2022年11月18日

自然を通した成長 シリーズ①プロローグ~自然に触れると何が良いの?~

これまで本ブログでは、自然や地方での暮らしを求める意識について何度か扱ってきました。

「自然に触れることが能力を付けるのにも、人材育成にも良さそうなのは分かるけど、実際何が良いの?」

そんな追求ポイントから、今回のシリーズでは、子どもから大人まで全世代を対象に「自然を通した成長」について深めていきます!

①企業(経営者)の意識、②若者の意識、③子どもたちの意識から、結局その本質はどこにあるのか?を明らかにしていきたいと思います。

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2022年11月15日

類農園の取り組み:日曜は『援農』に参加しよう!~援農では何をしている?一日の流れに沿って紹介します~

類農園では、週末や長期休みに他部門から農作業の応援へ行く『援農』という取り組みをしています。

 

援農の目的は、大きく2点。

◎農業を志す人が新たな魅力を発掘し、就農就学定住の窓口となること

◎普段仕事では関わらない様々な部門の社員が、同じ農作業の課題の指標到達に向けてとことん真っすぐ取り組むことで、一体感や達成感から活力を見出し、自部門の仕事にもつながる気づきを得て、持ちかえること。

 

 

今回は、ある一日の援農の流れから「援農ってなに?可能性は?」を紹介したいと思います!

 

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この日のメンバーは人材課、広報課、設計部、インターンの学生さんなど合計13人。

課題は「じゃがいも収穫」。指標は16畝から520㎏収穫すること。

以下は1日の実際のスケジュールです。

 

↓↓↓

8:00~8:10 課題共有

8:10~8:30 遊び

8:30~11:45 じゃがいも収穫

11:45~12:00 移動、保管

12:00~14:00 昼ごはん、休憩、中間ミーティング

14:00~16:30 じゃがいも掘り

16:30~17:00 移動、片付け、掃除、保管

17:00~17:30 総括ミーティング

 

特徴的なのは、朝・昼・夕方“小まめに行われるミーティング”と、作業前の“遊び”ではないでしょうか。

 

◆小まめな課題共認

普段の仕事をする時は自身に分担された課題をこなすことが多く、自身の作業で完結することが多いと思います。

ですが、援農では素人ばかりの集団で取り組むことになるので、小まめな課題共認が成果に直結します。

朝・昼・夕方の節目に行うミーティング以外にも、作業中も常に進捗状況や課題意識をすり合わせることで常に農園のメンバーと意識を揃えながら課題を進められるのです。

期待されることはとてもシンプル。

「わからないことがあったらすぐに周りに聞く」

「口に出すこと」

「もっとみんなが楽しめる方法、効率のいいやり方がないかを考えること」

 

実は、普段の仕事でも求められる能力。

援農では1日で成果を上げる必要があり、自身だけでは成果を上げられないことが明確なため、より本質的に「集団で成果を出すためにはどうするか」に向かえるのです。

◆遊び

集団で成果を出すための“小まめな課題共認”と、“遊び”は一見相反するこうどうのように感じますが、農作業を始める前に遊びを取り入れだしてから、援農の成果は間違いなく上がっています。

 

その背景には、集団で課題に向かう基盤にお互いの「信頼関係(=親和関係)」が重要だという構造があります。

基盤に信頼関係があれば、小まめな課題共有をするにしても、時には指摘をしなくてはいけない場合でも、相手の言葉に素直に耳を傾けられるのではないでしょうか。

 

体を使った遊びには瞬時にそういった親和関係を築くことが出来るようです。

 

◆当日の総括レポートより

以下は農園メンバーの当日の総括レポートを、一部抜粋したものです。

当日の農作業の臨場感が伝わってきます。

>長期間おいているため、雑草の根もたくさん張って土砂も流れ込みシートが非常に剥がしにくかったため、そこがまず苦戦する部分でいかに早く突破できるかが最初のポイントだと共認。数畝ごとに集まってどうしたら早いか、どこが可能性か、追求の塗り重ねを濃くしてはがす作業は11人で20分が午前最後には10分、午後には5分ぐらいまで縮まりました!掘る作業もトラクターから手掘りに変えて、チーム制にしたり、役割を細かくしたり、塗り重ねを繰り返し4人で7分ぐらいが午後は4分台も出せるほどに!

最初に遊びを取り入れたのもあり終始充足感のある援農になりました。

 

>「あと何分―!何畝残っている!」「ちょっとペース落ちてきたよ!」「声が聞こえなくなってきたー!」など、そういった各人が感じる状況や外圧の変化をしっかり互いの活力に変えられるような声掛けが飛び交っていました。ささいな変化も口にし追求の材料になる情報を発掘しあっていたようなイメージ。遊びにより親和関係を構築し、うまくいっててもいかなくても、とにかく最初5分10分で集まってすり合わせることで、「この頻度で塗り重ねていくんだ」っていう認識をみんなで揃えることが大事!

