2020年04月09日
農的社会2~コロナ禍が、「農」の再生を加速させる
地域インフラたる直売所への期待、
食を支える農家への感謝、
農業という仕事に対する誇り、
…コロナ禍が、「農」基盤の再生を一気に加速させるか。
以下、転載(「直売所、農家が存在感 消費者の食支える」2020.4.9付 日本農業新聞)
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2020年04月07日
全国600農協の4分の1が赤字転落、農業の主役は「企業」へと交代する
DIAMOND ONLINE からの転載です。2020.3.16の記事です。
この間のコロナウイルスの影響で、近いうちに食糧が足りなくなっていくということが、大きな問題になってきており、農業の体制の枠組みが、今回の騒動によって、一気に変わっていく事も予想されます。
一方、戦後日本の農業は、JAという組織によって、維持を続けてきましたが、今や、企業の農業への参入によって、その姿は、変わりつつあり、今回の騒動によって農業の立ち位置や役割が見直され、企業の参入がますます加速するでしょう。
今回は、「全国600農協の4分の1が赤字転落、農業の主役は「企業」へと交代する」というレポートの紹介です。
では、転載開始【リンク】
ダイヤモンド編集部 千本木啓文:記者 /農業の業界紙を経て、14年より週刊ダイヤモンド記者。機械・重工業界、鉄鋼業界を担当した後、現在は電機業界を担当。防衛、エネルギー、IoTなどを重点テーマに据えている。前職での経験を活かし農業特集にも取り組んでいる。主な担当特集は「変われぬ東芝変わる日立」「自衛隊 防衛ビジネス本当の実力」「儲かる農業」。休暇はアウトドア、山登り。
『週刊ダイヤモンド』3月21日号の第一特集は「儲かる農業2020 消えるJA」です。農協(JA)の大淘汰が始まりました。ダイヤモンド編集部が独自に試算したところ、全国にある600JAの「4分の1」に相当する153JAが赤字に沈む衝撃的な実態が明らかになりました。マイナス金利政策の影響による金融事業の収益悪化のためです。
農協の本分である農家支援をおろそかにして金融事業に依存する農協には未来はありません。一方、農業に商機を見いだしたトヨタ自動車や三菱商事などは有力農家を囲い込み始めています。消える農協と攻める企業──主役交代が進む農業激変の現場をレポートします。
◆金融ショックで凋落するJA若さとITで躍進する楽天
「入社希望者はたくさんいるから、リクルートには困らない。けれど、入社した社員の住む場所が本社の周りに足りないんですよね……」
松山空港からバスで約1時間揺られてようやくたどり着く愛媛県大洲市。こののどかな街には、住宅の需給バランスを崩してしまうくらい、社員を激増させている農業法人がある。楽天の100%子会社、楽天農業だ。
レタスや小松菜といったオーガニック野菜で作るカットサラダをヒットさせ、急成長を遂げた。
2019年は首都圏のサラダの需要に応えるため、静岡県に50ヘクタール以上の土地を確保して、カットサラダ工場も建設する。本拠地の愛媛県内では、撤退する食品メーカーの事業を事実上譲り受ける形で冷凍野菜事業にも本格進出した。
農場で働く社員は、誰も彼も若く活気に満ちている。社員数は昨年から50人増えて約110人へと倍増している。この4月にも新卒の新入社員が14人加わる予定だ。
中山間地の荒れ地を次々と開墾し、08年にゼロだった経営面積は合計65ヘクタールまでに拡大。もはや楽天は立派な「豪農」である。
楽天を筆頭に、農業に参入した企業は、資本力を生かした設備投資とM&A(企業の合併・買収)で、農業再生を主導している。
また、企業参入の目的は農場経営だけではない。トヨタ自動車や三菱商事などの大資本は、JAグループの牙城である9兆円の農産物流通市場を奪いにきている。
◆全600JA中、153JAが赤字転落 衝撃試算を初公開
片や農協である。ダイヤモンド編集部の試算により、全国に600ある農協のうち153JAが赤字に沈む衝撃的な実態があぶり出された。
赤字転落の理由は金融事業の大幅な減益だ。農協は本業である農業関連事業の赤字を金融事業の黒字で補填して経営を成り立たせてきた。だが、マイナス金利政策の影響で、1JA当たり最大27億円も金融事業が減益になることが想定される。
JAグループ内でも本編集部と同様の試算が行われており、減益額の大きさに戦慄した農協は、規模を追うだけの成長戦略なき合併に走っている。
凋落する農協と躍進する企業──。明暗は分かれた。いよいよ農業の主役交代が始まった。
