2023年03月23日

【進化していく農法について考える】シリーズ2~農家は「誰のため、何のため、自然のための質」を求められる時代、何を追求するのか~

前回の記事は歴史と農法の変化についてまとめました。

今回は、戦後から現代にかけての農家が何を追求し、これから何を追求していく必要があるのかを見ていきたいと思います。

◆食力不足による量を求める時代、量から質を求める時代

※画像はこちらからお借りしました。

日本は戦後直後に深刻な食料不足にあり、農業政策の中心は「量を確保すること」でした。
全国民の食料確保を目的に、農薬や化学肥料の使用、機械化など農業の近代化を急激に進めていきます。

※画像はこちらからお借りしました。

日本における農業政策は増産を目的に、農法の近代化だけでなく新潟県の八郎潟の開拓など農地拡大も合わせて行っていきます。

しかし、増産政策と同時にアメリカの余剰小麦の輸入が急激に進み、それにより不足していた食料不足は解消されたことで日本では食料が余る時代に移っていきました。

※画像はこちらからお借りしました。

そのため、国は減反政策を行って、米の生産量の制限を行います。
そして、生産される量が制限されることで、他の農家との差別化を図るために、各地域で様々な品種が生まれ、「質を生み出す」ための動きに発展していきます。

育てる品種に応じて農法は変化し、近年では有機栽培や無農薬栽培など健康面での質を求める動きが強まっていました。

 

◆米の消費量は50年で半分に

※画像はこちらからお借りしました。

減反政策は1971年に制定され、2018年の廃止されるまで継続され、50年も運用されてきました。
そして、減反政策が廃止され、生産量の制限はなくなります。

一方で人口が減少し必要な食料の総量が減っていくなかで、これまで以上に質が問われる時代に突入していきます。

米を例に見ていくと、1960年に「115kg/人」だった米の消費量は「50kg/人」と半分以下にまで減少しています。
それに対して、米の生産量は1970年に1148kgだったのが、798kgと3割程度減少している状況です。

これまでのように品種ブランド、地方ブランドを超えて、他との差別化のために新たな付加価値が求められるようになります。

 

◆「誰のための質」かつくる目的を問われる時代

※画像はこちらからお借りしました。

質も無農薬や有機栽培など「健康」が注目されてきましたが、現代では「何のため、誰のため」か「対象と目的」が問われる時代です。

「大衆的な質」ではなく、「対象を具体化した質」が求められる時代。

米であれば、カレーを美味しく食べられる米(兵庫県の高橋清紋氏の『カレー米(品種名:プリンセスサリー)』)、安価で美味しく食べられる米など目的に特化した米など、提供する人、食べ方などより対象をイメージした農作物が求められています。

また、単においしいだけでなく、おいしく食べられるレシピの提供など、食べることの質を高める動きもあります。

誰がどのように食べるのか、どのように食べるのかを具体的にイメージしながら、どのようにつくるのか(=農法)を考えていくことが農家には求められています。

 

◆自然との共生する農業

※画像はこちらからお借りしました。

これまでは人への質が重視されていた農法ですが、世界的にも「自然に対しての質」が求められています。
自然農法や不耕栽培など、現代においては「自然と共生する農業」かが問われる時代に作ってきています。

日本では環境共生型の農業の先駆者がアイガモ農法で有名な古野氏や、無肥料自然栽培を実践する川平氏など、日本でも自然の力を生かした農法が実践されています。

川平氏は有機栽培をやめたきっかけを「有機栽培ではあるけれど、中途半端な西洋科学を取り込み、生産者であるはずが、いつのまにか学者のようになってしまっていたんです。そもそも自分たちは何を目指しているのかと真剣に考え込むようになりました。」と話しています。

無肥料自然栽培を通じて宮古島の生態系を再生させ、本来の自然の循環を生かした農業を実践していっています。

 

◆農法は人々の意識、自然環境の状態によって大きく変化する

戦後は効率、生産性が求められましたが、時代とともに「量の確保→味の質→人の体へのやさしさ→対象発の品質→自然との共生」へと時代が変化していっています。

農業は人々の生活と密接であり、社会状況に応じて求められることも日々変化していきます。
同時に自然とも密接に関わっているため、より広い対象を受け入れ、なにを追求していく生業です。

今回見てきたように、時代ごとの人々の意識、自然環境の状態によって農法も大きく変化してきました。

それゆえに農家自身も人々の意識、社会状況の変化をつかむとともに、時代の変化を読む必要があります。
(価格や規格を決められていて売る農協依存型の農業では淘汰される時代ともいえる。)

次回以降は具体的に、具体的な農法の中身を見ながら、現代における農法の可能性を考えていきたいと思います。

 

