2006年12月14日
2006年12月14日
中国の農家が生計を立てられるって、本当?
日経新聞に中国の農業事情に関する記事があったので、紹介します。
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中国は、5年前のWTO加盟に伴い関税引下げを行った。
・ 2001年 2004年
農産物の平均輸入関税:22.2% → 15.6%
中国の農民1人当りの耕地面積は、国際平均の約半分というから効率が悪いはずだが、それでも農家の生計が成り立つのは、
「農民の6割超は自給自足の生活をしているからだ。農家で余った分を政府が買い上げ、都市に回す。」/北京師範大学の唐任伍教授。加えて政府は、農作物の国家買い上げによる補助金を拡充し(2005年:約2000億円)、農業税も2006年初までに廃止したことで、農家の暮らしを楽にした、という。
しかし、関税引き下げによる影響はあり、商品作物の輸入増による失業は2000万人強。それに対し、農地転用などの都市化現象に起因する農村部の潜在的失業の3億人超に比較して「目立たない」だけのこと。
=======日経:2006.12.12の記事より意訳=======
何のことはありません。自給自足の生活を可能にする作付けを行っていればまだしも、商品作物を生産する農民は直撃を受けているのでしょう。加工産業にシフトせざるを得なかった日本が、工業製品の輸出を確保せんが為に農業生産品の関税率をジリジリとさげて、ついには見限ったのと何らかわる事はありません。中国農業は壊滅的なダメージを受けつつある、とみて間違いないでしょう。
そして、食の自足が出来ない胃袋の規模が、日本と比べて一桁大きいことの影響は半端じゃありません。その外圧を逆手にとれば、日本の「農」をめぐる環境を一転できる好機かも知れません。
by びん
投稿者 staff : 2006年12月14日 Tweet