2022年07月14日

【ロシア発で世界の食糧が変わる】4~小麦の価格高騰は世界で革命を起こしてきた~

これまでの記事でもロシアやウクライナが世界有数の食糧輸出国であることをお伝えしてきました。

ロシアは世界最大の小麦輸出国であり、ウクライナは世界で5番目に小麦を輸出している国です。

この2つの国だけで世界の3割近くの小麦を供給しており、ロシアによるウクライナ侵攻にともなう輸出停止、各国の経済制裁による輸入制限は世界の食糧事情に大きな影響を与えます。

 

・ウクライナとロシアの世界における輸出量 FAO / Our World in Data, CC BY-SA

※画像はこちらからお借りしました。

 

ウクライナは輸出できない小麦が港に溢れかえっており、侵攻によって畑は攻撃の爪痕が残されています。

今年はウクライナの「小麦収穫量が半分になる」と予測されており、収穫量を戻すには長い時間を要するため世界各国への影響は長期に及ぶ恐れがあります。

 

・ウクライナ南部ムィコラーイウの小麦畑に落下したミサイル Vincenzo Circosta/ZUMA / Alamy

※画像はこちらからお借りしました。

(参照:ウクライナの小麦収穫が半分以下に。世界に及ぼす影響とは)

 

小麦の価格高騰は世界に革命を引き起こしてきた

前回の記事でも触れたように、イランでは小麦粉の価格が3倍にまで急騰しています。

食糧は日常に欠かせないものであり、主食の材料として利用される小麦価格の高騰は人々の生活に大きな影響を与えます。

実は、この小麦価格の高騰は世界各地における「革命のきっかけ」となってきているのです。

・チュニジアの反大統領デモ(2011年1月)

※画像はこちらからお借りしました。

 

 

記憶に新しい「アラブの春(2010~2012年)」は小麦の価格高騰をきっかけに、高まっていた反政府の意識が爆発し、アラブ諸国全体を巻き込んだ大規模反政府デモに発展しました。

 

中国における「天安門事件(1989年)」も、穀物価格が高騰により生活の困窮が強まり、学生が主導した民主化運動を引き起こすことに繋がりました。

この事件はいまでも中国政府が「放漫財政によって物価高を招けば、社会が不安定になり共産党独裁体制の土台が揺らぐ」と懸念するほどの影響を与えています。

 

そして、「フランス革命(1789~1795年)」も王族や貴族の圧政下で苦しんでいた市民が、当時火山の噴火に伴う小麦の不足により価格が高騰により一般庶民の人々がパンを買えなくなったため、革命を起こしました。

 

庶民の人々は国家に対して不満をいだいていたとしても、投獄や処刑されるおそれがあるため、一定の生活苦を耐えることができます。

しかし、生活になくてはならない食糧の価格が高騰することで、食糧難におちいった人々の我慢は限界を迎え、革命を引き起こします。

 

小麦の価格高騰は何を引き起こすのか?

※画像はこちらからお借りしました。

 

今回の世界的な小麦価格の高騰により、世界各地で革命の機運が高まっています。

実際に冒頭でも紹介した、小麦粉の価格が3倍にまで高騰しているイランにおいて、5月に「小麦価格の急激な上昇に対して抗議する大規模な反政府デモ」が起きています。

イランだけでなく、世界各地で食料価格の高騰に伴う、革命の機運は日々高まっているのではないでしょうか。

 

(参照:イランで主食の小麦粉価格が「 300% 急上昇」し、大規模な反政府デモが拡大)

 

価格が高騰するのは小麦粉だけではない

また、ウクライナはトウモロコシを年間で1500万トンを世界に輸出しています。

このトウモロコシは家畜の餌として利用されていますが、10年ぶりの高値と言われる状況に陷っています。

この状況は家畜に与える餌の価格に直結しており、結果として卵や肉などの畜産品の価格高騰に繋がります。

 

ロシアのウクライナ侵攻は、小麦粉だけでなく、様々な食糧の価格高騰につながり、世界の食糧難を加速させます。

そして、人々の不満はさらに高まり、世界各地で反政府デモが引き起こされる恐れがあります。

 

(参照:トウモロコシ なぜ10年ぶりの高値?)

 

すべてはロシアの思惑?ロシアの農業改革は革命のためにあった?

※画像はこちらからお借りしました。

 

ロシアは連邦解体以降、近代農業への転換など、徹底して農業政策に取り組んできました。

その結果、世界でも有数の農作物の輸出国としての地位を不動のものとし、世界への影響力を高めてきています。

 

ロシアのこれまでの農業改革は、今回の世界的に変革の機運を高め、世界を変えていくために行っていたのかもしれません。

事実、輸出停止により世界を食糧難に陥らせ、世界的に革命前夜の様相が現実のものとなってきています。

 

ロシアが農業改革によって世界的な食料事情への影響力を高め、今回のウクライナ侵攻による世界的な食糧危機はつながっているのかもしれません

 

次回は、ロシアの農業政策や歴史に触れ、同国の思惑についてもう一段深く掴んでいきたいと思います。

 

【参考サイト】

習近平も「震えている」…! 世界の“食糧不足”でこれから「本当にヤバくなる国」の名前

日本も他人事でない世界の食料危機 対ロ制裁の代償、各国に跳ね返る 輸入依存国ほど事態深刻

アングル:世界で止まらぬ食品インフレ、新興国に社会不安懸念も

価格高騰で世界食料危機の様相 ウクライナ危機が拍車かける OECD消費者物価指数8・8%上昇

 

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2022年07月14日

コラム|ミニトマトの食べ比べ!甘さには〇〇が関係している!?

梅雨が明け、いよいよ夏本番。

夏の野菜と言えば「トマト」!ということで、前回のレタスの食べ比べに続いて、今回はミニトマトの食べ比べを実施しました☆

 

今回はこちらの5種類!