【参考URL】
2018年 農薬法改正
日本で有機栽培農家がなかなか増えない5つの理由
農業を通じて宮古の復活を目指す
減反政策とは? 廃止から4年、米農家の現状と今後の展望を考える
ブランド米とは? なぜ人気? ブームの背景と、競争に打ち勝つ“これから”の戦略
米をめぐる関係資料(農林水産省)
古野農場とは

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2023年03月14日

自然を通じた成長シリーズ⑤~進化の源泉は、外部環境をありのままに受け入れ、ただ適応に向かうこと~

今回の成長シリーズは「外部認識力の進化」について原点ともいえる、単細胞生物を深めていきます。

 

太古の昔から現在に至るまで地球上でもっとも多く生息している生き物は、菌や細菌などの単細胞生物なんです!例えば人間のお腹の中にいる大腸菌。実は100兆匹以上!!

単細胞は、生命の原点であるとともに、外部環境に対する強固な適応力を持っています。この進化の源泉について見ていきたいと思います。

 

■多種多様な機能は支える「細胞膜」

単細胞は、非常に単純な構造であるとと同時に、生命体として外部環境の変化にも柔軟に対応することができる多種多様な機能を有しています。

その多様な機能を支えているのが、「細胞膜」です。

「細胞膜」の機能としては、以下のように、大きく7つあると考えることができます。

外部環境の情報をとらえるアンテナ

周りの細胞・生物と情報を共有する役割

外部の環境変化に対する運動機能

周りの物質(餌・敵)をとらえ、食べるかどうか判断する役割

餌を食べる口・排泄物を出す肛門の役割

体の中のエネルギーを運搬する役割

子孫を残す生殖器としての役割

 

これを見て分かるように、生命体として不可欠な「代謝機能」、「防衛機能」、「子孫継承機能」の3機能すべてになっているのです。

 

その機能の土台をなしているのが、細胞膜を組成している「たんぱく質」です。

細胞の体は壊れやすいたんぱく質などの物質でできていて、放っておくと体がボロボロになってすぐに死んでしまうので、細胞を持つ生物は全て、壊れたたんぱく質などを再生して生きています。それだけ単細胞生物にとってたんぱく質はとても重要なのです。

・単細胞生物は体全体を波打たせて移動することで、体の中を常にかき混ぜ、その流れに乗って、たんぱく質は体中に運ばれ、必要なところに届けています。

・目に見えない程小さな体の中に、これだけの仕組みが詰まっているんです!この連鎖反応を繰り返し体を再生する力が単細胞生物の生命力の原点なのです♪

※つまり生物にとってなによりも良質なたんぱく質が得られるかどうかがとても重要になります。そして、様々は外圧(刺激)から身体を壊し、再生することでより強い個体へと成長していくのです。 

 

たんぱく質は、外部環境を把握し、安全性・危機状況を判断し、異種物質も取り込み、あるいは排出していくことで生物は生き延びているのです。そのような表皮≒皮膚(触覚)が生命維持をして生き延びていく上で、最も重要な器官です。

(http://plankton.image.coocan.jp/algae2-6.htmより引用)

 

■進化の源泉は、「現実をありのままに受け入れ、どう適応するか」

では、単細胞は、このような多種多様な機能へと進化させてきたのでしょうか。

それは、単細胞が大進化を遂げる「原核細胞」から「真核細胞」へと進化する姿から見て取れます。

当時の原核細胞は、とても単純な機能で、非常に小さな存在でした。ここから20億年ほどたったころ、地球環境の変化により、過酷な餌不足に陥りました。

この状況を突破する必要に迫られていた原核細胞のうち、異種物質が飛び込んできた際、1兆分の1ほどの極めて低い確率ですが、両者が共生することによって進化を遂げることができました。

生物進化とは、その時々の外圧に直面し、その不整合を解決するために、ただひたすら適応するベクトルへと向かった過程です。

 

このように、進化とは、外部環境をありのままに受け入れること、そして、その状況の中から、ただひたすら「どうする?」という突破口を探索する中から生み出されてきたのだということが分かります。

 

我々人類も、「まずは、ありのままを受け入れている」ことに尽きるのではないでしょうか?そういう中で、現代社会から少し離れて、自然の中に身を置くことによって、その自然の中で働く状況や環境をありのままに受け入れ、そして、その自然の中でどのように継続して過ごす(生活するか)を追求する機会を得ることも重要です。

そのような生物原理的な営みを、私たちの生活の中に取り入れていくことによって、生物本来の活力・適応力・追求力も育まれていくように考えます。

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2023年03月09日

【進化していく農法について考える】シリーズ1~新しい農法に至った歴史的背景とは?

