2009年08月28日
農薬を徹底追究②!!(8)ポストハーベスト農薬
こんにちは るい農園研修生 さち☆です
今回はポストハーベスト農薬 2回目です。
前回(1回目)の記事は覚えていてくれているでしょうか?
前回は『農薬を徹底追求!!!ポストハーベスト農薬ってなに?』と、いうテーマで以下を追求しました。
・ポストハーベスト農薬とは?
・なんでポストハーベスト農薬が使われるのか?
・ポストハーベスト農薬を使用した輸入食品の実態はどうなっているのか?
・農林水産省(農薬)と厚生労働省(食品添加物)の管轄ってどうなっているのか?
今回は、さらに内容を掘り下げて、現在使われている薬剤の正体に迫りたいと思います!
と、いうことで、日本でポストハーベスト農薬に類するものとされている、
防カビ剤(オルトフェニルフェノール、ビフェニル、チアベンダゾール)、防虫剤(ピペロニルブトキシド)の4種類と、
ポストハーベスト農薬と一緒に使用されることのあるワックス(食品添加物)についても調べました
その前に、いつもの応援クリックお願いします
ありがとうございます 😀
続きを読む "農薬を徹底追究②!!(8)ポストハーベスト農薬"
posted by atarashi at : 2009年08月28日 | コメント (6件) | トラックバック (0) TweetList
2009年08月27日
農薬を徹底追究②!!(7)殺虫剤
こんばんわ、マサクニです。
前回は、「殺虫剤の作用メカニズム」について調べました。
今回は続きとして、
①効果発現までの時間、抵抗性、残効性、残留性
②害虫が発生しやすい原因や環境条件
を設定しましたが、①は具体的・有効的な情報が見つかりませんでした。
②は、「病害虫の発生しにくい環境作り」という資料を、耕種防除として紹介します。
病害虫の発生しにくい環境作り
*日当たりをよくする。
日当たりが悪いと植物は十分に光合成ができず、生育が衰え、病害虫への抵抗力も下がります。なるべく日当たりのよい場所で育てましょう。
ただし、強い光を好まない植物もありますので置き場所には十分に気をつけましょう。
*風通しをよくする。
風通しが悪い場所は病気が発生しやすくなります。密植を避けて、必要に応じて間引きや剪定を行いましょう。
*水はけをよくする。
常に湿っている場所も病気が発生しやすくなります。
*清潔な土を使う。
一度病気が発生した土をそのまま植物栽培に使うことは避け、十分に土壌消毒を行ってから利用しましょう。また、分解・発酵が進んでいない未熟な堆肥は、病原菌や害虫の繁殖を招きますので、堆肥を使う場合は完熟したものを選びましょう。
*土壌酸度を調整する。
病原菌には、酸性土壌を好むものが多いとされています。ピートモスなど酸性の資材を使う場合や、畑での栽培の場合は、必要に応じて石灰などを用いてpH調整をしておきましょう。
ただし、植物によって生育に適したpHは異なり、酸性を好むものもあります。また、アルカリ性に傾きすぎても生育に障害が出ますので、適切な量を施しましょう。
*病気の発生源となるものを速やかに片付ける。
病気にかかった部分はもちろん、花がら、枯れ込んだ葉をこまめに取り除きましょう。この他にも、間引きした苗、剪定枝、雑草も病原菌や害虫の棲みかとなりますので、放置せずにきれいに片付けましょう。
*肥料を適切に与える。
肥料(特にチッソ分)を多く与えすぎると、植物は軟弱に育ち、病気にかかりやすくなったり、場合によっては根を傷めて生育に支障をきたします(「根やけ」「肥料やけ」)。一方、極端な肥料不足も、病害虫への抵抗力を低下させます。適切な養分管理を心がけましょう。
*植物を傷つけない。
病原菌は、強風で葉と葉がこすれて出来た微小な傷口からも侵入することがあります。植物の手入れをする際に、葉・茎・根などをなるべく傷つけないように気をつけましょう。強風時には風除けをしたり、鉢であれば屋内に取り入れるとよいでしょう。
*連作を避ける。
同じ科の植物を同じ場所で連続して栽培していると、極端に生育が悪化したり、その植物を好む病害虫が繁殖して大きな被害を受けやすくなります(「連作障害」)。
*道具を清潔に管理する。
病害虫の被害部分を取り除くのに使ったハサミや手袋などの道具は、きれいに洗浄しましょう。そのまま使うと他の元気な植物も病気に感染するおそれがあります。
<追加>参考として、「害虫防除の常識目次」を紹介します。
1 害虫とは
1) 発生の仕方から害虫を類別してみる
2) 加害の仕方から害虫を類別してみる
3) 侵入害虫かどうか類別してみる
4) 害虫の分類学
5) 害虫の分類と種数
6) 害虫の形態をインターネット図鑑で確認する
最後に応援お願いします。
posted by totokaka at : 2009年08月27日 | コメント (9件) | トラックバック (0) TweetList
2009年08月26日
農薬を徹底追究②!!(6)病気が発生する環境条件とは?
