新しい「農」のかたち

農薬を徹底追究?！！②（９）生物農薬の正体に迫る！ | メイン | “生命原理”から“農”に迫る！

2009年08月30日

農薬を徹底追求②！！！（１２）薬害って何

こんばんは、hakosukaです。
今回は薬害の第二回目で、予告どうり主要作目ごとの薬害一覧と農薬登録申請に表記されている混合可能な農薬一覧です。
残念ですが、農薬登録申請の内容はＨＰ等からは検索できませんでした。唯一あったのがクミアイ農薬総覧という書籍で、農薬登録申請の内容を基に編纂されているようです。
このクミアイ農薬総覧から薬害一覧と混合可能な農薬一覧の一部を紹介します。
次を読む前に応援よろしくお願いします。
　

前回の農薬を徹底追求！！！（１２）薬害って何で
「以前は農薬の混用適否については、JA全農肥料農薬部作成の農薬混用適否表という冊子があり、結構重宝して活用していましたが、最近は農薬混用適否表は入手できなくなっているようです。」
と書きましたが、現在ＪＡ全農肥料農薬部　安全・安心推進課で企画・編集されていて、クミアイ農薬総覧として販売されています。
このクミアイ農薬総覧（以後総覧とする）の記載内容の出所の確認であるが、本文中の凡例ＩＩＩページ２に「本文に収録する品目は、基本として平成２０年９月現在の登録農薬のうちｊＡ全農取り扱い品目を中心に選定した」「登録内容が異なる場合は、最も広い登録内容を記載したので～」とあり、本文記載内容は農薬登録内容によると類推できます。
農薬の登録制度はこちらを参考にしてください。
農林水産消費安全技術センター
農薬は殺虫剤・殺菌剤・殺虫殺菌剤・除草剤・植物成長調整剤・展着剤・殺そ剤に区分され、薬害については、農薬ごとに【薬効・薬害の注意】（農薬容器に記載されているものに近い）と別表「薬害注意事項解説」記載されている。
それぞれに事例を引用すると。
【薬効・薬害の注意】の事例
殺虫剤　　アプロード水和剤
　　　　　　●なすに対しフェニソブロモレート乳剤との混用は避ける。
　　　　　　●トマトに対し、ＭＥＰ乳剤との混用は避ける。
　　　　　　●かき、なし、くり、びわ、キュウイフルーツ及びうめに使用する場合は施設栽培での散布は
　　　　　　　薬害を生じるおそれがあるので避ける。
　　　　　　●適用作物（かき）の薬害などの注意は「薬害注意事項解説」を参照。
　　　　　　●適用外作物（はくさい、かぶ）への薬害などの注意は「薬害注意事項解説」を参照。
殺菌剤　　アミスター２０フロアブル
　　　　　　●浸透性を高める効果のある展着剤を混用すると薬害を生じる場合があるので、展着剤混用
　　　　　　　に当たっては事前にその適否を確認する。
　　　　　　●いちご、なす、トマトの施設栽培で施設内が高温多湿な場合は、薬害を防ぐため散布後充
　　　　　　　分な換気を行う。また、特に散布後高温が予測される場合には使用しない。
　　　　　　●いちごの灰色かび病に対しては、多発生条件では効果が劣る場合があるので注意する。
　　　　　　●ミニトマトでは、散布後湿度が高く、薬液が長時間乾かなかった場合に花弁及び茎葉部に
　　　　　　　薬害が生じることがあるので使用しない。
　　　　　　●はくさいに使用する場合は、高温条件下では、結球前に散布すると薬害が生ずるので散
　　　　　　　布しない。
　　　　　　●共通注意事項の６、適用植物群に関する注意事項を参照。
　　　　　　●適用作物（いちご、メロン、ナス、トマト、さやえんどう、ミニトマト、はくさい、非結球レタス）の
　　　　　　　薬害などの注意は「薬害注意事項解説」を参照。
　　　　　　●適用外作物（りんご）への薬害などの注意は「薬害注意事項解説」を参照。
　　　　　　●しそに使用する場合は、株元に散布し、収穫する葉にかからないように注意する。
除草剤　　バスタ液剤
　　　　　　●マイナス４℃以下に長期保存した場合、凍結することがあるのが、常温に戻すと除草効果
　　　　　　　には影響がない
　　　　　　●適用作物（芝）の薬害などの注意は「薬害注意事項解説」を参照。
　　　　　　●適用外作物（農作物、樹木、野菜）への薬害などの注意は「薬害注意事項解説」を参照。
　　　　　　●共通注意事項の６、適用植物群に関する注意事項を参照。
薬害注意事項解説の事例
上記の事例以外に日頃使う農薬の殆どが収録されている。前回の記事で紹介したピーマンの薬害事例も同様の内容である。
次に混合可能な農薬一覧の紹介です。
混用事例集についての注意事項
１　　この混用事例集は農薬の現地混合に関わる薬害・物理化学性等の試験例・事例を参考として紹介するものであって、混用を薦めるものでもなく、また結果を保証するものでもない。