昔から現在に至るまで様々な農法が開発され存在しています。百姓の農業技術の向上、新しい農具とともに新しい農法も開発されていきました。

その農法が開発されていったのにはどんな意識潮流があったのか?当ブログでは当時の外圧状況はどうだったのか、とりわけ近代に絞って追求していきます。最初は外圧状況とそれによって作られた法律についてです。次回以降には様々な農法の紹介をしていこうと思います。

 

◆戦後の日本

1946年農地改革が交付されました。これは地主から土地を政府が買い上げ、小作農に優先権を与えて土地を売り渡した制度です。日本の農地改革が成功した背景には、2つの理由があります。第一は、進駐軍当局が、それまで大きな権力をもっていた階級や裕福な地主層に打撃を与える法律を成立させ、それを強制的に執行することが出来たためです。第二の理由には当時のインフレ状況が関係しています。地主が土地の代償として受け取った金銭の価値は短期間で減少し、一方で土地購入者のほとんどは、購入後2~3年で貸付金を返済することが出来たのです。

これにより農家の多くは自作農になりました。当時、食糧難という外圧の中ではありましたが、本能に直結する外圧が少しずつ改善されつつもあり貧しくも活気がありました

画像はこちらからお借りました。

 

◆戦後の復興期

1950年代は工業の復興により化学肥料や農薬などが広く普及し始めます。大量生産するために必要な肥料や農薬を購入する資金、さらに当時はベビーブームも相まって農家は現金収入を必要としました。これにより水田だけでなく副業的農業(経営の多角化)進められていきました。

加えて1954年NSA協定(日米相互防衛援助協定)が結ばれます。これはアメリカの余剰小麦を日本に買わせるために結ばれたものですが、これにより食料不足を克服するに至っていきました。

東洋高圧工業 横須工場 硫安かます詰め

画像はこちらからお借りしました。

 

◆農業の近代化

時代は高度成長期。工業発展のため労働力の確保という財界の意向があった時代。その背景のもと1961年農業基本法が施行され農業の近代化が強力に推進されて行きました。これにより、農村の労働力は都市部へ流出。未来の農業の担い手不足の引き金となりました。

画像はこちらからお借りました。

 

ほぼ同時期の1962年レイチェル・カーソンが「沈黙の春」を出版。残留農薬や生物濃縮の影響を指摘し、社会に大きな影響を与えます。また、四代公害病の時期とも重なり、人々の意識の中からこれまでの化学物質の安全性に関する認識を根本的から覆すことになりました。

画像はこちらからお借りしました。

 

◆豊かさを実現して以降

1970年代、コメの消費量は頭打ちに、稲作の減反政策も始まりました。稲作に変わるものとして、地域の特産品を「産地化」する動きがおこりましたが、専作・連作をするため農薬に依存することになりました。人々の意識としては脱農薬の流れではあったが、農家としては農薬を使わざるを得ない状況。そうした中、農家が自ら農薬から解放されていく道が各地で構想され始めていきます。

 

 

◆まとめ

戦後の貧困の時代は主に食糧不足の圧力がありつつも、やればやるほど豊かになる状況から活力も高かったようです。復興期になると化学肥料や農薬が普及し増産。食糧不足はほぼ解決に向かいました。高度成長期になると新しい機械も導入されるようになり、農業に費やす時間は減ったが就農人口も減少。化学薬品に対する安全性を疑う意識潮流も出てきました。

今後は環境にも配慮しながら農薬の位置づけはどうなっていくのか?有機農法を始めとする新しい農法が主流になっていくのか?生産者側だけでなく消費者の意識によっても大きく変わっていきます。次回は具体的にどのような新しい農法が開発されていったのかについて追求していきたいと思います。

 

 

参考文献

http://www.crosscurrents.hawaii.edu/content.aspx?lang=jap&site=japan&theme=work&subtheme=AGRIC&unit=JWORK099#:~:text=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E8%BE%B2%E5%9C%B0%E6%94%B9%E9%9D%A9%E3%81%8C%E6%88%90%E5%8A%9F%E3%81%97%E3%81%9F%E8%83%8C%E6%99%AF%E3%81%AB%E3%81%AF,%E3%81%8C%E9%96%A2%E4%BF%82%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

https://www.jacom.or.jp/column/2021/05/210520-51373.php

http://www.ecome.jp/article/13593871.html

https://smartagri-jp.com/agriculture/247

https://minorasu.basf.co.jp/80455

https://jp.mitsuichemicals.com/jp/corporate/group/1946_1959.htm

https://cigs.canon/article/20140320_2456.html

https://snownotes.org/history-of-pesticides/

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2023年02月26日

【「食べる」と「健康」その本質に迫る】その5 ~有機野菜はなぜ体に良いと言われるのか?

