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2006年12月20日
品目横断的経営安定対策への集落営農の加入申請状況
こんにちは。
コータローさんの11月19日の記事「集落営農 農政改革関連法でどうなっていくのか」に関して、現況として参考になりそうなデータを見つけました。
今回の農政改革関連法の主要項目の1つである品目横断的経営安定対策の第1段、
平成19年産秋まき麦を作付ける農業者を対象にした、収入減少影響緩和対策(ナラシ対策)の加入申請状況速報値が、農水省と各地方農政局から発表されています。
http://www.maff.go.jp/www/press/2006/20061205press_6.html
http://www.tokai.maff.go.jp/kikaku/kanyusisei/data/press/tokai%20state.pdf
これは、従来からある麦作(転作)への助成金を、対象を担い手に絞って、内容を改めて設定しなおしたものです。
これによると全国では、申請経営体数合計27,700の内、集落営農組織が3,054が加入申請、あくまで申請数ですので、実際の認定数は、若干少なくなるかもしれませんが、最終値に近いと思われます。
昨年まで、麦作の助成を受けていた集落営農数のデータは、見つかりませんでしたが、
今回の申請経営体の作付計画面積で、昨年の麦作の作付実績面積をほぼカバーできていることからして、
従来からある、助成金を受けるための受け皿としての営農組織(実質形式だけに近い)も、担い手要件を満たして、集落営農組織として、申請してきていると思われます。
実際、私の住んでいる近くの集落にもあります。
しかし、これには、大きな問題があります。
本質的には、集落、地域の課題をしっかり捉えて、共有化し、活動、営農して行く共同体性を強く持った集落営農組織であれば良いのですが、かなりの数は、そうではなく、
①各農家の助成金獲得のための組織であったり、助成金なしでは、経営が、全く立ち行かない組織であることが多い。
しかも、今後、助成金の先細りも、目に見えている。
②20haという面積要件を満たすために、地域でしっかり経営をしている認定農業者から経営基盤である借地を奪い取る所謂「かしはがし」が発生している。
→地域農業の活力をむしろ奪う。
③結局、得をするのは、JAと行政。
特に、麦の場合、基幹作業(播種、刈り取り、乾燥調整)を受託するのは、JAである場合が多い。したがって、生産者が受けた助成金も、実質は、作業委託料としてJAが吸い取ることになる。
また、
行政とすれば、生産者を大規模経営体に集約することで、管理指導がやりやすくというメリットがあるのではないかと思います。
ここ、数ヶ月の農業系の新聞を見ていると、
「○○JA管内の農地の○%で担い手確保」のような記事が目に付きましたが、これは、正に、自分達のために(決して、地域や農村の活性化のためではなく)、「担い手」をつくろうとするJAや行政の努力を報じたものと言っても過言ではないのでは。
集落営農という形が、悪い意味で利用されないようにしないと。
by 長谷
投稿者 naganobu : 2006年12月20日 TweetList
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コメント
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