◆担い手農家1600人が選ぶカリスマ農家、優良農協も
今特集の目玉は、前述の独自試算に基づく「JA赤字危険度ランキング」だけではありません。
ダイヤモンド編集部は今特集のために「担い手農家アンケート」を実施。全国1600人の農家から回答を得ました。回答者は平均経営面積36.6ヘクタールの有力農家たちです。
この有力農家たちに、「支持する農協」や「理想とする農家」「役立つ農業ツール」などを評価してもらい、作成したオンリーワンのランキングが大きな目玉の一つです。
「役立つ農業ツール」のランキングでは、農産物の生産から販売までを一気通貫で支援することで農業界のプラットフォーマーの座を狙う企業の多くがランクインしました。こうした企業は、傘下のIT企業や小売企業をフル活用することで、JAグループが牛耳ってきた農業の「主役交代」を実現しようとしています。同ランキングは、アンケートに回答した有力農家たちに、主役交代の野望を抱く企業が浸透していることを浮き彫りにしました。
また、今特集でも定番となった「レジェンド(大規模)農家」ランキング、中小でも高収益を上げる「中小キラリ農家」ランキングを作成しました。いずれも、担い手農家アンケートの回答者から、ダイヤモンド編集部が独自の基準で選定した超有力農家です。特集では、農業ビジネスを展開する企業が提携のために殺到するレジェンド農家の凄みや、他産業から農業に参入して高収益モデルを確立した中小キラリ農家の儲ける秘訣もお届けします。
「JA大淘汰」とともに「農家の大淘汰」の時代もやってきそうです。今特集は、いよいよ始まった農業激変と、その後の「未来の農業」の姿をできるだけ克明に描き出しました。
◆まとめ
現在の日本の農業は、1. 新規参入のハードルの高さ2. 農業従事者の減少3. 食料自給率の低下等が問題点として挙げられ、更に、これら以外にも様々な問題点があり、解決の目処は立っていないのが実態です。
国民が農業から離れた結果、農業に関する問題が他人事のようになってしまい、問題の存在自体が認識されなくなっているという現状さえあります。
しかし、今回のレポートから、優良な農家でさえ、JAを頼りとせず、企業の方に軸足を向けつつあります。
また、企業側もこの間のコロナウイルスの影響で、農業の可能性に気づき始めたのは確かでしょう。そして「JA大淘汰~農家の大淘汰」の時代になっていく事が、現実味を帯びてきました。
農業の生産物無しでは、人間は生きていく事はできません。そういう意味でも、新しい価値観で、これまでの農業の有り様がガラッと変わっていく時代が登場してくるのではないでしょうか? 次は農業の時代だと・・・ では、次回もお楽しみに
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2020年04月02日
農的社会1~生命原理を最優先する社会
迫り来る大恐慌の先にある、「農」を中心とする新たな社会づくり。
以下、転載(「未来を耕す農的社会」2018著:蔦谷栄一)
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2020年03月26日
農と全人教育13~農的社会への地殻変動が加速する
リーマンショックが「上から来た不況」だとすれば、今回のコロナ発大不況は、「足下から直撃する不況」。
日常生活のあり方そのものを直撃していく今回の事態は、「経済成長」がいかに幻想まみれの言葉であるかを私たち自身が深く体に刻み込む機会になっていくのではないか。
新たな社会・経済システムへの転換スピードが、急激にシフトチェンジする予感。
以下、転載(「農業を株式会社化する」という無理 著:内田 樹)
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2020年03月19日
農と全人教育12~国策としての農業壊滅
職場の燃え尽き度が高い都市ランキングで、東京が世界1位となった。
市場縮小局面でなお「経済成長」を掲げ、都市部への資本・人口集中に活路を見出そうとする政策の結果が、これだ。
挙句、行き過ぎた都市集中は、地方切り捨て・豊かな里山自然の止まらぬ荒廃を招き、農業を壊滅させる。
以下、転載(「農業を株式会社化する」という無理 著:内田 樹)
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2020年03月12日
農と全人教育11~若者の「地方移住・帰農」の行方
潜在思念を道しるべに、「地方移住・帰農」に動き出した若者たちと、積極的に受け入れ始めた農村共同体。
