2009年8月1日

2009年08月01日

農薬を徹底追究!!!(11)生物農薬とは?その正体に迫る!!

こんばんは~。
類農園研修生の長井です。
近年、「食の安全・安心」「環境の悪化」などと叫ばれる中。
農薬も、その問題の一部と言える事でしょう、そして少しでも「安全な物、環境に良いもの」などの、農薬を使おうという事があり、その中の一部として生物農薬と言うのがあります。
僕も初めて生物農薬と聞いた時は、「生物って農薬になるの?」などと、さまざまな疑問が沸いてきたので、調べる事にしました
P5122479.jpg
まず最初に、生物農薬とは?
・生物農薬 ・・・病害虫・雑草の防除に利用される微生物、天敵、寄生昆虫などを施用しやすく、かつ効力を発揮しやすいよう製剤化したもの。
そして、生物農薬  詳細解説
昆虫や微生物、またはそれらの抽出物を使った農薬のこと。農薬取締法は、1) 農作物を害する菌や虫、ねずみなどの病害虫防除に使う殺菌剤や殺虫剤、2) 植物成長調整剤、3) 発芽抑制剤などを農薬として定め、病害虫の防除に用いる「天敵」も農薬とみなすとしている。生物農薬は、1) 化学農薬に比べて土壌や公共用水域などの環境への負荷が小さい、2) 有用な生物への悪影響が少なく生態系への影響が少ない、3) 害虫に抵抗性がつきにくいといった特長がある。一方で、1) 効果が緩慢で即効性に欠ける、2) 使用適期の幅がせまいなどの短所もある。生物農薬には、生きているウイルスや細菌、真菌、原生動物、線虫などを病害虫・雑草の防除に利用する「微生物農薬」と、ほかの生物を攻撃し、栄養分を摂取することによって生活する生物を病害虫の防除に利用する「天敵農薬」の2種類がある。農薬取締法に基づく農薬の登録制度により、生物農薬にも化学農薬と同様、有効成分の管理や薬効、安全性などの登録検査が必要とされている。微生物農薬では、BT剤(Bacillus turingiensisと呼ばれる微生物が生産するタンパク毒素を利用したもの)が最も広く普及しており、1992年に安全性評価指標が通知されている。一方、天敵農薬では寄生バチ、捕食性ダニなどが有効成分とされている
生物って本当に農薬となっているんですね
そして、2種類の「微生物農薬」と「天敵農薬」について詳しく調べてみました
☆微生物農薬とはなにか・・・☆
自然界に普通に存在する微生物のうち、「病原菌から植物を守る微生物」や「害虫から植物を守る微生物」を選抜し、生きた状態のまま使いやすく工夫した製剤です。病害虫から作物を守る効果、使用する微生物や製剤の安全性、品質などが審査され、農薬取締法に基く農林水産大臣による農薬としての登録を受けたもので、一般的には微生物農薬と呼ばれています。
次に特徴とメリット、デメリットさらに留意点を紹介します。
●特長その1● 安全・安心をお届けします。いつも手に触れ、肌で感じている植物の表面や土壌の中。1グラムの畑土の中には約1億個の微生物が生存しており、共生、せめぎあい、駆逐などの生命活動が繰り返されています。これこそが地球に生命が誕生した約30億年前から続いている自然であり、人との触れ合いの歴史も数百万年に及びます。その中から選抜された微生物は正に自然そのものといえます。もちろん、農林水産省が定めた「微生物農薬ガイドライン」に沿って安全性試験を実施し、学識経験者の審議を経て安全性が確認されています。人にも環境にも優しいのが特長です。
●特長その2●
耐性菌や抵抗性害虫の心配がありません
微生物防除剤に対する耐性菌や抵抗性害虫の出現可能性は非常に低く、また化学農薬が効き難くなった耐性菌、抵抗性害虫にも変わらず効果を発揮します。
化学農薬のほとんどは病原菌や害虫の毒物として作用しますが、微生物防除剤の効果の仕組みは、自然の生命活動そのものです。例えば、病原菌が付着する場所を先に占拠し、植物への感染が起こらないようにガードする微生物の利用や、寄生して害虫を殺す微生物の利用などです。これまでの化学農薬とは全く異なるメカニズムなのです。
メリット
①消費者が求める安全・安心な農作物生産が出来ます。
②農作業をする人に安全です。
③地球環境に負荷を掛けません。
④耐性菌や抵抗性害虫の存在が気になりません。
⑤永くご使用いただけます。(耐性菌や抵抗性害虫が発生しない)
⑥化学農薬の使用回数を減らせます。
デメリット
①病気の発生後に処理しても効果がないこと。
②気温、湿度、降雨等の気象条件の影響を受けやすく、利用できる条件が限られること。
③通常効果がある病気の種類が少ないことなどです。微生物は生き物ですので化学農薬と同じように使える訳ではありません。
そして微生物防除剤は、「生きた微生物」「自然のメカニズム」であるが故の留意点があります。
①環境条件によっては死滅します。(冷暗所で水分を避けて保管しましょう)
②働かせるための環境条件が必要です。
③効果がマイルドに発現します。
そして、次に微生物農薬そしての種類を一部紹介します。
①、殺菌剤
病原菌の活動を妨げて病害を予防する。
病原菌が作物に感染して病気を引き起こすためには、 作物の表面や内部に活動の足場を作る必要があります。 この足場とは主に、栄養源と住み着く場所ですが、微生物防除剤に用いられている有用な微生物は、 この足場をあたかも「いす取りゲーム」のように先に奪うことより病原菌の活動を妨げ、 病原菌の作物への感染を予防します。
一部の製品
・ボトキラーR水和剤・ボトキラー水和剤
②、殺虫剤
害虫に寄生して駆除する。
コナジラミやアブラムシ、カミキリムシといった、作物を食べて害を及ぼす害虫に寄生して死滅させます。 害虫の体表面に付着した微生物は、そのまま害虫の表皮を貫通して体内に入り、 害虫体内の水分や栄養を利用して増殖します。この過程で害虫を死滅させます。
一部の製品
ゴッツA、バイオリサ・カミキリ
③、除草剤
雑草の体内に住み着いて駆除する。
やっかいな雑草であるスズメノカタビラの体内に住み着いて粘着質の物質を作り出し、 栄養や水分の循環を妨げることにより、雑草を枯らします。
一部の製品
・キャンペリコ液剤など
微生物農薬だけでもさまざまな種類があり、驚きました。
次に「天敵農薬」について調べました。
虫を使った害虫防除
-天敵農薬-
天敵ってなんだろう?
 農作物には、葉や果実を食べる害虫が数多く存在します。
 それに対して、害虫を食べるなどして駆除してくれる虫のことを、天敵と呼びます。
 花木や野菜につく害虫のアブラムシ類を食べるテントウムシや、ガなどを捕まえるクモなどが代表的な天敵です。また、害虫を食べる鳥も広く見れば天敵と言えます。
 このような天敵類を利用した害虫防除の方法が、現在研究されています。
 