 

>その時々にそれぞれが感じている壁や課題意識をもとに次どうするかを決めていくのは一貫していますが、その過程で圃場の全体的な状況把握がより細かくなり役割分担と各役割の繋がりが洗練されいったように思います。スコップで埋まったシートを掘り上げるにしても、どの位置でどんな間隔で、深さで、両端でそろえてやったほうが楽とか、相手によってこうしたらいいとか、どんどんどうする?の材料になる状況が多方面にわたる、細かくなる感じ。おのずと他の人の役割との繋がりも太くなっていって期待応合に繋がっていく気がします。

 

 

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今回は援農の目的である、「様々な部門の社員が、同じ農作業の課題の指標到達に向けて一体感や達成感から活力を見出し、自部門の仕事にもつながる気づきを得て、持ちかえること」の可能性について主に紹介しました。

 

援農を通して、“自然”という誤魔化しの効かない課題を取り組むのは、普段の仕事で周囲と連携して課題に取り組む際にも活きてくるのだと思います。

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2022年11月10日

高齢者の援農体験から~動く、動く、動く その先に待っていたものは・・・

私自身の体験からレポートさせていただきます。
援農っていいなぁ、初めて行った体験ではまってしまいました。
でもなぜいいのか・・・はなかなか言葉にならず、まず下記の投稿からお伝えしたいと思います。
援農は7月の一番熱い日の日曜日でした。

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2022年11月05日

【これからの林業を考える】シリーズ最終回~林・農・水の開かれた産業ネットワークの構築へ~

本シリーズは、『これからの林業を考える』と題して、日本の林業がなぜ衰退に向かっているのか?の原因構造を歴史・世界情勢の切り口から分析してきました。そして今後の突破口について、ドイツの林業をモデルとし、産業活性化の可能性を考えてきました。今回の投稿では、全体のまとめとして振り返っていきたいと思います!

画像は、こちらからお借りしました。

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2022年11月04日

24節気シリーズ【最終回】~旬のものを食べるとなぜ体に良いのか?

前回までの記事で、日本人は、24節季を暦として用いながら、季節の移り変わりを繊細に捉え、その移ろいに身体を寄り添わせるように様々な工夫を凝らしてきたことを書きました。

そうやって暮らしの中に楽しみを見出してきたのでした。

 

今回は食に焦点を当ててみます。基本的には24節季に合わせた、「旬」のものを食事に取り入れることが体に良いとされていますが、なぜ旬のものが体によいのでしょうか?

 

■人は食事で何を得ているのか?

世界には、食事をせずとも生きられる人たちがいます。その数は6万~10万人もいるといわれています。結構たくさんいるんです。

彼らはどの様にしてエネルギーや、体を構成するものを摂取しているのでしょうか?

 

不食の仕組み①~地球にある様々なエネルギー(太陽や磁力など)を体の中で転換することで不食を実現できる?!! – 地球と気象・地震を考える (sizen-kankyo.com)

しかし、栄養学の研究者 ガブリエル・カズンズによれば、体を維持するエネルギーの割合の70%は呼吸によるもので、そのうち飲食によるものは10%しかない。どういう仕組みなのか深堀してみると、タンパク質や脂質の分子構成をさらに詳しく見ていくと酸素 、炭素 、水素 ..まで分解できる。これらはすべて空気に含まれている要素と同じ。ということは、空気の中にある酸素や炭素を摂取することで、体の中で何かしらの元素変化が起きることで生命活動を維持しているかと推測できる。

また、 著書「とモリンの不食日記」の考えによれば、世の中には生命活動を維持する様々なエネルギーが様々な密度で存在している。私たちはそれらを摂取することで生命活動を維持できる。大きくエネルギーの摂取方法は2種類。一種類は物質を摂取する(食事)、動植物から栄養を吸収。もう一つは非物質を摂取(太陽、地球の磁場など)、原子や分子になる前の前物質(プラナー)から栄養を吸収する。不食の人たちは第二種の方法でエネルギーを摂取しているのだ。

 

前物質のプラナーというのは、いわゆる波動のようなものでしょう。人間は食事以外からでもエネルギーを得ることができるということのようです。

 

 

また、生命の源泉そのものが、宇宙の磁気波動であり、また生物はそれぞれに固有の振動を持っているという説もご紹介しましょう。

宇宙の磁気波動に同期することで生命は誕生した?・・・統合を促す波動こそ進化の源泉 – 地球と気象・地震を考える (sizen-kankyo.com)

例えば、短い波長が長い波長の整数倍になるサインカーブの同期・合成・増幅は、どの波も、その進行方向の中心線(X軸)沿って上下するのではなく、大きな波長の波形に沿って、小さな波形が組み込まてる形になる。

その結果、組み込まれる小さな波形の大きさと種類と数によって、複雑で特徴のある様々な波形になる。事例としては、楽器の波形は種類ごとに様々な特徴ある波形になり、それが楽器の音色を決めている。

そうすると、宇宙の基本波形をスタートラインとし、生命が進化するたびに、その生物独自の波形が形成されていくことになる。

それが、楽器の音色に対応する生物固有の特性として形成され、生物独自の物質的身体の形成を促しているのではないか?

