アメリカのコメ市場戦略 ④ |
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2007年10月09日
アメリカのコメ市場戦略 ⑤
収量は減り、品質は落ち、農薬使用量は3倍に!!
ではそのGM作物の作付けが始まって2年後3年後に一体どのような事になったでしょうか。まず第一に収量ですが、特に大豆は15%も落ちてしまいました。そして品質もガクッと落ちてしまいました。三番目の点、これが申し上げる中で一番重要ですけれど今や農薬の使用量が少なくとも以前の三倍以上となってしまいました。何故かという理由ですが、キャノーラそのものがスーパー雑草と化してしまったからです。
実際にGM作物を作り始めて、収量は落ち、品質も落ち、農薬の使用量は増えたという事はカナダだけに関わらず、アメリカでも同じ事が起きていますので、モンサントのうたい文句は全部ウソだったという事がわかります。経済的な面で、農家が被った被害は甚大なものです。
つぎを読む前にポッチ宜しくお願いします。
まず一つには価格が落ちこんでしまったからですね。このGMキャノーラに関してEUに輸出する事は1ブッシェル(1bushel=約35リットル)たりともできませんので。カナダでは現在農家が育てられない2種類の農作物があり、それは大豆とキャノーラです。全ての種子が汚染されてしまいました。意志に反して、農家の選択肢は奪われてしまいました。
近縁種の野菜やハチミツにも広がるGM汚染!
もう一つ重要なポイントは、ただ一つの品種の農作物に留まらないんですね。例えばキャノーラはアブラナ科の植物です。アブラナ科に近縁種があり、ラディッシュやカブ、カリフラワーなどですけれども、自然の交配によってこういった市場向けの野菜畑にも汚染が進んでしまうという事があります。有機農家が育てられない農作物、先程大豆とキャノーラと申しましたが、それ以上に他の品種にも今広がってしまっています。近縁種に留まらず、もうちょっと遠い種類の作物にも、例えばホールマスタードにも広がってしまいました。
我々農家も被害を被っていますが、例えばハチミツを作る養蜂家の方達にも影響が及んでいます。西カナダからEUに輸出されたハチミツは、受け取りを拒否されるという状況になってしまっています。GM汚染はハチミツにまで広がってきてしまっています。というのもミツバチにとっては、どの花がGMで、どの花が非GMかとは見分けがつきませんよね。
我々は純粋な種子、在来の種子を失いつつあります、もちろんGM作物の導入によって。GM作物というのは生き物です。一旦環境の中に放出してしまえば、それを回収するのは不可能です。環境に放出してしまったGM作物がどのような影響を与えるかという例として、メキシコにはいろいろな種類の在来種のコーンがあるのですが、もはやその50%くらいはアメリカ産のGMコーンによって汚染されてしまっている状況です。同じ事がボリビアでも起こっており、ジャガイモが原産としてあったんですけども汚染されてしまっています。
安全な距離はない!カナダのナタネ・大豆種子は全て汚染
日本でGM作物が導入されれば、私達がカナダで経験した事と同じ事になってしまうと思います。二つのとても重要な事がありますが、1番目はいわゆるGM作物の封じこめは不可能であるという事。風を止める事は出来ませんし、自然交配を止める事もできません。例えば導入する時に、試験用の圃場を作りますよね。緩衝帯として50m離すとか、100m離す、500m離すと言いますが、決して安全な距離はない、それはカナダで事実として起こっている事を見て頂ければお分かりになると思います。科学者の多くは、花粉はそんなに遠くまで行かないだろうと言うんですね。でも風で花粉が飛ぶという事以外に、例えば鳥の羽にくっ付いて運ばれる事もありますね。鳥に限らず、ウサギとか鹿とか、そういった動物の毛に付いて何kmという別の畑に運ばれる事もありますから、交配というのは何kmも離れた場所でも起こりうる事です。世界中の国でモンサントがもし試験栽培を行なえば、そこから何らかの形で花粉なり種子が逃げてしまいます。
そして第2番目のポイントは、GMと非GMとの共存はあり得ない事です。一旦そのGM遺伝子を環境中に放出してしまいますと、GM遺伝子は優生遺伝子ですので、どんどん広がってしまう んですね。同じ国の同じ地域でGM作物を作付けする農家と、従来農法の農家と有機農家、この三種類の異なる農家が共存するのは不可能で、GMの農家しか作付けできない事が、私達の住んでいる西カナダで起こっているのです。
農家はまた選択肢を失った事になります。もはや作りたい作物は汚染をされてしまっている からです。世界中の農家がその土地の気候や土壌にあった農作物を努力して開発して来ていますが、モンサント社のように種子の供給を大手が牛耳ってしまうと、農家が独自にその地域にあった品種を開発していくという権利までも奪ってしまいます。
アメリカのコメ市場戦略 ⑥へ続く
投稿者 hakosuka : 2007年10月09日 TweetList
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コメント
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