2009年02月03日

こんな機械作りました。黒大豆鞘脱粒機

農作業には手作業が多くありますが、慣れていても長く続けると手の皮が擦りむけたり、腰が痛くなったりと大変疲れます。 😥 そこで機械化して効率化 しようとするのですが機械の購入代金の元が取れる事はまれで、結果機械貧乏 になることになります。
であれば、自分で機械を作ってコストを下げようということで今回はこんな機械を作りました。
黒大豆の鞘脱粒機です。
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posted by hakosuka at : 2009年02月03日 | コメント (8件) | トラックバック (0) List   

2009年02月02日

あなたのビジネスはお役に立っていますか?

こんにちは 😀
今年に入ってから、本をよく読んでいます
最近読んだ本の中に、農業だけに限らない話ですが、これって忘れたくないよなぁ~と、共感できる内容があったので紹介したいと思います。
矢崎栄司著 あなたにもできる「おいしいね!」と喜ばれる食ビジネス -7つの秘訣-
から、以下抜粋引用

 寺田さんは、25歳のときに、およそ300年間(当時)続いてきた蔵元の寺田本家に婿養子に入りました。
(中略)
 寺田さんが入った頃の造り酒屋の世界は、大手洋酒ビールメーカーの攻勢や焼酎に押され、日本酒の需要がどんどん落ち込んでいる時代です。現在でもこの傾向に歯止めがかからず、1974年に全国に3300あった蔵元は、半分以下の1500に減少と、さらに拍車がかかっています。
(中略)
 寺田本家もその波に飲み込まれ、寺田さんが婿入りしてからも、なんとか売り上げを伸ばそうとして居酒屋、そば屋などをやったり、経費を削減しようと原料に安い米を使い、化学調味料やアルコールを添加して味付け・増量する三増酒を造ったりもしました。しかし、それらもすべて空回りしました。
 そのとき、寺田さんは、300年続いた蔵元だけど、「自分がやってもだめだろう」と思い、「もうやめざるを得ない、店を畳もう」と思っていたそうです。

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2009年02月01日

自家採種に挑戦!野菜の生命力を引き出す

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今まで野菜の種は、種屋さんから買うのが当たり前になっていましたが、農園では昨年あたりから少しずつ自前で種採りを始めています。最初は、カボチャやナスなど種を採りやすい野菜から挑戦していますが、これもなかなか細かい作業で大変なものです。上記の写真はナスの種です。果肉から種を採って水に浸けています。比重が重い種は下に沈んでいくので、上澄みを流して水を入れるの繰り返しで大まかに良い種の選別ができます。
まだ、野菜の自家採種が盛んだった明治頃の書物には、野菜の栽培方法として、野菜ごとに「種類」「性質」「栽培法」「促成法」「病虫害」「貯蔵法」などの項目と並んで、種子繁殖の植物にはほとんど「採収法」として種の採り方が必ず載っていたそうです。かつて野菜栽培というのは、ただ種を蒔いて収穫するだけでなく、自家採種して品種改良していくことまですべて含んでいたのだということです。
そうやって、その土地に適応した野菜の品種や食文化までもが生み出されていったというのは、素晴らしいなと思います。僕たちも少しずつですが、自慢の種や野菜と言えるものを育てていきたいなと思っています。

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2009年01月31日

モミガラ運搬

こんにちは、せきやです。
今回も現場ネタです。
今回は、モミガラ運搬しました。
「モミガラ」って知ってますか?
普段食べているおコメって、田んぼにいるときは外側に「種皮」がついているんですけど、収獲してからそれを機械で剥くんです。その剥いた種皮が、モミガラ=籾殻です。収獲期間中はすごい忙しいのでモミガラを一箇所にまとめておきます。で、それを今回田んぼへ戻しました。
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↑”モミガラ山”
けっこうな高さです。モミガラ自体は軽くてサラサラしています。なのでモミガラ山は登ろうとしても足がめり込んで登れません。
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↑こうやってリフトを使って、ショベルカーのようにガサーッとやります。今日は工事現場の作業員(の気分)です。
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↑軽トラで田んぼに乗り付けて田んぼに帰してやります。
モミガラには雑草の種も多く含まれているので、燃やして灰にしてやって栄養分として土に還します。
かれこれ15往復くらいしたかな~。まだ終わんない

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posted by keitaro at : 2009年01月31日 | コメント (2件) | トラックバック (0) List   