健康志向の流行を背景に「有機栽培」という言葉が良く聞かれるようになってきました。

一般的に有機栽培とは「化学肥料・農薬を使わず作物を育てる」ことと「作物を育てる土壌にも負担をかけないように配慮した栽培方法」のことを指します。そして、有機栽培により育った作物=有機野菜は「体に良い」と言われています。

 たしかに「無農薬」などと聞くと、体に良さそうな感じがしてきますが、着目したいのは”有機”であることと健康の繋がりです。この解明は幅広く奥が深い領域です。本シリーズのテーマでもある【「食べる」と「健康」その本質に迫る】の追求の切り口として「有機野菜はなぜ体に良いのか?」を追求していきます。

画像はこちらから引用しています

 

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2023年02月18日

【日本の漁業はどこに向かうのか】シリーズ6 最終回~地元漁師による自主管理力の再生、自然と共生する漁業が日本の漁業を再生する

これまで日本の漁業の課題、これからの可能性について探ってきました。
本シリーズは今回が最終回である今回は、本シリーズのまとめとして「これからの日本の漁業がどこに向かっていくことが可能性か」をこれまでの内容をもとに考えていきたいと思います。

○自然と共生することで成り立つ産業、漁業

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日本における漁業の歴史、世界における漁業の状況を見ていくと、漁業は限られた水産資源のなかで魚をとり、売る産業だといえます。
そのため、「穫れるだけ穫る漁業」によって世界各国で水産資源の枯渇が発生し、漁業は衰退しかけていました。

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しかし、自然と共生する共生する漁業を展開することで漁業を再生している国が世界の漁業を牽引していっています。
ノルウェーをはじめ、アメリカや中国、様々な国で、水産資源を維持するための漁業に取り組むことで、結果的に漁業の復興を遂げています。

世界における漁業の先端事例を見ると、「漁業は自然と共生することで成り立つ産業」だといえます。
それは大規模化、効率化を進めることで発展する農業や林業とは異なる点です。

※参考:
・日本と世界の漁業構造はどのように変わってきたのか、これからの漁業はどうなっていくのか?~
・世界と日本の漁業を数字で見ると

○漁業の広域化、大規模化により自主管理できなくなった日本の漁業

※画像はこちらからお借りしました

日本においても、古来から取り組まれてきた漁業は水産資源を「地域の力」で維持することで、産業として成功してきました。

現代においても、漁獲量を制限する「個別漁獲割当」を行うことにより持続可能な漁業を行い、養殖技術を高めることで漁獲量を確保しながら水産資源を維持に取組んでいるノルウェーをはじめとした漁業大国は、水産資源を維持し、自然と共生する漁業を営んでいます。

※画像はこちらからお借りしました

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一方で、日本においては明治以降の産業革命に伴う漁業技術の発展により、日本の漁業は大規模化、広域化が進んで以降、大きな転換を行われていません。
それにより、一時は世界有数の漁業大国に上りつめることができましたが、地域が自主管理できる規模を越えているため、自然と共生する漁業が維持できなくなっていきます。

さらに、排他的経済水域が設定されたことで広域的な漁業を行えなくなり、水産資源が枯渇していなかで「穫れるだけ穫る漁業」を続けた日本の漁業は衰退していきます。

※参考:
・「自然と共生する漁業」により成長する世界の漁業、世界と日本の漁業の違い
・最先端の養殖技術を生み出したかつての日本、民間企業の技術開発によって養殖技術を発展させたノルウェー
・古来よりの集落共同体における自主管理の仕組みを色濃く残した日本の漁業制度

 

○日本という単位で漁業を考えていく時代

[日本の漁業・養殖業生産量の推移]
※表はこちらからお借りしました

しかし、明治以降に漁業が大規模化するにつれて、集落の単位で自主管理する仕組みが成立し得ない状況に陥りました。
また、日本における魚の価格は下がり続け、漁師が儲からない構造に陥ったため、後継者不足も相まって、日本の漁業は再生が難しくなっていきます。

日本という単位の集団として、「水産資源をどのように維持し、漁業を産業として成り立たせるのか」を追求していく必要があります。

※画像はこちらからお借りしました

それに対して、「くら寿司」が民間企業として日本の漁業を再生する取組みをはじめています。
天然の未成魚を人工の生けすで育てる「畜養」を行うことで水産資源を維持するとともに、「一船買い」を行うことで漁師が安定した収入を得られるようにしていっています。

民間企業が日本という集団単位で漁業の再生を追求することは、これからの漁業を考えていく上で重要になっていきます。

※参考:
・稼げる漁業の可能性はどこにあるのか?

