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2007年09月24日

「子ども農山漁村交流プロジェクト」~活動事例紹介③

私たちの日本一のおいしい米づくり体験活動 千葉県市川市立曽谷小学校
1  活動に関する学校の全体計画
○  活動のねらい 
これまで5年生は、5月末に新潟県六日町へ2泊3日の自然教室に出かけ、「田植え」体験や「蕎麦打ち」「わらじ作り」体験を行ってきた。
本年はその自然教室も4年目となった。田植えをした後の「新潟の田んぼ」は、稲刈りまで現地の農家の方々に管理をお願いすることになるが、稲刈り後はお米を籾の状態で送ってもらい、子どもたちの手作業で精米し炊飯して食べてきた。稲作を自ら体験することは直接しないため(できないため)、自校では「バケツ稲栽培」に取り組んだり、現地の農家(代表としての現地ホテル)とのインターネットなどによる情報交換を通して、米づくりの学習を補完してきた。籾が届いたときには、あたかも自分たちが育てたかのような愛着を子どもたちが見せ、米作りの大変さに思いをはせていた子どもたちの姿には、「田植え」だけの体験に終わらせなかった指導計画が成果となって表れていた。昨年からは現地まで「稲刈り」体験に出かけるようにもして体験活動を増やし、「新潟の田んぼ」の米づくりへの関わりを何とか増やそうとしてきたが、米づくりへよりつっこんだ洞察や感動を持たせるためには、なおいっそう多くの体験活動の設定が課題となっていた。
 そこで、本年は新潟の現地校で稲作を教育課程に取り入れている六日町立城内小学校との交流を実施し、ともに稲作を行いながら情報交換や交流をとおして学ぶ機会を付け加えた。本校も校庭に田んぼをつくり、「新潟の田んぼ・六日町立城内小学校の田んぼ・本校校庭の田んぼ」の三者を比較・検討することによって、稲作への関わりを増やすことにした。本校の田んぼの世話については、新潟の農家の方をお招きして指導を仰いだり、「新潟の田んぼ」への稲刈りに赴く際は、現地の農家の方の指導を仰ぐのはもちろん本校の学習支援者を同行して稲刈りを行った。その際、六日町立城内小学校の5年生にも稲刈りの方法を教えてもらいながらの一緒の稲刈りとし、収穫の喜びを通して稲作の輪を広げるような活動に設定することとした。
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○  事後指導
 学習のまとめを新潟の農家の方々へ発信し、新潟の農家の方と曽谷小の子どもたちの学びとをふれあわせ、学びの共有化を図る。また、城内小学校と、米づくりについて学んだことや感想を交換しあうことで、これまでの学習の振り返りを深化させていく。
3  体験活動の実施体制
○  学校支援委員会の体制
 現地、新潟の支援体制は大変完備している。「田植え」や「わらじづくり」「蕎麦打ち」「山菜採り」などの体験活動に際し、常に児童7~8人につき1人の農家の指導者の方がついて指導をしてくれる。安全面でも、技術面でも、たいへん子どもたちの体験学習がレベルの高いものになっている。
 また、JA魚沼南との連携により、稲作の技術的な質問や子どもたちが疑問に思ったことについても、八海山パークホテル経由できめ細かに対応してもらえ、学習の質的な向上に役立っている。
 本校の学校支援委員会も、新潟への稲刈りに際し同行し、稲刈りの指導を現地の農家の方々とともに行ってもらったので、効率よく稲刈りを実施することができた。
○  配慮事項等
 指導者を多く確保できたことが、常に安全面で目の行き届いた体験学習をすることにつながった。現地、新潟の八海山パークホテルではすでに「農業体験大学校」という民間レベルでの体験プログラムを実施してきており、支援体制がすでに確立していたことによるところが大きい。
4  体験活動の評価の工夫と指導の改善
 一つ一つの体験活動がばらばらで単発なものとならないよう、総合的な学習の時間の単元「私たちも日本一のお米を育て、おいしいご飯を炊いて食べよう」の中に位置づけるようにしている。学習の蓄積としてつねにポートフォリオを活用し、体験の感想はもとより、学習からわかってきたことやさらなる疑問などの学習の軌跡をとらえながら、評価資料を積み上げている。 
体験学習の組み立ても、子どもたちの「稲刈りもやってみたい」といった意欲から、昨年度より新潟での「稲刈り体験」実施へとふみきり、「脱穀して残った藁を使って縄などをなってみたい。」という子どもの声から、今年度は地域の方々を指導者に学習発表会で「縄ない」を実施する予定である。
5  活動の成果と課題
 今年で新潟へ田植えに出かけるのも4年目となり、体験学習の内容も毎年改善を加えてきた。今年は、
①新潟に交流校を設定
②曽谷小校庭での田んぼづくり
③その田んぼ指導のための新潟の農家代表の方の招聘
④新潟へ稲刈りの際の曽谷小地域・保護者の指導・支援
などをつけ加えたので、子どもたちの意欲の持続に大きく貢献することができた。
この結果、子どもたちから「藁縄をなう体験をしたい」とか、「今後も新潟城内小学校との交流を続けていきたい」といった感想がたくさんあがってきた。今後の社会科の学習「雪とくらし」でも、交流を生かして生き生きとした学習ができそうである。
 現在、5年生をメインに行っている「豊かな体験」も、今回の交流体験がきっかけとなり、さらに6年生で継続発展させていける可能性がでてきた。
6年生の六日町でのウインタースクールや、城内小学校6年生の修学旅行・校外学習における市川の史跡案内など、いくつかのアイディアが浮かんできている。ただ、新潟と市川という遠距離での交流であるために、その費用との折り合いをどうつけるかが実現の鍵となってくる。インターネット会議など、距離を縮める仕掛けなどを通すことによっても、体験を効果的に活用できるようにしていきたい。

紹介した3校以外にもまだまだ、子供の成長という視点で興味深い活動を展開されている学校さんがあります。
一貫して言えそうなのは、指導者層である、先生達の力量(追求力、前進力、認識力)によって、活動の幅や厚みが決まってきていることです。
「子どもの自主性を高める」という言葉で誤魔化し、課題設定ごと丸投するのではなく、まず大人たち自身が正面から 自然圧力を対象化すること。
同時に、子供たちや一緒に授業に取り組む同僚教師たち、はたまた受入れ側の指導者層や 推進している省の担当者達の期待圧力 を対象化すること。
素直にその期待に応えていけるかが、このプロジェクトの成否を握っています。 

~ 最後まで読んでくれてありがとう。 宜しくお願いします。
 

投稿者 pochi : 2007年09月24日 List   

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コメント

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