2009年01月27日

「農家のかあちゃん」が経営者に②

未分類

①の続きです。

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野田文子さんは、「からり」の会員第一号であり、からり直売所運営協議会の会長でもある。普段は離れて暮らす2人の孫だが、面倒をみる日は、必ず「からり」で一緒におやつを食べる。国土交通省認定の「観光カリスマ」も、この時ばかりは普通のおばあちゃんだ。
  今でこそ「からり」の顔として全国を飛びまわる野田さんだが、「農家の嫁」は自由のきかない日々だったと振り返る。内子は伝統的な男性社会、夫を差し置いて女性が表に出る機会はなかった。子育てを終えて一息ついた1994年、ある日の回覧版を見て「これだ」と思った。町役場が産直販売に取り組む農家を募集するという知らせだった。同じような思いを持つ74人が集まり、「からり」の前身となる直売所「内の子市場」がはじまった。
「今まで農業をやってきてこんなに楽しかったことはない」
  たちまち夢中になった。
  夢中になりすぎて夫と喧嘩もしたが、着々と販売実績を上げて納得させた。
 1996年に現在の「からり」が誕生、「からりネット」も産声を上げた。女性たちは、外部の声も柔軟にとり入れて新しいことに挑戦してきた。
「私らは農業のプロだけど、お店で売るのは素人。皆が教えてくれたからここまで来たんよ」
  生産者の間でもドライフラワーやカゴ作りなどの技術を教え合った。品揃えが充実して評判を呼び、一人の専売特許にしておくよりも売り上げが伸びた。皆の知恵が集まって良い循環が生まれることが、「からり」の発展につながっていると野田さんは語る。
  2001年には女性が中心となって加工品の開発と飲食店「あぐり亭」の営業を行う「アグリベンチャー21」が発足。2003年には野田さんと「アグリベンチャー21」の名本良子会長がタイに招かれ、産業の活性化と女性起業について経験から助言した。2005年、内子町は近隣の五十崎町、小田町と合併する。生産者の新規参入で一人あたりの売り上げが減ることを心配する会員もいるが、野田さんは「仲間で競争すれば刺激になるし、お客様も増える」と笑い飛ばす。
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「からりネット」は、畑を倉庫に、農村の暮らしを商品に、農家の女性を農業経営者に変えた。 ただし情報化は「魔法の杖」ではない。「からりネット」は成功の決め手ではなく、地道な取り組みの追い風になっているだけだ。 売場の賑わいを一歩抜けると、川のほとりにアーチの屋根とガラス張りの建物がある。ここは「からり」を運営する「(株)内子フレッシュパークからり」の事務所兼情報センター、情報が一手に集まる舞台裏だ。部屋の奥では心臓部のサーバーが静かに動いている。情報センターを切り盛りするのは山本真二さん。所属は内子町役場だが、勤務先はここ「からり」だ。肩書きは「情報相談係長」、常に現場で農家や第三セクター社員の相談に乗り、一体となって汗を流してきた。 山本さんは、「農家が主役、役場は黒子」という立場に徹する。「からり」の施設設備や「からりネット」のシステム構築は、国の補助事業として行われた。しかし、いくら恵まれた補助金でインフラを整備しても、行政からのトップダウンでは根付かない。内子町役場は20年間にわたって勉強会「知的農村塾」を主催し、農家が自発的に参加する土台を作ってきた。産直販売に乗り出す際も、地区ごとに農家を集めて2年間のべ50回にわたる座談会を開き、合意形成をした。裏方がしっかりしてこそ主役が活躍できるし、その活気が人を呼び寄せる。
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「からりネット」も、使いやすさを重視して配慮を重ねた。
バーコードシールの印刷には、画面の質問に答えながら入力していくウィザード方式を採用した。生産者の情報は生産者コードと紐付けされているので、入力するのは数字のみ。7割が女性、平均年齢60歳を越える会員たちは、道具として当たり前のようにパソコンを使いこなす。
  当初は農家に設置された専用の農業情報端末(多機能FAX)のみで行っていたデータの配信も、2003年に一般FAX、電話音声、電子メールにも対応するように拡充。今ではすっかり生活に溶け込んでいる。
  「情報ツールよりも、情報をどう利用するかが大事」と山本さんは強調する。
  POSレジを入れた産直販売所自体は決して珍しくないが、全てが「からり」のように売上増につながっているわけではない。「からり」では、必ず販売データを分析し、一手間加えて生産者に返すようにしている。売れる品物や価格帯、集客ピークなどのデータは、作付計画や販売戦略を立てる時の重要な手がかりになる。各種のデータは、売場脇の「生産者の部屋」の端末でいつでも取り出すことができる。
  近井ナルエさんは、出荷に来たついでにデータをプリントアウトする。パソコンの操作は難しくないかという問いには、
  「これが楽しみなの。見て見て、今出てくるから。今日は9月に入ってからの売り上げを出してみたんだけどね…」との答え。
  関心はその先にある情報に向いている。
  情報を使うのは人。情報センターでは会員農家を対象にパソコン講習も行っているが、「ポップは下手でも良いから手書きで書いてください」と指導する。消費者が「からり」に求めているのは素朴な味わいだからだ。相手にとって最適な方法を考えれば、あえて情報ツールを使わないという選択肢もある。オンラインショップも、現在のところは販路開拓というより「からり」ファンへの贈り物といった位置付けにとどめている。
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今、「からり」の会員は内子町の全農家の28%を占める。女性と高齢者を中心にはじまった「からり」だが、最近では専業農家の参入も増えてきた。「からり」の影響でUターンして農家を継ぐ人、内子に移住して農業をはじめる人も現れるようになった。第三セクターの社員は40人を数え、若年層の雇用確保にもつながった。一つの取り組みが、じわじわと町全体を変えつつある。
 人口1万1000人の内子町を訪れる人は、年間100万人。内子町を特別な存在にした観光資源は、どれも元々は普通のものばかりだ。「からり」では農家の女性たちが表舞台に立ち、農村の暮らしが商品になった。大江健三郎は、子どもの頃から見てきた風景に意味を与えた。生活の場であった街並みや、大衆歌舞伎の劇場も、そこに目をつけた人の手で残されることによって文化財になった。
 内子町の体験を持ち帰って、私たちに何ができるだろう。地域格差を埋める情報化から、地域の色を際立たせる情報化へ。身の回りにある見過ごしがちなものにスポットライトを当ててみることから、地域の活性化がはじまるのではないか。

