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2022年03月11日

【世界の食と農】まとめ~世界の農を巡る覇権争いは、これからどうなる?~

これまで11回にわたり、さまざまな国家の農と食を取り巻く可能性や課題を見てきました。今回の投稿では、ここから見えてきた世界の農を取りまく覇権争いについて考え、これからの時代にどうなっていくのか?を見ていきたいと思います。

『穀物生産量ランキングマップ』

【これまでの投稿】
アメリカ編: 大規模農業と、市民発の新しい萌芽(第1回)(第2回)(第3回
オランダ編: 世界トップレベルの生産力を実現(第4回)(第5回
ロシア編 : 自給自足の実現/脱GMOから新市場へ(第6回)(第7回)(第8回
中国編  : 量から質への転換/農業の機会か(第9回)(第10回
ブラジル編: 南米最大の農業大国が強い種子づくり(第11回

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■世界の覇権を握る国が、食・エネルギー・金融を握ってきた
これまでの投稿で見てきた通り、各国家の農を取り巻く状況は、国家支配の歴史を強く引きずったものとなっています。

古くは、18世紀の産業革命・大航海時代を受け、主には欧州(ポルトガルやスペインなど)が、南米や東南アジア・アフリカを支配してきました。そして、支配された国では、極端に偏った「商品作物(コーヒー・サトウキビ・紅茶など)」を栽培し、支配している国に流通させる構図が出来上がりました。(モノカルチャ―に陥る構造)

支配する側の国は、ほとんど変わらずに200年以上にわたって食・エネルギー・金融を支配し続けています

18~19世紀は、欧州国家(イギリス)が世界を牛耳り、20世紀は、アメリカが世界を牛耳ってきました。日本も例外ではありません。第二次世界大戦で敗けて以来、日本は、アメリカからの農産物を大量に輸入せざるをえない構図が作られ、弱体化されてきました。

 

■現在は、アメリカとロシアと中国の力が拮抗
現在は、世界を取り巻く農業の力学構造が、非常に拮抗しているように見えます。その国は、アメリカ・ロシア・中国の3ヶ国です。

アメリカは、近代農業をけん引してきた雄として、化学肥料・大量生産型の農業で、支配している国家に売りつけています。

中国は、世界一の人数を誇る強みを生かし、人海戦術と大企業の力を使って、農の機械化を図り、食の覇権を握ろうとしています。

ロシアは、近代農業と決別し、脱GMO(遺伝子組み換えではない)農産物の大量生産で力をつけ、アメリカ・中国に対抗する勢力を味方につけようとしています。

この3ヶ国の巨大な力が、世界の農と食を動かしていると言っても過言ではありません。生存上不可欠である食糧の、世界の生産量と価格決定権を握っており、それ以外の国は、国民の生命を預かっている以上、大きな口は出せないという構図です。

 

■新しい可能性を切り拓くのはロシアか?
今後、世界の農のかたちを大きく転換させていく可能性があるのは、ロシアだと見ています。

画像はこちらからお借りしました。

ロシアは、現在ウクライナとの戦争が勃発している最中ではありますが、この根底には、世界の力学を大きく変えていこうという目論見も見え隠れします。
その最も大きな構造転換が、「基軸通貨をドルから、金本位制に転換させる」ことです。これは、アメリカ支配の世界から、ロシア主導の世界へと大きく転換させる力を持っています。
『ロシアが金本位制へ移行・・・プーチンの最終目的はドル潰し→通貨発行権を国家に・・・金貸しの終焉』

 

ロシアの一番の力は、近代科学に代わる「新しい科学を実社会で実現する技術力」を持っていることです。

例えば、

  • 原発に代わる、新しいエネルギーシステムの構築
  • 近代医療に代わる、人体の仕組みに根差した新しい治療方法への転換
  • 近代農業に代わる、生態系に根差した新しい農法の確立

画像は、こちらからお借りしました。

いわば、これまで100年以上にわたって工業生産→環境破壊・生物破壊を続けてきた科学技術を転換させ、自然の摂理に根差した新しい科学理論・技術の基盤が、ほぼ整っているのではないかと見ています。

そしてロシアは、その力をもってして、世界の新しい覇者になっていこうとしているのではないかと考えられます。日を追うごとに、世界の大転換の兆しは高まっています。

これからの時代を読み、私たちは今なにをすべきか?を追求すれば、実現の道が拓かれる時代になっているとも言えます。だからこそ、これまでの常識にとらわれずに、事実を追求し、人々の期待に応えていく農業をともに作っていきましょう!

最後までシリーズを読んでいただき、ありがとうございました♪

投稿者 hasi-hir : 2022年03月11日 List   

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コメント

すばらしい。日本も政府を変えたら
日本人で本当の農業をやっていけるのでは。あきらめない人達が中心になって。

投稿者 齋藤トモ子 : 2022年3月14日 08:49

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