2008年04月18日
「農業教育」は子どもたちの脳を活性化する
※画像は「生命誌絵巻」
生命誌の提唱者、中村桂子(生命誌研究館館長)が一つひとつの生きものがもつ歴史性と多様な生きものの関係性を示す新しい表現法として考案した図(協力:団まりな、画:橋本律子)http://www.shiojigyo.com/en/archives/nakamura.cfm より
以前よりこのブログでたびたびご紹介させていただいている『自然体験学習教室』ですが、先日4月13日(日)にいよいよ今年度の第一回開校式が開催されました。
開校日のレポートは別のメンバーに譲るとして、私:雅無乱は、「農業教育」について論じた一つの新聞記事を紹介したいと思います。
その前にポチッ と応援よろしくお願いします。
JT生命誌研究館館長の中村桂子氏が、2008年4月2日の日経新聞“やさしい経済学-21世紀と文明”に、農業教育に関するコメントを寄せています。
この『自然体験学習教室』にも大いに関連するところがあるので、引用紹介します。
posted by nanbanandeya at : 2008年04月18日 | コメント (7件) | トラックバック (0) TweetList
2008年04月17日
失政続きの戦後農政(続き)
こんにちわちわわです。
前回は戦後から1980年代くらいまで紹介しましたが、その続編です。
1988年、国際社会では対日貿易収支の不均衡の解消を農産物の市場拡大に求める動きが活発化し、牛肉・オレンジの自由化交渉妥結とガットのウルグアイ・ラウンド交渉での米市場の開放要求にまで至っていた。
そして、 1993(平成5)年の夏、日本列島は異常な低温に見舞われ、米の作況指数は74という時を迎えた。
日本には食糧管理法があり、「米備蓄開始」が決定されているから、一度の不作に対しては国民は不安を抱く必要はない、筈だった。
ところが、その食糧管理法を司る主管官庁自らが、「米備蓄量はたったの26万tだった」という無責任な現実を見せつける。そして、慌てて緊急輸入に走り、あげくは緊急輸入米を余らせ、農政丸抱えの米生産・米流通・米消費は悲劇的状況に遭遇する。
それと同時にガット・ウルグアイ・ラウンドの決着でのミニマム・アクセス(最低輸入義務)による米輸入と、外圧や内圧による既成緩和促進も加わって、53年間に及んだ食管制度は、遅すぎた廃止の時を迎える。
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2008年04月16日
集落の共同作業
この前、集落の共同作業に出てきました。田んぼが始まる前に、共同で使用する水路をみんな(総勢30人弱)で掃除してきました。
写真は、みんな作業を終えて帰って来たところを撮ったものです。集落はとても小さいので、みんな顔見知り。小さいころからずっと一緒という人たち同士なので、ものすごく和気藹々としています。作業中も、作業が終わってからも、話し声と笑い声が聞えてきます。
田舎の人間関係って濃いな~、いいな~と感じる瞬間でした。
しかしながら、その人間関係も徐々に薄くなっているようです。
この日は午前中作業して、作業が終わるとすぐに解散しましたが、もっと昔であれば、作業が終われば(作業の合間も)みんなで酒を飲み交わしたりして一日中盛り上がっていたそうです。
また、今回共同作業に参加した人たちは、上は80歳くらいの人から、下はその息子さんたち(50~60代)でした。ここまでは比較的集落内でのつながりが保たれているようですが、その息子さんの子供さんたちは、点でバラバラのようで、人間関係のつながりが急激に薄くなっているようです。
集落内でも農業から手を引く人たちは必ず増えていくだろうし、この共同作業がいつまで続いていくのか。少し考えると、雲行きは怪しいなと思います。
農業に携わるものとして、自分たちの活動が、地域の活性化につながるようにがんばっていきたいと思いました
posted by keitaro at : 2008年04月16日 | コメント (6件) | トラックバック (0) TweetList
2008年04月15日
初田植(さびらき)です!