読んでるだけでも元気の出てくる事例ですが、
ポイントは、IT技術を利用して、生産者同志の良い意味での競争、教え合い、そしてお客さんを含めた、しっかりとした評価空間をつくり上げたことではないでしょうか。そのことが、農家のおばちゃんを当事者にし、経営者意識と活力を生み出し、それが核となって、地域を丸ごと売ることで、人が人を呼んで、地域を活性化させているのではないでしょうか。
 私が住んでいる地域の、ある地方スーパーも、似たような仕組みで、店舗内に直売コーナーをオープンさせました。(おそらく内子を視察に行ったんだと思います。)すると、これが、大当たり! 直売コーナーが呼び水になって、店舗全体の売り上げも大幅上昇! 近くに出店してきた全国展開の大手スーパーをはじき返す勢いです。
 これからは、全国どこでも均一で安く手に入るということは、魅力ではなくなり、 地域個性、地域密着の方向で、そこで生み出される活力と共認充足こそが、最大の商品力になって行くのではないでしょうか。
 

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posted by naganobu at : 2009年01月27日 | コメント (12件) | トラックバック (0) List   

2009年01月27日

「農家のかあちゃん」が経営者に!①

未分類

 現在、農産物の直売所は、全国に広がって、女性を中心にした運営で、日本の青果物販売の5%を越えるとも言われるようになってきましたが、その成功例の1つとして知られる内子フレッシュパーク「からり」特産物直売所の取り組みを紹介します。
 以下、
http://www.nikkei.co.jp/digitalcore/local/17/index.html
からの抜粋です。
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2009年01月26日

金融危機は、食糧問題に何をもたらすか?

どうも雅無乱です。
作成中の農業問題を扱った新しいグランドセオリー

金融危機は、食糧問題に何をもたらすか?
の草案をアップしてみたいと思います。忌憚無いご意見を!

■金融危機は、食糧問題に何をもたらすか?

