産消提携を探る その3 「大地を守る会」 |
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2009年08月12日
自給率の本質+農業の脱市場化は図れるか?
「自給率の本質+農業の脱市場化は図れるか?」
7月25日付けの記事で展開する予定でしたが、諸事情で延期となっていたこのタイトル・・
これは農業に興味を持ち始め、自給率について調べていくと、自給率という概念は、なんと日本の農産省がつくった指標らしいのです。
外国では、自給率という概念、いっさい使用されていないとのこと。。。
これはどういうことなのか?農業の脱市場化は図れるか?の仮説も交えて展開していきます
それでは本文に入る前に恒例のやつお願いします。
さて、では次に自給率というのは現在では、カロリーベースで計算するのが主流なのですが、
実は「世界主要国の金額ベース食料”自給率”」で切ってみると、
金額ベースでは日本は約7割も自給率がある。
驚きです。一気に自給率が3割も増えてしまった・・・しかももともとは自給率の計算は金額ベースで計算していたらしいのです。 🙄
ここで質問!
Q.食料自給率という考え方は誰がつくったか?
A.農水省
→食料自給率という考え方自体、諸外国ではされていない
食料自給率の統計をとっているのは日本だけ。
・・・では、なぜ海外の自給率がでているのか?
→農水省がFAO注1)(国際連合食糧農業機関)統計から独自の計算方法を用いて導き出した数値。
計算根拠については公表されていない。
・・・・なぜ外国では自給率の概念を用いないのか?
→各国の農業政策は国内で作ったものを国内で消費するという考え方ではなく、国際競争に勝ち、
儲かる農業にするにはどうするということが政策とされている。
ex.英国、米国、ドイツ、フランス、オランダetc
Q.カロリーベースの自給率にしているのはなぜ?
A.【表向き】
通常、「我が国の食料自給率」として使用しているものは、カロリーベースの食料自給率(供給熱量総合食料自給率)です。
これは、食料が生命と健康の維持に欠くことのできない最も基礎的で重要な物資であることから、
その基礎的な栄養価であるエネルギー(カロリー)が国産でどれくらい確保できているかという点に着目しているためです。
【農水省HPより】
【実態】
日本の農業自給率を低く見せることで、農水省、農協への予算をより多く確保することができるのではないかという思想のもと
■自給率算定法の歴史
1968年 金額ベースの自給率の統計開始
1983年 カロリーベースの自給率の統計開始
→背景:農産物自由貿易化交渉、牛肉・オレンジ交渉が開始されていた
1995年 金額ベースの自給率発表が消え、カロリーベースのみが発表される
→背景:ウルグアイ・ラウンド注2)における米の実質的な関税化合意(ミニマムアクセス)
日本の食糧事情が怪しくなると思われる出来事があることで、より自給率を低く見せるカロリーベースへと転換していったことがわかる。
Q.日本の農業生産率は下がっているのか?
A.必ずしも下がっているとはいえない。
日本の農業者一人当たりの生産量は1960年から2005年では平均で5倍もあがっている。
また、7%の農業者が国産の6割を賄っているという実態もある。
(その一方で120万の農家の国産貢献率はわずか5%にも満たない(日本の販売農家は200万))
つまり、やる気のある農家によって農業が支えてられているのだが、一方で減反政策、生産調整、転作奨励金などは
兼業農家や小規模農業従事者に行く構造になっている。
また、北海道の平均経営面積は17.2ha、EU平均15.8haを超えていて国際競争力という意味では適応できるという一面もある。
日本は国内で生産したものを国内で消費する≒輸出が非常に少ない
その一方、他の先進国は農作物を輸出している割合が非常に大きい
例えば、カロリーベースの自給率は海外の統計も出されているが、金額ベースでは出されていない。
金額ベースの数式を出してみると面白い結果が出てくる。
■金額ベースの自給率ランキング
日本 : 66%
米国 : 61%
ロシア : 60%
タイ : 39%
イタリア : 32%
カナダ : 8%
フランス : 3%
イギリス : -8%
オーストラリア:-15%
EU :-20%
ドイツ :-33%
(参照:農業経営者2008年11月号)
ちなみに金額ベースの計算式
(食料の国内生産額-輸出額)
金額ベースの自給率= ―――――――――――――――――――――――― ×100
食料の国内消費仕向額(国内生産額-輸出額+輸入額)
輸出額が国内生産額よりも多く、輸入額も多い状況になるとマイナスになる。
日本のように輸出額が極めて少なく、輸入額が多い状況と、輸出額が極めて大きい海外だと全く対照にならないと同時に他の諸国は輸出が多い実態がわかる。
ちなみに農業の輸出の多い国は同時に輸入も多い
■輸入額ランキング
1位 米国 (1位)
2位 ドイツ (4位)
3位 イギリス (10位)
4位 日本 (46位)
5位 フランス (3位)
6位 中国 (11位)
7位 イタリア (7位)
8位 オランダ (2位)
9位 ベルギー (6位)
10位 スペイン (8位)
( )内は輸出額のランキング
(参照:農業経営者2008年11月号)
欧米の農業政策は市場原理の中で国際競争に適応できる産業として農業政策を進めていることに対し、日本の農業は自給率を上げることを重点に農業政策を進めている。そのため、海外では自給率の概念は存在しないし、日本の場合は国内市場を独占するために農水省、農協という勢力が自給率という概念を用いて向上運動を展開している。
その結果として、やる気のある農家にお金が回らない、土地持ち農家が潤うという結果になっている。
■「自給率」という概念の正体
究極のところ、「自給率」という概念自体が、私権原理における指標に過ぎず、市場社会を前提とした概念
に他なりません。
市場評価の指標である以上、自給率だけを考えていては農業の脱市場化は図れないというのが事実です。
それでは、農業の脱市場化はどうすれば実現できるのか?
ヒントは農業の多面的な機能にあると思います。市場における役割以外にも農業には、教育や子育て、地域づくりなど、古来より農業(生産)と生活(消費)は一体であり、そのことによりさまざまな問題のだったと思います。
この生産と消費の融合こそ、農業の脱市場化の鍵になるとおもいます!
投稿者 imayou : 2009年08月12日 TweetList
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コメント
投稿者 トラジロー : 2010年6月15日 13:39
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なるほどね~^^