 

○「魚を大切にする」、それが日本の漁業を再生する

※画像はこちらからお借りしました

ハマグリの資源管理を行い、どの漁港よりも質の高いハマグリを出荷する村上さんという京都府の漁師がいます。
彼は「魚を大事にしてほしい」という祖父の教えの元、漁協にハマグリの資源管理の重要性を訴え、3年間の禁漁期間を地域で実現することで高品質なハマグリを出荷できるようになりました。

※画像はこちらからお借りしました

企業だけでなく、地域単位でも「自然と共生する漁業」を実現することで、日本の漁業は再生できる可能性があります。
地域で自主管理する力が弱まっている現代のそれぞれの地域において、「地域の水産資源をどのように維持していくのか」を追求し実践していくことは、豊かな漁場に囲まれる日本においては漁業を良くしていくこ       とができます。

※参考:
・「魚を大事にして欲しい」 祖父から受け継いだ阿蘇海を守る若手漁師

 

◯漁業の自主管理力を高める、それが漁業を再生する起点

これまで見てきたように、漁業の再生の糸口は「自主管理力」を再生することです。

民間企業や地元漁師、生産から流通まで含めて、限られた水産資源をどのように維持し、共生していくのかを考えていくことが漁業の再生につながっていきます。

地域の漁業が色濃く残り、職人気質の漁師が多い日本の漁村だからこそ、より品質を高めていくために、地域の自主管理力を高めていく可能性があります。

これまで日本の漁業はどこに向かうのかを追求してきましたが、本シリーズは今回で最終回となります。
過去シリーズも含めて農業、林業、漁業と日本の一次産業を追求してきましたが、まだまだ追求課題が満載です。

日本の一次産業の構造と可能性など、今後機会があれば追求していきたいと思います。

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2023年02月16日

主食って何?最終回 「主食」とは引立て役であり、なくてはならない空気のような存在。

「主食って何?」このタイトルで始まったこのシリーズですが、最初はメンバーのある一人から主食って何?という素朴な疑問からスタートしました。意外と難しかったこのテーマですが、主食を追求する中で栽培の歴史や食文化の歴史が見えてきました。最終回はこの間の追求を元にこの疑問にできるだけ答えてみたいと思います。

「主食って何?」
・米、麦、イモ、とうもろこし、バナナ、豆など主に穀物系が中心
・地域と主食の種類は連動しており乾燥している中東からヨーロッパでは麦、東南アジアから東アジアでは米、南アジアではイモ、バナナ、アフリカでは豆類等
・歴史が古くいずれも栽培の始まった1万年前から5千年前の間に発生している
・品種改良が重ねられ、多くの品種、突然変異を利用した食べやすい食材に変化した
・食すればどんなオカズでも合う。特に米は野菜、鍋物、魚、肉何と合わせてもその食材の味を引き立てる。
・その地域、国の誰もがほぼ毎日食べる。好き嫌いにならない。
・栄養価が高い、腹持ちが良い。等様々な共通の特徴が挙げられます。

食糧の生産が始まった地域

この中で最もしっくり来るのが、おかずを引き立てる=何にでも合うという特徴ではないかとも思うのです。また、主食はその地域や民族の歴史や文化と密接に繋がっていて、米を日本人が好むというのは長い年月をかけてその民族が工夫し、改良を重ね味覚も含めて生活に定着してきた集大成とも言えるし、あって当たり前の空気のような存在なのではないでしょうか?

また一方で改めて主食と副食を分けて考えることは意味があるのだろうかという思いもあります。例えば和食。和食はおかずとご飯の絶妙なハーモニーで成り立っています。
考えるきっかけとして「食の人類史」に書かれた和食の文化について紹介してみます。

こちらよりお借りしました

「最近、和食の文化がユネスコの無形文化遺産に登録された。日本に暮らし、そこで食べる多くの日本人にとって喜ばしいことではある。所管する農林水産省によれば、登録されたのは個々の料理やそのメニューではなく、文化、つまり「日本の伝統的な食文化」である。

そしてそのこころは「多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重」、「栄養バランスに優れた健康的な食生活」、「自然の美しさや季節の移ろいの表現」、「正月などの年中行事との密接なかかわり」の4つである。(中略)

南北に長く気候の変化に富むこと、火山列島であって複雑な地質を持つことから、採集の対象となる植物資源も多様で、またさまざまな栽培植物の栽培を可能にした。明確な四季が「旬」をもたらした。複雑な海岸地形は海岸線を長くし、また潟湖の発達を促し、新鮮で多様な魚種の生息を可能にしてきた。多様な食材の存在はこうした、発酵食品の発達も促した。

(中略)

和食の背景の一番奥にある思想の底流にも、輪廻の思想はじめ東洋の思想が流れている。そして、これらの思想体系自身がモンスーンの風土に育まれた多様な生物群に支えられて来たことを考えれば、和食は日本の「風土」に支えられてきたと言うべきであろう。無形文化遺産に登録された和食のこころとは、日本の風土の食という形での発現に他ならないのである。」

