【日本の漁業はどこに向かうのか】シリーズ6 最終回~地元漁師による自主管理力の再生、自然と共生する漁業が日本の漁業を再生する |
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2023年02月26日
【「食べる」と「健康」その本質に迫る】その5 ~有機野菜はなぜ体に良いと言われるのか?
健康志向の流行を背景に「有機栽培」という言葉が良く聞かれるようになってきました。
一般的に有機栽培とは「化学肥料・農薬を使わず作物を育てる」ことと「作物を育てる土壌にも負担をかけないように配慮した栽培方法」のことを指します。そして、有機栽培により育った作物=有機野菜は「体に良い」と言われています。
たしかに「無農薬」などと聞くと、体に良さそうな感じがしてきますが、着目したいのは”有機”であることと健康の繋がりです。この解明は幅広く奥が深い領域です。本シリーズのテーマでもある【「食べる」と「健康」その本質に迫る】の追求の切り口として「有機野菜はなぜ体に良いのか?」を追求していきます。
画像はこちらから引用しています
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■有機肥料と化学肥料のちがい
まずは有機栽培の一般的な定義でもある「化学肥料と有機肥料の違い」について追求していきます。一般的な定義としては、
以下引用(リンク)
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・有機肥料とは、油粕や魚粉、鶏糞など、植物性または動物性の有機物(炭酸そのものを除く炭素を含む化合物)を原料にした肥料のことです。これに対し、鉱物などの無機物を原料として、化学的方法により製造された肥料を化学肥料といいます。
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肥料の役割は、主に土への栄養補充と土壌改良。農作物は、土から根を通じて窒素やリン酸、カリウムなどの無機養分を吸収して育ちます。しかし、土中の養分には限りがあるため、肥料を使って養分を補うのです。下記に有機肥料と化学肥料の特徴を挙げておきます。
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以下引用(リンク)
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〇有機肥料の特徴
・原料は、植物性または動物性の有機物
・肥料の種類によって違いがあるが、全体的に即効性は低く持続性が高い
・銅、亜鉛など、植物の微量必須要素の給源としての効果も期待できる
・利用することで土壌が改良されるメリットがある
・微生物の働きによって分解状況が変わるので、量の調整が難しい
・過程でガスが発生したり、においが強かったりする物もある
・自然の素材を発酵・熟成させて作るので、肥料ができるまでに時間がかかる
・原材料に限りがあるために大量生産は難しく、その分価格は高め
〇化学肥料の特徴
・原料は空気中の窒素や鉱物などの無機物
・全体的に即効性が高く、持続性は低い
・微生物の影響を受けず、植物に吸収されやすい
・臭いやガスが発生しない
・有機肥料のような土壌改良効果 はない
・過剰使用すると「肥料やけ」(根が障害を受け、しおれたり枯れたりすること)が起こりやすい
・工場で大量生産が可能なため、安定した品質のものが安価に手に入る
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ポイントは、有機肥料は「自然状態の生育環境を”促進”させる」ことが目的で、化学肥料はスピード重視で人工物を利用して「”人工的”な生育環境をつくる」ことが大きな違い。それにより植物の生育・植物体内の環境に変化が現れます。ここを頭に入れて下記を読んでください。
■野菜の生育には、人間と同じように「アミノ酸」が重要
アミノ酸は人間や植物の体のタンパク質を構成しているものです。タンパク質とは、人間でいうと「爪、髪の毛、皮膚、筋肉、臓器、赤血球…」等々、人間の体を作る上で欠かすことのできない多くの部分をタンパク質が担っています。つまり、アミノ酸は「生物が生きていく上で必要不可欠なタンパク質の原料」ということです。
アミノ酸は自然界には約500種類あるとされていますが、人間の体の中には20種類のみが存在しているらしいです。その内、必須アミノ酸と非必須アミノ酸があります。
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・必須アミノ酸:自分で生合成できない9種類のアミノ酸
・非必須アミノ酸:自分で生合成できる11種類のアミノ酸
人間は体内で生成できない必須アミノ酸はサプリメントなどで外から摂取します。一方、植物は20種類のアミノ酸をすべて体内で生成することが可能です。
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アミノ酸が植物の生育に与える影響については、まだまだ解明されていないことが多いのですが「有機肥料の圃場は、化学肥料のみの圃場よりも土中のアミノ酸が多く存在する」という実証された事実もあり、健康との関係がありそうです。
★自然状態の生育環境を促進できる有機肥料とアミノ酸の関係性は追求ポイントです。
そして、別の視点ですが、植物は光合成によって体内に糖をつくり出します。
化学肥料の場合「糖と窒素を結合させてアミノ酸を生成」する化学反応を人工的に起こし、植物体内のアミノ酸を増やします。
一方、有機肥料の圃場で育成される場合、豊富なアミノ酸を植物が直接吸収し、植物体内の糖が多く残り、それが美味しさや健康につながっているのです。※こちらをご確認ください
■まとめ
論点を整理すると
・アミノ酸は人間と植物にとってタンパク質を生成する重要な原料。人と植物では体内で生成可能なアミノ酸が異なり、人間に必要な20種類のアミノ酸を植物は体内で生成可能。
・植物が自然状態で育成できる有機肥料の圃場では、アミノ酸が豊富に生成される。有機野菜は根っこから直接土中のアミノ酸を吸収している。
・化学肥料は、光合成によって植物体内に生成された糖と窒素を結合させてアミノ酸を人工的に生成促進させる。
⇒★有機肥料の圃場で生成したアミノ酸と人工的に生成したアミノ酸では何が異なるのか?それが健康と関連するのか?感覚的には植物の生育原理に沿った有機農法の方が健全に育つのは明白だが、健康との関係は?がさらなる追求課題です。
アミノ酸の生成量(=タンパク質の豊富さ)が、有機栽培によって多くなることを解明できれば、「有機野菜が健康」は一定の解説ができそう。
※ちなみに、これは今後の追求課題ですが、
「有機野菜には酵素が多く含まれる」そうです。
健康食品というと「酵素」が思いつきますね。そして、酵素はタンパク質でできています。つまり、上記の内容をふまえて考えると、「アミノ酸を多く含む有機肥料の圃場では、タンパク質も豊富=酵素も豊富。」という関係が成り立つのではないでしょうか。
体内で作り出される酵素が減少すると体の調子が悪くなるといった話しがあるように、酵素が多く含まれる有機野菜を食べることで体内の酵素を増やし、健康につながることは仮説として言えそうです。
投稿者 t-kenta : 2023年02月26日 TweetList
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