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2009年08月25日

農薬を徹底追求②!!(4) 除草剤編その1

こんばんは、sugi70です。
今回もまた、除草剤について追求してみました。
まだまだ全体像はつかめていませんが、一つ一つ追求していく中で、一つの答えをだしたいと思います。
追求内容は次のとおりです。
1.作用機構別の作用メカニズム
2.残留性について
3.残効性について
4.抵抗性について

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1.作用機構別の作用メカニズム
・はじめに
日本で初めて使用された化学合成除草剤は、戦後アメリカから導入された2,4-Dです。その後、様々な除草剤が開発され、現在は120成分以上の化合物が農薬として登録されています。
除草剤のほとんどは、有機化合物であり、何らかの形で植物の様々な代謝系と反応、結合することで、それらの機能を阻害、もしくは活性酸素の発生によって植物を枯死させるものです。
そして、現在の除草剤は、元となる除草機能を持つ化合物があり、それをもとに新しい除草剤を開発してきた経緯があります。
ですから、それぞれの有機化合物の特徴を分類し、捉えていけば、ある程度の枯死させるまでの期間や、残効性、残留性、毒性について大まかな全体像が見えてくるのではと予想していました。
ところが、元となる化合物から開発された化合物を調べていくと、それぞれ効果が異なっていることも多く、現状としてはうまく分類できないように感じます。
そして今回は、前回と同様に、除草剤の機能が植物のどの代謝系に作用しているのか、作用機構別に分類し、わかったことや疑問に思う点を挙げていきたいと思います。
除草剤などの、農薬については、僕たち素人にはまだまだ全体像が分かりにくいですが、、一つ一つ事実を追求していけば、本質が見えてくるのではないでしょうか。今回の農薬徹底追及は、そんな意図もあり、農業従事者や、消費者にとってどのように農薬を使用していくことが望ましいのかということも見えてくればいいと思っています。

Ⅰ.光合成阻害剤(明反応にかかわる部分)
光合成の中の明反応は、光エネルギーを用いて水を酸化させ、「水素イオン、酸素分子、電子」を取り出し、それを用いて糖やアミノ酸を合成する元となるATP、NADPHを生成させる電子伝達系という経路によって成り立っています。
そして、ATPの合成に関与する、電子の移動を阻害することで、活性酸素を発生させ、細胞膜を破壊し、枯死させる除草剤がこのタイプです。
つまり、明反応のどの部分に反応し、またどれだけ活性酸素を発生させ、細胞を破壊させていくかによって、効果の度合いや、枯死させるまでの日数に関わってくるといえます。
a.光化学系Ⅱ、電子伝達の阻害
適応成分:尿素系のリニュロン
     トリアジン系のアトラジン
     ダイアジン系のプロマシル
前回説明した光合成の中の、明反応は、光エネルギーを受け取り、それによって水を酸化させるまでの光化学系Ⅱと、そこから得られた電子を用いて、NADPHを生成する光化学系Ⅰに分類されます。
この阻害剤は、電子伝達の機能を停止させることで、活性酸素である一重項酸素を発生させ、植物細胞膜を破壊していきます。
b.光化学系Ⅰの阻害剤
適応成分:ジグワット、パラコートなど
このタイプの除草剤は、光化学系Ⅰに運ばれる電子を奪い、一時的に非常に不安定な状態になります。それが還元作用によって、もとの状態に戻る際に、スーパーオキシドラジカルという、強力な活性酸素を発生させ、植物を急激に枯死させます。
・特徴と利用方法
散布後、植物はすぐに褐変し、2~3日で枯死します。植物への吸収も速やかに行われるため、雨の影響が少ないことが挙げられます。
c.光色素生成阻害剤
適応成分:ビフェノックス
植物が光を吸収するためには、カロテノイド、クロロフィルなどの色素が必要です。光色素生成阻害剤はこれらの色素の生成に関与する酵素に働くことで、色素の生成を阻害させます。これによって光合成をストップさせ、飢餓状態にさせるほか、この過程で、発生した活性酸素や紫外線によって細胞が破壊されます(色素には、生物にとって有害な紫外線の吸収を抑える効果もある)

