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2009年07月24日

日本の農業と法体系の関係シリーズ~貿易自由化への流れ(GATT ウルグアイラウンドって何?)~

こんにちは
今週は日本の農業と法体系の関係シリーズ第4弾です
今まで調べたことの無いテーマなのでとてもおもしろかったです
今日は貿易自由化への流れ(GATT ウルグアイラウンドって何?)について
「貿易の自由化」でインターネットで検索をかけると必ず引っかかるのがGATT
そもそもGATTって何
農業の貿易交渉はどのように行われてきたのか
から農産物の貿易自由化について探っていきたいと想います
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ありがとうございます
まずはGATTって何 から
ウィキペディアより引用http://ja.wikipedia.org/wiki/GATT
関税および貿易に関する一般協定は、ブレトン・ウッズ協定により自由貿易の促進を目的とした国際協定である。
自由(GATT11条:貿易制限措置の関税化及び関税率の削減)
無差別(同1条:最恵国待遇、内国民待遇)
多角(=ラウンド、交渉)
の三原則により自由貿易をめざしていた。

GATTとは自由貿易を目的とした国際協定なんです。もちろんその内容は工業製品やサービス、知的所有権など農業だけでなく様々な産業の自由貿易についての協定が結ばれています。
では、世界の流れやGATTの農業交渉ははどのように進められていいたのでしょうか?
http://www.rieti.go.jp/jp/papers/journal/0504/bs01.htmlより引用
GATTは基本的に、自由貿易制度を守るための協定です。しかし農業交渉は、むしろGATT一般原則の各種特例規定・扱いを導入する交渉であり、しかも主導していたのは自由化を推進していたはずの米国でした。輸入制限の禁止の特例(GATT 11条2項c(i))、もう1つは輸出補助の禁止の特例(GATT 16条)、そして最も問題のあったGATTウェーバー条項の米国への適用が可決され、米国は義務免除特権を得、輸出補助と輸入制限の両方の合法化をはかっていきました。米国は小麦、トウモロコシなど強いセクターの生産過剰を輸出補助や食料援助等で需給調整し、砂糖、酪農、綿花など弱いセクターでは、生産制限なき輸入制限を認めさせて国内の自由な生産を展開していこうとしたのです。欧州、日本はこうした特例措置に追随していきました。
GATTラウンド交渉は、米国主導によって設けられた特例を是正していく歴史だったといえます。
(1)50年代
(GDP比率…米・欧・日=39:17:1)
米国の経済産業による世界支配を背景に、米国主導による四次にわたる工業品を主とした関税引下げ交渉が行われます。このとき米国農業は、小麦、とうもろこしの大増産と対欧州輸出をしていた点が重要です。他方過剰調整のため、強制減反と途上国を念頭においた援助輸出を行い、さらに余った穀物は飼料にして高付加価値のある畜産物をつくろうとします。
(2)60年代
(GDP比率…米・欧・日=34:19:3)
欧州経済が台頭し、米・欧の二極化経済が形成されてきます。欧州は1958年に関税同盟としてのEECを創設し、農産物では、可変課徴金の導入をはかりました。EECは「関税水準が変動するから関税ではない」と主張し、米国も最終的にこれを受け入れてしまいます。EECはこれを機に共通農業政策(CAP)の導入を検討しはじめ、それは欧州の食料域内生産の刺激と欧州の輸入の減少につながります。
63~67年のケネディ・ラウンドは、一時期より経済の弱くなった米国とEECとの間の交渉となります。争点としては、関税については、米国は農工一体の50%カットを、EECは農業の特殊性の考慮を主張していきます。米国が数量制限などの非関税障壁の「関税化」を、欧州は対抗策として「域内保護水準の固化」(Montant de soutien : MDS)を打ち出します。米国は、輸出戦略作物の自由化追求と酪農品・食肉などの輸入制限という二元的な貿易政策をとります。欧州はCAPの根幹を維持する戦略で、可変課徴金・輸出補助・国内支持を三位一体で確保します。一方、日本は明確な思想のないまま、交渉上のメリットを享受していきます。ケネディ・ラウンドでもう1つ重要なのは穀物市場の秩序化のための商品協定です。ここに穀物の価格帯の設定、過剰分の食糧援助化が始まりました。
(3)70年代
(GDP比率…米・欧・日=32:21:6)
73年の第一次石油危機によるトリレンマ(景気後退、インフレ、国際収支の悪化)を背景に、米国の産業競争力の低下、欧州経済の停滞がおき、日本は工業品輸出国として台頭してきます。
東京ラウンド(73~79年)の農業交渉上の課題は、ECは「域内市場の確立」と「アフリカ・地中海国・北欧との特恵貿易関係の確立」の進行をどう制限・抑制するかであり、また米国は輸出先をECに加え、カナダ・日本と多元化し、輸出品目も小麦に加え、飼料穀物、大豆、更に付加価値品に多様化します。
東京ラウンドでの合意は、「スイス・フォーミュラ」に留意した関税引下げ、輸入数量制限の軽減、輸出補助規律の運用強化と補助金コード、と関税以外の障壁にも手が加えられたのが特徴です。しかし、食料安全保障に必要な貿易安定化と商品協定については、何も成果がありませんでした