今のところ政府は、この状況を傍観している。
しかしこの潮流が高まるにつれ、政府は警戒心を持つだろう。
地方移住→都市部における生産人口減は、資本主義からすれば許し難い事態をもたらすからだ。
以下、転載(「農業を株式会社化する」という無理 著:内田 樹)
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2020年03月12日
小規模農業とは。農業の大規模化が進む中で再評価されている小規模農業について
現在、日本の農業を取り巻く環境は、非常に厳しい状況に置かれています。
私自身、新しい農業と言えば、スマート農法のように、情報化・機械化の手法を駆使しながら、少ない人数で生産性をあげていくという大規模農業が主流になっていくものとして認識していました。
そのような中にあって、反対に、小規模農業というスタイルが日本の農業界の存続には欠かせない。という内容をとりあげた記事がありましたので、今回はそれを紹介します。
【リンク】2020.01.27からの記事 GROW RICCI 「日本を農業で元気にする」より
転載開始
農業従事者の高齢化に伴う後継者不足、担い手不足、耕作放棄地の増加などの問題を解決しようと、近年の日本では「農業の大規模化」が推進されています。しかし最近、小規模農業が再評価され始めています。
■日本の農業の現状
日本の農業就業人口は、2000年の389万1000人から2018年には175万3000人になるなど、減少傾向にあります。米や野菜、果実などの産出額や農作物の作付面積、生産量は減少し、その一方で耕作放棄地は増え続けています。
国はこのような現状から、農業を効率化し、生産性を高めることを目的に、農業の大規模化や企業参入を進めています。
農地を借りたい企業などに貸し付ける農地中間管理機構(農地バンク)の認知が高まったこともあり、農地の大区画化や利用実績、企業参入の数自体は増えつつあります。しかし爆発的に進んでいるわけではありません。
■小規模農業が再評価されている
そんな中、日本農業新聞によると、農林水産省が12月23日に開催した食料・農業・農村政策審議会企画部会の会合で”大規模な担い手の育成だけでなく、小規模農業も含む多様な農業を後押しする必要性を強調”した、とあります。
これは「農業の大規模化」を方向転換したわけではなく、従来通り農地集積や法人化などを進めながらも、規模拡大だけでは存続が難しい地域農業や農村の存続もはかろう、という内容です。
北海道を別にした、日本の農地面積や農業生産額の4割は「中山間地」が占めています。大規模化をはかることで、農業生産の効率化や生産性を高められると期待されていますが、「中山間地」ではその効率化が難しいと言われています。農地集積を進めるにしても、「全国一律ではない地域事情を踏まえるべき」と声があがったようです。
また記事内で、法政大学の図司直也教授は、
担い手を支えるためにも、小規模農家を含めて地域の営農環境を整える必要がある
と指摘していました。
■アメリカの事例から、小規模農業の意義を学ぶ
“小規模農家を含めて地域の営農環境を整える必要がある”は、大規模農業のイメージが強いアメリカでも検証されている内容です。
大規模農業の強いアメリカですが、小規模農家向けの政策支援がいくつもあります。背景には、1980年代の輸出志向型農政によって家族経営の農家の倒産や離農が進んだことにあります。農村社会が崩壊する可能性に危機感を感じた農務省が、小規模農家の育成策を出したのです。
元々アメリカでは、建国の中心である小規模な家族経営の農家に畏敬の念があると言われています。そのため昔から、農業の大規模化が農村社会にもたらす影響について研究されてきました。
「大規模農業の割合が農村地域に増えると、その地域の生活や文化的質が低下する」という仮説(ゴールドシュミット仮説)を立てたこの研究で、実際に農業の大規模化が進んだ地域で生活インフラが低下するなどの影響が見られました。
決して、効率や生産性の高い大規模農業が悪というわけではありませんが、大規模農業だけを押し進めると、紹介したアメリカの事例のようなことが起きないとは言い切れません。
また農村や農業地域を維持するのであれば、その地域社会での人との付き合いや、農地等の維持作業に参加するなど、農業生産「以外」にも目を向ける必要があります。そのためには、効率重視な大規模農業「以外」の、多様な担い手の存在が必要と言えるでしょう。
■小規模農業の魅力とは(メリット・デメリット)
従来の農業には、「農業は稼げない」「稼ぐためには規模を拡大する必要がある」などのイメージが多かったのではないでしょうか。