スーパーで購入したものを2種類、直売所で購入したものを3種類用意してみました。

いざ食べ比べ!

見た目は大きな違いはありませんが、食べるなり「DとEはスーパーのやな。味が全然違う!」と一瞬で見抜かれてしまいました(^_^;)

 

直売所で買ったミニトマトのみんなの感想は・・・

A:シャキシャキしている。色によっても味が少しずつ違う。

B:サイズが大きい。おやつトマトという名前の通り、他に比べると甘い!

C:ゼリー状の部分が少ない。甘さの中に酸味がある。いくらでも食べられる♪

 

 

普段、農家営業の仕事をしているOさん曰く、

この味を常に維持するために、養液栽培をしている農家さんもいるんだとか!

配電盤で肥料の管理などができるので、土耕栽培より環境によって味の変動が少なくなるそうです。

また、水耕栽培で夏だけでなく、1年のうち11ヶ月収穫できるような品種も。

もはや“旬”が失われつつありますが、いつでもおいしいトマトが食べられるというのは、消費者にとってはありがたいことなのかもしれません。

 

一番甘かったBのおやつトマトは、栽培中に水を少なくすることで、甘さを引き出しています。

水分量が少ないと、なぜ甘さが増すのでしょうか?

さらに、他の種類も調べてみると、どうやら「甘さ」には「水分」と「大きさ」が関係していることが分かってきました。一体、どういうことなのでしょう?

以下、『人気の高い「高糖度トマト」の栽培技術https://www.kaku-ichi.co.jp/media/crop/high-sugar-content-tomato』より紹介します。

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■高糖度トマトを生み出す栽培技術

販売されている高糖度トマトのサイズはどれも小さいのが特徴ですが、実は大玉トマトを利用して栽培しているものがほとんどです。

というのも、トマトには果実の大きさと糖度に相関関係が認められています。大玉トマトの果重を小さく栽培すると、糖度が上がるのです。

高糖度トマトをつくりだす代表的な栽培方法が「節水栽培」です。水分ストレスをかけ、果実が大きく育たないように栽培することで、糖度を上げる方法です。

 

■高濃度トマト栽培のポイント

高糖度トマトづくりは、通常のトマトの栽培方法とは異なる栽培方法で行います。節水栽培によるストレスに耐えられるものである必要もあります。

そのため、元々甘味の強い品種を選ぶ/障害果が発生しにくい品種を選ぶ/節水栽培しても小ぶりになりすぎない品種を選ぶことが大切です。

 

果実の大きさと糖度に相関関係が認められていますが、はじめて高糖度トマトに挑戦するのであれば、甘味が強い、障害果が発生しにくい、病気になりにくいといった条件の揃った「中玉トマト」や「ミニトマト」の品種を利用することをおすすめします。

 

おすすめの品種は、フルティカ/千果/桃太郎ファイトなどが挙げられます。フルティカは、高糖度トマトづくりに比較的取り組みやすい中玉トマトで、元々糖度が高く、実が割れる率も少ないためおすすめです。ミニトマトである千果も、元々糖度が高いのでおすすめです。葉かび病などに耐性のあるものを選ぶと、より挑戦しやすいですよ。

 

■水分量に注意しよう

果実が大きくなる時期に、いかに水を少なくするかが高糖度トマトをつくるうえでのポイントです。ただし、枯れてしまっては意味がありませんから、土壌水分測定器などを活用しましょう。

例えば与える水の量を、土壌水分測定器の数値がpF2以上になるように調整すると、糖度8%以上の高糖度トマトが栽培できる可能性が高くなると言われています。

しかし、よりいっそう付加価値の高い高糖度トマトを目指すのであれば、日々トマトの様子を観察し、水分量を適宜調節して、データを測定していくことをおすすめします。

なお、果実が育てば育つほど、水分ストレスによる効果が小さくなってしまうと言われているため、開花後できるだけ早く水の量を制御することがトマトの糖度を高めるポイントです。

 

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家庭菜園でも人気のミニトマト。

ぜひご家庭でも「高濃度トマト」に挑戦してみてはいかがでしょうか?

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2022年07月09日

【ロシア発で世界の食糧が変わる】3~食糧急騰や国家破産。革命前夜の世界。~

前回の投稿では、ロシア・ウクライナ侵攻を機に、ロシアは食糧の輸出制限をかけている実態と、同様に、ウクライナも輸出できない状況について見てきました。

今回の投稿では、世界の食糧を握る2国の輸出が途絶えた今、世界がどうなっているのか?について状況を見ていきたいと思います。

輸出されずに、滞留する膨大な数のコンテナ。画像はこちらからお借りしました。

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2022年07月09日

『有機農業をまるっと見る!!』シリーズ3:「有機農業」「オーガニック」ってそもそもなに?

前回前々回の記事では、世界と日本の有機農業の実態についてみてきました。

世界の中でも、日本は有機農業への取組みは後進的で、また生産側だけではなく、消費者側の意識も、有機農業の価値や意味への理解が乏しいことも見えてきました。

今回の記事では、改めて「有機農業」「オーガニック」ってなんなの?を整理していみます。

有機JASマーク

■「オーガニック」「有機農産物」とは?

「有機農業」「有機農産物」「オーガニック」を謳ったり表示してOKなのは、国の認証を取得しているものだけです。

これは、所謂「有機JAS法」や「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」で定められています。

 

認証を得るには、以下の条件を満たしている必要があります。

【有機JAS認証の主な条件】

★栽培期間中だけでなく種・苗を植える2年以上前から
原則として化学合成農薬、化学肥料不使用(残留農薬を減らすため)

★農地だけでなく、周辺からも禁止された農薬・化学肥料・土地改良剤が入ってはいけない⇒非有機認証の圃場から2m以上離れていること

★種・苗の入手から栽培、収穫、包装、輸送すべての行程で
汚染がないか管理・記録されている

★遺伝子組み換えの種子を使っていない

この条件を満たし、基準通りの栽培~出荷を行っているか、国の認証機関が毎年監査に来て厳しいチェックを受けます。そこでOKがでなければ認証をはく奪されてしまいます。

 

■「無農薬」「減農薬」「低農薬」との違いは?