こんにちは、殺菌剤担当の小松です。
前回の記事では、殺菌剤の作用メカニズムについて調べてみましたが、そもそも病気になるのはなんで?病気にならないようにするにはどうすればいいのか?という疑問が湧いてきました。
そこで今回は、「病気の発生する環境条件」などに焦点を当てて、リポートしてみたいと思います。
■病気の発生と発病環境
農園では秋の作付けを進めていますが、畑には夏野菜もまだまだ残っています。気温の高くなる春から秋にかけては、病気が発生しやすい時期ですし、また、雨の多い梅雨の時期なども、やはり病気になりやすいですね。
例えばキュウリなどは、必ず「べと病」にかかりますし、カボチャは必ず「うどんこ病」にかかります。また、雨が続けば、キャベツやレタスなどは株元から腐ってきます。ハクサイなども、気温の高い時期に作ると、腐りやすいですね。
このように、作物が発病する場合、病原菌が発病しやすい環境条件は作物の種類によって異なります。
続きを読む前にポチッと☆応援ありがとう!
続きを読む "農薬を徹底追究②!!(6)病気が発生する環境条件とは?"
posted by komayu at : 2009年08月26日 | コメント (8件) | トラックバック (0) TweetList
2009年08月25日
農薬を徹底追求②!!(5)除草剤編その2
こんばんわ 😮
類農園研修生のさとうです
前回(http://blog.new-agriculture.com/blog/2009/07/000917.html)は主に作用メカニズムに関して追求してまいりましたが、今回は前回で追及課題として残ったもののうち、「抵抗性」と「残効性」について追求してまいりたいと思います。
抵抗性
①薬剤抵抗性とは
薬剤抵抗性とは同じ農薬を使い続けると、やがてその農薬が効かなくなる現象のこと。これは農薬に限ったことではなく、たとえば医薬分野でも抵抗性を持った細菌(MRSA)が院内感染などで広まり患者の死亡など深刻な問題を引き起こしています。
②抵抗性の歴史
20世紀初頭には北米で石灰硫黄合剤に抵抗性を持ったヤノネカイガラムシが出現していたと報告されています。しかし、大きな問題ととらえられたのはDDTに対する抵抗性を持った害虫が出始めた1950年頃以降です。殺菌剤では1970年ごろから抵抗性が報告されるようになりました。日本でもそのころからポリオキシンやカスガマイシンなどの抗生物質系の殺菌剤でまず抵抗性が報告されました。その後も現在に至るまで様々な剤に対する抵抗性が報告されています。
除草剤については1968年にアメリカでアトラジン耐性雑草が見いだされたのが最初です。ベンゾアジアゾール系のベンダゾン、二トリル系のアイオキシニル、フェニルピリダジン系のピリデートなどの化合物は、プラストキノンと競合し、抵抗性をもつ植物も多く出現している。その具体的抵抗メカニズムとしては、D1タンパク質における1個のアミノ酸が変異したことにより、除草剤分子が結合できなくなったためです。
雑草は世代サイクルが長く、病害虫と比べて抵抗性を獲得するのに時間がかかり、また移動性が乏しいことから抵抗性が他圃場へ伝搬するのが遅いという特徴があります。よって、問題になることがありませんでしたが、ごく最近になって日本の水田におけるSU剤抵抗性雑草の出現により、問題となるケースが出てきました。このSU剤抵抗性にかんしましては、現在類農園で使用している「アピロトップ」に関係する問題なので、⑥、⑦で取り上げたいと思います。
③抵抗性はなぜ出るのか?