と言っても、私達の農園の田植えではなくて、仲間の農園の田植えです。
丹精込めて、でも、あっと言う間(種まきから約1ヶ月)に育った苗がお嫁入りです !
喜ばれて貰われて行くのは、嬉しいのですが、ちょっぴりさびしくもあります。
嫁ぎ先で可愛がられますように。
現在の稲作のように、機械と化学肥料、農薬を駆使して、人間の都合に合わせて行うものとは異なって、文字通り自然の摂理に従い、人智を超えた自然の力を畏れながら営んでいた良き時代の風習です。
時代が変わっても、その姿勢は、失ってはいけないと思います。
さびらき
田植えの時に豊作を願って花飾り、
豆ご飯、御神酒を畦にお供えします。
(上記2枚の画像は、
地産地消ネットワークみえ
https://www.chisan-chisho.net/mie/nw_project/H17purojekuto/H17nougyouzenki/misugihigasisyougakkou.html
名張市
http://www.city.nabari.mie.jp/kyoiku/recipe/kyodo.html
から転載させていただきました。)
今でも、種まきと田植初めは、良い日柄でないとダメという拘りのある農家もあり、拘るおばあさんと、気にしないおじいさんとで喧嘩しているとか、
田植えを委託してもらっている農家の中には、
「田植初めは、絶対、大安でなくちゃダメ、他の仕事キャンセルしても植えに来てくれ、一坪でも良いから植えてくれ!」 という方もいます。
いずれにしても、今年の豊作を祈るばかりです。
最後まで読んでくれてありがとう!
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2008年04月09日
金儲けに走るアメリカ農業
先日は穀物の国際価格の上昇の記事「穀物等の国際価格の推移」がありましたが、アメリカでは、価格の高騰に乗じて金儲けに走る 農家が後を絶たないようです。
なんと、日本の水田面積に相当する“保全休耕地”が引き上げられ、耕作地に組み入れらることになりそうだということです。
以下、農業情報研究所の記事を転載します。
http://www.juno.dti.ne.jp/%7Etkitaba/agrifood/namerica/news/08040501.htm
米国農家 作物価格高騰で保全休耕地を耕作地に
09年までに日本の水田総面積分
世界的な需要増加で価格が高騰した穀物や大豆の生産を拡大するために、米国農民が600万エーカー(240万㌶、日本の水田総面積に相当する)もの保全休耕地を耕作地に組み入れることになりそうだ。
保全休耕地とは、保全休耕プログラム(CRP)の下、農業生産者や土地所有者が政府との契約に基づく援助と引き換えに、土壌侵食が起きやすく、環境的に重要な作物用地や草地を10-15年間生産から引き上げ、草や樹木などを植栽した林野も含む土地のことである。1986年に導入されたCRPは、土壌浸食を抑えるだけでなく、野生生物保護、大気・水質の改善(それに過剰生産抑制も)などでも重要な役割を演じてきたとされる。
米国農務省(USDA)によると、2005年、このプログラムのために17億ドルが支出され、対象面積は3,600万エーカー(1440万㌶)に達した。類似の休耕保全地域には、湿地保全プログラム(WRP)に基づく175万エーカー(70万㌶)の保全湿地もある。これは、とりわけ洪水防止や絶滅危惧種の保護で大きな役割を演じているとされる。
ところが、価格高騰で、休耕援助よりも作物生産・販売の方がはるかに儲かることになった。作物価格上昇とともに、農業者は契約が満期となる9月30日を機に契約解除に走るようになる。
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posted by komayu at : 2008年04月09日 | コメント (3件) | トラックバック (0) TweetList
2008年04月08日
上手なゆで卵の作り方♪
こんにちは!はじめまして、鈴木です
以後よろしくお願いします 😀
記念すべき1回目は・・・ゆで卵の上手な作り方を紹介します
ゆで卵なんて簡単にできると思っていたのですが、初挑戦して見事に失敗しました