「無農薬」「減農薬」「低農薬」は、国や法律で定めた明確な定義がありません。それどころか、表示してはいけませんよ~と、法律で定められている表現です。

なぜかというと、非常にあいまいな表現のため、生産者が思っている「無農薬」と、消費者の捉える「無農薬」が異なっていることが分かったからだそうです。

 

■国の認める表示「栽培期間中農薬・化学肥料不使用」「特別栽培」

農薬や化学肥料の使用状況について、国が定めている表示方法として、「栽培期間中農薬不使用」「栽培期間中化学農薬不使用」があります。

これは、「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」の中で明確に定義が定められています。

「特別栽培」とは、

栽培期間中、農水省の定める節減対象農薬(有機JASで認可されていない農薬全部)及び、化学肥料(チッソ成分のうち化学性のもの)を、各都道府県の定める慣行レベルの半分以下の成分使用回数に抑えて栽培しているものに対して表示することができます。

(栽培期間とは、その圃場で、前作の収穫後から当該農産物の収獲までの期間のほ場管理をいいます。)

慣行レベルとは、農産物の栽培地が属する地域の同作期において当該農産物について慣行的に行われている生産過程で、節減対象農薬と、化学肥料(窒素分)がどれくらい使われているかを、各都道府県が定めていおり、その基準を慣行レベルと呼びます。

 

■「慣行栽培」とは?

これも法律で定められており、「有機農産物」と「特別栽培」の基準に満たないものを慣行栽培と呼びます。

 

■有機農産物=無農薬ではない

有機JAS認証には、認可されている農薬があります。

これらの農薬は、化学合成されたものではなく、自然由来の物が使われているため、認可されています。例えば、菊(シロバナムシヨケギク=殺虫菊)から抽出した成分を使っていたり、バチルスチューリゲンス菌という納豆菌の仲間を使っているものなどです。→1410.pdf (s-boujo.jp)

そもそも「農薬」というのは「農薬取締法」で定められているもので、天然物であろうがなんだろうが、法律で定められていれば「農薬」なのです。なので「すべての農薬は悪」というの認識は改めたほうが良いでしょう。

 

■「自然栽培」「自然農法」とは?

これらの言葉は、法律や国の定めがあるわけではないので、厳格な定義はありません。ですので、使っている人によって意味合いが異なっています。

 

日本国内には、有名な自然農法家が何人かいて、それぞれが定義づけを行っています。

ざっくりとは、有機肥料も含む肥料を使わない、農薬も使わないというのが条件としてあります。そこに、除草をしない、耕起しない、種子は自家採取や固定種を使うことなど、様々な条件があります。

ただし、繰り返しますが統一された定義はないのです。

【代表的な自然農家や団体】

・自然栽培全国普及会(リンク)

・赤目自然農塾 川口由一(リンク

・橋本自然農(リンク

・福岡正信自然農園(リンク

 

 

■「水耕栽培」「養液栽培」とは?

土を使わずに、養液(液肥をまぜた水)の中に根を生やして栽培する方法を「養液栽培」といいます。

養液栽培には、水の中に根を生やす「水耕栽培」、ロックウールと呼ばれる人口繊維のスポンジのようなものに、溶液を含ませて、そこに根を生やす「ロックウール栽培」、養液を霧状に噴霧し、そこに根を生やす「噴霧栽培」があります。

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(水耕栽培のハウス↑ こちらよりお借りしました)

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↑ロックウール栽培

 

日本では、これらの栽培では「有機JAS認証」を得られないことになっており、したがって「有機農産物」「オーガニック」は謡えません。(国の制度によってOKのところもあります。)

また、一般的な認識では「自然農法」「自然栽培」のカテゴリーにも当てはまりません。

 

これに対して畑の土で栽培する方法を「土耕栽培」と言います。土を使っていても、プランターの土で栽培する場合や、鉢の中で栽培する方法もありこれらは「根域制限栽培」と言います。

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↑根域制限栽培(こちらからおかりしました)

■「ハウス栽培」「露地栽培」「施設栽培」「工場栽培」とは?

ビニールハウスや、ガラスハウスの中で栽培する方法を「ハウス栽培・施設栽培」といいます。

一方で、露地畑で栽培する方法を露地栽培といいます。

露地栽培 に対する画像結果

↑露地栽培

ハウス栽培 に対する画像結果

↑ハウス栽培(土耕)

 

補足すると、上記の「養液栽培」は基本的にはハウス内で栽培され、露地では不可能です。

ハウス栽培であっても、土耕栽培されることはあります。

ハウスであるか、露地であるかは、有機認証制度では特に制限されていません。

 

「工場栽培」というのは、空調と光と水を完全に人工的に制限した建物の中で栽培する方法。水耕栽培が基本です。さらに日光の代わりにLEDを使います。外気が入らないような施設で、空調で温度・湿度管理を行います。

「工場栽培」は有機JAS認証は得られません。

ソース画像を表示

(↑工場栽培 こちらよりお借りしました)

 

■F1種子は関係あるの?