今回主食の追求をしてみましたが、その中で日本の「和食」というのは非常に面白い追求テーマではないかと思います。日本人は西欧人にない身体的特徴をいくつか持っています。その一つが虫の音を聞き分ける事ができるとか、左脳で自然の音を処理している等、実は和食に代表される旨味とは日本の風土と歴史によっている日本人にしか無い味覚の機能ではないかと思うのです。或いはその味覚を通して自然を感じ取っているのではないでしょうか。苦さと甘さと辛さ、それらを全て微妙に感じ取り複雑な味を好みます。「和食の旨味ってなんだろう」、個人的にはいつかテーマにしてみたいと思っています。

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2023年02月09日

自然を通じた成長シリーズ④~生物は、どのように外部認識力を高めてきたか?~

本シリーズでは、自然や農を通じた体験が、人の心身の成長にどのような効果をもたらすのかを追求してきました。これまでは、世の中での事例や、当ブログを運営する類設計室の日々の活動をもとに、具体的な成長の様子についてみてきました。

特に、子どもたちの成長では、夜中に何も見えない状態でも、自然の気配をキャッチして手探りで正確に歩くことができる。あるいは、簡単には難しい斜面・がけ地も、すぐに肌感覚で環境を読み解き、悠々と上り下りできる。あるいは、土や自然にあるものを使って、何か発想が生まれ、ゼロから創作することができる。

自然を通じて、身体で感じて・考え・生み出す。そのような成長ぶりが見えてきました。

 

画像は、こちらこちらからお借りしました。

そして、ここからは自然の摂理・生命原理に肉薄して追求していきたいと思います。特に、自然が人(生物)に対してどのような影響(効果)を与えているのか、その根源について考えていきます。

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posted by hasi-hir at : 2023年02月09日 | コメント (0件) | トラックバック (0) List   

2023年02月09日

「主食って何?栽培の歴史から主食を見る」第6回~世界生産量2位の小麦はどうして主食になった?~

世界の主食は年間生産量の多い順に、トウモロコシ(10.3億トン)、小麦(7.4億トン)、米(4.8億トン)、ジャガイモ(3.8億トン)。このほかにもキャッサバ、大豆、サツマイモなどがあります。

https://www.maff.go.jp/j/heya/kodomo_sodan/0112/05.html

 

今回は年間生産量が2位で、世界の広い地域で食べられている小麦の歴史を追いかけてみます。

https://www.seifun.or.jp/pages/92/ より引用しました!

 

★野生の麦から栽培へ

1万年ほど前の西アジア、イラクあたりの山岳地帯の草原には、野生の小麦や大麦が他の雑草に混ざって生えていました。乾燥した暑い夏の終わり頃には、それらに実がつき、周辺の原始人たちは、それらの実が地面に落ちる前に茎からていねいに採るか、地面に落ちたのを一粒ずつ拾い集め、野生の果物、木の実、種子、草などとともに食べていたと考えられます。

 

雑草の中では、大麦と小麦が比較的多く生えていて、

①他の種子などに比べて粒が少し大きめで、集めやすかった

②脂肪が多く含まれる野生の種子などと異なり、でんぷんが多くてたくさん食べてもおなかに安心だった

③また、野生の植物には有毒なものが多い中で大麦や小麦は全く無毒だったことなども、大麦と小麦を人類が選んだ理由といえるでしょう。

そして、④大麦と小麦が比較的栽培しやすかったことも、原始人たちにとっては幸せなことでした。

 

1万〜8,500年前の先土器新石器時代には、野生と栽培した麦の両方を、しかも小麦と大麦の区別なく、豆や雑穀と混ざったままで石と石の間に挟んで粗く砕き、焼いて食べていたようです。

「麦の食文化」の始まりでした。

 

★大麦のおかゆから小麦のパンへ

土器が使われ始めた紀元前6,500年ころには、小麦よりも大麦の方が好まれて栽培されるようになりました。

その理由としては、西アジアのような乾燥してあまり肥沃でない土地での栽培には大麦の方が向いており、収量が多かったことと、小麦より収穫が1〜2週間早いので、雨が降る前に食糧を確保できたことが考えられます。

 

この時代には、小麦は山岳地帯から平野に広がり、メソポタミア平原から地中海沿岸、エジプトにまで達しました。

大麦は臼で粗挽きし、土器で煮て「おかゆ」のように食べられました。小麦のおかゆはボタボタの感じになりますが(グルテンが固まるため)、大麦はさらっと美味しいおかゆになりました。

画像はhttps://www.seifun.or.jp/pages/92/ よりお借りしました。

中国でも先秦時代までは、主に大麦のおかゆが食べられていました。漢の時代には、「麥」と言う言葉は、大麦と小麦に使い分けられるようになりました。穂や粒の大きさではなく、偉い人を「大人」と呼んだように、主要なものを「大」、従属的なものを「小」と区別したと言われています。当時の中国でも大麦は小麦よりも大事にされていたことが分かります。

