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2022年12月01日

「主食って何?栽培の歴史から食を見る」第1回~なぜ”主食”は主食となったのか?

日本人の主食といえば、お米ですよね。

日本人なら身につけておきたい『ご飯の作法』とは?…より豊かな食生活は主食から|IKITOKI (iki-toki.jp) からお借りしました。

なぜ、お米が主食になっているのでしょうか?味がおいしいからでしょうか?
改めて考えてみると、お米ができるまでに半年近くの期間が必要で、収穫してからも脱穀、籾すり、精米をすることでお米になります。さらには、炊飯が必要で、毎日食べるものとしては手間がかかりすぎている気がします。

なぜ、主食にお米が選ばれたのでしょうか?

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平賀緑 「食べものから学ぶ世界史 人も自然も壊さない経済とは?」から引用してみます。

地球上には人間が食べられる植物は多種多様に存在するのに、なぜ、小麦、大麦、コメ、トウモロコシという4つの作物が「主食」と呼ばれ、世界のカロリー消費の過半数を占めるほどになったのでしょうか。

多様性に富む方が自然にも人にも健康のためにも望ましいのに。作物も動物も人間も、単一栽培や家畜化や都市化によって「密」になることで、病原体の繁殖と変異を許してしまうのに。

胃袋を満たすという目的のためには、穀物よりもイモの方が、早くラクに大きなデンプンの塊を育てることができるでしょう。食べるときも、洗って焼くか蒸すかすれば食べられるので簡単です。一方、穀物はもっと長い月日をかけて小さな種子を栽培し、脱穀して穂から粒を外して固い殻やゴミや異物を取り除いて(やってみるとわかりますが、これは大変な作業です)、コメは水に浸して炊飯したり麦は製粉して発酵させて焼いたりと、食べるのにも手間がかかります。

でも、固い殻に包まれた軽い種子である穀物の方が、腐らせることなく長期間保存でき、大量の穀物を溜め込むことや、ずっと遠くから輸送して集めることができました。つまり、穀物は富の蓄積に都合が良かったのです。

『半穀物の人類史』はさらに、国家が人びとに課税して支配するために穀物が便利だったと述べています。イモは地中で育つのでどれだけ収穫できるか見えにくいけど、穀物は地上で実り一目瞭然だったので、税を集める役人にとって収穫量を測量(査定)しやすかった

穀物の方がいっせいに実って、隠されず確実に徴税できて、しかも小さな粒なので重さや体積で正確に計ることもできた。税として集めた穀物を国家のために働いた軍隊や奴隷に分配するときも、好きな量で正確に配布できた。もちろん、穀物の方が貯蔵出来て輸送できたことも、徴税する国家にとって都合が良かった、と。こうして、支配する側にとって富の蓄積と課税に便利だった、小麦、大麦、コメ、トウモロコシなど数種類の穀物を「主食」として、支配下の人民や奴隷に生産させて、軍隊を養って、国家が成長した、と。

穀物の役割については議論がつきませんが、とりあえず「主食」と呼ばれる食料ですら、自然や人の胃袋が選んだというより、昔から政治経済に組み込まれた「政治的作物」だったことにきづいてもらえたら嬉しいです。

~引用ここまで

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お米やパンは美味しいから主食だ!と思ってきましたが、栽培のしやすさ、管理のしやすさで選ばれてきたのでしょうか。
あるいは主食と決めた人(国家)が支配の道具として選んだのでしょうか?

いずれにしても庶民発の皆に求められて主食になったわけではなさそうですね。主食とよばれる穀物はどんな歴史で栽培されてきたのか、そもそも栽培や農業の歴史を紐解いていくことで見えてくるように思えます。

引き続き追求していきます。

 

投稿者 kitaguti : 2022年12月01日 List   

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