これは、いまの生物にもみられる『キルリアン写真・・・物質の前にある生命体を導く機能?!』のように、電磁的波動が、生物の成長を導いているのではないかという理論ともつながる。

(中略)統合を促す波動こそ進化の源泉であり、それに導かれて物質的な身体も形成・統合さるという順番になる。

 

 

このようなことを前提にすると、我々が食事で摂取しているものも、ビタミンやたんぱく質といった「栄養素」以上に、その食べ物の持つ波動(振動)を一緒に取り入れ、それをエネルギーとしたり、それによって身体の振動を微妙に変化(調和)していっているように思えてきます。

 

旬とは、たとえば野菜であれば、生育にとって最も適した季節に育ち、収穫されるものです。

野菜の生育には、気温や土、窒素・リン・カリウムといった栄養素が必要と言われますが、上記のような不食の人の例や、波動こそが生命誕生の原理であることを考えると、旬の野菜とは、その季節の宇宙や地球の波動ともっとも調和して育つことのでる野菜。もっとも季節に調和し、エネルギーを吸収できている野菜ということが考えられます。

 

そして、それを食べるということは、身体をその季節に調和させることそのものであると捉えることもできます。そうすることによってこそ、身体はエネルギーを作り出すことができるのではないでしょうか?

 

 

上記はまだまだ仮説ではありますが、「旬の食材が体に良い」とされる根拠を大胆に考察してみました。

 

現在、季節に関わらず、主要な野菜はスーパーで買えるようになって半世紀が過ぎましたが、その間にがん、うつ病に代表される活力不全、不妊などの、体調の不全が顕在化してきています。

今一度、旬のもの(特に地場で収穫されるもの)を取り入れることの価値を見直す段階に来ているように思います。

 

本シリーズはこれで終わりますが、「本当に体に良い食とは?」「そのための農業とは?」といったあたりは、今後の当ブログの追求テーマとしていきたいところです。

 

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2022年11月03日

「腸が作る健康の秘訣」最終回~腸は自然外圧と直結した外識機能

腸が作る健康の秘訣を8回のシリーズで扱ってきました。

人体の健康こそ自然の摂理の中に答えがあるのだと気付かされたシリーズです。人類は単独で生きているわけではなく、植物から動物、様々な生命体の循環の中で生きている、生かされているのです。それは植物、動物以降の起点となる土の中にその答えがありました。人類は様々なものを食べることで進化し、生きながらえてきたのも全てこの土のお陰です。

動物の骨、骨髄、木の根、葉っぱ、虫、魚、・・・そしてその延長に現在の食卓があるのです。しかし、これだけのものを食べられる動物はそう多くありません。人類の最も優れた特徴です。それを可能にしたのが腸内細菌の進化であり、共存です。その腸内細菌は土の中の細菌のしくみとほぼ同じで、腸内の発酵を通じて栄養を取り込み健康を維持しています。

健康とは腸で始まり、腸で終わるというくらい腸壁の腸内細菌が重要で、様々な腸内細菌にバランスよく働いてもらうためバランスのよい食材を取り込んでいくことが必要なわけです。現在は好きなものを好きなだけ食べられる時代になりましたが、健康にとっては危険な状態です。飽食が腸内のマクロファージ(免疫細胞)の動きを鈍らせ、腸壁を貫通して細菌が体内に入っていき病気に侵されます。マクロファージと腸内細菌の関係はまだ追求できていませんが、同様の食材が効果があるという点から相似機能にあると想像できます。このシリーズは今回で終わりとなりますが、引き続き人体と自然界の関係を追求し、健康とは何か、食べるとは何か、土と人体の関係は等、多くの継続課題を残しつつ今回のシリーズを終えたいと思います。

尚、本シリーズの記事を書く上で大いに参考にさせていただいた著書『腸と森の「土」を育てる』(著:桐村里紗)にはこの場を借りて感謝申し上げます。

以下はシリーズダイジェストです。できるだけ原文を採用しています。

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2022年10月29日

「腸が作る健康の秘訣」第7回 少食(腹7分)はなぜ健康によいのか?~マクロファージの観点から

人類は200万年の歴史の中で現在のように何でも好きなものを好きなだけ食べられるようになったのはこの100年間にすぎません。生活習慣病などの病気が登場したのはさらにこの30年間。糖尿病、肥満、高コレステロール等、またダイエットやベジタリアンなどが言われだし、つまり先進国で貧困が消滅して初めて食の次元が変わってきました。
そのため、人類の身体は飢えには適応していますが、飽食に適応できていません。言い換えると最も健康的な食(人類の本来の食への適応)とは少食ということになります。因みに様々なダイエット法はありますが、なぜ少食がよいかを明らかにした情報は意外と少ないようです。