Ⅱ.栄養代謝系阻害剤
糖類やアミノ酸を生成する暗反応にも、様々な酵素や経路が関わっています。栄養代謝系の阻害剤はこれらに作用することで、暗反応をストップさせ、細胞に必要な要素の供給を阻害させたり、代謝機能を混乱させます。特徴としては、細胞破壊よりは、栄養の供給をストップさせて枯死させるため、効果に比較的時間がかかることが挙げられます。
a.アミノ酸生成阻害
・適応成分
グリホサート(ラウンドアップ)
グルホシネート(バスタ)、ビアラホス(ハービー)など
主に2つのタイプに分類されます。
●アミノ酸の合成を阻害し、植物の生長を阻害することで徐々に枯死させるもの。
●グルタミン合成酵素の作用を阻害し、過剰のアンモニアを植物に集積し、細胞を破壊するもの
b.脂肪酸合成阻害
・適応成分
クレトジム、インダノファンなど
主に2つのタイプに分類されます
●脂肪酸合成に関わる酵素と結合し、脂肪酸の合成を阻害させるもの
●脂肪酸の炭素鎖伸張を抑制し、長鎖脂肪酸の合成を阻害させるもの

Ⅲ.ホルモン作用かく乱型阻害剤
・適応成分
2.4-D、MCPAなど
植物ホルモンとは、生長や発芽、花芽分化などの、植物の生理機能を調節する物質で、この除草剤は、合成ホルモンという、植物ホルモンに類似した物質を投与することで、ホルモンバランスを崩す作用があります。その結果、生長バランスに異常をきたすことで、植物を枯死させます。特徴としては、これらの化合物は植物によって代謝構造が異なるために、植物間での除草の選択性を持つことが挙げられます。

Ⅳ.細胞分裂阻害剤
・適応成分
トリフルラリン、IPC、シンメチリンなど
細胞分裂の際に必要な、微小管の形成を阻害するもの、紡錘糸の形成に必要なチューブリンタンパクの重合を阻害するものや、特定の植物(ノビエなど)の幼根部の生長点における細胞の分裂を阻害するものがあります。

■現状、理解できたこと
除草剤は、植物を枯死させる目的で開発されています。ですから、まず、植物の代謝系に着目し、それらのどれか一つでも阻害することができれば、やがては枯らすことができます。これによって様々な作用機構の除草剤があるのだと思います。
そして、どの代謝系に作用するかによって、効果にかかる時間が変動したり、植物とその他の生物、そして植物間の選択性が生まれると考えられます。
■疑問点や今後追及していきたいこと
除草剤は数多くの化合物があり、また代謝経路に関しても同様のことが言え、全体像が非常に捉えづらい構造になっています。これは他の農薬についても同じで、今後どのように追求していけばいいのかが壁になりそうです。
もう一点、除草剤の重要な性質として、「選択性」というものがあります。除草剤メーカーはどのように選択性をもつ除草剤を開発しているのかも気になります。
いずれにせよ、消費者と僕らのように仕事で農薬を使用する人にとって、どのような条件の際に何の除草剤を使えばいいか簡単にわかる指標を作りたいです。
2.残留性(現在追求途中です。すみません。)
a.除草剤の分解の流れ
有機化合物である除草剤は、様々な要因によって分解され、最終的には炭酸ガス、アンモ二ア、水などの単純な物質になります。分解される要因は以下の通りです。
・紫外線による分解
・土壌微生物による分解
・植物による代謝
・加水分解、土壌中の化学物質との結合
b.残留性の強弱について 
除草剤に関しても、多種多様な化合物があるため、分解されやすいかされにくいかは、それぞれの除草剤ごとに異なりますが、現在農薬取締法で認定されているものに関してはある程度の基準が設けられているようです。(例えば、土壌における残留性は半減期180日未満のものに限る)
c.食品衛生法による残留基準
最終的に作物が出荷される際に、残留農薬の基準が定められています。除草剤もこの点は同じで、その基準値に収まるような使用方法が決定されています。
■今後の課題
・食品衛生法などの法律関係の追及
・残留性と残効性の関係
・作用機構別の残留性の分類
続いて、除草剤の追及その2では残効性と抵抗性について追求していきます。

投稿者 sugi70 : 2009年08月25日 List   

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コメント

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