茹で加減は良かったけど、薄皮が奇麗に剥けませんでした 🙁
そこで、ゆで卵の作り方を調べてみました
すると・・ ・・・調理方法以前に、古い卵なら薄皮は簡単にとれますが、新しい卵だとなかなかとれないみたいです
ということは、新鮮な卵を使ったのも失敗 の要因だったわけですね 😉
というわけで 新鮮な卵でゆで卵を作る手順をまとめてみました
「卵が割れるのを防ぐための下準備」
卵の殻の丸いほうに、画鋲で穴をあけます
と~っても軽くコツンと叩いて、小さくていいのでひびを入れます。くれぐれも薄皮を破かないように注意して下さい
常温または、手を入れて温かいと感じる程度のお湯に卵をつけておきます
「鍋と水の準備」
鍋にたっぷりの水を入れ沸騰させる。酢と塩を、少量加える
鍋にたっぷりめの湯をわかし、塩を入れる。卵は割れないように、おたまで静かに入れる
「卵を茹でます」
沸騰した湯からの場合: 中火で6~7分で半熟卵、10~11分でゆで卵、13~14分で固ゆで卵
ゆで卵の黄身が真ん中になるように、最初の2分間くらいはさい箸でころがすと◎
水からの場合:火加減によるので、10~15分ぐらい茹でます
「冷やします」
時間になったら、 おたまですくい水にとります
ゆで卵を水にとるのは殻をむきやすくするためと、それ以上熱を通さないため です
湯を捨てて1分間ほど水につけ、そこに氷を入れて一時間ほど冷却します
ゆで卵を水にとるかわりに、塩の中に入れても殻がむきやすくなります
すぐに食べる場合は、水にとるよりも熱々が食べられます
これで完成です
と、ここまでまとめた後に、プロがお勧めするゆで卵作りも引用紹介しちゃいます
「ゆで卵 作り方究極の方法」
①沸騰させたお湯に、静かに生卵を入れます、この時乱暴に入れると、殻にひびが入って、白身が出て来てしまうので注意しましょう。
②卵を熱湯の中に入れたら、中火で11分間茹でます、半熟ゆで卵の場合はこの時間を自分の好みに調節して下さい、そして時々ゆっくりとかき回します、これは黄味が卵の真ん中に来るようにする為です。
③11分間茹でたらお湯を捨てて流水を一気に加えて下さい、何回か流水を入れ変えながら鍋を軽く振って、卵のからにひびを入れます、これで殻と白身の間に水と空気が入り剥がれやすくなります。尚、捨てる時の熱湯ですがまな板にかけます殺菌の為です、捨てるものは最後の一滴まで利用しましょう。
④流水の水の温度が体温程度まで下がったら、殻を剥きます。ヒビの中に空気と水が入って来るので、ごく簡単に剥けるはずです。
⑤ すぐに食べたり使ったりしない場合は、冷やす事をお勧めします。黄味の中心にいつまでも熱が残っていると、黄味の回りが熱で黒ずんでしまいます。また、15間分以上 茹でてしまうと、この黒ずみが同様に出て来てしまいます。
どうです?参考になったでしょうか
応援よろしくお願いします
posted by yasutan at : 2008年04月08日 | コメント (4件) | トラックバック (0) TweetList
2008年04月04日
穀物等の国際価格の推移
4月になって暖かくなってきましたね!気候は春!で、陽気な季節なんですが・・・いろんなモノが値上げになる・・・喧しいほど報道されているガソリン値下げのニュースはこの事を隠そうとしているのか???・・・勘繰ってしまいます。
■今日は、農に関する値上げのニュース【主要穀物である小麦、とうもろこしや大豆の国際価格をリードするシカゴ商品取引所の先物期近価格】をお知らせします。
「社会実情データ図録」のコード4710収録日4/3穀物等の国際価格の推移からの引用です。
●確かに、原油の値上げや中国等の途上国飼料需要の拡大、気候変動や米国におけるバイオエタノール需要の急増など、原価の上昇や需給関係から考えると主要穀物の高騰も当然?のように思えますが、本当のところはどうなんでしょうか?↓るいネットからの参考記事
1、世界の全ての通貨に対するドル安が起こっている中で石油と穀物のドル建て価格が逆に急上昇している。
・貿易における通貨ドルからの離脱
・スタグフレーションが始まったアメリカ
2、穀物が投機の対象になっている。
・なんで屋劇場『金貸し支配とその弱点、’08経済破局は来るのか』3~金貸しの弱点
・なぜ、現物市場(原油・穀物・金等)が高騰するのか?