結局のところ、米国・欧州とも自国の農業を保護しながらも、如何に農業市場を拡大していくか?を模索していたよう。
そんな世界的な流れの中で、日本の農業交渉はどうだったのでしょうか・・・?
50~60年代、日本の経済復興に伴い、農産物、特に穀物を中心に輸入が拡大していきます。
60年末~70年代半ばは、日米両国間で相互補完的な農作物貿易が展開した蜜月期といえます。しかし、70年代に入ると日米間の貿易不均衡は大きな問題になってきます。米国は、牛肉・オレンジなどの高付加価値品の輸出に転換し、日本の選択的拡大戦略と対立してきます。そして牛肉・オレンジ自由化交渉が、第一次(78~79年)、第二次(82~84年)にわたって行われます。
80年代半ば以降は、日米二国間交渉も「自由化」「非関税障壁のガット整合化」交渉へと変質します。まず、農産物12品目についてはGATT上の農業の特例的扱いを見直さざるをえなくなり、第三次牛肉・オレンジ交渉では、完全自由化に併せ、関税の分を農家に直接支払うという制度が導入されました。さらに、86年、89年にコメの通商法301条提訴があり、コメを含む「聖域」なき交渉へ発展し、ウルグアイ・ラウンドにつながっていきます。
日米農業交渉をみていくと、日米の戦略の差がわかります。米国が農業再活性化という独自戦略をもっているのに対し、日本は政治的制約をどう調整するかに始終する外圧対応型であったことです。
そして、86年から始まったウルグアイ・ラウンド交渉では
この時期、一般産業分野では米欧(保護主義)と日・アジア(輸出拡大)との対立がおき、世界的にも地域主義が広がりました。農産物の国際的な過剰化、ECの農産物輸出国化により、輸出補助金競争がおこり国際市場は混乱、米国の農産物輸出は半減し、農業不況に陥ります。但し、米国農業界は、農業活性化のため市場経済を重視し、保護主義抑制、相互主義・地域主義の抑制を明確にします。
そして米国は、GATT本来のルールへの整合化方針を取ります。ECにはCAPの基本的改変を、日本には非関税障壁(輸入数量制限)の除去を求めるかわりに、米国自身も農政の市場依拠型への改変とGATTウェーバー下での輸入障壁の除去を追求するという、抜本的な改革に乗り出すのです。
ウルグアイ・ラウンドでの合意が米国・EU・日本での農政改革の取り組みを非常に加速させます。共通するのは市場経済主義重視です。米国は1996年農業法を施行し、生産調整をやめ、農家への直接支払いも固定化します。EUと日本も市場メカニズムに基づく方向に転換していきました。特にEUは余剰農産物をかかえて財政が悪化し、国際競争力も落ち、政策の根幹が揺らぎ、さらに大農業地帯である東欧の加盟を控え、農政の合理化を進めなければという危機感がありました。日本はコメの実質的関税化に踏み切りることで交渉の入口に立ち、食糧法で、需給調整をやっていこうとしました。
と、農業の貿易交渉は、米国・欧州での生産性の上昇により抱える自国の余剰農産物を売っていく市場拡大のための交渉であったこと、また日本はあくまでも他国との調整に終始していたことががよくわかります。
今後、日本の農業を活性化していくためには、
このまま市場拡大の道、更に推し進めていくのか
それともそれ以外の方向性があるのか
については更に追求していきたいです 😛

投稿者 mini : 2009年07月24日 List   

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コメント

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