今年の夏、穀物が急激に高騰し、途上国を中心として世界は深刻な食糧難に陥った。世界中で食糧をめぐる暴動が頻発して大問題になったのは記憶に新しい。
日本でもその影響は大きく、家畜の飼料が高騰し、廃業に追い込まれた畜産農家が多数出た。乳製品や鶏卵の値上がりとして家計にも影響を与えたので、この問題の深刻さを肌で感じた方も多いだろう。
ところがその後、穀物価格は急落し、トウモロコシなどは高騰前の水準以下になっている。
安くなったので「やれやれ」というわけにはいかない。一度高騰した事で、中小規模の生産者は大打撃を受け、廃業が相次いだ。…ということは、全体として供給力は高騰前に比べて格段に落ちたということを意味する。一度失われた農業の生産力が回復するには長い時間がかかるのである。
食料の価格が急に高騰し、今度は暴落する…などという異常なことがいったいなぜ起こるのか。なぜ我々の生活は(特に途上国の人々の生活は)そんな事に振り回されるような状況になったのか。
今後、私たちが安心して生活していくためには、この問題の原因を探り、状況を改善して行かなくてはならないだろう。
続きに関心のある方は、いつものクリックお願い!
           

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posted by nanbanandeya at : 2009年01月26日 | コメント (563件) | トラックバック (0) List   

2009年01月25日

貧困国から奪われてゆく土地。食糧輸入国による土地の収奪。

こんにちわちわわです。
食糧自給に苦しむ豊かな国が東南アジアやアフリカの貧困国の
農地を買いあさっています
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購入しているのは中国、韓国、中東の産油国です。
08年の食糧高騰の体験から、自国でまかなえない農地を国外で調達して自給率を確保しようしているのです。
食糧自給は国家課題とはいえ、これはやりすぎです。
中国許せんと思った方↓↓ぽちっと!

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posted by tiwawa at : 2009年01月25日 | コメント (4件) | トラックバック (0) List   

2009年01月24日

本の紹介「水田再生」

三重のクマです。
農閑期の今、うちの農場でも、色々な農業の経営や技術の勉強をしています。
そのうちで、出会った「水田再生」(鷲谷いづみ編 家の光協発行)という本を紹介します。
重要な環境アイテムとしての水田を、生物多様性の視点から環境への影響と生産性について見直し、持続可能な自然と人間の営み(農)のあり方を模索する試みを紹介した本です。
以下本文から、抜粋します。

<生物多様性と農業>
失われる原風景
緑陰濃い山を背景に水田が広がる風景、それは日本に住む私たちにとっては、もっともふつうの風景ともいえるでしょう。
地形が変化に富み、初夏から秋にかけて雨量の多い日本列島では、水はけの良い場所には森林が発達する一方で、水はけの悪い場所では湖沼や湿地になります。そのため、人間による土地利用がなされる前には、山地、低地を問わず水辺と樹林が組み合われた環境が見られました。それに適応した生き物が両生類とトンボ類なのです。(日本の古名「秋津島」はトンボの国の意)
もともと湿地の植物であるイネを半人工の湿地ともいうべき水田で育てることで、これら生物の生息の条件は、むしろ拡大されたと考えられます。水田が湿地としての性格を残したことでに加え、農業や生活のための植物資源や水資源を確保するために、樹林、草原、ため池、水路などが水田のまわりに配された環境モザイクともいえる複合生態系がつくられると生物にとって多様な生息場所が提供されました。
かつて、川と水田は水路でつながっており、淡水魚は水田を産卵の場として川や湖との間を行き来していました。水田は川の氾濫原の湿地の代替の生息地としての役割を果たしてきたのです。
大きな水鳥、サギ、コウノトリ、トキが水田に舞い降りて餌をついばみ、サシバやオオタカが空を舞っていました。
水田には、捕らえればおかずにもなる生き物もたくさんいました。
今はどうでしょうか。遠目にはそれほど変わらない水田の景色が広がる地域もあります。けれども、風景の中のあちこちに人工物が目立ち、水辺はコンクリートで固められていることが少なくありません。土の畦があっても、外来牧草(や侵略的外来植物)で被われています。生き物の気配は全体として希薄です。それどころか、あれほど身近にふつうにみられた生き物が著しく減少して、絶滅が危惧されるまでになっています。
ここ数十年の間に水田とそれをめぐる生態系はあまりにも大きく変化したのです。
水田そのものを消失させる開発、耕作の放棄による植生遷移の進行、圃場整備による乾田化、用水路のパイプライン化と排水路のコンクリート三面張り化、農薬の田投入など農業の近代化と関連した環境変化によって、1000年以上も前から里地で人と共存してきた多様な生き物の生息のための条件が、短期間のうちに失われました。
ここ数十年の間に起こった変化は、経済成長最優先の価値観が農の領域にも広く染み渡り、水田とそこでの営みが大きく変わったことによるものです。
生物多様性とは何か
生物多様性条約(1992年「地球サミット」で採択)では、「生命に現れているあらゆる多様性」と定義されています。それは、「種の多様性」「種内の多様性」「生態系の多様性」の3つの階層においてとらえられるとも記されています。
「種内の多様性」は、遺伝子の多様性と表現されることもあり、品種や野生生物の変種や地域個体群の多様性に加えて、それらの中の個体や株の個性に見られるような多様性も意味しています。野生生物は、遺伝的な多様性があってはじめて集団としての安定的な維持が可能です。
なぜ生物多様性を守るのか
より直接的な理由は、生活と生産に欠くことの出来ない「生態系サービス」を生み出す源泉である生物多様性を保全する必要があるということです。自然の恵みともいうべき自然の生態系が提供するさまざまな財やサービスを生み出すのは、生物多様性、すなわち多様な生物の連係プレーです。
<「生態系サービス」のタイプと具体例>
・ 持続的サービス 栄養循環/土壌形成・土壌保持/一次生産/ハビタットの提供
・ 供給的サービス 食糧/繊維/遺伝子資源/生物化学品、自然薬品、医薬品/淡水
・ 調節的サービス 大気の質の制御/機構の制御/水の制御/土壌浸食の制御/水質浄化と廃水処理/疾病の制御/害虫の制御/花粉媒介/自然災害の制御
・ 文化的サービス 精神的・宗教的な価値/審美的な価値/レクリエーション、エコツーリズム