今回はこの少食と健康の関係を明らかにしていきます。

まず少食であると有利なことは以下のような事です。

・頭が冴える
・睡眠が深い
・病気にかかりにくい
・ボケない(アルツハイマーの予防になる)
・健康寿命が伸びる

などが一般に言われています。

最近の研究で少食の優位性をマクロファージの観点から解明したものがありますので今回はそれを軸に紹介していきます。

腹七分目とマクロファージ | 医療法人社団 小白川至誠堂病院 (kojirakawa-shiseido-hp.com)から引用しました。

☆マクロファージとはなにか?
生命の起源はマクロファージです。単細胞から多細胞生物に進化した段階で原始マクロファージが発生したと考えられています。原始マクロファージはその後、各臓器を構成する細胞、免疫細胞である顆粒球、リンパ球等に進化して行きました。マクロファージが貪食機能を上げ細菌や死んだ細胞等、サイズの大きい異物を処理するのが顆粒球、ウィルスやガン等の微少な異物処理能力を高めたのがリンパ球です。人にもマクロファージは存在し、白血球の5%を占める単球から分化します。すなわち造血幹細胞から分化した単球は骨髄で成熟、血流に入り数日後には血管壁を通り抜けて組織内に侵入、マクロファージとなり貪食能を持つようになります。

☆マクロファージとは細胞の一種で、免疫細胞とも呼ばれています。
マクロファージが実際に健康や寿命に寄与している事例を2例紹介します。

>霊長類のアカゲザルを30%カロリー制限群と非制限群に分け20年間観察した報告があります。20年後の生存率はカロリー制限群で80%、非制限群で50%であり制限群で明らかな寿命の延長が見られました。またカロリーを制限したサルでは心血管系、糖尿病、ガン等の発症は有意に低下していました。飢餓状態、又は25%以上のカロリー制限でサーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)が活性化することが報告されています。この遺伝子は好気性代謝の工場であるミトコンドリアを増やすだけでなく体内の遺伝子も監視、傷害された遺伝子を修復して老化を抑制しています。しかし腹七分目が体に良い理由にはサーチュイン遺伝子のみでなくマクロファージも関与していると考えられています。

>臨床の現場にいると記憶に残る患者さんがいます。食事に関しては次の二人の患者さんです。一人目は私が当院に勤務した頃、前主治医から引き継いだ超高齢の脳梗塞後遺症の方です。点滴500ml(100カロリー)のみで長く安定していましたが当時の私は、幾らなんでも少なすぎると考え点滴を1000ml(200カロリー)に変更しました。しかし間もなく患者さんは肺炎を併発、亡くなりました。カロリーと水分量を少し増やしただけで何故状態が不安定になったのか?この出来事は私の脳裏に焼き付けられた謎でした。
二人目は最後まで認知症もなく過ごされていた107才の方です。小柄、小食でご家族に囲まれて幸せに過ごされていましたどうしたら最後までボケないで過ごせるのだろうと考え薬をチェックしたところ、服用薬は降圧剤のCa拮抗剤と骨粗鬆症予防のビタミンD3(ビタミンDはマクロファージを活性化)のみでした。 

☆この2つの話はマクロファージが健康長寿命に影響していることを示しています。ではなぜ健康になるのか、どういう効果があるのかに移ります。

>マクロファージの役割とはなんでしょうか?マクロファージの活性が高いと異物侵入時、顆粒球、リンパ球が処理する前に、マクロファージ自身が無差別に異物を貪食、処理してしまいます。しかし通常、マクロファージは異物侵入時、貪食した異物の断片を細胞表面に提示、ヘルパーT細胞を介して司令塔の役割を果たします。すなわち粒子が大きいと顆粒球、小さいとリンパ球を誘導し自らも残骸を貪食、体内に侵入した異物を除去します。マクロファージが貪食する対象としては寿命の終えた赤血球・白血球・血小板、細菌、ウィルス、死んだ細胞、ガン細胞、酸化LDL-コレステロール、アミロイドβ蛋白、AGEs等、多種多様です。しかしマクロファージにはもう一つ重要な役割があります。過剰な血液中の栄養処理です。

 胃腸から吸収された栄養は血液、リンパ管により細胞に運ばれますが栄養過多では余分な栄養素が血液中に残ります。これを処理するのがマクロファージです。しかしマクロファージが栄養処理に専念すると細菌、ウィルス、ガン等に対する防御機能は低下、感染症、ガンのリスクは増大します。すなわち栄養過剰状態ではマクロファージは防御細胞としての機能を失います。