抵抗性を獲得した生物に農薬が効かなくなるのはなぜでしょうか。例えば虫を例にとって考えると、農薬がかかってから虫が死ぬまでのプロセスをひとつひとつ考えてみるのがわかりやすいです。
散布された農薬は虫の皮膚を透過して、あるいはエサと一緒に口から虫の体内に入ります。そして虫体内の様々な生体内反応で解毒されたり、あるいは排泄されたりします。それらの作用をくぐり抜けて実際に薬が作用するところ(作用点)に到達したら、作用点と結合して虫の正常な活動を妨害し、結果的に殺虫性を示すことになります。作用点は神経やその他の細胞内にあると理解すれば良いです。
以上の話から抵抗性獲得のためには主に3つの要因があることが浮かび上がってきます。
1:虫の体内に入りにくくなること、
2:虫の体内で解毒されやすくなってしまうこと
3:作用点と結びつきにくくなってしまうこと
特に2番目と3番目が重要であることがわかっています。これは菌や雑草についても同様です。
④抵抗性が出やすい農薬、出にくい農薬
a)出やすい農薬
一般に低薬量で効く農薬は抵抗性がつきやすいと考えてよさそうです。低薬量で効くということは、わずかな量が作用点にくっついただけで十分な効果を示すということですから、作用点の農薬との結合部分が変異しただけで抵抗性が発現してしまうことになります。また、体内に入る農薬の量も少ないので、解毒されてしまう可能性も高まります。
合成ピレスロイド系殺虫剤やEBI系殺菌剤やストロビルリン系殺菌剤あるいはSU系除草剤のような低薬量でも高活性な薬剤は抵抗性が早い段階から発現しています。
b)出にくい農薬
逆に言うと特定の作用点を標的としないような剤は抵抗性がつきにくいといえます。一般的に古くからある農薬にはそのようなものが多く、例えばボルドー液は銅イオンが活性本体であり、特定の作用点を阻害するものではないので抵抗性がつきにくいと考えられ、実際に100年以上の使用実績がありますが抵抗性は発現していません。
次に、世代交代が早い生物を対象とした農薬は抵抗性がつきやすいのも宿命であるといえます。ダニやコナガやアブラムシなどが該当します。
⑤抵抗性を回避する方法
抵抗性を回避するためには2つの対策が考えられます。
a)テーション散布
毎回異なった作用性の薬剤をまくことです。同じ作用性の農薬をまき続けると、その農薬に抵抗性を持っている病害虫が残りつづけますから、抵抗性を育てているようなものです。
また、散布する際には均一散布になるように心がけることも大事です。低レベルな抵抗性を持つものを完全に叩くことにより抵抗性遺伝子が蔓延することを防ぐことができるはずです。
b)IPM(総合防除)の実践
農薬一辺倒の防除にならないようにすればそれだけ農薬散布回数が減り、抵抗性の発達を遅らせることができるはずです。また、農薬散布する際にわざと無処理区を作ることにより、感受性を持った個体を温存することも有効です。
※ローテーション散布の注意
ローテーション散布にはいくつか注意しなければならないことがあります。農薬は商品名が異なっても中身の有効成分は同じであったり、別の有効成分であっても同じ作用性を持つ薬剤であったり、あるいは交差抵抗性を持つ薬剤であったりすることがあるからです。
⑥SU抵抗性雑草とは
現在、日本の水田では一発処理剤の使用が大きな割合を占めています。一発処理剤の多くはいくつかの有効成分があらかじめ組み合わされた混合剤となっています。その有効成分のなかでも水田の主要雑草に幅広く効果を示すスルホニルウレア系化合物(SU剤)が主成分として広く用いられています。
以下スルホニルウレア系除草剤の作用メカニズムになります。
作用機構としてはバリン、イソロイシン等の分岐鎖アミノ酸の生合成過程に関与するアセト乳酸合成酵素の働きを阻害することで、タンパク質合成が阻害します。
SU抵抗性雑草とは、本来SU剤で防除可能であった草種の中から出現した、SU剤に抵抗性を有する群のことです。
日本国内では1995年に北海道で抵抗性のミズアオイが確認されて以来、現在までに数種類のSU抵抗性雑草が確認されています。水田の主要雑草とされている草種の中でもアゼナ類、ミゾハコベ、キカシグサ、イヌホタルイ、コナギ等で抵抗性の出現が報告されています。発生地域は当初、北海道や東北など寒地、寒冷地で多く報告されてきましたが、年々拡大する傾向で、現在では全国的に発生がみられる様になってきました。
⑦SU抵抗性雑草の対策および防除上の注意点
SU系除草剤を連年施用している水田で、適正な使用をして入るにもかかわらず特定の雑草が増加し大量に残存した場合、抵抗性である可能性が高いです。
SU抵抗性雑草の防除には、SU剤を含んでいない一発処理剤、初期剤と中期剤または後期剤による体系処理が有効です。
また、SU系除草剤に抵抗性雑草に効果のある成分を付加した一発処理剤も開発されています。
残効性
残効性は、農薬取締法の中で適用病害虫に対する薬効に関する試験成績(農作物等の生理機能の増進又は抑制に用いられる薬剤にあっては、適用農作物等に対する薬効に関する試験成績)を提出することが義務づけられています。生産者にとってはできるだけ効果がはやく、かつ長くしかり出てほしいものです。しかし、その試験が具体的にどのような内容なのか、どのような条件下のもとで結果を出しているかまでは現在追求中です。追って報告したいと思います。
余談になりますが、生産者にとってはできるだけ効果がはやく、かつ長くしかり出てほしいものです。またどのような条件下であればどのような効果をもたらすのかがおおよそでもわかればいいですね。
以上、今回は抵抗性、残効性について追求してまいりました。まだまだ課題がたくさん!