●この穀物価格の上昇は、
1、ドル基軸通貨体制の崩壊、による見かけの価格上昇。
2、ドルの信用不安によって投機先が石油や貴金属、そして穀物に向かっている。
と言うのが主要因のように思います。
・・・ですが、この機に乗じて売り惜しみ?のような事が各国で起きているようで、これに関しては自給率が40%しかない日本は非常に危険な状況におかれている思います。
『東洋経済』“食の戦争”は必読!
★必要な食料の量的な確保は食の安全・安心の基礎であり、社会秩序の基盤なので、まず、この事実の発信と共認形成、そして【日本の農の再生】は緊急を要する課題だと思う。
しかし、そもそも、モノが飽和してお金の使い道、行き先が無いから現物の投機市場が盛り上がっているだけであって、本来の必要なモノを必要な人に必要なだけ供給するシステムが出来れば何の不安もなくなるはずです。本物の信認関係を母体とした体とした取引が本当は求められているのでしょうね(^_^)v。
以下引用
世界的な原油や穀物価格の高騰を受け、年度替わりに際して小麦やしょうゆ、食用油、牛乳、バター、ビールなどの食品や国内航空運賃や電気代など各種サービスなどの価格が一斉に引き上げられている。小麦を原料とするパンやめん類は07年から数回にわたり値上げが続いたが、08年4月から政府が製粉業者に引き渡す輸入小麦価格が30%も引き上げられたあおりを受け、今後さらに値上げされる見通しである。
ここでは、主要穀物である小麦、とうもろこしや大豆の国際価格をリードするシカゴ商品取引所の先物期近価格の動きを示した。
所得上昇にともなう中国等の途上国飼料需要の拡大を背景に、気候変動や米国におけるバイオエタノール需要の急増などに影響され、主要穀物がいずれも高騰している様子がうかがえる。直接の加工食品の他、大豆価格は油脂価格に影響を与え、とうもろこし価格は飼料価格を通じて酪農製品や食肉の価格に影響を与え、多くの食品の価格に及びつつあるのである。今回の値上げ局面で、先陣を切ったのは、07年6月、17年ぶりにマヨネーズを値上げしたキユーピーだった。「穀物などの原料と原油の高騰を吸収できなくなった」(同社)のが理由だ(毎日08/3/28)。
パンやめん類の価格上昇を受け、相対的に価格が低下した米(コメ)への見直しが進んでいるといわれる(朝食はごはんかパンかについては図録0329予定)。小麦粉並みに粒子を細かくすることに成功し加工性能の向上した米粉をパン、めん等に活用する試みも進んでいるといわれる。
(2008年4月3日収録)
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posted by nara1958 at : 2008年04月04日 | コメント (6件) | トラックバック (0) TweetList
2008年04月03日
苗作り
こんにちは~。
もうすっかり春ですね。こちらも桜が咲いています。今日は、ツバメが飛びまわっていました。
さて、田んぼの準備も着々と進めております。今は、苗作りがメインの作業になっています。
前回、「苗出し」という記事がありましたが、今回はその続きです。
播種して、育苗機に入れて発芽させて、ビニルハウスに持ってきて、シートをかけて・・・・そのあとどうなったのでしょう?
