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2021年11月28日

『農村学校をつくろう!』シリーズ-まとめ~農を核とした、人⇒集団⇒地域⇒社会の再生

本シリーズでは、現代の教育問題(子どもたちの生きる力の衰退)と、農の担い手不足を突破していくために、農を基盤とした学び場づくりの可能性を掘り下げてきました。
農を取り巻く学び場づくりは、いろんな位相にわたります。そこで最終回では、これまでの気づきを踏まえ、農を核として「人づくり⇒集団づくり⇒地域づくり⇒社会づくり」をどう実現していくか、今後の展望を示したいと思います。
 ★【人づくり 】子どもたちの活力再生 ⇒ 援農・自然体験(週末)
 ★【集団づくり】社会で活きる人間力×追求力 ⇒ 農村留学(1年)
 ★【地域づくり】地域の担い手育成 ⇒ 就農定住(2年)
 ★【社会づくり】国家の生産・教育・地域基盤の再生 ⇒ 制度改革(将来)
人から集団へ、そして、地域から社会へと、対象世界が広がるほど実現可性も広がっていきます。

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■【人づくり】子どもたちの活力再生 ⇒ 援農・自然体験(週末)
最も大事なのは、子どもたちが3歳くらいまでには、自然の中に放り出すことです。子どもの皮膚感覚(神経)は、5歳までに80%まで成熟し、身体機能も12歳までに発達しきります。それまでの間に、いかに生きた自然に触れ、皮膚感覚・身体感覚を養うか。ここでの経験が、生物としての外部認識⇔考える力の基盤をかたちづくります。

ですから、子どもたちが、休みの時は援農・自然体験に参加できる場をつくる。そして、中期休みには、3日以上の自然泊できる場をつくることが、子育ての第一課題です。

幼少期~小学校低学年までに、生物(哺乳類)としての基礎能力を養うことは、いわば人類的な課題としても非常に重要です。

<参考投稿>
シリーズ-4~生産と集団の力をバネにして、劇的に変化した子どもたち~
シリーズ-5~農の場が持つ力を人材育成に活用する事業~
シリーズ-10~自然の中で、人間本来の潜在能力(野性)を呼び起こす「小野田塾」
シリーズ-7~中世・近世における日本の学び・子育てはどうなっていた?

 

■【集団づくり】社会で活きる人間力×追求力 ⇒ 農村留学(1年)
次に、子どもたちが「社会で生きる力」を習得していくためには、消費集団(核家族)≒無圧力空間から、いかに脱せられるか。学校の勉強圧力や、親・先生の管理圧力だけでは、真っ当な活力は生み出されません。

そのためには、親元から離れ、農の生産課題(圧力)の中に身を置く場をつくることです。約1~2年、異年齢の集団生活を送り、農村の中で仕事を担いきること。この農村留学制度をもっと世の中的に広げていくことが重要です。

小学校中学年~中学校までに、男同士の集団⇒闘争集団と、女同士の集団⇒充足集団の中で成長し、やがては地域の集団の創り手となること。これが、社会人として最基底の力を獲得する重要な課題です。

<参考投稿>
シリーズ-3~農や自然を生かした「農村留学」の事例から、これからの農村学校のかたちを考える~
シリーズ-8~江戸から学ぶ:子どもたち自身が集団をつくり、地域をつくる重要な役割を担っていた
シリーズ-9~江戸時代に学ぶ:本来集団は殖産一体!その中でこそ人は一人前に育つ!

 

■【地域づくり】地域の担い手育成 ⇒ 就農定住(2年)
日本の農業を再生したいと志す若者を、地域の担い手として立派に育てていく拠点として、就農定住事業が徐々に広がりつつあります。

ここで重要なことは、彼ら自身が、自らが「主体」となって動く環境をつくること。最先端の動きは、従来の農法を超え出た、自然の摂理に根差した農業理論を広め、追求のNWをつくっている。あるいは、新しい地縁(地域NW)づくりが、新しい地方づくりを活性化していく上で極めて重要です。

農業は、年齢に関係なく、10代から大きな戦力になる。若い力を結集する拠点を、さらに世の中に広げていくことが重要。

<参考投稿>
シリーズ-6~農を核とした学びの先端潮流と今後の展望~
シリーズ-12~人をつなぐ力×理論をつくる力を育て、地域を活性化
シリーズ-13~農の場は人材育成・能力形成の場として最適!

 

■【社会づくり】国家の生産・教育・地域基盤の再生 ⇒ 制度改革(将来)
衰退する農の基盤を早急に再生していくためには、現状の制度改革も非常に重要な課題です。従来の学校に代わる、全寮制農村学校の創設。一定規模を有する企業の食料自給率の設定。そして、税制に農業を担う支援制度、家族まるごと農業を支える農業特区の創設など、弾力的な制度改革が必要だ。

根本的には、農業を市場原理の中で、競争させることが限界を迎えている。自治体・国家が、国民の食の安全と健康を支えるために、人材・資材を集中投下させ、農の国家的基盤を再生すること。これは同時に、日本全体の若者の活力再生に大きな効果を発揮するだろう。

<参考投稿>
「実現論:序7(下) 農(漁)村共同体の建設」
「農業参入が企業の社会的使命となる」

 

■自然の摂理に根ざした国づくり、その先進国に
戦後、日本の工業生産・都市集中が70年かけて進められ、農の衰退・若者の活力衰退は底に来ている。これからの50年は、自然の摂理に根ざした国づくりを推し進め、生産基盤・教育基盤・地域基盤をつくりあげ、その先進国を目指していくことが、次代の国力となる。

投稿者 hasi-hir : 2021年11月28日 List   

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