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2022年12月01日
農業や自然の中での活動から得られる価値とは?
社員による休日の「援農プログラム」や、学生の「農業体験学習」といった、「農業」を通じた心身の解放・人材育成プログラムが注目を集めている。実際に、援農プログラムや農業体験学習に定期的に参加している学生に、「農業の場に定期的に触れることで実感する成長」とは何なのか?
実際に、普段より「自然百姓塾」という毎週末の農業体験学習でリーダーとして活躍しており、援農プログラムにも参加している中学3年生の男子学生に聞いてみた。
①心が強くなる
大いなる自然と触れ合っていると、甘い思考や臆病さが無くなり「根性がつく」「地道にやっていける」「気迫などがつく」。
自然の中で生きていくということは、人間の小さな思考ではどうにもならないことが山ほどある。
その中で直に身体で立ち向かうか?腹を割って、農業をするしかない!と度胸が高くなり決断力が上昇する。
これは自然に触れあっていると一番、最初に現れる現象である。
②身体が強くなる⇒そして身体をコントロールできる
「暑さ、寒さに強くなる」「疲れない体になる」「冷え性がなくなる」「お腹などが痛くならない」など人間の体が無意識に調整するようになり、身体が強くなった。
暖房や冷房の機械を使わずとも、自分の体で体温を調節したり、体を動かすことで基礎代謝機能が標準より上がり、血行がよくなり、身体が強くなったと思う。
さらに身体の些細な変化に気づけたり、疲れないような腰の動き、息の使い方など身体のコントロールができるようになっていく。(山なら傾斜によって、腰の軸を変えたり、泥の上なら歩行法を変えたり…)
③視野が広くなり、周りの小さな変化に気付く観察力や充足力が身につく
自然にいると、見る世界が広くなるので観察を始めて、どんどん自然の現象を感じていく。
まず、自分より小さな生き物を感じ取ることができる。
そして、大胆な変化であったり、人の些細な気持ちや変化にも目を向けることが自然にできるようになっていく。
自然に相手を受け入れられるようになったり、歓びや充足を感じることが癖になっていたり…と「自分の感情がすべて」ではなくなるというのが、自然にいて身につくところ。
④他の人と息を合わせやすくなる⇒感謝や「どうする?」の思考と言葉が増える
自然の中での活動は基本、身体を使うのでより合わせやすい。
例えば山を歩いていて、がつがつ行く人と、歩行が遅い人がいた時に、相手のスピードに合わせたり。
野菜の苗植えや収穫の共同作業など、現代の都会よりも息が合いやすいし、些細な変化にも気づきやすい。
その中、息が合うにつれて、どんどん共振していき、個人個人の考え方も価値観もなくなっていく。
さらに「どうする?」「ありがとう」の言葉は息が合えば合うほど多くなっていく。
⑤人や自然を好きになれること
これは他の習い事にありそうで、なかなかない。
やはり、自然の中でしか自然は好きになれない。
自然をしっかり面と面で向き合うことで、いろんな気持ちが動いたりする。
「くやしい」「うれしい」「綺麗」「ありがとう」などの言葉は人をひきつけ、あらゆるものや人を好きになっていく。
学校やスポーツにはない、日本人が大切にしていた自然の和のこころが育まれる感覚がある。
自然を相手に、「自分が基盤」ではないから、「うまくいかないことが当たり前」であり、だから「前に進むためにどうする?」と考える。
そうすることで、身体も心も強く豊かになっていく。
なかなかできない体験のようで、周りを見渡してみると、意外と体験できる機会があるかも。
投稿者 sakai-r : 2022年12月01日 TweetList
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