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2023年02月09日

自然を通じた成長シリーズ④~生物は、どのように外部認識力を高めてきたか?~

本シリーズでは、自然や農を通じた体験が、人の心身の成長にどのような効果をもたらすのかを追求してきました。これまでは、世の中での事例や、当ブログを運営する類設計室の日々の活動をもとに、具体的な成長の様子についてみてきました。

特に、子どもたちの成長では、夜中に何も見えない状態でも、自然の気配をキャッチして手探りで正確に歩くことができる。あるいは、簡単には難しい斜面・がけ地も、すぐに肌感覚で環境を読み解き、悠々と上り下りできる。あるいは、土や自然にあるものを使って、何か発想が生まれ、ゼロから創作することができる。

自然を通じて、身体で感じて・考え・生み出す。そのような成長ぶりが見えてきました。

 

画像は、こちらこちらからお借りしました。

そして、ここからは自然の摂理・生命原理に肉薄して追求していきたいと思います。特に、自然が人(生物)に対してどのような影響(効果)を与えているのか、その根源について考えていきます。

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■生物史に遡って『外部認識力の進化』について考える

自然が生物(人)に与える影響を考える上で、そもそも生物はどのように自然(外部環境)を認識してきたのかを考えます。

外部環境の変化にも柔軟に適応するためには、外部認識力を高める必要があります。今回の投稿では、生物史に遡って、どのように『外部認識力』を高めてきたのかを、進化を3段階に分けて考えてみます。

 

〇①外部認識の原点は、「細胞膜(表皮)」で、すべての機能を担っていた
1段階目は、生物として最も根源的なかたちである「単細胞⇒多細胞⇒肛腸動物」の段階です。
ここでは、外部環境を認識する主たる方法は、細胞膜の「表皮」です。シンプルですが非常に重要で、この表皮で外部環境を認識する全機能をつかさどっていました。

 

画像はこちらこちらからお借りしました。

ここでは、外部環境を把握するアンテナとしての役割、その情報を身体全体に伝達する役割、ものを食べるの役割、エネルギーを身体中に運搬する役割など、我々の身体のほとんどの機能を持っています。

ただし、その精度は非常に大雑把であり、動く力も極めて弱く、周りの流れに身を任せるしかありません。近くにある餌をとって、なんとか生命活動を維持する。そういった生存の仕方を取っていたのでしょう。

 

〇②セキツイ+視覚・聴覚を進化させ、外部環境の射程(広さ)を高める

次の2段階目では、カンブリア大爆発を契機に、生物進化が急速に促進され、魚や両生類といった「セキツイ動物」へと進化していきました。

 

画像は、こちらこちらからお借りしました。

セキツイ(骨)を形成することにより、海水の流れに身を任せるのではなく、高い運動能力を駆使して、自らの意志にしたがってスピーディに動くことができるようになりました。

同時に、急速な運動能力の向上とともに、外部認識力の射程も急速に広げる必要があり、「視覚(目)や聴覚(耳)」を獲得し、より広範な外部情報をキャッチできるようになりました。

同時に、スピーディな外部認識機能と運動能力をつなぐ大量の情報を処理し、瞬時に判断する必要が出てきます。そこで、「脳や神経回路」を形成し、体内の情報伝達機能を高度化させたのです。

より広い・大量の外部情報を入手し、そして、スピーディかつ的確な行動につなげていく力は、この脊椎動物の進化にて実現しました。

 

〇③快の感覚(スキンシップ)を進化させ、より「鋭敏」にとらえる
さらに3段階目では、胎内保育、つまりお腹の中で子どもを育てる哺乳類(モグラ)から、サル・人類へと至る進化過程です。ここでは、自分以外の異物を受け入れる力を獲得し、さらには、同類他者と触れ合うことで充足する「快の感覚(スキンシップ)」を獲得しました。

 

画像は、こちらとからお借りしました。

これにより、快の感覚(スキンシップ)を通じて、非常に繊細な外部認識ができるようになりました。例えば、目で確認することができないくらいのミクロ単位の違い、あるいは、空気のゆらぎや、人が放つ気配の違いなども、このような皮膚感覚の鋭敏さによるものだと考えられます。

このように、外部環境をより精緻に把握できるようになると、それに合わせたきめ細やかな「身体能力(バランス感覚)」も獲得することができるようになり、同時に、物事を正確に把握しようとする「知能」をも高度化する源となっています。

 

進化の3段階の外部環境と生物進化の過程について、簡単に整理します。

① 生物と外部環境の接点は、「細胞膜(表皮)」が原点。すべての外部認識をキャッチしていた。

② 魚類の進化では、セキツイと聴覚・視覚を進化させ、外部環境を広い射程でキャッチし、スピーディに適応できる力を獲得した。

③ サル(オラウータン)の進化では、快の感覚(スキンシップ)を進化させ、外部環境を精緻に把握し、さらに身体・知能も進化させ、外部環境を変えうる力を獲得。

 

今回の投稿では、生物史をさかのぼって、人の成長につながる根源的な切り口を大まかに探ってきました。次回の投稿では、より具体的に、単細胞における細胞膜(表皮)の外部認識機能について深めていきたいと思います!

投稿者 hasi-hir : 2023年02月09日 List   

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