2008年2月2日

2008年02月02日

ヴァーチャルウォーターは、共認社会の新たな評価指標になるか?(2)

今や、環境も経済もボーダーレスの時代です。ですから、ひとたび破綻をきたせばその影響は一国内に留まることはありません。にもかかわらず、自ら統合することのできない経済活動が大手を振って闊歩しています。
共認社会の到来に相応しい評価指標として、ヴァーチャルウォーターの可能性を検討してみたいと思います。
◆VWを考慮したら、日本の水の自給率は60%にも満たない?

図2:ヴァーチャルウォーターを考慮した「水」自給率
出典:東京大学 生産技術研究所 沖・鼎 研究室 2007年度 生研公開
よって、ヴァーチャルウォーター(VW)を考慮した「水」自給率は、上記グラフをさらに下廻り60%にも満たないということでしょう。
◆評価指標としてのVW

図3:1人当たり潜在的年間使用可能水量
出典:『世界の水危機、日本の水問題』より

自然条件によって規定される水資源の豊かさを、「1人当たり潜在的年間使用可能水量」で読み取り、その上で「ヴァーチャルウォーター(VW)」を見ていけば、問題点が浮き彫りになってきそうです。
例えば、日常的な生活実感では水資源に恵まれているように感じている日本の「水」自給率が60%強なのに対し、砂漠化が危惧されている中国が90%強というのは、ヴァーチャルウォーター(VW)ならではです。
それは、穀物自給率(May.27,2004.Rev.)では中国:94.6%、日本:24.2%であることによるものですが、しかし、厳しい現実の予兆が見えつつあります。
          
 

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投稿者 ayabin : 2008年02月02日