☆この話は、飽食になるとマクロファージが栄養処理に回るので本来の免疫役割を果たせなくなるという内容です。それが生活習慣病になる理屈でもあるのです。つまりマクロファージを本来の免疫機能として活性化させるために常に腹7分は効果があるのです。

☆このサイトでは以下のようにまとめています。

マクロファージの防御機能を維持することは健康寿命に重要です。マクロファージの活性が高いと免疫力は高まり風邪もひかない丈夫な体になると言われています。風邪を引いた時は誰でも食欲がなくなりますがマクロファージを免疫に専念させる合目的反応とも考えられます。自然界の動物も体調が悪いときは何も食べずに寝ているだけです。戦後しばらくして旧日本兵がジャングルで見つかった時、健康状態が専門家の予想より良好だったのは飢餓状態、小食でマクロファージが元気だったのが理由の一つかもしれません。

☆さて、マクロファージを活性化できる食べ物って何でしょうか?
少食もありますが、食べ物自体で活性化する方法もあるようです。それがかつて日本食でよく言われたバランスのよい食べ物「まごはやさしい」なのです。まだ医学がない時代です。
これは驚きですね。
※「まごはやさしい」=ま「豆」・ご「ごま」・「は(わ)」わかめ・や(野菜)・さ(魚)・し(しいたけ等キノコ)い(芋)

>マクロファージを元気にするには有酸素運動、笑いのある生活、ストレスを溜め込まないこと、体を冷やさないこと等が重要です。また喫煙、過度の飲酒は活性を低下させます。食事では腹七分目以外、質にも注意が必要です。
リポポリサッカライド(LPS)、ビタミンDはマクロファージを活性化すると言われています。リポポリサッカライドは免疫ビタミンとも言われ玄米、メカブ・コンブ・海苔等の海藻類、シイタケ、ヒラタケ等のきのこ類、ゴマ、クルミ・クルミの種子類、玄米、ホウレンソウ・レンコンの根菜類に含まれています。ビタミンDは乾燥きくらげ、にしん、サンマ、しらす干し、紅鮭等に含まれています。 

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2022年10月27日

【これからの林業を考える】シリーズ6~ドイツとスウェーデンと日本の林業の違い⇒「地元の人々とつながった山守のような存在」、「自然の摂理に則った林業思想」~

これまでは日本における林業について整理してきました。
次は、世界の林業と日本の林業の違いについて見ていきたいと思います。

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今回は世界でも最先端の林業を実践していると言われている、林業大国のドイツとスウェーデンを中心に見ていきたいと思います。

◆日本における山守の役割を担うドイツの森林官

ドイツの森林面積は、日本の2500万haに対して半分の森林面積しか存在しません。
しかし、同国における木材自給率は100%となっており、日本の輸入率が過半を超えるのに対して、林業が産業として成り立っているといえます。

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まず、ドイツにおける林業には、植林という概念が存在しません。
「天然更新」を基本としており、日本のように人工林をつくり、伐採期がきたら皆伐を行うような林業は行われていません。

ドイツでは18~19世紀に燃料として多くの樹木が伐採されたため、日本と同じように森林が荒廃してしまった歴史があります。
その反省から、ドイツは森林の伐採は成長した樹木だけを収穫する「循環型の林業」を行っています。

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ドイツは、緩やかな土地ということもあり、大型車両が入ることができる林道が整備され、高性能の重機を用いて林業を行っている点がクローズアップされることも多いですが、林業の基本思想自体が日本とは大きく異なっています。

 

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また、日本の林業との大きな違いは、ドイツは「森林官(フォレスター)」と呼ばれる森林を管理する人が存在することです。
森林官は2000haごとに一人配置され、医者の次に子どもたちに人気の職業となっています。

彼らは、森林の整備の指導や助言を行うだけでなく、木材の販売価格の交渉も担い、森林の維持や、その地域の林業がどうしたら産業として成立するのかを日々追求し、地域の森林を支えています。

それゆえに、地元の人々との信頼関係が大切になり、彼らは赴任して最初の5年は地域の人たちとの関係づくりに注力し、地域でも頼りにされる存在です。

現在でも品質の高い木材を提供している吉野にも山守が存在し、品質の高い木材を救急していますが、日本では一部のみです。
ドイツでは森林官は各森林に配置されており、日本の半分しかない森林を大切に育て、産業を維持しています。

 

◆環境を遺す、スウェーデンの林業

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スウェーデンにおける産業で最も収入が多いのは林業です。
国家的に林業に取り組んでいるのかと思いきや、国が行っているのは森林の多様性を維持する「保持林業」が中心です。

日本のようにスギやヒノキの一斉造林を行うのではなく、周辺の樹木環境に合わせて樹木を育成し、環境を保全していっています。

そのため、スウェーデンの森林法では、「環境と生産は等しく重要で、森林は生物多様性を維持しながら持続可能な財の収穫をもたらすように管理すべき国家資源である」と明記されています。