面白い!と思ったらポチっと☆応援ありがとうございます!
.
.
posted by nori0527sato at : 2009年08月25日 | コメント (4件) | トラックバック (0) TweetList
2009年08月25日
農薬を徹底追求②!!(4) 除草剤編その1
こんばんは、sugi70です。
今回もまた、除草剤について追求してみました。
まだまだ全体像はつかめていませんが、一つ一つ追求していく中で、一つの答えをだしたいと思います。
追求内容は次のとおりです。
1.作用機構別の作用メカニズム
2.残留性について
3.残効性について
4.抵抗性について
posted by sugi70 at : 2009年08月25日 | コメント (7件) | トラックバック (0) TweetList
2009年08月24日
農薬を徹底追求②!!(3)農薬企業の動向と世界の農薬事情
■こんばんは まるいちです。
【自然農薬と特定農薬】に続き、【農薬企業の動向と世界の農薬事情】です。
農薬企業の動向(随時アップデートlより
●世界の農薬事情を知るには以下の情報が参考になります。
●アリスタライフサイエンス株式会社「農薬ガイド」より
世界の農薬事情-ヨーロッパ編
世界の農薬事情1-アメリカ編 不耕起栽培の普及
世界の農薬事情(4) -旧ソ連編
世界の農薬事情-中国編
世界の農薬事情―ブラジル編 大豆の不耕起栽培とその除草剤
―世界の農薬事情―アフリカ編
世界の農薬事情 オセアニア ─オーストラリア、ニュージーランド
続きを読む "農薬を徹底追求②!!(3)農薬企業の動向と世界の農薬事情"
posted by nara1958 at : 2009年08月24日 | コメント (7件) | トラックバック (0) TweetList
2009年08月24日
農薬を徹底追求②!!(2)自然農薬と特定農薬
■こんにちは まるいちです。
【昔の病害虫防除の方法と歴史】に続き、【自然農薬と特定農薬】です。
●まず【自然農薬】からです。
あった!kcy happyspace 自然農薬lより引用です。
昔から伝統的に言い伝えられているたくさんの「自然農薬」がたくさんあります。 古くからの使われてきた先人たちの知恵に驚かされます。
自然の農薬は有機質なので、散布してもやがて分解を始めて、無機質に変わり無害な状態になって植物に吸収されていきます。
自然農薬の多くは緩効性であり、生態系を大切に考える自然と協調する手法です。実際に永年実践してこられた自然農薬の先達古賀綱行先生は著書の中で「80%の防除でよしとしましょう。100%をめざしたら自然の秩序を狂わせてしまうから」と強調していらっしゃいます。この自然な考え方を大切にしましょう。
■自分で作る自然農薬
●草木灰
[効果]病害虫全般・特にウドンコ病、モザイク病、フハイ病、直接散布でカタツムリ
[使い方]夕方に葉面散布
・葉の表面がアルカリ性となって、病原菌がよりつかない、臭いを嫌って虫が卵を産みつけない。
・白菜などに1週間おきに朝露のあるうちに2回葉面散布すると、葉がしまり葉の表面の水分でアルカリ性の膜ができ、病原菌や、虫がよりつかない。
・雨が降れば根元に流れ、表面の酸性を中和し、吸収しやすいカリ分となる。
・草木灰はやりすぎても害はない。
・アルカリ性が強いが、科学的なアルカリと違って土に与える影響は少なく、植物にダメージを与えにくい。雨で可溶化されカリ分が供給される。
[品質]紙や草などの混合で白黒が混ざっているものがよい、とされる。葉面散布はフルイをかけて細かいものを使用する。
[情報]アブラムシ害虫に散布したところ、よく効いたとの情報がよせられています。
●米 酢
[効果]ウドンコ病、モザイク病、フハイ病、ナンブ病
葉の細胞が強くなり病害虫に強くなる。
土中に染み込むと根が太るので養分の吸い上げがよくなり、活力がつく。
[使い方]葉面にしたたるくらいの散布
小松菜、ほうれんそう、春菊のような軟弱野菜には、50倍に薄めた液を5日おきに2回かける。
キャベツ、白菜などには収穫の20日前頃に25倍の濃い液を葉面散布すると、ナンブ病などの腐敗が少なくなる。
根菜類には25倍液を収穫前や、気温が10度以下に下がる越冬前に散布する。
大根の葉面散布は、夏大根ではナンブ病が少なくなり、越冬大根は寒さに強くなる。