遺伝子組み換え種子は明確に禁止されていますが、F1種子を使っていても有機JAS認証は取得できます。

有機JAS認証では、種子も有機栽培されたものを使うことを推奨はしていますが、禁止はしていません。

なぜなら、実際、有機認証を受けた種子を入手することが非常に困難な状況にあるからです。

 

 

 

【参考】

自然栽培(自然農法・自然農)とは? – たべるとくらすと (taberutokurasuto.com)

 

養液栽培研究会 | 連載記事 | 養液栽培とは? (w-works.jp)

 

【永久保存版】いまさら人に聞けない!?意外とややこしい基本の「オーガニック表示・食品表示制度」を徹底解説! 無農薬・低農薬・減農薬・特別栽培・有機栽培・有機無農薬・・この表示 OK?それともNG? (macrobiotic-daisuki.jp)

有機栽培に農薬が使われている!?「有機JASマーク」の盲点をしっかり知ろう | 農業とITの未来メディア「SMART AGRI(スマートアグリ)」 (smartagri-jp.com)

有機種子の現状 (shimizuya-tanenae.com)

 

 

 

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posted by o-yasu at : 2022年07月09日 | コメント (0件) | トラックバック (0) List   

2022年07月07日

『食農ブームはどこに向かう』シリーズ4 昔の農家と今の食農ブーム 何が違う?

さて、シリーズも4回目です。
どうやらこの新しい農業への動き、意識の変化は時代の外圧とともに必然的に変化してきた事が伺えます。それは高度経済成長の歪や市場経済の限界、さらには崩壊から端を発しています。しかし、古くは庶民は皆農業で生計を立て、自給自足で暮らしていました。ほんの150年前の江戸時代まで人々は共同体で農業をして今より遥かに心豊かで満たされた暮らしをしていました。その状況と、現在の食農ブームを比較し、本来の戻るべき自給自足とはなにか、そこに向けて何が足りないか、あるいは新しい自給自足のあり方とは何かを探っていきます。

■江戸時代
農村といえば江戸時代の共同体がまだ残っていた惣村の流れに行き着きます。
この時代の惣村とはどんな感じだったのかを見ていきます。
明らかに集団で農業をし、掟(ルール)も作り、何世代にも渡って皆の土地を守り耕し、自然の摂理の中で生きていました。電気もガスも水道でさえもない時代、太陽と共に起き、太陽とともに寝静まる生活を普通に暮らしていました。また、江戸時代は農業作物の技術追求が一気に進んだ時代でもあり、農業塾や農業本が巷に多く流布し、人々は自ら農業生産力を上げることに傾斜した時代。それは江戸時代から既に市場経済の萌芽が始まっており、より多品種で、安定して生産する事を皆で追求していたことが伺えます。
また、共同体の中で人々は暮らしており、現代より遥かに豊かな教育も人間関係も喜びも苦しみも集団の中に包摂されていました。
2つの記事から紹介します。

故郷はなぜ想うのか~生きる場と社会の仕組みを生み出した惣村~
>そもそも惣村とは何かという部分ですが、非常にわかりやすく言うと「自治の村」です。
それまでは、領主や荘園主が農民を管理して世帯主(あるいは家族)から上がりを徴収するという形でした。農地と居住地は同居しており、逆にそれぞれの住居は離れています。
惣村になるとこの状態ががらりと変わります。村請と言って、徴税の単位が個人から村単位に変わります。また居住地は農地から距離を置き、農民は1箇所にまとまって暮らすようになります。これが現在の農村の原型と言われる所以で、惣村以後の村はいずれも農地と居住地が離れる職住分離型となっているのです。村請となる事で、お上の税の取立てについても村単位で陳情を出すことができるようになり、過剰な徴税に対してブレーキがかかるようになります。
江戸時代が地方自治に支えられた、かなり完成された社会であった事は想像がつきますが、このお触れにあるように、決して固定的ではなく、時々の事象(=外圧や課題)に対してその都度、中央(=幕府)も藩も村も自前で方針を考え対応していた事が優れていた点だと思います。自治とは突き詰めればそれぞれが周りにおきる社会課題を自らの事として考える事なのです。そういう意味では江戸幕府もまた江戸という地域を自治していたのです。

外国人から見た日本と日本人(子供編)
幕末から明治初期に来日した欧米人たちが見た日本人の幸せな生活。モースはこう書いている。
私は、これほど自分の子どもをかわいがる人々を見たことがない。子どもを抱いたり、背負ったり、歩くときは手をとり、子どもの遊戯をじっと見ていたり、参加したり、いつも新しい玩具をくれてやり、遠足や祭りに連れて行き、子どもがいないといつもつまらなそうである。・・・
彼ら(JOG注: 子どもたち)はとてもおとなしく従順であり、喜んで親の手助けをやり、幼い子どもに親切である。私は彼らが遊んでいるのを何時間もじっと見ていたが、彼らが怒った言葉を吐いたり、いやな眼つきをしたり、意地悪いことをしたりするのを見たことがない。

現在と最も異なるのは
1. 職業選択の意識はなく、生涯農業をするという事が普通であった
生きる事=農業で作物を作ること。
2. 子どもは農村で学び、幼少期から農作業を担うことで自然と育ち、農業の技術の伝搬、追求は世代を重ねながら塗り重ねられた。
3. 惣村の中の共同農地で全員で仕事をし、全員で収穫していた。私有の意識はなかった。
皆で皆の成果を出していく、そういう社会だった。
4. 都市は江戸と京都、大阪くらいしかなく、日本全体が地方であり、田舎であり現代とは異なり遥かにのんびり、緩やかな時間を送っていた。
5. 機械化は進んでおらず、全てが人力、肥料も人糞を使っており、労働は多く、1日は農作業に始まり農作業に終わっていた。