その地域の気候特性や、環境など森林の置かれた状況に応じて、保全林業のあり方も異なります。
スウェーデンでは、地域ごとに植林する樹木、残す樹木、残し方を変えています。

日本の林業との大きな違いは、「地域の特性に合わせた森林環境づくり」、そして「長い年月を掛けて森林を育んでいく」という思想の違いです。

森林を産業として見るのではなく、どうしたら自然の摂理に則った森林をつくっていけるのかを日々追求していることです。

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またドイツと異なり、森林官は存在しませんが、民間の企業が森林の管理から木材の販売まで行っています。
国としては自然の摂理に則った林業を推進しつつ、民間企業の力を使って林業のIT化を進め、高効率な林業を展開しています。

スウェーデンは製材加工も進んでおり、日本における工場規模の4倍ほどの規模の工場が存在し、かつ製材スピード、歩留まり(無駄のない製材)を日々追求し、改良していっています。

森林の多様性を維持するだけでなく、産業として成立させるために「森林の維持管理」から販売までも含めて民間企業が追求して技術を発展させていく、そこが日本の林業との大きな違いだといえます。

 

◆日本の林業と世界の林業

※画像はこちらからお借りしました

今回は、ドイツとスウェーデンの林業に焦点を当てて、日本の林業の違いを見てきました。
その大きな違いは「地元の人々とつながった山守のような存在」、そして「自然の摂理に則った林業思想」です。

また思想だけでなく、産業として実現していくための存在(森林官・民間企業)が存在しています。
今後は、海外の事例も比較しながら、いまだに品質の高い林業を行っている吉野をはじめとした、地方の林業を見ていきたいと思います。

 

【参考ページ】
世界の林業国の1つ、ドイツと日本の林業を比較⁉日本よりも少ない森林で日本より多い木材産出量
スウェーデンの林業――持続的、高収益な産業としての林業――
木材販売のための協同~ドイツの林業連合~
森林を守る「ドイツに学ぶ」
ヤマモリジャーナル ドイツと日本 林業事情の違い
スウェーデンの林業-持続的・高収益な産業としての林業-

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posted by tiba-t at : 2022年10月27日 | コメント (0件) | トラックバック (0) List   

2022年10月22日

「腸が作る健康の秘訣」第6回:健康になるためには、なにを食べらいい?

腸が作る健康の秘訣。今回は、健康になる食事を紹介します。

今まで追求してきたように、健康の秘訣は腸内環境を最適化することです。人間の細胞の数は約60兆個と言われていますが、腸内には、1000種類もの細菌が100~1000兆個も生息していますので、腸内細菌の方が圧倒的に多いのです。
その大量の腸内細菌は、人間が食べる食事をエサにしていますので、腸内細菌が必要としているものを食べることが健康の秘訣となります。では、具体的にどのような物を食べたら良いのでしょうか?

 

「バランスが良い食事」とは?

「バランス良く色んなものを食べるのが良い」とよく言われますが、どう「バランス」をとれば良いのでしょうか?
普通、動物はたいていいつも同じ物を食べています。例えば、コアラはユーカリの葉ばかり食べていますし、ライオンは肉ばかり食べて野菜を摂ることはありませんが、それで健康を害することはありません。
なぜ、人類はバランスが良い食事が必要なのでしょうか?

他の動物は、食物連鎖内での種としての生存闘争によって、それぞれの種が決まった食べ物を食べることで棲み分けているのに対して、体格的にも機能的にも劣る極限時代(人類が誕生して以降、弓矢等の武器を手に入れるまで)の人類は、縄張りを確保できず、生き延びることができたこと自体が奇跡的なほどでした。

当時の人類は、他の動物が食べない骨を割って骨髄をすすったり、草の根っこを食べたり、生き延びるために食べれるものは何でも食べていました。その状況に適応するために、人類は腸内に多様な腸内細菌を取り込んで、いろんなものを消化できるようになりました。

「バランス良く食べる」とは、多様な腸内細菌たちに合わせて、彼らのエサを与えてあげるために必要なのです。

 

植物繊維を多く摂る

その中でも特に重要なのは、いわゆる「善玉菌」と呼ばれている発酵を司る菌のエサである植物繊維です。
食物繊維には、水に溶けない不溶性植物繊維と、水に溶ける水溶性繊維に大きく分けられ、それぞれ重要な働きがあります。

不溶性繊維は消化されないまま大腸に届き、腸のぜん動運動を促すことで腸の働きを活性化させます。
セルロース・ヘミセルロース・キチン・キトサンなどが不溶性食物繊維と呼ばれるもので、主に穀類、野菜、豆類、木の実などに含まれます。

【不溶性食物繊維を含む食品】
・穀類(オートミール、押し麦、ライ麦など)
・野菜類(ごぼう、さつまいも、切り干し大根、干しシイタケ、インゲン豆など)
・豆類(大豆、納豆、おからなど)
・果実類(プルーン、アボカド、落花生、アーモンド、クルミなど)
など