しかし近年では、かつての「農業」とは稼ぎ方が変わっており、以下のことを意識して取り組めば、小規模であっても稼ぐことはできます。
- 労働生産性を考える
- 生産コストを考える
- 販売元を複数もつ
従来の農業は、労働時間や労働量の割に、生産物の単価が安く、「稼ぐには身を粉にして働かなければならない」印象がありました。
しかし農業であっても、一つの「ビジネス」として向き合うことで、無駄な労力を使わずに農産物を生産することができます。
やみくもに農産物を生産するのではなく、
- 顧客
- 市場価格
- 流通にかかる手間やコスト
などを徹底的に分析し、その情報をベースに生産していきましょう。
また販売も意識しましょう。販売先によっては、市場で売れなかった生産物に需要ができることも。
規模を広げなくても、上記を意識すれば稼ぐことはできます。小規模であれば、初期投資などのコストを下げることもできますから、小規模農業のメリットは「新規参入のハードルを下げること」とも言えます。
ただ、小規模農業に対して厳しい意見もあります。
日本農業新聞には、農産物を「安定供給する」という点では弱い小規模農業について「法人化するレベルでないと世界と戦えない」という意見が掲載されていました。
■未来の日本の農業はどうなる?
小規模農業が再評価されているとはいえ、後継者・担い手不足、耕作放棄地の増加が続く限り、農地の集約を始めとする「農業の大規模化」は進むと見られています。
ただ、先で紹介したアメリカの事例のように、大規模農業と小規模農業が共存する形ができれば、大規模と小規模、両方のメリット・デメリットを補いあえるのではないでしょうか。
小規模農業への支援が、日本の農業の衰退を食い止めるきっかけになるかもしれません。
以上転載終了
■まとめ
以上から考察すると、大規模農業の推進一辺倒では、日本の農業そのものが消滅していく危険性があるということになります。
その中にあって、小規模農業の取り組みによって、農業世界が、広く、深い存在として存続できていく可能性を秘めているのではないでしょうか?
要は、本文にもあるように、大規模と小規模、両方のメリット・デメリットを補いあいながら存続していく事で、農業界だけでなく、情報サービス、流通、食品業界など、産業全般を巻き込みながら、従来の「農」の有り様が変わっていく可能性もあるのです。
更に、小規模農業の舞台である(日本の農地面積や農業生産額の4割を占める)「中山間地」を活性化できれば、日本の自然環境、里山の風景も豊かに継承できていく事も可能になります。
そう考えると、小規模農業の取り組みは、日本の農業全体の衰退を食い止めるためには待ったなしという状況であり、すぐ実行に移すことが肝要なことと考えます。
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2020年03月05日
農と全人教育10~鎌倉時代の文化形成に深く与る「農」
都市的な文化を築いた平安時代から、土着的な文化を築いた鎌倉時代へ。
そして同時期に発祥した、武道・能楽・鎌倉仏教。
これら日本固有の文化形成(根底に自然との一体化欠乏)に、農業の経験は深く与っている。
以下、転載(「農業を株式会社化する」という無理 著:内田 樹)
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2020年02月27日
農と全人教育9~農業が、産業として成立する基盤
100年、200年というスパンで考えていかなければならない農業。
対して当期利益至上主義である株式会社、そのシステムをモデルに農業が制度設計されていくことの危険性。
以下、転載(「農業を株式会社化する」という無理 著:内田 樹)
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2020年02月20日
農と全人教育8~「強い農業」が答えにならない理由
政府や財界の文脈で農業が語られるとき、必ずと言っていいほど使われる「強い農業」という言葉。
他の産業と同様、高い生産性を強く意識させるこのフレーズの先には、一つの理想形としてアメリカの農業モデルが描かれる。
しかし、真に日本の農業のあり方を考えるならば、そもそも「強い農業」というキャッチフレーズから解放された視座に立つことが必要だ。
以下、転載(「農業を株式会社化する」という無理 著:内田 樹)
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