[作り方]種類は米の醸造酢に限ります。
食酢20mlに水1リットル=50倍液 (食酢40mlに水1リットル=25倍液)石鹸5グラムを振り混ぜる。
●牛 乳
[効果]アブラムシ、ダニ類
[使い方]午前中の葉が乾いているときに葉面散布。
牛乳が乾燥するときの縮む力でアブラムシが圧縮され窒息死する。
薄めないでそのまま散布します。賞味期限の過ぎた牛乳でも効果は同じ。
●食用油
[効果]アブラムシ、ダニ類
[使い方]午前中の葉が乾いているときに葉面散布
[材料と作り方]水1リットルに、食用油を30ミリリットルを加え、せっけんを10ミリリットル入れて、よくふり混ぜればきあがりです。
●にんにく木酢液
[効果]アブラムシ、ダニ類
[使い方]午前中の葉が乾いているときに葉面散布。月に2~3回。
[材料と作り方]木酢液水1リットルに、薄皮を取ったにんにく200gを入れます。そのまま約3か月寝かせればできあがりです。使用するときに1000倍に希釈して晴れた日に散布します。
●洗 剤
[効果]アブラムシ、ダニ類
洗剤液が乾燥するとアブラムシが呼吸できなくなり窒息死する。
[使い方]午前中の葉が乾いているときに葉面散布。
[材料と作り方]家庭用食器洗い用洗剤、または粉石けんでおおよそ1000倍の希釈液をつくります。
●米ぬか
[効果]ネキリ虫、ハリガネ虫を誘引
[使い方]土の下10センチメートルに米ぬかを一握り入れて土をかぶせておき、米ぬかの甘い匂いに集まってきたネキリ虫などを、1週間後に土と一緒に掘り上げて焼却する。
米ぬかを埋めたところには、目印の棒などを立てておくこと。
●アセビ
[効果]アオムシ、ハスモンヨトウムシ、ハモグリバエ、オケラ
[使い方]葉の裏表に散布すればたいがいの害虫に大きな効果があります。
[材料と作り方]
・あしび(あせびともいう馬酔木)の葉を使います。
・アシビの葉を一握りと水1.8リットルを5分間沸騰させてから冷ます。これを布で濾してから石けん10グラムを溶かします。
・アシビは葉の生が強力ですが、乾燥させてビニール袋で保存しておいてもよい。
・1アールで生葉100グラムが1年分のめやすになります。
●アセビ団子
[効果]ネキリムシによく効く。
[使い方]野菜の根元におく。
土中の害虫はイチコロ。米ぬかの甘い匂いに誘われて食べて死ぬ。
[材料と作り方]アセビ液に米ぬかを入れ、ドロドロにして、つなぎに小麦粉を多少混ぜて団子にする。天日に3日ほど干して出来上がり。5ヶ月位有効ですが、早く使うほど効果が大きい。
●タバコ液
[効果]ハスモンヨトウムシに予防効果
[使い方]夕方に葉面散布
古くから一般的に知られた害虫防除材です。タバコに含まれるニコチンが害虫を寄せ付けません。トマトには使用しないこと。収穫時にはよく洗ってから食べること。
[材料と作り方]水1リットルにタバコ約5本をほぐして半日漬けておきます。水が茶色に染まったら布でこします。 これに展着剤として石鹸を少し入れてよく混ぜてできあがりです。
●トウガラシ+ピーマン
[効果]モザイク病、リンモン病
[使い方]葉面散布
[材料と作り方]半分赤みがかったピーマンを天日で数日干します。これを一握り、耐熱性の広口ビンに入れて、熱湯を約1リットル注ぎます。注いだらしっかり蓋をして、丸1日置きます。これに石鹸5gを混ぜて、布でこしてできあがりです。
●ツクシ液またはスギナ液
[効果]ウドンコ病、ベト病、サビ病
ツクシは強い抗菌力に富み、ベト病、ウドンコ病、サビ病など広範囲な病気によく効き、フハイ病、エキ病にも効果がある優れた自然薬ですから、ぜひ試してみたいものです。
ツクシが手に入らない時はツクシの親木であるスギナでも、ツクシほどではありませんが効果はあります。スギナは1年中生えているので重宝します。
[材料と作り方]水1リットルにツクシかスギナ一握りを入れて火にかけ、5分間沸騰させます。それを冷やして布でこし、さらに石鹸を5g混ぜてできあがりです。
ツクシ液1リットルに米酢を40ml混ぜると、ツクシ液単体よりも強力な病害防除効果が期待できます。
●マシン油
[効果]ベト病、サビ病、リンモン病
[使い方]葉面散布
[材料と作り方]水1リットルに、マシン油を40ミリリットルを加え、せっけんを10ミリリットル入れてよくふり混ぜ、布で漉してできあがりです。