■明治以降の農業の特徴
1.明治時代の国の施策により、共同体は解体され、農地は共同体所有から家単位の所有=小農制へと分解され、借地も含めた土地の私有が進んだ。
2.農協の登場により、農家は保護される代わりに農作物はすべて商品として管理され、生産意欲は減少へ向かっていく。頑張っていい農作物を作っても同じ単価で買い取られ、農協が安定して均一化した食料を供給する事で日本全国の食料安定を図る。
3.都市の発生と集中により、また第一次産業の斜陽により農業人口は激減し、農業は家で所有している土地を守るため、あるいは大規模に集約して効率化、ひたすら収量を増やすことで何とか他の仕事並みに利益を上げる工場型農業へと変化していく。
4.機械化が進み、肥料も科学肥料、生産量確保のために安全な食、おいしい食は犠牲にされていった。
5.2000年以降に農業は職業として選択するものとして他の仕事と同じように大卒から農業就職への新しい流れが登場する。
6.2000年以降、現在の学校教育の弊害から農業を新しい教育の場として位置づける考えが始まっており、農作業を通じて自然に触れ、作物を作ることで生まれる命の大切さや人間らしい教育、さらには仲間作りや人間関係力の育成に注目が集まり始めた。
7.2010年、有機農業が改めて見直され、国を筆頭に有機の推進が言われ始める。

■昔の農家と現在の食農ブーム
回帰なのか、新しい潮流なのか?
回帰の部分と新しい流れ、今の食農ブームは2つあるように思う。

(回帰)
都市から田舎へ、この流れは回帰である。
また、週末農業や貸し農園を通じて人つながりを求める、これも共同体への回帰。
有機農業は新しい技術ではあるが、江戸時代は間違いなく有機農業であった。これも回帰。
さらに、農業を通じた教育への可能性も江戸回帰である。

(新たな潮流)
食農ブームは昔の農家のようにがっつり農業をするのではなく、現在の暮らしを維持しつつ、ちょっと農業をかじってみるという動き。
仕事としてではなく楽しみや余暇の一環として農業を始めている。

(可能性と限界)
食農ブームは確かに新しい農への流れの小さな動きかもしれない。
しかし最も異なるのは、集団で集団の農地を耕し生産していたというかつての農家とは異なり、その単位は個人であり家族であるという事。また、農業が生計であり仕事のすべてであった昔とは異なり一部であり、生活手段ではないということ。

可能性は農業を通じて、人々が自然の摂理やゼロから作物生み出す価値や喜びを持ち学びを得て、市場経済や都市化への異常さに気が付き、やがては農業の主体へと移行していく可能性があること。共同体化や集団農業はその先にあるのだろうが、そこまでいかなくても隣人との垣根を少しでも取り払い、緩やかに農業へと可能性を見出している現在の位置は決して一過性のブームのようなものではないと思う。

ただ、これが農業再生に向かうかどうかは別物だ。
江戸の惣村と同じような課題と外圧があり、生きるために農業をしていく、そういう集団が登場し牽引できるかどうかだろう。
そういう意味では食農ブームと同時に牽引していく集団再生が必要なのは確かだと思う。それがどう登場していくか、この食農ブームと別軸で見ておく必要がある。

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posted by tano at : 2022年07月07日 | コメント (0件) | トラックバック (0) List   

2022年07月05日

『有機農業をまるっと見る!!』シリーズ2 :欧米で有機農業が盛んな3つの理由

前回は、日本と世界の有機農業の現状をみてみました。

農地面積に占める有機栽培の割合を比較してみると、日本で有機JASを取得している農地は全体の0.2%。JASの認証は取得していないけれど農薬も化学肥料も使っていない、という農地を合わせても、わずか0.5%です。それに対して、EU全体では農地面積の8.5%、イタリアで15.2%、オーストリアに至っては25.3%に上ります。

一人当たりの年間有機食品購入額(2018年)で比較してみても、日本人の購入額約1,408円に対して、アメリカ人はその11.3倍、フランス人は12.4倍、スイス人は28.4倍も購入しています。

 

日本と欧米、なぜこれ程の差があるのでしょうか?

 

【その1】世界で有機農業が取り組まれている土地の3分の2以上が牧草地

写真はこちらかお借りしました。

世界で有機農業が取り組まれている土地の3分の2以上に当たる4,820万haは、実は牧草地として利用されています。牧草地での有機農業の取り組みが盛んだということなのですが、牧草地は、葉物野菜などの栽培に比べて手間もかからず、化学肥料や除草剤を使用することがもともと少ないので、有機栽培がやりやすい品目です。

日本でも牧草を生産しているにはしていますが、EUやアメリカなどの諸外国とは比較にならないくらい小さい面積です。

 

農地面積で日本が不利であることはわかりましたが、一人あたりの年間有機食品購入額が軒並み10倍以上の開きがあることの理由にはなりません。人間が直接食べない牧草は、有機食品購入額に含まれていませんから。。。

 

【その2】有機農業を推進するための政策や法律の後押し

例えばフランスでは、学校給食や病院給食、刑務所の食事も含めた公共調達のすべてに、オーガニックの食材を調達価格の20%まで入れることを義務化しています。自治体によっては100%有機になっていますし、高齢者への配食も公共事業としてオーガニック食材を利用しているところが増えていて、店舗も施設も有機の生産者を求めているような状況です。

 

日本では「有機食品を購入するのは、比較的裕福な意識高い系の人」というイメージがありますが、アメリカでは、いわゆる高級住宅街にあるスーパーマーケットはもちろん、貧困世帯が多く暮らしているエリアにも、日本よりも充実したオーガニックコーナーが設けてあり、どちらも同じ価格で売られています。つまり、貧富の差にかかわらずオーガニック商品が人々に選ばれているということです。

 

なぜ低所得層がオーガニックを購入しているかというと、政府による補助的栄養支援制度(SNAP、旧フードスタンプ制度)が機能しており、政府が配布している食料用クーポンを使っているからなのです。

 

日本にも前回紹介した「みどりの食糧システム戦略」や平成18年に策定された「有機農業推進法」、有機JAS認証制度がありますが、有機農法を指導する人材が不足していることや、有機農業をおこなっている生産者に補助金が出る訳でもなく、逆にJAS認証を取得するまで過程が複雑で負担が大きい、JAS認証に関する費用(講習会や登録費用)が高く、JAS認証で作物の売値が上がる保証がないことから、生産者が二の足を踏んでいるのが実態です。