写真を取ったので、見てみましょう。
左の写真が、育苗機に入れて、真っ暗な中で加温して、芽を出した状態の苗です。真っ白です。ヒョロヒョロしていて一見”もやし”みたいですね~。白骨化したみたいでちょっと不気味です。
この苗をハウスに並べて、シートをかけます。このシートは、保温の他に、光を通すという優れものです。シートを被せて1日置いておくと・・・
はい、これが1日置いておいた苗です。息を吹き返したようにすっかり緑色になってますね。たった1日でこの変化。苗としては、相当光が欲しかったように思えます。
この後、苗は、ものすごい速さで成長していきます。
一般的に、”二十日苗”「はつかなえ」と呼ばれ、播種から二十日で田植えができるくらいまで成長します。
今、苗はどんな状態なのか。じっと観察していたら、苗の声が聞えてくるらしい。
栄養が足りないのか?寒いのか?病気にやられそうなのか?・・・
なかなかその声は聞えてきません。
posted by keitaro at : 2008年04月03日 | コメント (8件) | トラックバック (0) TweetList
2008年03月30日
失政続きの戦後農政
こんにちわちわわです。
今回はこれまでの失政続きの農政について概要を押えてみようと思います。
●アメリカ誘導で農業を切り捨てた戦後の農政
1945(昭和20)年8月15日、終戦を迎えた日本。
GHQ主導の占領軍は、軍国主義の除去と民主化の促進のため、 軍国主義の基盤にもなった財閥は、経済の民主化を進める意味でも弊害とされて解体。それと同時に地主・小作制度が日本全体の民主化を妨げるものだとして農地改革も実施された。
敗戦直後の、ものすごいインフレと失業と食糧不足の中、3つの政策を実施。
①農地拡大策は開拓・干拓。
②農業形態の種類増加策は有畜農業の奨励。
③食糧確保は食糧管理法を盾にした強権発動での強制供出。
しかし、供出を強制しても、基本的な低米価政策と慢性的な食糧不足は、ヤミ価格の高騰を招くばかりで、強権発動型の食糧強制供出率は45%内外にとどまっていた。
そんな折の1954(昭和29)年、アメリカは日本に経済社会構築のための防衛上の再軍備実施と食糧増産の打ち切りを要求、財政投入型の食糧増産をやめて日本はアメリカの余剰農産物を円で買う、そのかわりにアメリカは受け取ったその円を日本への防衛投資や日本製品購入に当てるという内容のMSA協定を提示。それを日本政府は、アメリカ側の新しい援助だとして飛び付き、即座にMSA協定を締結すると、これまでの方針を大転換、米麦を中心とした増産対策(いわば食糧自給)の放棄と小農保護政策の中止を決めていく。
日本さえない!と思った方↓↓ぽちっと!
