2008年3月20日
2008年03月20日
苗出し
稲の種まきをして3日目、発芽が揃ったので、ビニルハウスに並べて、シート掛けです。
発芽したばかりの苗は、白いんです。光の当たらない育苗機(シートで囲った加温器)内で、3日間過ごして、芽を出させたので、まだ、葉緑体が生成されていません。
被せたシートは、ある程度光を通すので、もう3日もすれば、背丈も少し伸びて、青々して来ます。
こうして、あらためて見ると、機械を使って、均質な苗箱に、均一に種を播いて、ムラ無く発芽させて、揃えて、まるで、工業生産品を製造しているみたいですね。
なんで、こんなやり方をするのかと言うと、機械(田植機)に合わせて苗作りをするからなんです。
機械の規格に合わせて均質な苗を育てないと、うまく植わりません。
作物生理よりも機械の都合(人間の作業の都合)を優先した栽培。
近年の日本の稲作を象徴しています。
写真の苗は、農園で植える苗ではなく、お客様から注文を受けて作っている苗です。
つまり、商品です。
特に、商品としての苗の場合、丈夫で健康な苗であることも重要ですが、
・見た目が良い(必ずしも健苗とは限らない)
・機械でスムースにきれいに植わる
・苗箱の使用枚数が少なくて済む etc.
いろんな条件が付加されるため、
・種を播く密度も少し濃い目
・加温して、均質な発芽をさせる etc.
健康で丈夫な苗を育てるにおいて、必ずしも良いこととは言えないこともします。
機械に合わせながらも、如何に健康な苗に育てるか、毎年、試行錯誤です。
昔は、暖かい時期になってから、露地の苗代に種を播いて、自然の条件で発芽させ、大きな苗を育てて、手作業で田植え。
今よりずっと、自然の摂理に則った栽培方法だったと思います。
次は、シートをめくる時が楽しみですが、いつ、めくるのか、その判断が悩ましい!
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投稿者 naganobu : 2008年03月20日 Tweet