~天敵を使った害虫防除の例~
野菜や果樹の葉から栄養を吸い取って被害を与えるものにハダニ類があげられます。作物によって、寄生するハダニの種類は違いますが、主なものとしてはナミハダニ、リンゴハダニなどがあります。ハダニは大量に発生すると、作物が衰弱してしまいます。
 これらのハダニ類は薬剤抵抗性(これまで効果のあった農薬が効かなくなること)がつきやすいため、できるだけ薬剤をかけないで防除する方法が研究されています。
 その中の一つが天敵類を使った防除方法です。
 ハダニ類の天敵類は、カメムシの仲間やアザミウマの仲間などの昆虫類、クモ類、菌類などたくさんの種類がありますが、最も研究が進んでいるのは、カブリダニ類というダニの種類です。カブリダニは作物には悪い影響を与えず、ハダニを食べてくれます。
 カブリダニを使ったハダニ防除の方法は、畑や果樹園にカブリダニを大量に放して、ハダニを食べさせます。
 現在は、ビニールハウスや温室などで、チリカブリダニという種類が天敵農薬として利用されています。まだすべてのハダニ防除に使えるわけではありませんが、近い将来広く使える技術ができるでしょう。
 ハダニだけでなく、天敵を利用した害虫防除の研究は、広く進められています。これからは天敵の利用に加えて、フェロモン剤の利用が増えてくるでしょう。これらの防除方法は、安全で安心な農業のために重要な技術になるでしょう。
生物農薬を調べているうちに、生物もちゃんとした農薬なんだ と言うところが今回の発見でした。そして生物農薬を一度でもいいから、使ってみたいと思った。
そして、実際はどのような効果や作用メカニズムの解明もやりたくなってきました。

応援ヨロシクお願いします。(ポチット)
参考引用先
●農林水産省、農薬の基礎知識 詳細 http://www.maff.go.jp/j/nouyaku/n_tisiki/tisiki.html#kiso7さん
●環境gooさん http://eco.goo.ne.jp/word/ecoword/E00491.htmlさん
●日本微生物防除剤協議会 http://www.biseibutsu.jp/microbe/index.htmlさん
●奈良県農業技術センター 環境保全担当 病害防除チーム 総括研究員 西崎仁博 (2006年1月)http://www.pref.nara.jp/nogyos/nousou/midori-mini/05nousakumotuwo.htmさん
●美の国あきたネット
http://www.pref.akita.lg.jp/icity/browser?ActionCode=content&ContentID=1138250562718&SiteID=0さん
以上、最後まで見ていただきありがとうございました

投稿者 agrisensi : 2009年08月01日