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2023年03月14日

自然を通じた成長シリーズ⑤~進化の源泉は、外部環境をありのままに受け入れ、ただ適応に向かうこと~

今回の成長シリーズは「外部認識力の進化」について原点ともいえる、単細胞生物を深めていきます。

 

太古の昔から現在に至るまで地球上でもっとも多く生息している生き物は、菌や細菌などの単細胞生物なんです!例えば人間のお腹の中にいる大腸菌。実は100兆匹以上!!

単細胞は、生命の原点であるとともに、外部環境に対する強固な適応力を持っています。この進化の源泉について見ていきたいと思います。

 

■多種多様な機能は支える「細胞膜」

単細胞は、非常に単純な構造であるとと同時に、生命体として外部環境の変化にも柔軟に対応することができる多種多様な機能を有しています。

その多様な機能を支えているのが、「細胞膜」です。

「細胞膜」の機能としては、以下のように、大きく7つあると考えることができます。

外部環境の情報をとらえるアンテナ

周りの細胞・生物と情報を共有する役割

外部の環境変化に対する運動機能

周りの物質(餌・敵)をとらえ、食べるかどうか判断する役割

餌を食べる口・排泄物を出す肛門の役割

体の中のエネルギーを運搬する役割

子孫を残す生殖器としての役割

 

これを見て分かるように、生命体として不可欠な「代謝機能」、「防衛機能」、「子孫継承機能」の3機能すべてになっているのです。

 

その機能の土台をなしているのが、細胞膜を組成している「たんぱく質」です。

細胞の体は壊れやすいたんぱく質などの物質でできていて、放っておくと体がボロボロになってすぐに死んでしまうので、細胞を持つ生物は全て、壊れたたんぱく質などを再生して生きています。それだけ単細胞生物にとってたんぱく質はとても重要なのです。

・単細胞生物は体全体を波打たせて移動することで、体の中を常にかき混ぜ、その流れに乗って、たんぱく質は体中に運ばれ、必要なところに届けています。

・目に見えない程小さな体の中に、これだけの仕組みが詰まっているんです!この連鎖反応を繰り返し体を再生する力が単細胞生物の生命力の原点なのです♪

※つまり生物にとってなによりも良質なたんぱく質が得られるかどうかがとても重要になります。そして、様々は外圧(刺激)から身体を壊し、再生することでより強い個体へと成長していくのです。 

 

たんぱく質は、外部環境を把握し、安全性・危機状況を判断し、異種物質も取り込み、あるいは排出していくことで生物は生き延びているのです。そのような表皮≒皮膚(触覚)が生命維持をして生き延びていく上で、最も重要な器官です。

(http://plankton.image.coocan.jp/algae2-6.htmより引用)

 

■進化の源泉は、「現実をありのままに受け入れ、どう適応するか」

では、単細胞は、このような多種多様な機能へと進化させてきたのでしょうか。

それは、単細胞が大進化を遂げる「原核細胞」から「真核細胞」へと進化する姿から見て取れます。

当時の原核細胞は、とても単純な機能で、非常に小さな存在でした。ここから20億年ほどたったころ、地球環境の変化により、過酷な餌不足に陥りました。

この状況を突破する必要に迫られていた原核細胞のうち、異種物質が飛び込んできた際、1兆分の1ほどの極めて低い確率ですが、両者が共生することによって進化を遂げることができました。

生物進化とは、その時々の外圧に直面し、その不整合を解決するために、ただひたすら適応するベクトルへと向かった過程です。

 

このように、進化とは、外部環境をありのままに受け入れること、そして、その状況の中から、ただひたすら「どうする?」という突破口を探索する中から生み出されてきたのだということが分かります。

 

我々人類も、「まずは、ありのままを受け入れている」ことに尽きるのではないでしょうか?そういう中で、現代社会から少し離れて、自然の中に身を置くことによって、その自然の中で働く状況や環境をありのままに受け入れ、そして、その自然の中でどのように継続して過ごす(生活するか)を追求する機会を得ることも重要です。

そのような生物原理的な営みを、私たちの生活の中に取り入れていくことによって、生物本来の活力・適応力・追求力も育まれていくように考えます。

投稿者 ara-yu : 2023年03月14日 List   

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