 

【その3】有機を求める世論がひろく形成されている

欧米で有機が広がっている背景には、それを促進する法律や制度があるのですが、日本では政治的な側面でもかなり後れをとっています。

 

欧米ではオーガニックを推進する政策を公約に掲げた候補者を、選挙で当選させるという市民の力が働いているから法制度も整っていきます、前述した「公共調達の食材の中に有機食材を20%入れる」という法律も、フランスのマクロン大統領が選挙時に公約として挙げていたものですし、2020年に行われた地方選でも、「フリーオーガニック」と呼ばれる給食の有機化と無償化を公約に挙げた高補者が軒並み当選していきました。

 

社会の中で広く有機を求める世論が形成されてきたその源流には、いくつかのターニングポイントがあります。1990年代に大きな問題として報じられたBSE(牛海綿状脳症)や、90年代後半から2000年代に報道されたダイオキシンによる食品汚染のスキャンダルなどが、それにあたります。食の安全を揺るがすような事件を契機に、工業的で効率を優先する農業や食料システムの在り方に対する問題意識が高まりました。

もちろん、BSEやダイオキシンの問題は日本でも報じられましたし、魚介類のPCB汚染の報道があったときも、一時は魚離れしていましたが、その後どうなったのかもわからないまま、何となく元のとおりに戻ってしまいました。

 

欧米では、こうした出来事を機に、農業研究や大学、農業高校で人材を育てるところを含めた変革のチャンスにして、さまざまなことを変えていきました。欧米では、農業の被害や健康の害についてかなり報道されていますが、出版や新聞各社にはメーカーから訴えられるリスクに備え、あらかじめ資金をプールしておくという風土があり、ジャーナリストも日本よりは自由に巨大企業や権力に対してペンを振るうことができます。残念ながら、日本では情報統制や、それに伴う各社の自主規制が働いて、食品や農業の危険性などを自由に書いたり報道したりということがなかなかできません。

 

食の安全性、時に危険性が報じられているからこそ、欧州では危機感が広がり、オーガニックは嗜好品ではなく必需品として選択されてきました。その緊張感の中で市場が広がり、政治も動いてきました。アメリカでは、遺伝子組み換えに反対する人たちがオーガニックを選び推し進めてきました。遺伝子組み換えの食品表示が長年認められなかったから、これを避けるためにはオーガニックを選ばなければ、という消費動向がオーガニックを広げる一因になったのです。

 

 

■ところで、欧米では「有機農業は安全で良いもの」という大前提のもと、世論が形成され制度や法律に反映されていますが、プロローグでも課題として挙げた「有機農産物は安全と言えるのか?使用可能な農薬の中身は?危険は農薬だけなのか?そもそも健康的で安全な食べ物とは?」という追求次第では、欧米の方向性が必ずしも正しいとは言えません。

そのあたりについて、次回以降に追求していきたいと思います。

 

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posted by matusige at : 2022年07月05日 | コメント (0件) | トラックバック (0) List   

2022年07月02日

『食農ブームはどこに向かう』シリーズ3 食農ブームはいつから、なぜ起きた?

人々の食や農に対する意識を掴み、新たな農業の可能性を追求する「食農ブームはどこに向かう」シリーズも、第3回を迎えました★

これまで、食農ブームの広まりや手軽に始められる“プチ農業”の実態を紹介してきましたが、今回はその「歴史」を遡ってみたいと思います。

食農ブームがいつから起きたのか、さらにはその理由、社会背景に迫ります!

 

■1950年代~ 戦後の公害問題

近年、有機野菜や無農薬・減農薬野菜を選んで買う人が増えてきていますが、そもそも「食の安心安全」が騒がれ始めたのは、1950年代の「公害問題」ではないでしょうか。

代表的な公害問題と言えば、一度は聞いたことがあると思いますが、イタイイタイ病や水俣病が挙げられます。

工場などから排出された有害物質が河川や海に放出され、漁業や農業といった一次産業に悪影響が…!人体への健康被害にもつながり、各地で訴訟や裁判が起こりました。

 

■1970~2000年代 食の偽装問題

1968年には消費者保護法が制定され、1970年には消費者生活センターが設立。1990年代に入ると、O157による集団食中毒感染や牛肉産地の不正表示問題が立て続けに起こりました。さらに2003年に起きた鳥インフルエンザなども記憶に新しい事象です。

このような偽装や不正問題、食料を介しての健康危機によって「自分たちの命を人任せにしていられない」という意識も高まり、どんな食べ物を口にするのか、未来を担う子どもたちに何を食べさせるのか、慎重に選ぶようになりました。

 

■2008年 リーマンショック

リーマンショックは「仕事」という観点から、農業への興味・関心が集まった出来事と言えるのではないでしょうか。

※画像はこちらからお借りしました。

大企業の社員リストラや経済の冷え込み。大手だからと言って終身雇用が保証されるわけではない・安定した生活を送れるわけではない⇒これからの時代、どんな産業が生き残るのか?を考え始めました。

生きていく上で欠かせない食=農業への注目が集まったり、農業系のベンチャー企業が全国各地で設立された時代でもあります。一般的に、家庭菜園の人気が広がり始めたのもこの頃です。

 

■2011年 東日本大震災

地震による津波、原発問題・・・甚大な被害を与えた東日本大震災は、人々の危機感を直撃し、食に対する意識の変化にも、影響をもたらしました。

※画像はこちらからお借りしました。

 

社団法人 農協共済総合研究所「震災後、食生活の意識は変わったのか?」(https://www.jkri.or.jp/PDF/2012/Rep123ueda.pdf)の調査によると、被災地、あるいは比較的近い地域に住み、子どもの食への関心が高いと思われる層(主に女性・既婚・20~50歳代・小学生以下の子どもと同居)が、食品の安全性への不安が大きくなり、地場産物の購入が減った、という結果が出たといいます。