生態系に含まれる種が多様であることは、それによって多様な機能が発揮されるだけでなく、生態系の安定性を保証します。よく似た働きをする種が何種も含まれていれば、例え1種が絶滅しても、それらの種が担う働きは維持されるからです。

まず、人間の営みを含めた環境にとって、生物多様性が大切であるかから本書は展開しています。そして、かつて、日本には生物多様性を守り、生態系サービスを効率よく利用して、自然との共存を計ってきた農業があったことを示しています。その農業は、グローバル化と、近代化・効率化のなみにのまれて、急速に失われてきました。ところが、今とこれからを見据えたとき、環境と生産活動の持続可能性の観点から、生態系サービスから受ける生産が、もっとも効率の良い生産サイクルとなることが指摘されています。近代化以前の農では、そのことを経験から知っていましたが、改めて再生の試みの研究のなかで、科学的に証明されてきています。
本書は、このあと生物多様性の再生の試みの事例と研究を、水田を中心に紹介していきます。(つづく)
最後までお付き合いありがとうございます。ついでにポチッとお願いします。

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posted by parmalat at : 2009年01月24日 | コメント (3件) | トラックバック (0) List   

2009年01月23日

グランドセオリー 第5章「新しい農のかたち」

未分類

こんにちは、Yoshiです 😀
恐れ多くも現在作成中の「グランドセオリー」の最終章である第5章を担当させて頂いてます。
第4章までで食糧問題や農業が抱える問題の構造が明らかになってきました。
では、それらの事実を理解したところで「どうすればいいのか」?
この章が「新しい農のかたち」を皆さんの眼前に浮かび上がらせられるものであること祈ります
では、本文はコチラ↓
【農業の危機~みんなでどうする?を共認する時代】
1章で述べたように、日本の農業従事者の年齢は既に平均で65歳を超えており、このまま10年もすれば、日本から農業が消滅しかねない危機的状況にある。
経済力のある日本は国外から食料を買えばいいという声も財界から漏れ聞こえてくるが、昨今の食料高騰では自国の食料確保を優先し、輸出制限を行う国が続発したように、自国を優先するのは当然のことであり、日本においても他国頼みの状況は許されるものでは決してない。
国民の生命を支える農業の役割は、みんなで支えてゆくべき役割であり、食料問題がさまざまな形で顕在化し始めた現在、みんながこの農業の危機的状況を真剣に考え、「何とかしなければ」という意識をみんなで共認してゆくべき時代に突入したのだ。
そもそも社会は人々の意識で成り立っており、「人々の意識が変われば世の中は変わる」。農をみんなで何とかしようという共認が大衆の大半に浸透するようになれば、制度を含めた農業の仕組みも必然的に変わってゆくはずである。
【企業参入と税制改革~支援金制度】
日本の農政はグローバリズムの圧力の下、万策尽きた状況にある。
もはや、これまでのように、いかに市場社会で安定した農業基盤を築こうと手を尽くしても、農産物という実態価値と工業生産品の幻想価値の格差を原動力として成長してきた市場と、自分さえよければという個人や自由の思想を前提にしていては、永久に答えが出ないのも当然である。
市場社会において、他者との関係性が分断された「個」は格好の餌食である。また、個人農家が自分だけで食料問題に立ち向かうにしても限界がある。ゆえに、個々の農家を対象にするのではなく、個を超えた「集団」でこの問題に取り組むことによって初めて可能性が見えてくる。
現在、「社会企業」というものが注目されている。
社会企業とは、企業活動による資産の増加だけが指標ではなく、活動がどれだけ社会に良い影響を与えたかを評価基準とし、私益よりも社会的貢献度を優先する企業のことである。農業は社会で必要とされているにも関わらず、経済的利益を得にくいからと企業から敬遠されがちであった。それに対して、社会的な意義を最優先にする企業が率先してそれらの分野へ進出することで、農政に頼らずとも新しい農業の形を作り上げることが可能になるのではなかろうか。
