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2008年06月04日
戦略物資として食糧を捉えているアメリカにとって、世界的な食糧高騰も飢餓も新たなビジネスチャンスでしかない
雅無乱です。
世界中で食料高騰によって飢える人々が続出する中、「バイオ燃料」への批判が高まっている。
しかし、それを一向に意に介していない国がある。
アメリカである。
食糧サミットで米主導権発揮へ 「遺伝子組み替え」普及狙う(MSN産経ニュース 2008.6.3 10:09)より
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食糧サミットで米主導権発揮へ 「遺伝子組み替え」普及狙う(MSN産経ニュース 2008.6.3 10:09)
【ワシントン=渡辺浩生】6月3-5日にローマで開催される国連食糧農業機関(FAO)主催の「食糧サミット」で、米政府は世界的な食糧危機への対応に主導権発揮を狙っている。食糧価格高騰の主因というバイオ燃料批判をかわすとともに、農業生産性向上には、米主導で開発を進めてきた遺伝子組み換え(GM)技術を途上国に普及させたい思惑がある。
ブッシュ政権の代表団を率いるシェーファー農務長官は出発を前にした会見で、「米国の貢献は世界の食糧援助の2分の1を占めている」とし、緊急人道援助、食糧供給拡大、農業技術支援を主導し、各国の協力を強く促すと述べた。穀物の主要生産国には「自国を優先した輸出規制は食糧価格に逆効果」として、解除を働きかける考えだ。
米バイオ企業が開発を進めてきたGM作物は、国内でトウモロコシの73%、大豆の91%と、穀物生産の大半を占めるまでになっている。ブッシュ政権は「急増する食糧需要に対応する有効手段」と途上国にアピールし、普及を促す方針だ。
一方、サミットの焦点のひとつバイオ燃料をめぐっては、FAOと経済協力開発機構(OECD)が作成した最新報告書で「商品価格の上昇を支える大きな要因」と指摘され、トウモロコシを原料としたエタノール増産目標を掲げる米政権に批判が集まるのは確実。
シェーファーは、食糧高騰へのバイオ燃料の影響はちょっとだけ…などと放言している(トウモロコシの価格が5割アップしても「国内の食糧高騰に与える影響は1%未満」、米大統領経済諮問委員会の「米国以外も含めたトウモロコシ由来エタノールの生産の影響は、約3%に過ぎない」との推計を披露 2008/5/20 )。
2006年バイオエタノールの生産における世界シェアはアメリカが39%でトップ。2位はブラジルの33%。世界的にも押しも押されぬトップに躍り出て、今更止めろなんて言っても聞くわけが無いということだろうか。
それにしても、ブッシュ大統領の「バイオ燃料推進政策」と、それを契機とした需給逼迫予測・先高感からの投機マネーの大量流入が、今回の穀物高騰の直接原因なのは、誰の目にも明らかなのではないだろうか。
それに対して悪びれもせず、アメリカが更に儲けるチャンスに変えようとは、厚顔無恥もはなはだしい。
そもそも、これに先立つ世界的な飢餓・食糧不足の原因は、モンサントなど米国のアグリビジネス会社が主導して行ってきた『緑の革命』の失敗にある(“『緑の革命』ってどうなん?”)。
それを総括も反省もすることなく、新たな破壊とさらなる貧困や飢餓を生み出すのが確実なGM(遺伝子組み換え)植物と農薬をセットでさらに途上国に押し売りしようとは、もうここまでくるとあきれてモノも言えない。
2008/06/02毎日新聞“農業再論”にこんな記述がある
「奇跡の米」の光と影
(略)たしかに、最近のアフリカ諸国の成長率は目を見張るものがある。
だが、成長率が真の豊かさを表すとは限らない。かえって貧富の差が拡大しているとの指摘もある。
穀物高騰の中、成長に取り残された人々の状況はむしろ悪化しているだろう。(中略)
「奇跡の米」には先輩がいる。
1960年代からアジアで急速に普及し、農業生産力を飛躍的に高めた「IR8」という品種だ。
しかし、その奇跡には影の部分がある。
IR8は大量の水、農薬、化学肥料を必要とする品種だった。
このため、ダム建設などによる自然破壊が進み、肥料などを買える富裕層と 貧農の所得格差が拡大。伝統的な農村共同体は解体され、対立と暴力が芽生えた。
GM植物を導入すれば、同様の問題が生じる事は避けられないだろう。アフリカでも格差は拡大し、自然破壊は進み、伝統的な農村共同体は解体され、対立と暴力がますます激しくなるのではないだろうか。
食糧の高騰を受けて、貧困層が飢餓に見舞われる一方で、アメリカの農家は増収でホクホク状態だそうである。
市場原理に任せてしまえば、「高値で買ってくれるなら、売り先は“食糧として”でも“バイオ燃料”としてでも、どっちでも構わん」という事になり、世界の貧困層がいくら飢えようと「そんなの関係ねー」となるのは当然だ。
そして、この食糧高騰状況を利用して、“米政府に深く食い込んでいるアグリビジネス企業がGM+農薬でまたもや大儲けということなら、アメリカとしてはバイオ燃料に反対する理由などどこにも存在しないというわけだ。
結果、アフリカなど飢餓に苦しむ国々の国土はますます汚染され、地元農業は破壊され持続不可能になり、途上国政府は今よりももっと大きな借金を抱え込むことになる。そしてまたIMFが登場し、途上国に内政干渉 → 市場開放(土地、資源をごっそり外資企業の下に。外資企業が低賃金で労働者から搾取)というわけだ。
こうして格差がますます拡大して、貧困層がますます飢えにさいなまれたとしても、それでもアメリカは必ず儲かるようになっている。
WFPは、「食糧援助しようにも食糧が高騰したので金が足りない」とさかんに言ってきている。結局、他の先進国の血税から拠出させた多額の金で食糧を購入して食糧難の国々に援助するわけだが、その金の半分は米国の農業生産者に支払われる。何せ、「米国の貢献は世界の食糧援助の2分の1を占めている」んだから、アメリカに入ってくるカネも半端じゃない…
さらに、食糧難が続いて世界で内紛や民族闘争、戦争が起こったとしても大丈夫だ。アメリカは世界一の兵器生産大国。途上国に武器を輸出して軍産複合体がまたもや丸儲け。
とにかく、どっちにどう転んでも儲かるようになってるわけだ…。実に見事と言う他ない。
この連中の横暴をいかに食い止め、途上国に暮らす人々が普通の生活をいかにできるようにするのか、そのためにどのように共認を形成していくか、というのが世界が今直面している最大の問題ではないだろうか。
投稿者 nanbanandeya : 2008年06月04日 TweetList
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コメント
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