●除虫菊液
[効果] 害虫全般
除虫菊は蚊取り線香の原料で、それに含まれるピレトリンという成分は、複数の昆虫に対して、殺菌効果があります。作り方は簡単で、人間には無害です。
[使い方] 20~30倍に希釈して葉の裏表にスプレーする。
[材料と作り方] 1リットルのペットボトルに除虫菊粉末(自然食品の店などで購入する)を100g入れます。エチルアルコール(または35度以上の焼酎)を容器一杯になるまで入れます。蓋をしてよく振って冷暗所1週間以上おきます。
[注意点] (1)大型の害虫や、老齢幼虫には効果がないので、マヒしている間に取り除く。
(2)雨天の散布は不可。雨天以外の夕方にまくとよい。
(3)発芽直後の育苗期間には、100倍程度に希釈したものから使い始める
●アリ対策
蟻の駆逐は難しく、アリの巣コロリなど不快害虫薬剤の撒布が有効ですが、薬を使いたくない場合は次の方法を試して見ましょう。
畑のアリに対して。
・蟻の巣を見つけて木酢液をまく。
・巣に大量の水を撒く。
・石灰を撒く。
作物についたアリに対して
アブラムシの出す分泌物がアリを誘うので、アブラムシを駆除します。
■天敵利用の普及
農薬は益虫のクモや、テントウムシ、その他たくさんの害虫の天敵も殺してしまい、農薬散布の結果、更に害を増やしてしまう悪循環に陥ることが指摘されています。
欧米では害虫の天敵としてオンシツツヤコバチという体長1mmにも満たない小さなハチが年間30億匹以上増殖されています。
この天敵を含めて30種くらいの天敵を使ってトマト、ピーマン、キューリ、ナスなどの害虫防除することはハウス栽培の常識になっているそうです。
私たちはそう簡単に天敵を利用することはできませんが、アブラムシの天敵テントウムシを自分で捕まえて働いてもらう方法を紹介します。
テントウムシは一般的な赤地に黒い星が7つあるナナホシテントウムシを使います。よく似ていますが、星がたくjさんあるニジュウヤホシテントウは葉を食い荒らす害虫なので注意してください。
5月頃にはカラスノエンドウ、萩やムクゲなどの草木にテントウムシがアブラムシを食べているのでそれを捕まえます。成虫はせっかく捕まえても飛んでしまうので幼虫を探します。葉ごと捕りビニール袋に入れて持ち帰ります。
この時期になると、テントウムシの成虫や幼虫は自然について、アブラムシを食べてくれることもあり、安心の上に、効果は大きい。
ナスでは1枝に1匹放しますと1週間もするとアブラムシはほとんどいなくなります。
アブラムシは粘着テープでとる
アブラムシが大発生してしまうと、自然農薬では間に合わなくなります。早く発見して処置をしましょう。
まだ少ないうちなら、直接葉の上を擦ってアブラムシを退治するのもよい方法です。このとき、粘着テープを使うと楽に簡単に取れますので、試してみましょう。
■市販されている自然農薬
●木酢液
[効果]土壌改良、病害虫の予防
[使い方]一般的な商品
土壌改良:50~100倍の希釈液を植付けの7日前までに散布します。
有用菌が増え、土壌を改良する。根を育て、植物の生長を促進します。
病気予防:800~1000倍の希釈液を月2~3回葉面散布します。
葉、幹、根が強くなり、病気を予防。虫は臭いを嫌い近寄らなくなります。
野良犬、野良猫の忌避剤として使うときは、原液のまま散布。
●竹酢液
竹炭窯から出る煙を集めて冷却し、液体にしたものです。
[効果] 土壌改良、病害虫の予防。木酢液より強い殺菌効果があります。
[使い方]通常の商品例
土壌改良:50~100倍の希釈液を植付けの7日前までに散布する。
有用菌が増え、土壌を改良する。根を育て、植物の生長を促進します。
病気予防:800~1000倍の希釈液を月2~3回葉面散布します。
葉、幹、根が強くなり、病気を予防。虫は臭いを嫌い近寄らなくなります。
野良犬、野良猫の忌避剤として使うときは、原液のまま散布。
●粘着くん
食品であるデンプンを使用しており、野菜類では収穫の前日まで使用できる。従来の殺虫剤とことなり、粘着性の高い物理的作用で抵抗性のついた害虫にも有効とのこと。
[効果]ワタアブラムシ、タバココナジラミ、ハダニ類
[使い方]葉面散布
●マシン油乳剤
マシン油95%、乳化剤5%の製品
[効果]ハダニ、サビダニ
[使い方]葉面散布
★様々な種類の自然農薬がありますね!