２　　この混用事例集は、混用した希釈液を製品として保障するものではない。
３　　この混用事例集は、全国的に見た一応の目安として作成した。したがって、地域・産地で経験や経験や知見がある場合は本表より優先させる。
４　　この混用事例集は、登録の範囲の希釈濃度（航空防除などの高濃度少量散布な除く）で、できるだけすみやかに散布を完了することを前提として作成した。
５　　農薬は単葉のものでも作物の種類、品種、生育ステージ、気象・栽培条件などによって薬害を生じる場合があるが、この混用事例集の標記はあくまで混用を行った場合について標記し、単用による薬害は反映させていない。ただし、混用により、その程度が増幅される場合は「助長する」として混用事例集に反映させてある。
６　　この混用事例集に掲載した「みかん」は「温州みかん」、「なし」は「日本なし」の事例がしゅたいである。
７　　銅（塩基性酸化銅）水和剤などのように、成分名で一括標記した薬剤は、個々の薬剤について登録の有無を確認する。
８　　単体で皮膚かぶれを起こしやすい農薬と乳剤の混用は皮膚かぶれをさらに助長することがあるので注意する。
９　　有機リン剤どうしの混用については、混用事例記号が記載されている場合はその事例を参考にし、混用事例がない有機リンどうしの混用については厳に慎むこと。
１０　混用の順序
原則として、下記の順序で混合する。ただし、良好な散布薬液を得るて手順についての知見や経験がある場合は、それを優先する。
　　（１）水和剤あるいはフロアブル剤と乳剤の混合
　　　　　乳剤の希釈液を調製した後、水和剤あるいはフロアブル剤を加えて混合溶液を調製する。
　　　　　少量の水に乳剤、水和剤あるいはフロアブル剤を同時に加え、ねってから希釈することは避け
　　　　　る。
　　（２）水和剤あるいはフロアブル剤どうしの混用
　　　　　一つの水和剤あるいはフロアブル剤の希釈液を調製した後、次の水和剤あるいはフロアブル
　　　　　剤を加えて混合溶液を調製する。両薬剤を同時に加え、ねってから希釈することは避ける。
　　（３）展着剤を加用する場合
　　　　　展着剤希釈液を調製した後、水和剤あるいはフロアブル剤を加えて混合溶液を調製する。
　　　　　なお、乳剤の場合は、その順序を問わない。
１１　不明の点は専門の技術者に相談する。
なお、混用にあったっては各薬剤の製品ラベルを良く読むこと。また、本事例集は２００８年８月末時点の登録内容に準じて作成されており、発行後に登録内容が変更される場合もあるので、登録内容の確認を十分に行う。
とあり混合事例が記載されている。総覧の混用事例集と同一のＨＰ等はみつからなかったが、北海道クミアイ安全防除推進協会が作成した類似のものを参考にしてください。
以下に混用事例の事例を紹介します。
１　　水稲農薬混用事例
２　　水稲用種子消毒混用事例（種子消毒）
３　　水稲農薬・水田地上２５Ｌ散布混合事例
４　　みかん農薬混用事例（殺虫・殺ダニ剤ー殺菌剤）
５　　みかん農薬混用事例（殺虫・殺ダニ剤ー殺虫・殺ダニ剤）
６　　みかん農薬混用事例（殺菌剤ー殺菌剤）
７　　りんご農薬混用事例（殺菌剤ー殺菌剤）
８　　りんご農薬混用事例（殺虫・殺ダニ剤ー殺菌剤）
９　　りんご農薬混用事例（殺虫・殺ダニ剤ー殺虫・殺ダニ剤）
１０　なし農薬混用事例（殺虫・殺ダニ剤ー殺菌剤）
１１　なし農薬混用事例（殺虫・殺ダニ剤ー殺虫・殺ダニ剤）
１２　なし農薬混用事例（殺菌剤ー殺菌剤）
１３　もも農薬混用事例（殺虫・殺ダニ剤ー殺菌剤）
１４　もも農薬混用事例（殺虫・殺ダニ剤ー殺虫・殺ダニ剤）
１５　もも農薬混用事例（殺菌剤ー殺菌剤）
１６　かき農薬混用事例
１７　ぶどう農薬混用事例
１８　きゅうり農薬混用事例（殺虫・殺ダニ剤ー殺菌剤）
１９　きゅうり農薬混用事例（殺虫・殺ダニ剤ー殺虫・殺ダニ剤）
２０　きゅうり農薬混用事例（殺菌剤ー殺菌剤）
２１　トマト農薬混用事例（殺虫・殺ダニ剤ー殺菌剤）
２２　トマト農薬混用事例（殺虫・殺ダニ剤ー殺虫・殺ダニ剤）
２３　トマト農薬混用事例（殺菌剤ー殺菌剤）
２４　なす農薬混用事例（殺虫・殺ダニ剤ー殺菌剤）
２５　なす農薬混用事例（殺虫・殺ダニ剤ー殺虫・殺ダニ剤）
２６　なす農薬混用事例（殺菌剤ー殺菌剤）
２７　ピーマン農薬混用事例
２８　キャベツ農薬混用事例
２９　はくさい農薬混用事例
３０　茶農薬混用事例（殺虫・殺ダニ剤ー殺菌剤）
３１　茶農薬混用事例（殺虫・殺ダニ剤ー殺虫・殺ダニ剤）
３２　茶農薬混用事例（殺菌剤ー殺菌剤）
以上が収録されている。農薬を見れば殆どの農作物に使えるものになっている。

投稿者 hakosuka : 2009年08月30日 TweetList