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2006年10月13日

人類の食の多様性と農耕・牧畜のもたらした変化

●食の「農業」依存は、人類史の高々0.3%
人類の歴史は、約500万年。農耕の開始は、約1万5000年前と云われるので、人類の食における「農業生産」への依存は、直近の0.3%の期間に過ぎない。その過半は「密猟生産」で、「採集・狩猟生産」を経て、農耕・牧畜に至ったことを思えば、人類が第一次消費者(=植食動物)であると共に第二次消費者(=肉食動物)でもあることは、何ら不思議なこともない。
●雑食の起源
「魚類⇒両生類・爬虫類⇒哺乳類」という進化の過程においても、
霊長類は哺乳類の中でも最も新しい目でしかなかった。
その食性をみていくと、
原猿類の多く       :食虫性のサル
原類人猿・原新世界ザル:食虫性+花蜜や樹液
旧世界ザルの祖先    :(解毒能力の獲得)→葉食
ヒヒ類    :果実・葉・樹皮・根・茎・昆虫・
         エビ・カニ(甲殻類)・レイヨウ(哺乳類)
日本ザル  :果実・花・葉・樹皮・茎・根・昆虫・
(マカク類)   カエル・トカゲ・貝・魚・タコ
チンパンジー:果実・花・葉・樹皮・茎・根・昆虫・
         アカコロブス・サバンナヒヒ(霊長類)
         ブルーダイカーやブッシュバック(レイヨウ類)
         などを集団狩猟の対象としている

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●人類の食:チンパンジーの食性に類似し、かつ品目も多い
◆森の狩猟民:ムバティの食(赤道アフリカのイトゥリの森)
57種の哺乳類/39種の鳥類/6種類の爬虫類/2種類の両生類/18種類の魚類/15種類の無脊椎動物/17種類の蜂蜜/10種類の根茎類/18種類の果実/14種類の種子/18種類のきのこ/他でΣ300種以上
*『森の狩猟民』(市川光雄、1982年):1975年調査
◆乾燥地帯の遊牧民:レンディーレの食(ケニア北部の乾燥地帯)
家畜のラクダ・山羊・羊などの肉・血・乳/家畜やその産物との交換で得られるトウモロコシ・紅茶・豆類/37種の野生植物/野生動物デハキリン・オリックス・ガゼルなどの7種類が食料になり得るが殆ど狩猟しないので利用されない/他でΣ約50種
*『牧畜文化の原像』(福島勝義・谷泰編、1987年)
◆焼畑農耕民:ボイェラ人の食(コンゴ盆地の熱帯雨林地帯)
29種の農作物/4種類の家畜(ニワトリ・ハト・山羊・アヒル)/野生動物:数種類のサル・5種類のダイカー・フサオヤマアラシ/野生植物:26種の葉や髄/5種類の種子/1種の根茎/17種の果実/28種のきのこ/Σ76種
*『ボイェラ族の生計活動』(佐藤弘明、1984年)
◆焼畑農耕・狩猟・採集民:トングェの食(タンザニアの乾燥地帯)
42種類の農作物/43種類の野生動物/33種類の魚類/91種類の野生植物/8種類の昆虫/Σ217種
*『トングェ族の生計機構――生活環境・生業・食生活』(掛合誠、1974年)
◆焼畑農耕民:テンボ人の食(ザイール共和国の山地林地帯)
35種類の農作物/4種類の家畜(山羊・羊・ニワトリ・アヒル)/5種類の川魚/5種類の昆虫/10種類の爬虫類や哺乳類/多種類の野生植物の薬用利用/他でΣ約50種 食事は驚くほどキャッサバのイモと葉に集中。副食に小魚・干魚:2~3回/週、牛肉か山羊肉:1回/週程度。
*『人間にとって農業とは何か』(末原達郎、2004年)
●農業と牧畜のもたらす食の特化
狩猟採集民は、多種多様な野生の動・植物を取り込んで食を支えているのに対し、農業と牧畜は、特定の食物対象を選択的に絞り込んだ生産様式であるので、食の特化が著しい。
それは、栽培される作物の種類が20~30種類と限定されることにもよるが、「農業が開始されることによる環境の変化⇒野生動植物資源の減少」、という二重の構造による。
*以上は、『人間にとって農業とは何か』(末原達郎、2004年)より抜粋編集したものです。
◆半栽培
            
雑草性植物の優先←───人  間 
 |       採集 
 │
 │←─────ⅰ)環境撹乱の増大
 │           森林の破壊(伐採・焼き払う)
 │           trailの拡大
 │           排泄物・ゴミの散乱・堆積
 │         ⅱ)繁殖のコントロール・移植
 │         ⅲ)採集法・利用法の確立
 ↓
有用植物の半栽培
◆初期農耕
           
雑草性植物←―――――人  間 
 |     採集  
 |
 |①自然集団からの人為的隔離
 |②繁殖のコントロール
 |③遺伝的変異の選択
 ↓
栽培型の成立←―ⅰ)耕作地の造成 ←─────┐      
 |           (周期的環境撹乱)        │
 |         ⅱ)播種・定植→管理→収穫    │
 |            ↑ (除草・間引)   |    │
 |            | (施肥・灌漑)   |    │
 |            └────────┘    │
 │←───── ⅲ)品種改良             │
 │           (変異選択・固定・交雑)      │ 
 │           栽培管理の改善         │
 ↓              ・                │
栽培植物の出現←ⅳ)人間の栽培植物に対する──┘
          依存度の増大
*『ムギの民族植物誌』(坂本寧男、1996)より
by びん

投稿者 staff : 2006年10月13日 List   

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