2006年12月28日

2006年12月28日

農水・環境省の新認証制度「リサイクルループ(食の循環利用)」ホンマに大丈夫?

雅無乱http://blog.goo.ne.jp/nanbanandeyaです。今日は、先日、農水省・環境省が発表した「リサイクルループ(食の循環利用)」について考えてみます。
「弁当、売れ残ったら飼料に 農水・環境両省が認定制度へ」
(asahi.com 2006年12月26日11時00分)

http://www.asahi.com/life/update/1226/008.html

コンビニエンスストアや外食チェーンの食品廃棄物のリサイクルを促すため、農林水産・環境両省は、売れ残った弁当を飼料にしてブタを生産し、その肉を再び弁当の材料にするといった「リサイクルループ(食の循環利用)」の認定制度を創設する方針を決めた。コンビニと外食チェーンでのリサイクルが最大で計50万~60万トン増える可能性があるとみられる。(中略)
農水省の調べでは、04年度に発生した食品関連事業者の食品廃棄物は約1100万トン。うち、食品小売業は約260万トンでコンビニはその1割弱を占める。外食産業は約310万トンで、牛丼などファストフード店からはその1割強が排出されているとみられる。
認定制度の創設は、26日の両省の諮問機関の合同会合で承認を得られれば、来年の通常国会に食品リサイクル法改正案として提出する方針だ。

この問題に関して西日本新聞の「食卓の向こう側」http://www.nishinippon.co.jp/nbl/shoku/2005/11/post_47.shtml)を見てほしい。

科学技術庁(当時)は一九九九年、日本全体で食べずに捨てられている食品を金額に直すと、年間十一兆円に達すると報告した。これはまさに、日本の農業と水産業を合わせた生産額とほぼ同じ規模だ。
      shoku_ph7_2.jpg

…ということらしい。食料自給率が先進国最低の40%の日本においてなんと罰当たりなことだろうか。
そんなにも無駄に棄てられている食べ物を有効に利用するわけだから、「そりゃ結構なことやないか」と一瞬思ったのだが、どうもそれだけでは終わらなさそうな感じなのである。
同じく西日本新聞の次のサイトを見て欲しい。
http://www.harmonicslife.net/Blog/2005/SavedPages/SickPigs/SickPigs.html
(西日本新聞 2004年3月19日 朝刊掲載)
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投稿者 nanbanandeya : 2006年12月28日  

2006年12月28日

食料自給率 日本とドイツの違い

日本の食料自給率が低いのは、敗戦後の貧困から立ち上がり、儲からない農業を捨てて経済発展を目指してきた結果だと納得していました。しかし、先進国で低いのは日本だけ。かつ同じ敗戦国ドイツは高い。なんで?
食糧自給率(供給熱量自給率)
   日本  ドイツ 
1970  60   68
1997  41   97
1970年、ドイツは日本より少し多い程度で大差はなかった。ところが30年近く経った1997年、日本は下がったけど、ドイツは大きく伸ばしています、なぜでしょう?
我が国の食料危機対策と食料自給率  長沼 弘樹氏によると
・日本は、1970年の減反政策とその補助金、及び1999年の新農業法による競争原理の導入により、農家の作る意欲を削いで来た。
・ドイツは、1962年政府は、欧州共同体(EC)を通して、共通農業政策(CAP)を導入。このCAP は、生産増加、農家所得の維持、市場の安定化を図ると同時に、消費者に合理的な価格で食料品を供給することを目標とした。そのため域外からの輸入農産物には共通関税に加えて課徴金をかけ、EC 内の農産物は補助金によって共通の支持価格で買い上げ、域内農家を手厚く保護した。その結果農家は生産意欲をかきたてられ、農産物の生産は集約化によって急速に増加していく。などなど。
どうやらドイツ政府は、欧州共同体(EC)と一体となって農業政策に取り組んできた。一方日本政府は、アメリカの影響を受け続けて、自国の食料自給という課題さえも放棄してきたようです。
同じ敗戦国。貧困から豊かさを追求して実現してきた。それなのに、どうしてこれだけ国策に差が生まれるのでしょうか?
正国でした。

投稿者 totokaka : 2006年12月28日