一方、水溶性植物繊維は、ほかの栄養素と異なり小腸で吸収されず、大腸まで届くことから「善玉菌」のエサとなります。それだけでなく、小腸での栄養素の消化・吸収を抑え、血糖値の急上昇を抑えるほか、体内のコレステロールを吸着し、血中のコレステロール値を下げる役割も担っています。

【水溶性食物繊維を含む食品】
・穀類(オートミール、ライ麦など)
・野菜類(切り干し大根、ごぼう、干しシイタケ、インゲン豆など)
・海藻類(昆布、わかめ、もずく、寒天など)
・果実類(プルーン、いちじく、アボカド)
など

 

魚や肉も適量を食べる

「悪玉菌」と呼ばれていますが、例えば悪玉菌の代表である大腸菌はビタミンB群やビタミンKを作り出し感染症から体を守ったり、自然免疫を高めるのに生命維持にとって必要不可欠な菌です。腸内細菌の約1割が悪玉菌ですので、腸内細菌の多様性を維持するために、悪玉菌にもエサを与えてあげる必要があります。

悪玉菌は、肉類に含まれるタンパク質やアミノ酸を主なエサにしていますので、魚や肉類も食べてあげてください。
但し、食べすぎは禁物です。肉類を分解するときに硫化水素やアンモニア、アミンなどの毒素が発生し、血液を汚染したり、大腸がんなどの病気の原因となります。

肉食動物が病気にならないのは、肉食に適した腸内細菌になっていることに加え、彼らは狩に成功しない限り食事にありつけず、狩は成功するよりも圧倒的に失敗することが多い(そうでなければ、草食動物は絶滅してしまいます)ので、食べ過ぎるとこはあり得ないのです。

いつでも好きなものを好きなだけ食べることができるのは、人類のしかも現代の先進国に限られており、人類史の99.9%は外の生物と同様飢えとの戦いでした。生物は常に飢えているのが常態なので飢えに対応した本能はありますが、食べ過ぎに適応するための仕組みはないので、食べ過ぎが万病の元になるのです。

 

発酵食品で腸内環境を整える

腸内細菌のバランスを整えるのに有効なのは、さまざまな乳酸菌を摂取する方法です。乳酸菌は、いわゆる善玉菌のエサになるのと同時に、腸内を酸性にし善玉菌が増えやすい環境を作ってくれます。
乳酸菌は、以下のように発酵食品に多く含まれています。

【乳酸菌を含む食品】
・ヨーグルト
・乳酸菌飲料
・納豆
・漬物
・味噌
など

発酵食品は、各地の気候風土や作物に合わせて受け継がれてきたもので、古くから世界各地で伝承されてきました。
例えばヨーグルトのはじまりは、紀元前5000~6000年頃とされており、東地中海地域で家畜として飼われていた牛や羊の乳を保存していた時に、偶然乳酸菌が混入し自然発酵してヨーグルトの原形である発酵乳が誕生したのではないかといわれています。
日本でも縄文・弥生時代には、発酵を利用した干物やなれずしが作られていたようで、さらに遺唐使が奈良・平安時代に中国に渡り、みそ、酢、酒、醤ひしお、漬物を日本にもたらしたとされています。

発酵食品は、健康食としてだけでなく、腐敗を防いで保存に適した状態にし、さらに豊かなうまみをも生み出しているスーパーフードです。しかも、発酵食品は以外に簡単に作ることができ、手作りなら無添加で、食材も有機商品を選べますので、気軽にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

 

【参考サイト】

ハウスダイレクト:腸内環境を整える3つの菌とは?腸に良い食べ物やすぐできる生活習慣改善法をチェック!
https://www.house-direct.jp/column/intestinal-environment01/

知って得する豆知識:肉中心の食生活が悪玉菌の原因に…腸内環境と大腸がんの関係は?
https://www.nisshin-pharma.com/column/cat01/050/

すばる屋:発酵食とは
https://subaruya.com/hajimete/

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続きを読む "「腸が作る健康の秘訣」第6回:健康になるためには、なにを食べらいい?"

posted by matusige at : 2022年10月22日 | コメント (0件) | トラックバック (0) List   

2022年10月20日

24節気シリーズ6~季節の巡りを楽しむ知恵袋・土用編

前回の記事でお知らせした通り、日本人が24節気をどのように暮らしに取り入れてきたのかを見ていきます。

今回は「季節の巡りを楽しむ暮らしや行事」を追求してみたいと思います。

 

10月も中旬を過ぎ、気候も秋めいてきましたね。季節の変わり目は体調を崩しやすい時期とも言われていますが、どんなことに気を付けながら、日々を楽しく過ごせばいいのでしょうか。

「土用」に注目して、季節を楽しむヒントを探ってみましょう。

■土用は年に4回ある!?