posted by tiwawa at : 2008年03月30日 | コメント (9件) | トラックバック (0) TweetList
2008年03月29日
大豆類の生育不良、カメムシ病原菌が原因
黒大豆の生育不良や収量減が続いており、改善方法を模索中の正国です。
そんな中、気になる情報を見つけたので紹介します。
これまで、カメムシ類の吸汁加害によって、生育不良が起きるという認識で、カメムシ類の防除はかなり重視してきました。下記の情報もその一例です。
流山農園で確認された作物の病気と害虫
○概要カメムシ類はダイズの主要な害虫であり、島根県で発生する主な種類はアオクサカメムシ、ホソヘリカメムシ、イチモンジカメムシ、ブチヒゲカメムシなどである。成虫、幼虫とも種子を吸汁加害し、ダイズの不稔はこのカメムシ類によって発生することが多い。また、カメムシ類の発生は山間地および平坦地でも雑草地に近い畑で多い。○被害と診断莢がつき始める頃に成虫が周辺の雑草地などから飛来し、莢が黄色くなり始める頃まで吸汁加害を続ける。被害程度は加害する時期の莢や種子の発育程度によって異なる。莢の伸長期に吸汁されると莢は黄変して落ちることが多い。種子の肥大初期に吸汁されると種子は肥大せず、莢は収穫期まで偏平で緑色のまま残るものが多い。種子の肥大中期以降に吸汁された莢を収穫期に開いてみると、種子の小さなものでは原形をとどめず黒褐色~赤褐色に変色し、莢の内面に付着している。ある程度大きな種子はー部がくぼんで変形し、褐色、あめ色または緑色などに変色したり、変形してはいないが部分的に変色したりしている。アオクサカメムシの成虫は体長が約14mm、黄緑色~緑色である。ホソヘリカメムシの成虫は体長が約15mm、暗褐色である。イチモンジカメムシの成虫は体長が約 10mm、黄緑色で前胸背には紅色または白色の横縞がある。ブチヒゲカメムシの成虫は体長が約12mm、赤褐色~黄褐色である。 なお、これらのカメムシ類のほかに茎を吸汁加害するマルカメムシもいるが、この被害は少ない。
○発生生態
これらのカメムシ類は年に2~3回発生し、成虫が日当りのよい場所の枯草のなかや落葉の間、常緑樹の茂った葉の間などで越冬する。越冬場所から出てきたカメムシ類は種類によってやや異なるが、まずマメ科、アブラナ科、イネ科などの雑草や作物に寄生し、ダイズには莢がつき始める頃から飛来する。そして、発生は莢の伸長が終る頃から種子の肥大が終る頃までが最も多く、莢が黄変する頃まで加害が続く。
ところが生育不良は、カメムシの持つ病原菌の感染によって引き起こされている、という記事です。
大豆類の生育不良、カメムシ病原菌が原因
京都府農業総研が解明 京都新聞電子版 Kyoto Shimbun 2008年3月1日(土)
カメムシの食害と思われていた大豆類の生育不良が、カメムシの持つ病原菌の感染によって引き起こされていることを、京都府農業総合研究所(亀岡市余部町)環境部主任の木村重光さん(38)が29日までに突き止めた。日本では未確認だった大豆の病気で、木村さんの名付けた「ダイズ子実汚斑(しじつおはん)病」が日本植物病名目録に登録された。
正月用の煮豆などで人気の黒大豆は、大豆類の中でも特に商品価値が高い。丹波地方で栽培が盛んだが、房の中で育つ豆は生育不良か否かを収穫まで判別することが難しく、農家にとって深刻な問題となっている。
生育不良はこれまで、カメムシが食べることで実の中に空洞ができて成長が止まるとみられていた。木村さんは海外で報告されていた病原菌に着目。同研究所内で採れた生育不良の豆を調べてみると、同様の病原菌が発見された。
海外の例ではカメムシが病原菌を媒介しており、日本のカメムシを調べてみると、一般的なアオクサカメムシやイチモンジカメムシなども病原菌を持つことが確認できた。カメムシが実を食べる際に菌を移し、病気にかかることで実の生育が止まっていたことが判明。国内では報告されていない大豆の病気は、昨年12月、木村主任がつけた「ダイズ子実汚斑病」として登録された。
これまではカメムシの駆除しか対策がなかったが、生育不良の仕組みが解明されたことで、殺菌など新たな手法を考案できるようになるという。木村さんは「苦労して育てた豆が生育不良になった栽培農家の落胆は大きい。今回の発見を機に、防除法を見つけて生産者の収入アップにつなげたい」としている。
これが事実なら、黒大豆の生育不良対策として殺菌がより重要になりそうだし、改善の可能性が高まりそうです。
カメムシ類の吸汁加害そのものはどう考えればいいのか?など不明点は残りますが、今後の情報に注目したいと思います。
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posted by totokaka at : 2008年03月29日 | コメント (6件) | トラックバック (0) TweetList