もちろん、そうなるためには社会全体が企業の評価軸を変え、社会的貢献度の高い企業が経済的に成り立つ仕組みを作り上げなければならない。果たして現在の仕組みがそうなっているであろうか?例えば、現在の税金は生産者から徴収し、生産しない者へ生活の保障とか福祉を名目に配分されている。働く者からお金を取って働かない者へ分配する、これは労働活力を削ぐ制度と言っても過言ではない。農政においては「減反政策」などがその象徴である。
本来みんなから集めたお金は、みんなの役に立つ活動に充てる方が自然な流れである。現在働かない者に与えられる「補助金」ではなく、社会の役に立つ活動を担わせる企業に「支援金」を支払う制度に変革すれば、社会企業が有効にお金を使って活動することができ、更には無駄な支出を防ぐことさえ可能になる。
私益のみを追求する企業からは、これまで通りに利益に応じて税金を徴収すればいい。その代わり、人々の役に立つ農業を営む集団は減税とし、更に、個別の役に立つ活動に貢献度に応じて支援金を支払う制度にするのである。
貢献度の大きさにより社会から評価され、社員の活力が上昇する仕組みができれば、自ずとそういう企業が増加し、企業形態の主流となっていくであろう。また、農業参入には企業の構成員が農業に携わる形もあれば、現在個々に存在する農家を各企業が取り込んでゆき、新しい集団を再構築する形もあるだろう。それは集団の創意・工夫によって実現されればよい。社会的評価を目指す社会企業の農業参入こそが、現在八方塞がりである状況を突破する唯一の可能性なのである。
【可能性は共同体の再生と評価をめぐる同類闘争】
前項では「集団」を「社会企業」として今後の農業について述べた。社会の期待に応える企業こそが社会企業であるが、周囲の期待に応えて役割をこなす、という点においてその企業は「共同体」的だと言える。もともと人はみんなの中で生きてきた存在であり、それぞれがその集団において様々な役割を担っているものである。その役割が家事や教育などに及ぶのが共同体であり、それらをアウトソーシングして仕事の面に集中したものがいわゆる企業である。しかし、今後は社会企業が農業に参入することで、自分達で農作物を生産し、ひいては自社の社員食堂などで加工・消費する動きがでてくるだろう。つまり、生産と消費を包摂した共同体が再生されるのである。
企業が共同体的になるほど、その構成員の役割も今まで以上に多様となり、それに応じた期待を受けることになる。その期待に応えようとすることが構成員の活力となり、その企業は総合的に活性化するだろう。そしてまた、企業そのものも社会の期待に応えようと努力し、大小問わず様々な企業が競って社会的評価を求める結果、社会そのものが良い方向へ統合されていく。それは強制されるものではなく、「自分達が社会統合を担う」という大きな自覚に基づいた自主的な努力であり、更にお互いを高めあう競争すなわち同類闘争となるのである。

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このように、1つ1つの企業に農業を組み込み、社会的貢献度の向上を目指す社会企業が成り立つ仕組みが出来上がることで、農業を取り入れた新しい社会の姿が見えてくる。全ての人類が本格的な食糧危機に陥る前に、みんなが新たな認識へと転換し、集団間の評価をめぐる同類闘争が新たな活力源となり、経済力に変わる新たな国力となることを世界に示す事が、今日本に求められている役割なのである。
<終了>
以上が第5章の内容です。ご感想、ご意見がございましたらドンドンお願いします

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posted by Yoshi at : 2009年01月23日 | コメント (5件) | トラックバック (0) List