他にも、下のようなサイトが参考になります。↓
●自然農薬を使ってみよう!
●無農薬野菜を作ろう!
●肥料兼自然農薬の基本~作り方l
●各自然農薬の作り方
★類農園でも幾つか試した事がありますが、これらを作るのに手間がかかり、結局かなりのコスト高になる、同時になかなか効かない・・・と言うのが現実です。
★病害虫防除だけを取り出して考えるのではなく、栽培全体の中で病害虫防除をどうする!?という発想をする必要があるのだと思います。
⇒さらに大きな課題だと思います。
●以下、現代の自然農薬「特定農薬について」です。
是非読んでください <(_ _)>
続きを読む前にポチっと☆応援ありがとうございます!
続きを読む "農薬を徹底追求②!!(2)自然農薬と特定農薬"
posted by nara1958 at : 2009年08月24日 | コメント (5件) | トラックバック (0) TweetList
2009年08月23日
農薬を徹底追求②!!(1)昔の病害虫防除の方法と歴史
■こんにちは まるいちです。
今回からは【農薬を徹底追求!!!】シリーズの第2段、【農薬を徹底追求②!!】をシリーズでおおくりします。
今日は、前回の記事「農薬を徹底追究!!!(1)農薬の歴史」に引続き、「農薬を徹底追求②!!(1)昔の病害虫防除の方法と歴史」です。それとちょっと気になっている、自然の中にあるものを利用した農薬「除虫菊とピレスロイドについて」も調べてみました。
農薬工業会 農薬Q&Aより引用です。
■昔の病害虫防除の方法と歴史
人類の歴史を遡ると、すでに古代エジプトのトビバッタによる被害、ローマ時代の小麦のさび病と思われる病害、中国では後漢の時代(西暦25~220年)のウンカによる被害の記録が残されています。当時は、天災としてあきらめたり神に祈ったりするのが主でしたが、それだけではなく、耕作方法や品種を変えたり、被害を防ぐための薬剤を探し求めたりと、さまざまな努力もなされていたようです。
イネを例に取れば、イネはもともと南アジアの低湿地に自生していました。しかし、まとまって生えていたのではなく、あちらに2、3本、こちらに4、5本と生え、それを昔の人は苦労しながら集めていたと考えられます。野生のイネは、穂につく粒が少なく、また粒も小さく、味も劣っていたと思われます。長い時間をかけ、たくさん粒をつける種類、粒の大きい種類、味のよい種類をかけ合わせて、現在のイネの品種が生み出されてきました。
●ワインやオリーブ油も農薬替わりに
紀元前のギリシャやローマでは、いろいろな植物を煮出した液やワインに作物の種子をつけ、播種後の害虫を防ごうとしたようです。生育中の作物には、バイケイソウ、ウチワマメ、ドクニンジン、ツルボといった植物の浸出液が散布されましたが、今日では、これらの植物に殺虫成分が含まれていることが知られています。また、オリーブ油の搾りかすが殺虫剤として使われたといいます。
硫黄を燃やし害虫を防除することもおこなわれ、この燻煙法は1500年頃まで続けられていました。硫黄の病気に対する効果は紀元前1000年ごろには知られ、以来最近まで使われ続けました。硫黄は最も古い農薬といえます。
●日本では鯨油が
時代は下って1690年には、フランスでタバコの粉を害虫駆除に用いた記録があり、同じ頃、日本では1670年(寛文10年)に鯨油を使った注油法が発見されています。この方法は、まず油を水田に注いで水田水の表面に被膜をつくります。次にイネを笹竹などで払って害虫をそこへ落とします。落ちた虫は油が体に纏(まと)わりつき気門をふさがれ窒息死してしまいます。油は主に鯨油でしたが菜種油などの植物油が使われることもありました。
この技術は筑前国(現在の福岡県北部)で偶然発見され、九州を中心に日本各地に広まりました。近世三大飢饉の一つ、1732年(亨保17年)の大飢饉は、原因の一つがウンカ類の大発生でした。その対策として、筑前、筑後(今の福岡県南部)、肥前(佐賀県や長崎県の一部)や加賀(石川県)など各地で注油法が使われました。それ以後、ウンカ類などが発生すると、幕府は鯨油による注油法を各藩に指示しましたが、鯨油が高価だったために容易に普及はしなかったようです。注油法は、明治初期に鯨油から石油に替わり第二次世界大戦後までウンカ類の防除法として利用されていました。
一方、1780年に、フランスのP. J.ビュショは『人間と家畜、農園芸の害虫史』を著しましたが、そのなかに紹介されている害虫防除法は、石けん水、石灰、石灰水、煤、「ハルタデの葉+ニンニク+塩」の煎じ汁、タバコ、セージ、ヤナギハッカ、ニガヨモギの煎じ汁の散布、鯨油の灌注(アブラムシが寄生中の植物)、樹木への牛糞や硫黄と硝石の燻煙などです。ちなみに最悪の害虫バッタについては「処置なし」と記しています。
