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2009年01月23日

グランドセオリー 第5章「新しい農のかたち」

こんにちは、Yoshiです 😀
恐れ多くも現在作成中の「グランドセオリー」の最終章である第5章を担当させて頂いてます。
第4章までで食糧問題や農業が抱える問題の構造が明らかになってきました。
では、それらの事実を理解したところで「どうすればいいのか」?
この章が「新しい農のかたち」を皆さんの眼前に浮かび上がらせられるものであること祈ります
では、本文はコチラ↓
【農業の危機~みんなでどうする?を共認する時代】
1章で述べたように、日本の農業従事者の年齢は既に平均で65歳を超えており、このまま10年もすれば、日本から農業が消滅しかねない危機的状況にある。
経済力のある日本は国外から食料を買えばいいという声も財界から漏れ聞こえてくるが、昨今の食料高騰では自国の食料確保を優先し、輸出制限を行う国が続発したように、自国を優先するのは当然のことであり、日本においても他国頼みの状況は許されるものでは決してない。
国民の生命を支える農業の役割は、みんなで支えてゆくべき役割であり、食料問題がさまざまな形で顕在化し始めた現在、みんながこの農業の危機的状況を真剣に考え、「何とかしなければ」という意識をみんなで共認してゆくべき時代に突入したのだ。
そもそも社会は人々の意識で成り立っており、「人々の意識が変われば世の中は変わる」。農をみんなで何とかしようという共認が大衆の大半に浸透するようになれば、制度を含めた農業の仕組みも必然的に変わってゆくはずである。
【企業参入と税制改革~支援金制度】
日本の農政はグローバリズムの圧力の下、万策尽きた状況にある。
もはや、これまでのように、いかに市場社会で安定した農業基盤を築こうと手を尽くしても、農産物という実態価値と工業生産品の幻想価値の格差を原動力として成長してきた市場と、自分さえよければという個人や自由の思想を前提にしていては、永久に答えが出ないのも当然である。
市場社会において、他者との関係性が分断された「個」は格好の餌食である。また、個人農家が自分だけで食料問題に立ち向かうにしても限界がある。ゆえに、個々の農家を対象にするのではなく、個を超えた「集団」でこの問題に取り組むことによって初めて可能性が見えてくる。
現在、「社会企業」というものが注目されている。
社会企業とは、企業活動による資産の増加だけが指標ではなく、活動がどれだけ社会に良い影響を与えたかを評価基準とし、私益よりも社会的貢献度を優先する企業のことである。農業は社会で必要とされているにも関わらず、経済的利益を得にくいからと企業から敬遠されがちであった。それに対して、社会的な意義を最優先にする企業が率先してそれらの分野へ進出することで、農政に頼らずとも新しい農業の形を作り上げることが可能になるのではなかろうか。
もちろん、そうなるためには社会全体が企業の評価軸を変え、社会的貢献度の高い企業が経済的に成り立つ仕組みを作り上げなければならない。果たして現在の仕組みがそうなっているであろうか?例えば、現在の税金は生産者から徴収し、生産しない者へ生活の保障とか福祉を名目に配分されている。働く者からお金を取って働かない者へ分配する、これは労働活力を削ぐ制度と言っても過言ではない。農政においては「減反政策」などがその象徴である。
本来みんなから集めたお金は、みんなの役に立つ活動に充てる方が自然な流れである。現在働かない者に与えられる「補助金」ではなく、社会の役に立つ活動を担わせる企業に「支援金」を支払う制度に変革すれば、社会企業が有効にお金を使って活動することができ、更には無駄な支出を防ぐことさえ可能になる。
私益のみを追求する企業からは、これまで通りに利益に応じて税金を徴収すればいい。その代わり、人々の役に立つ農業を営む集団は減税とし、更に、個別の役に立つ活動に貢献度に応じて支援金を支払う制度にするのである。
貢献度の大きさにより社会から評価され、社員の活力が上昇する仕組みができれば、自ずとそういう企業が増加し、企業形態の主流となっていくであろう。また、農業参入には企業の構成員が農業に携わる形もあれば、現在個々に存在する農家を各企業が取り込んでゆき、新しい集団を再構築する形もあるだろう。それは集団の創意・工夫によって実現されればよい。社会的評価を目指す社会企業の農業参入こそが、現在八方塞がりである状況を突破する唯一の可能性なのである。
【可能性は共同体の再生と評価をめぐる同類闘争】
前項では「集団」を「社会企業」として今後の農業について述べた。社会の期待に応える企業こそが社会企業であるが、周囲の期待に応えて役割をこなす、という点においてその企業は「共同体」的だと言える。もともと人はみんなの中で生きてきた存在であり、それぞれがその集団において様々な役割を担っているものである。その役割が家事や教育などに及ぶのが共同体であり、それらをアウトソーシングして仕事の面に集中したものがいわゆる企業である。しかし、今後は社会企業が農業に参入することで、自分達で農作物を生産し、ひいては自社の社員食堂などで加工・消費する動きがでてくるだろう。つまり、生産と消費を包摂した共同体が再生されるのである。
企業が共同体的になるほど、その構成員の役割も今まで以上に多様となり、それに応じた期待を受けることになる。その期待に応えようとすることが構成員の活力となり、その企業は総合的に活性化するだろう。そしてまた、企業そのものも社会の期待に応えようと努力し、大小問わず様々な企業が競って社会的評価を求める結果、社会そのものが良い方向へ統合されていく。それは強制されるものではなく、「自分達が社会統合を担う」という大きな自覚に基づいた自主的な努力であり、更にお互いを高めあう競争すなわち同類闘争となるのである。

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このように、1つ1つの企業に農業を組み込み、社会的貢献度の向上を目指す社会企業が成り立つ仕組みが出来上がることで、農業を取り入れた新しい社会の姿が見えてくる。全ての人類が本格的な食糧危機に陥る前に、みんなが新たな認識へと転換し、集団間の評価をめぐる同類闘争が新たな活力源となり、経済力に変わる新たな国力となることを世界に示す事が、今日本に求められている役割なのである。
<終了>
以上が第5章の内容です。ご感想、ご意見がございましたらドンドンお願いします

投稿者 Yoshi : 2009年01月23日 List   

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コメント

ポストハーベストの危険性はかなり前から言われているそうですが、なかなかどうなっているかわかりませんでした。
バナナって実はかなり使われていたのですね~(;・∀・)
それにしても、縦割り行政というか、管轄の違いなどによって基準が統合されていない、危険性についてもまちまちとなんともいえない感じですね。
これからも農薬の追求楽しみにしています!

投稿者 山テクノ : 2009年8月3日 12:20

スーパーで並んでいるグレープフルーツなどの柑橘類は、防腐剤使用と明示されているのは、『「保存」のための食品添加物』として許可されているんですね(@o@) 
あと、リンゴのワックスって艶出しじゃなくて、農薬を落ちにくくする役割だったんですね!どちらにしても、あまり嬉しくないけれど(^v^;) 
管轄が変わったりと複雑ですが、勉強になります☆続きも楽しみにしています~♪

投稿者 megu : 2009年8月3日 18:54

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