 

紀元前3,000年頃の古代エジプト時代に、〔図1〕「サドルカーン」と呼ばれる粉挽き専用の平らで大きな石がつくられました。「サドル」は鞍、「カーン」は石臼を指し、このサドルカーンの上に人がひざをついて座り、全体の3分の2くらいのところに小麦粒をのせて、細長い棒状の別の石を両手で握って体重をかけながら前後運動を繰り返すと、座ったところの手前の方が少し髙いので、小麦に圧力を加えやすく、すりつぶすと手前にすり残しが、向こうに挽いた粉がたまる仕組みです。

小麦粒に少し水を加えて湿り気を持たせてから、サドルカーンですりつぶすと、外皮は比較的粗いまま取れ、内部は細かい粉になります。ふるい分けや風選によって、外皮を大まかに分けていたと思われます。また、この時代には、木の幹でつくった乳鉢と木製の乳棒を用いて粉を挽くことも行われてました。

こうして、小麦の外皮を取り除いた粉ができるようになり、この小麦の粉に水を加えて捏ねると 弾力と粘りのある塊になり、オーブンで焼くと、比較的軟らかくて、おいしいものができました。大麦の粉で焼いたものは硬く、小麦を使うのとは大違いでした。(引用ここまで)

大麦の歴史を見てみると、水が少なく乾燥した地域でも育ち、安定して収穫できることが、最低限生きるために必要な食糧確保につながったと考えられます。

小麦は大麦よりも食味が良いということから、どのようにすれば美味しく食べられるのか?が追求されてきたと思います。

現代ではパン、パスタ、ピザ、ナン、うどんなど様々なものに加工されて食べられていますが、他の食材とも合わせやすい点が世界中に広まった要因と考えられるのではないでしょうか。

主食はどうして主食となったのか?

麦は気候条件が厳しくても一定量の収量を確保することができ、他の食材と合わせることでより美味しい味を生み出すことができる可能性が人々を魅了してきたのかもしれません。

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posted by kitaguti at : 2023年02月09日 | コメント (0件) | トラックバック (0) List   

2023年02月08日

【日本の漁業はどこに向かうのか】シリーズ5~稼げる漁業の可能性はどこにあるのか?

漁業による漁獲量は1980年以降ほぼ横ばいの状況であるのに対して、世界における漁業生産量は増え続けています。

 

世界の漁業は成長産業でありながら、日本の漁業は衰退しているという話をよく聞くようになりました。これほど海に囲まれた国は珍しいのに、なぜ漁師は儲からない商売と言われるのでしょうか?

 

日本においては個人でやっている漁師、もしくは小規模の組織で漁業をしている場合が多い状況です。取ればとるほど資源が減り、漁獲量も減り収入も減ることは漁師の間で認識はされているようです。しかし、自分が漁獲量を減らしても他の漁師がとりすぎれば資源は回復しない。よって競争原理が働き、漁師は収入を上げようと、漁獲量を増やそうとするが資源が減るので結果的に収入が伸びない構造にあります。

 

◆日本の漁師の収入はどのくらい?

ノルウェーでは水産業の平均年収は2000万円と言われています。

一方で日本は漁師の年収はボリュームゾーンで400万円前後、平均344万円になっています。就職して漁師となる場合、給与は歩合で決まることが多く、その月や年の売り上げによって変動します。

※画像はこちらからお借りしました。

自然相手の商売になるので、毎月安定した漁獲高となり売り上げが上がるとは限りません。また、個人事業主の場合、福利厚生はまったくありません。一方で、漁業組合などに属して働く場合は、出漁手当、食料手当、住宅手当などが支給される場合もあります。

近年はさまざまな燃料代が高騰しており、漁船漁業における支出の約2割を占める燃油は、漁業経営に大きな影響を与えています。場合によっては漁獲量によっては漁に出れば出るほど赤字となってしまうこともあります。また、漁師は自ら船や網などといった、漁に関する設備を維持していかなくてはならないため、支出が多いのが特徴です。

 

◆成功事例の真似から

佐渡のエビ漁は、ノルウェーをはじめとした海外で漁業を儲かる商売に転換させた資源管理方法のひとつである、個別漁獲割当(IQ=Individual Quota)制度を本格導入したエリアです。

「個別漁獲割当(IQ)制度」とは何か。平たく言うと、獲り放題で早い者勝ちの漁をやめて、漁業者や漁業体ごとに「年間何キロまで獲っていいか」を事前に決めること。

 

この制度によって獲っていい上限が決められると、漁師側はとにかくエビをたくさん獲ろうという努力から、価値のあるエビを優先して獲るように努力の方向が変わっていくことになりました。つまり、価値の低い小さいエビは逃がし、価値の高い大型のエビだけを獲ることになり、それによってエビ漁が持続可能に。