今の時期(10月中旬)は、秋の土用にあたります。

「土用」というと、夏にウナギを食べる日のイメージが強いですが、実は土用は1年に4回あります。

画像はこちらからお借りしました。

 

本シリーズでも紹介してきたように、二十四節気は東洋医学の陰陽五行説に基づいています。世の中を「陰」と「陽」の二つから、さらに「木・火・土・金・水」の五つからできているという考え方ですね。また、五行は春夏秋冬の四季と真ん中の土用を加えた季節も示します。

 

春は「木」、夏は「火」、秋は「金」、冬は「水」とされ、残った「土」を各季節の終わりの18日間に当てはめたことから、立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間を「土用」といいます。元々は「土旺用事(どおうようじ)」という言葉が省略されたものです。

 

ちなみに、2022年の土用は以下です。

―――――――――――――――――――――――

冬土用:1月17日~2月3日

春土用:4月17日~5月4日

夏土用:7月20日~8月6日

秋土用:10月20日~11月6日

―――――――――――――――――――――――

 

1月の土用は契約や縁結びなど、結びつきを強くするのによく、4月の土用は転職や変化改革に向き、7月の土用は生長が衰え心の安らぎを求め一休みするのによく、10月の土用はこれまでの成果を収穫する時期になります。

土用は物事が成就し、どっしり構えるべき時です。

 

■2022年は10月20日から秋土用!おすすめの過ごし方は?

このブログを更新する日は、ちょうど10月20日で秋土用が始まる日。この時期の特徴やおすすめの食べ物、過ごし方などを、「秋土用をご存知ですか?(https://hyoki.jp/blog_nishiazabu/%E7%A7%8B%E5%9C%9F%E7%94%A8%E3%81%AF%E3%81%94%E5%AD%98%E3%81%98%E3%81%A7%E3%81%99%E3%81%8B%EF%BC%9F/)」より、ご紹介します。

秋の土用の頃は、夏の疲れが出る頃です。

体調を壊しやすい時でもありますし、これから寒い冬を迎える前に体調を整えておこうとの目安になってきたのでしょう。

そうした意味で、その時に旬の栄養のあるものを食べようという習慣もできたのかもしれません。

秋の土用は、青いものを食べると良いと言われます。青い食べ物?というと、珍しいもののように思われるかもしれません。

青い食べ物は、秋に旬を迎える「青魚」のことです。秋刀魚、イワシ、サバなど、この時期は脂がのって栄養たっぷりとなっています。

 

また、「辰の日(たつのひ)」に「た」のつくものを食べるといいとされています。辰といえば、方角は東南東です。

こちらも、中国の神獣である青龍が司るのが東の方位。青い色の龍と方位が結びついて、辰の日となったようです。

「た」のつく食べ物としては、大根、玉ねぎやたこ。いずれも、滋養のあるものばかりです。

 

また、陰陽道の神の中の一人に土公神(どくしん・どくじん)という神様がいます。

土公神は土を司る神様で、土用の期間は土を支配するとされていました。

そのため、土公神が土を支配している期間は、土木工事や庭いじりなどの土を動かすことはなるべく避けた方が良いとも言われています。転職や引っ越しなど、新しいことを始めるのにも不向きです。

ただ、間日という特定の日は土公神が天上へ戻るので、この制約が解かれるようです。

 

 

昔の日本人は、このような季節の移り変わりの中で、各時期の特徴を捉え、生活していたように思います。

気を付けるべきことややってはいけないこともありますが、必要以上に恐れるより「この時期は体調を崩しやすいからこの食材を食べよう」「栄養を蓄えて少しゆっくりしよう」と日常生活を楽しむ知恵を生み出していたのでしょう。

 

今回は土用について詳しく扱いました。他の雑節や二十四節気の詳細も気になりますが、またの機会に紹介したいと思います♪

次回は、「自然の摂理に沿った農事」について、深めていきます。お楽しみに!

 

 

<参考>

二十四節気に合わせ心と体を美しく整える 著:村上百代

 

気軽に、楽しく取り入れよう 日本の行事・暦
http://koyomigyouji.com/zatsusetsu-doyou.htm

 

秋土用はご存じですか?
https://hyoki.jp/blog_nishiazabu/%E7%A7%8B%E5%9C%9F%E7%94%A8%E3%81%AF%E3%81%94%E5%AD%98%E3%81%98%E3%81%A7%E3%81%99%E3%81%8B%EF%BC%9F/

 

秋の土用とは? 日付や過ごし方、食べ物について解説
https://www.ringbell.co.jp/giftconcierge/5480

 

【雑節】土用 ~年に4回。時季と成り立ち。土用にまつわる風習~
http://kic-update.com/text/5775/

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posted by k-haruka at : 2022年10月20日 | コメント (0件) | トラックバック (0) List