2008年6月18日
2008年06月18日
水は単なる資源ではない
水は、社会をつくってきた。
>農業にとって重要な水は、わが国では土地が個々の農家によって私的に耕作されたのと異なり、多くの場合私的に占有することができなかった。水を取り入れ、個々の水田に分配する機能は、村を単位として果たされていたといえる。 (「水土の礎>大地への刻印>水がつくる国土と社会」 より引用)
>稲作農業に不可欠な水田の「水」は、当然ながら個人(農家)所有などはできず、大元の河川から幹線→支線→水路→水田へと、段階的な「水」管理組織(河川灌漑システム)により供給・利用がなされ、現代へと続いています。
・「水」は個人(農家)所有できない:「農家」
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・各水田への「水」の分配(水路): 「村」(各農家を統合する組織)
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・各村々への「水」の分配(支線):「組合」(各村を統合する組織)
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・各支線への「水」の分配(幹線):「領主」(各組合を統合する組織)
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・各幹線への「水」の分配(河川): 「国」(さらに上位の統合組織)
(「知られざる人類婚姻史と共同体社会」より引用)
そういう意味で、水は単なる資源では片付けられない意味をもつ。
かつては、水は人々にとって命を紡いでくれる天からの恵みであると同時に、時には命を脅かす超越した存在と認識されていました。その“恩恵”を受けること、恩恵を分配する仕組みを構築する中で社会秩序が形成されてきたのです。
しかし、今は“資源”という。生産のために自由に使えるものとして捉えている。日本の農業用水は古来より地域共同体による水資源管理に頼るところが多く、そもそも経済原理による“水利用の効率化”とは相容れないもの。
改めて、水はお金を生み出す資源なのか!?
資源 : 自然から得られる生産に役立つ要素。広くは、産業のもととなるもの、産業を支えているものをもいう。(三省堂提供「大辞林 第二版」より)
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投稿者 pochi : 2008年06月18日 Tweet