当時は、被災地の現状や風評被害についても、テレビや新聞で毎日のように報道されていましたね。その結果、地震があった東北地方だけでなく、全国的に食の安心・安全や産地を選ぶ意識が一段と高まったように感じます。

 

同時に、当たり前と思っていた都会での暮らしが、完全にストップ。多くの人が、建物・電車・電力・食が当たり前ではなくなる経験をしました。そして、『都会から地方へ』と、自分たちで暮らしをつくる、人の繋がりの中で生きる、自然の中で生きる若者が急速に増えたのもこの時期です。

 

■2020年~ コロナ禍

本シリーズでも前2回で紹介してきたように、コロナ禍は「自ら作っていただく≒自給自足意識」への高まりに拍車をかけました。またテレワークで場所を問わずどこでも働けるようになり、東日本大震災後に出てきた、地方・農村への移住、IターンやUターンの流れも加速しました。

・『食農ブームはどこに向かう?』シリーズ1:食農ブームって何?(http://blog.new-agriculture.com/blog/2022/06/5874.html

・『食農ブームはどこに向かう』シリーズ2 家庭菜園~貸し農園~週末農業 様々なプチ農業の実態(http://blog.new-agriculture.com/blog/2022/06/5914.html

身近なところから、自分たちのできる範囲で、自給自足の動きが生まれている。これが今後の農業の大きな可能性とも言えます。

**********

今回のブログでは、終戦~現代の社会の大きな流れと、それに対する人々の食や農への意識の変化を見てきました。

さらに歴史を遡ってみると、元々はみんなが農業をしながら生活していた時代もあったわけで、現在の「食農ブーム」は自給自足生活の再来と言えるかもしれません。

では、みんなが百姓だった時代と、今の食農ブームは何が違うのか?次回はそのあたりを深めてみたいと思います♪

 

<参考>

・食の安全とは?食の安全を守るための課題・問題点と対策

https://shokutaku-column.com/column_14/

・今、農業に必要なことは? 農家は「考える」ことを止めさせられた

https://www.itmedia.co.jp/makoto/articles/1312/04/news023_2.html
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posted by k-haruka at : 2022年07月02日 | コメント (0件) | トラックバック (0) List   

2022年06月30日

【ロシア発で世界の食糧が変わる】2 ロシアのウクライナ侵攻に見る世界の農業意識の転換~世界は、ロシアから近代農業からの脱却を迫られている~

ロシアのウクライナ侵攻に伴い、世界経済に影響を与えていますが、「世界の食糧事情」に対して認識転換につながる可能性を秘めています。

今回は、ロシアの動きが世界に対してどのような影響を与えていくのかを考えていきたいと思います。

 

◯世界の食糧危機を引き起こし、自給意識を高めていく
ウクライナは「欧州のパンかご」と呼ばれるほど小麦の輸出を行っており、ロシアも同様に「世界有数の小麦輸出国」です。

両国を合わせると世界の30%の小麦輸出を行っており、その輸出先であるEUやアフリカ、中近東は両国からの輸入に頼っているため、国内の食糧供給に大きな影響を与えています。

ロシア・ウクライナ侵攻によって、各国がロシアの輸入を拒否し、食糧の貿易が停滞。
主要な輸入国であるアフリカは大飢饉の発生の恐れがあると言われるほど、ウクライナ侵攻に伴った世界の食糧状況への影響は小さくありません。

※画像はこちらからお借りしました。

さらに、農業の生産場面においても、ロシアが主要に担う肥料の急騰が起こっています。

各国、これまで食料政策、農業生産ともに輸入に頼っていたため、「自ら食糧を作っていかなければ」という自給意識を高めることになっていくかもしれません。

 

◯化石燃料の高騰により、世界の有機農業への意識は高まっていく
ロシアは欧州に対して、化石燃料を供給しています。
農業を行うにしても、機械を動かすための石油を必要とするため、ロシアの供給制限に伴う石油価格の高騰は農業生産に大きな打撃となります。

さらに、近代農業において必要不可欠な「化学肥料」は化石燃料を原料としており、かつ肥料の原料となる「窒素・リン・カリ」の輸出はロシアがトップシェアを占めています。

ロシアの経済制裁に伴い各国は新たな原料の調達に四苦八苦していますが、化学肥料の調達難により、肥料価格の高騰は免れない状況です。

ロシアのウクライナ侵攻に伴った肥料価格の高騰は、世界の農業生産における基盤に対して大きな影響を与えており、化学肥料を基盤とした近代農業からの脱却が必要になります。

日本においても、農林水産省が「みどりの食糧システム」という有機農業への転換を推し進めており、今回の危機を発端として世界でも化学肥料に頼らない有機農業への転換する潮流が加速していくと予想されます。

 

◯ウクライナはなぜ世界に食糧を輸出できないのか
ロシアは世界から輸入を拒否されているため流通が滞っているとして、ウクライナが食糧を輸出できないのはなぜでしょうか?

ウクライナは世界に対して食糧を輸出する際に使用しているのは、国際河川と呼ばれる「大河・ドナウ(ダニューブ)河」を利用して運搬しています。

 

しかし、ウクライナ侵攻に伴い、ロシアから攻撃されるおそれがあるため、保険料の高騰などの理由により、船舶による運搬ができない状況に陷っています。

現在、陸路を利用した代替路をウクライナは模索しているようですが、周辺国との調整が必要な状況にあり、実現は難しい状況です。

世界へ輸出できない状況が続き、4500万tにまで在庫料が膨れ上がると言われています。
世界からすると供給されるはずだった穀物が輸入できなくなり、食糧危機が引き起こされるおそれがあります。

つまり、世界の食糧事情、食を成立させるシステムは「流通」に頼っており、それが滞ってしまうと成立しえない、脆弱なシステムだといえます。
このことは「世界の農業システムのあり方」そのものを見直す動きに繋がっていく可能性を秘めています。