●除虫菊やボルドー液も登場
1800年代になると、農薬にも新たな動きがでてきました。コーカサス地方(現ロシア、アルメニアなど)で除虫菊の粉を殺虫剤として用いたのに続き、デリス根が殺虫用に有効なことが知られるようになりました。1824年には硫黄と石灰の混合物がモモのうどんこ病に効果があることが認められ、のちに石灰硫黄合剤が考案され、うどんこ病、さび病、ハダニの防除に使われていました。
18世紀後半から木材の腐朽防止のため使われていた硫酸銅は、種子殺菌用としても使われるようになっていました。1873年にフランス・ボルドー大学のミヤルデ教授が偶然のきっかけで硫酸銅と石灰の混合物がブドウのべと病に著しい予防効果のあることを発見し、1882年ごろからボルドー液として大量に使われるようになりました。
このように、20世紀前半までは、無機物を中心にした農薬が開発され実用化されていました。そして、第二次世界大戦後に、現在の化学農薬の時代を迎えるのです。
参考文献
*岡本大次郎『鳥獣除けの原風景』1992、日本植物防疫協会
*藤浪曄『変わる農薬』1991、住友化学工業株式会社
*小西正泰「農薬のきた道」農薬春秋No.60:3-7、1990、 北興化学工業株式会社
★昔の病害虫防除は本当に苦労したのだと思います。現代は病害虫の原因、種類はほぼ分かっているし、対応策もあります。しかし、同時に自然の摂理にかなった本物の「病害虫防除方法」の確立も急がれているように思います。
●以下、「除虫菊とピレスロイドについて」です。
是非読んでください <(_ _)>
続きを読む前にポチっと☆応援ありがとうございます!
続きを読む "農薬を徹底追求②!!(1)昔の病害虫防除の方法と歴史"
posted by nara1958 at : 2009年08月23日 | コメント (8件) | トラックバック (0) TweetList
2009年08月22日
アメリカによる共認支配と年次改革要望書
最終日は
8/22(土) アメリカによる共認支配と年次改革要望書
です。
前日までの記事
8/18(火) 企業参入後の農業はどうなる?①
8/19(水) 企業参入後の農業はどうなる?②
8/20(木) 食料自給率の成立背景①
8/21(金) 食料自給率の成立背景②
で、農地法改正での企業参入、マスコミ・政府の農業PR(自給率40%をしきりに叫び国民の危機感を煽るなど)と、日本の自給率▽を逆手に取ったアメリカの戦略がおぼろげながら見えてきました。
アメリカの巧妙なシナリオ通りに物事が進んでいる可能性があるのです。
仮にそうであるならば、かなり前段階から準備がされていたはずと予測できます。
そこで、この仮説の根拠を固めるために、1993年より始まった、『年次改革要望書』の農業の項目(2003年~2008年度版)について調査してみました。 😀
ちなみに年次改革要望書とは、日本の政府とアメリカの政府が、両国の経済発展のために改善が必要と考える規制や制度の問題点についてまとめた文書で、毎年、日米両政府間で交換されています。
要望書の中身はあらゆるジャンルにおいて多岐に渡り、アメリカ側からの要望が日本の施策として実現した例としては、建築基準法の改正や法科大学院の設置、独占禁止法の強化と運用の厳密化、郵政民営化の実現といったものが挙げられます。
(詳しい内容についてはこちらの投稿も参考になります
「年次改革要望書」による日本解体の歴史①
「年次改革要望書」による日本解体の歴史②
「年次改革要望書」に従って日本の政治が行われている事例)
続きはぽちっと押してから・・・。
posted by mini at : 2009年08月22日 | コメント (10件) | トラックバック (0) TweetList
2009年08月21日
食料自給率の成立背景②~食料自給率は、食料危機の「警鐘」から、アメリカの食料支配の道具に転換してしまった~
『食料自給率の成立背景①~戦後の食糧不足、専業農民激減による「警鐘」⇒食料自給率~』に引き続き、今回は『戦後の食糧不足、専業農民激減による「警鐘」』であった『食料自給率』がどのようなものになっていったのかを追求していきたいと思います。
続きを読む "食料自給率の成立背景②~食料自給率は、食料危機の「警鐘」から、アメリカの食料支配の道具に転換してしまった~"
posted by sari at : 2009年08月21日 | コメント (8件) | トラックバック (0) TweetList