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2022年12月18日

【農の最前線にせまる】第2回 「あさい農園」最先端の栽培技術

今回は「あさい農園」の2回目です(前回ブログ)。

前回は【1】他業種や大学とのコラボによる農業改革について紹介しました。

今回は【2】最先端技術を活用した栽培効率について紹介します。

 

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※下記の写真はこちらから引用しています。

<生産管理技術の標準化システム>

〇1人ではなく組織で農業をやる時代に。生産管理の標準化・システム化により生産性を向上へ。

 近年、急激に農業者の高齢化が進んでおり、1人で農業をやる時代から、株式会社や農事組合法人などの組織で農業経営を行う経営体が増加しています。あさい農園では農業生産現場の生産性向上を実現するため、業務の標準化およびシステム化の研究開発に取り組んでいおり、現場の技術クルーが日々抱える課題について、仮説を持ち、検証しながら課題解決に取り組んでいます。

生産工程管理の標準システム化

 

ハウスは「オランダ式」の最先端のものを使用。トマトはオランダのビニールハウス栽培を代表する作物で、栽培方法は世界の最先端を行っています。主な特徴は、

・大規模ビニールハウスが半数以上。

>トマトを栽培しているビニールハウスに限れば、半数以上が6ha以上(2009年)と広大な広さを誇っています。日本の経営耕地面積の平均が3.08ha(2020年)ですから、日本の平均的な農家の2倍の面積を誇っています。

・高軒高(のきだか)ビニールハウスで栽培

>オランダでトマト栽培に使われているビニールハウスは、5m以上の高さを誇ります。換気効率が良く、室温が変化しにくいことが特徴です。

・統合環境制御装置で多角的に管理

>この装置は、室温や湿度、CO2などの複合的な要因から光合成が最も進む環境条件を導き出し、トマトにとって理想的な環境を自動で作り出します。もちろん、潅水量や施肥量の調整も行います。

詳しくはこちら

 

<AIによるトマト生産管理技術の高度化>

〇AI活用による栽培・労働管理の最適化、光合成の「見える化」に挑戦!

 農林水産省の委託プロジェクト研究「人工知能未来農業創造プロジェクト」において、愛媛大学を中心とする7社のコンソーシアムを構築し、「AIを活用した栽培・労務管理の最適化技術の開発」に取り組んでいます。リアルタイムで植物生体情報をセンシングすることにより、植物の成育状態、光合成量、色づき計測など、経験や主観によらない生育状態を多元的に把握し、栽培管理技術の最適化や収穫量予測などに活用します。

 

 

<甘い実を効率生産する環境制御IoT>

ミニトマトのハウス栽培を、日本の在来農法ではなくオランダの施設栽培モデルに基づき実践。ハウス内の環境(温度・湿度・二酸化炭素など)をセンサーで“見える化”し、コンピューターで適正に制御する。甘いトマトを多く生産するために独自で研究を重ね、光合成の最大化と植物体のエネルギー分配について最適化を導き出す。現在は1,000㎡あたり28.7tのミニトマトを生産中(※この収量の多さはミニトマトにおける日本記録)。将来はAIを活用し三重と海外の農場を結びリモート栽培する夢も。

 

生産現場の様子。熟れ具合をAIで分析し、収穫するロボット(これはすごいですね~)。

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以上です。あさい農園さんは第一回と第二回で分けて書かせてもらいましたが、いかがでしたでしょうか。

あさい農園さんは、最先端技術の開発を、他業種を巻き込みながら推進することで、栽培・管理効率を格段に上昇。日本トップレベルのトマト栽培量となるまでに成長しました。また、地元の雇用を約500人(パート含む)創り出しているそうです。農業改革が地域の元気を復活させている好事例ですね。

本シリーズでは、あさい農園さんのような農業DXの先端事例をピックアップしていきますが、重要な視点として持っておきたいのは「本質的な農業改革とは何か?」を問い続けることです。栽培・管理工程をテクノロジーの力で効率化し、少ない人件費で大量生産する方法もあれば、とことん美味しい野菜づくりにこだわり、熟練した職人技で農業を盛り上げている人など、様々な切り口があります。

最初の方は、主にはテクノロジー領域の先端の世界を紹介しつつ、改めて「この先の農業で本質的に必要なことは何か?」を問い直したい。最終的には(まだ抽象的ですが)「農業が地域(=人)の活力を作り出す」という視点でまとめていきたいな~と思います。

投稿者 t-kenta : 2022年12月18日 List   

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