ロシアはウクライナの供給システムを停止させることで、結果的にその脆弱性を世界に示していると考えられます。

 

◯世界の農業システムが根本から見直されていく
ロシアは世界における近代農業の存在基盤に対して、大きな影響力を持っていることがみえてきました。
そして、ロシアのウクライナ侵攻は世界の食糧政策、農業生産、システムの課題を示しています。

当のロシアは近代農業への転換によってその影響を大きくしてきましたが、今回の侵攻に伴い、世界に対して「近代農業からの脱却⇒有機農業(自然の摂理に則った農業)」という動きを加速させています。

ロシアは今回の侵攻により、世界の農業システムそのものを転換させようとしているのかもしれません。

今後は近代農業によって世界への影響力を高めたロシアが、なぜ世界を近代農業から脱却させようとしているのかを、世界の農業による支配構造の変化も分析しながら、ロシアの意識・目論見をもう一段深く掴んでいきたいと思います。

 

<参考ページ>
ロシアのウクライナ侵攻の世界経済・欧州経済への影響

深刻なウクライナ穀物の輸出停止! 代替輸送の本命は「ドナウ河」かもしれない

戦争が与える食への影響 – ロシアのウクライナ侵攻で世界の食卓はどうなる?

ロシアとウクライナは穀物輸出の好敵手同士

 

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posted by tiba-t at : 2022年06月30日 | コメント (0件) | トラックバック (0) List   

2022年06月25日

『有機農業をまるっと見る!!』シリーズ1:みどりの食糧システム戦略って?日本と世界の有機農業の現状

国を挙げて推し進めている有機農業ですが、現状よく分からないことが多いのが正直なところです。まず、第1回の今回は、現状把握icon_smile.gif

農水省が昨年からみどりの食糧システム戦略を打ち出し、有機農業の普及を推進しています。実際世界ではどうなっていて、日本ではどれくらい普及しているのか?が今回のテーマです。

 

■みどりの食糧システム戦略って?

有機農業を普及するために農水省が取り組んでいる『みどりの食糧システム戦略』とはどんなものなのか見ていきましょう。

  出典:「みどりの食料システム戦略」中間とりまとめ参考資料

有機農業はSDGs実施指針の8つの優先課題のうち、2つの優先課題に位置付けられているという、国家を挙げて取り組む一大事業になってきています。

そしてみどりの食糧システム戦略では、2050年までに有機農業の取り組み面積を全体の25%に拡大することが目標です。2017年段階で23500haなので、43倍に増やすということですね!なかなか壮大な目標ですicon_eek.gif

 

目標は分かったところで、現在の日本の状況はどうなっているのでしょう?世界の状況と合わせてみていきましょう。

 

■有機食品市場の状況

世界の有機食品売り上げは増加し続けていて、2016年では約897億ドル(約9.9兆円/1ドル=110円)の市場規模です。10年で倍増以上。世界中で有機食品への需要が高まっていることが分かります。

また、ドイツやフランスなど、有機専門ではない通常の小売店での売り上げが上昇傾向にあります。日本でもスーパーのオーガニックコーナーが増えていたり、同じ傾向にあります。世界において年々増加中の有機食品ですが、国ごとの違いを見てみましょう。

 

日本人は安全な食への興味が高そうですが、以下のグラフを見ると意外な結果が出てきました。世界平均は11.3€なので、実は日本での有機農産物消費額は世界平均よりも低い水準となります。

北欧諸国が世界平均と比べて桁違いの高い水準になっていますが、何でなんでしょう??

とはいえ、国内においても2009年と2017年の有機食品市場規模の推計では1300億円から1850億円へと大幅に上昇しています。世界を見ても、国内を見ても有機食品市場の規模は上昇し続け、人々の安全な食への期待を現わしています。

 

■有機農業の取り組み面積

次に、みどりの食糧システム戦略の最終目標である、有機農業取り組み面積とその割合について見ていきます。

この17年間で約5倍に拡大していますが、まだまだ世界平均の全耕地面積に対する有機農業取り組み面積割合は約1.2%です。とはいえ、国による違いが大きく、ヨーロッパの国々が高い水準の数値を実現しています。

ここでも日本は0.2%で世界平均に対してかなり下回っていますが、日本の有機農業取り組み面積も年々増加はしているので、2017年段階で有機JAS認証を取得していない農地も合わせて全体の0.5%となっています。

参照

https://www.maff.go.jp/primaff/koho/seminar/2019/attach/pdf/190726_01.pdf

(農林水産省 有機農業をめぐる我が国の現状について)

 

日本の有機農業の目指しているところ、現在の世界と日本の有機農業を見てきました。

ヨーロッパの国々が高い水準で実現していましたが、何で??国の政策?環境的な要因?国民の意識?

日本の有機農業が広がりきらないのは何で?費用なのか、栽培技術などの問題か、そもそも売れないのか、何が壁になっている?

これだけ世界中で注目されて広がっているけど、本当に安心安全でおいしいの?

など、更に追求していきたいことがたくさんでてきましたicon_biggrin.gif

1つずつ掘り下げていきますので次もお楽しみにしてくださいm001.gif

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posted by o-taka at : 2022年06月25日 | コメント (0件) | トラックバック (0) List   

2022年06月25日

【ロシア発で世界の食糧が変わる】1 世界の食糧貿易の変遷~農業生産が少ないから、輸入国になるのではない~

プロローグでは、ロシア・ウクライナ侵攻で世界中に物価高騰・食糧高騰の大きなインパクトを与えてきたロシアが、貿易で大きな存在感を示してきていることを見てきました。

今回の投稿では、まず世界の食糧・貿易の状況がどのように変化してきたのかについて見てみたいと思います。

画像は、こちらからお借りしました。

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posted by hasi-hir at : 2022年06月25日 | コメント (0件) | トラックバック (0) List