」となるべく日々追求している農業法人~企業で農業に取り組んでいる「株式会社株式会社RED APPLE」
日本では「りんご栽培は手がかかるほど良いものが出来る」という考え方をする農家さんが主流で、「りんご作りは職人の技」のように語られることも多いです。私たちは、栽培ノウハウを提供しコンサルティングするという立ち位置で関わっていますが、彼らとの関わりをきっかけに、私たち自身の畑でも高密植栽培のみならず、世界の最先端のりんご栽培手法を学び、資材を取り入れて栽培にチャレンジしています。
日本におけるりんご産業を守るのだという視点に立ち、取り組んでいます。この業界は今後大きく変わっていく必要があります。社員それぞれが自分の意志をもち、みんなで進んでいく。そんな組織に徐々になってきていると実感しています。―――――――――――――――――――――――――――――――

これらの記事は農業による稼ぐっていうヒントを与えてくれています。
改めて稼ぐってなんだろう?を問うてみます。まだ、最終回でないのでたたき台です。

まず稼ぐっていうのは以下のイメージです。
・農業専業で他の業態と同等以上に利益を上げる。
・それを実現するために集団で勝つ。
・生産、流通、販売を一連に自前で開拓しそれぞれの部門からのフィードバックを生産現場に反映させる。
・自らの集団だけでなく周囲の農業集団、さらに地域全体に必要な存在になる。
・農協を通さない。自前の流通網を作る。
・技術を高度化する。現場は常にカイゼンを試みる。
・集団の成員が生き生き働ける環境を作る。
・生産者としての矜持(きんじ)、熱意を持ちそれを消費者に伝える。
・消費者が求めるものを作るだけに留まらず、新しい商品を受容する社会を作る。
・自集団だけでなく、農業業界全体を変える志を持ちネットワークを作る。

これらを確実に実践していく事が稼ぐっていう事の中身ではないかと思います。またそれには企業として農業を取り組み、使い使われるという雇用、労働者の発想から自ら組織を担い、育てていく経営者の発想が求められます。稼げない農業を企業で取り組み成功していくというのはそれらの実験でもあり、挑戦なのではないかと思います。

挑戦の先に成功があれば一つの「新しい農業のかたち」として後に続く事もできるでしょう。

 

 

 

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2022年05月19日

【コラム】タネの多様性を守り続ける、ミャンマーの草の根ネットワーク

日本の9割以上の種子(タネ)は、その土地で収穫されたものではなく、種苗メーカーの手によって品種改良された1代限りの種子が広まっています。その土地に根差した農作物が世の中から無くなってしまうこと、そして、改良された品種による人体への影響が分からないことなどには、危機感を感じます。

そのような世の中に変わりつつある中で、草の根的に種子の多様性を地域で継承し続けている国が、ミャンマーです。集団原理に根差した、理にかなった種子交換システムが、町や村を超えて行われている。

画像は、こちらからお借りしました。

 

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