 

また漁獲量が決まっているので、相場の高い時期のみを狙うようになったこと、一つの経営体の持つ漁船の数も減らしたことで経費も削減され、海がシケたら無理をせずに休むという選択肢ができ、他の船との競争意識も薄くなったということです。

IQを始めたときに比べて、今は1.7~1.8倍の水揚げ金額があります。漁をするのが10か月間で、年間200回も出ていないにもかかわらず、余裕もできて社会保険も厚生年金も加入。

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◆くら寿司の漁師をささえる取り組み~企業と一体化して漁師の収入を増やしていく

くら寿司は漁港で獲れる魚を直接買い付け、独自のルートで配送することで、漁師さんの収入安定化を図り、共存共栄を目指す取り組みをしています。

 

まず、定置網にかかった国産天然魚を年間契約で丸ごと買い取る「一船買い」。定置網には、人気の高い魚の一方で、品質が良く、おいしいにもかかわらずあまり知られていなかったり、加工や調理の仕方が難しかったりなどの理由で市場にあまり出回らない魚もかかります。こうした魚は比較的安値で取引されることが多いのですが、様々な種類やサイズの魚も買い取っています。

 

一船買いを進めるにあたり、課題だったのが未成魚の有効活用でした。そこで取り組んでいるのが、天然の未成魚を人工の生けすで育てる「畜養」です。1年から1年半ほどかけて育て、寿司ネタとして出荷することを目指しています。

 

また、魚の約40%にあたる骨やアラといった食べられない部位の活用が課題としてありました。

この課題を解決すべく、骨やアラを魚粉にし、くら寿司で販売する養殖魚のエサの一部として活用することにしました。

定置網漁から養殖のエサまで、漁業関係者と一体化して利益を上げていく仕組みになっています。

※画像はこちらからお借りしました。

◆流通から儲かる漁業を考える

漁業が儲からない原因の一つに売り手側に価格の決定権がないことがあります。現状の漁師の手取りが決まる仕組みは、釣った魚を仲卸しに持って行って市場で競り落とされた値段から手数料を引いた金額が、漁師の手元に残る構図になっています。市場は、法律で漁師が捕った魚を必ず荷受けしなければならないという決まりがありますので、出したい物は拒めないのですが、いくらになるかはわからないというのが現状です。

 

水産物の流通総額はだいたい加工品も含めて3.8兆円あるといわれていますが、その内の1%も電子商取引(オンライン販売)されていません。

 

売り手の魚の産地と、買い手のバイヤーをつなぐプラットフォームを利用することで基本的に売り手側が値段を決める仕組みです。オンライン上で情報を交換し、水揚げが少ない場所に釣った魚を卸すことで値段をコントロールできます。

※画像はこちらからお借りしました。

岡山の笠岡市漁港では、ほとんど既存の市場に出さずに自分たちで値段を決めて、開拓した先に販売しています。結果、年収が500万円〜600万円くらいあるとのことです。

※画像はこちらからお借りしました。

◆まとめ

今回は儲からない日本の漁業から稼げる漁業への可能性はどこにあるのか?を追求しました。

 

一つは現在行われている獲れるだけ獲るという競争原理のはたらく漁業からの転換が必要であるということ。もう一つは価格決定権が買い手にある仕組みから、漁師が決定できる流通システムを整えるということ。

 

調査する過程で多くの漁業関係者がこのままではよくないと認識しながら転換できずにいます。成功事例はいずれも国が関与したり、民間企業の参入、ITを使ったプラットホームの作成など漁業関係者以外からの動きが目立ちます。

 

実は世界的にみると漁業は成長産業であり、やり方次第で十分稼げます。異業種参入、流通改革など新しいことを積極的に取り入れることで稼げると認識されていけば日本の漁業が復活していくのではないかと思います。

 

参考文献

https://sdgs.yahoo.co.jp/originals/16.html

https://www.kurasushi.co.jp/mirai/fish.html

https://myojowaraku.net/article/12104

https://www.kurasushi.co.jp/author/003038.html

https://sdgs.kodansha.co.jp/news/knowledge/41389/

 

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posted by muramoto at : 2023年02月08日 | コメント (0件) | トラックバック (0) List   

2023年02月04日

「主食って何?栽培の歴史から主食を見る」第5回~米はどうして主食になったのか?

こんばんは☆

普段私たち日本人が当たり前に食べている、”お米”。


でも、なぜお米は私たちの「主食」になったのでしょうか?

主食たりえた理由がそこにあったのではないか。
今日は、改めてそこを追求してみたいと思います♪

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posted by tanimitu at : 2023年02月04日 | コメント (0件) | トラックバック (0) List