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2022年08月05日

【ロシア発で世界の食糧が変わる】7~世界の勢力図の転換。ロシア・中国・BRICSが新たな経済圏を作り出しつつある~

前回までの投稿では、ロシアは、もともと食糧輸入国で脆弱でしたが、2000年代のプーチン勢力になって以降、国内農業の保護と、企業に大規模投資によって、わずか20年間で、世界を代表する農業大国へと成長を遂げました。この並大抵では実現できないような大改革を遂げたロシアですが、その背後には、世界的な勢力争いの中で、制覇国としての実現するための大きな布石だったと思われます。

そこで今回の投稿では、世界の勢力図はどのようになっているのか?、そして、ロシアは現在、どのようなポジショニングを取っているのか?について見ていきたいと思います。

画像は、こちらからお借りしました。

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■世界を3つの勢力で捉える(欧州系・米国系・新興勢力)

世界を非常に大雑把にとらえようとすると、大きく3つの勢力で考えることができます。それは、①欧州系②米国系③新興勢力という分類です。

 

①欧州系は、100年前に中央銀行をはじめて設置した大英帝国(イギリス)に代表されるように、金融資本系の勢力が大きな力を持っています。その中心人物はロスチャイルド家やサヴォイ家であったりといった歴史的に王族・宗教集団とタッグを組んできた勢力です。

農業分野では、資本の力を活かしてIT系企業を巻き込んだ最先端端農業に力を入れたり、有機農業を推進する環境配慮型の農業を先導しています。

画像は、こちらからお借りしました。

 

②米国系は、第一次・第二次世界大戦の軍需産業を契機に、産業を急激に拡大してきました。中心人物は、ロックフェラー家であり、石油産業で非常に大きな力を持っています。

農業の分野においても、軍需・石油を基盤にした化学的農業で大きな力を持ち、化学肥料・農薬や遺伝子組み換え作物などでリードしています。

画像は、こちらからお借りしました。

 

③新興勢力は、やや曖昧ですが、ここでは大雑把にロシア・中国・インドを代表するBRICSというとらえ方としたいと思います。これまでの世界は、上記の①欧州系・②米国系が大きな力を持っていましたが、ここ20年くらいでは、上のロシア・中国・BRICSが連携し始め、急速に大きな力を持ち始めています。

農業分野においても、これら諸国が、ここ20年で農業・食糧政策に非常に力を入れており、農業輸出量においても①欧州系・②米国系を追い越し、力学を逆転させています。

画像は、こちらからお借りしました。

 

■ロシア・中国・BRICSが、新たな経済圏を作り出しつつある

その大きなエポックが「ロシア・ウクライナ侵攻」です。

ここで顕著だったのは、食糧を他国の貿易に頼っていたアメリカ・日本・その他の国≒G7は、「ロシアは、なぜ世界の食糧を混乱させるのか!」という憤りを見せました。そして、食糧高騰のあおりを直に受け、国民の不安を高めることになりました。

一方で、中国・インドなどは、予めそうなることを予測していかのように、自国の食糧供給で賄おうという動きに転換しました。そして、それ以外の国も、反ロシアからロシア肯定・親ロシアへと転換し、アメリカ・欧州からロシアへと交易を転換させる国も出てきました。

それを象徴するかのように、6月11日にロシア下院のヴォロディン議長は、ロシアに対し友好的な国による「新G8」を提唱。「アメリカが対露制裁などによって新G8結成のための条件を自ら作り出した」とし、その新G8として「中国、インド、ロシア、インドネシア、ブラジル、トルコ、メキシコ、イラン」を挙げました。

そして、「日本を含む現在のG7の経済は、対露制裁の負荷(フィードバック)によって崩壊に瀕している」と声明しました。

画像は、こちらからお借りしました。

 

要するに、①欧州系・②米国系は、低迷に向かっており、これからの時代は、③ロシア・中国・BRICSの新興勢力によって、世界の主導権を握っていくことを世界的に表明したのです。ロシア(プーチン)は、まるで、このような時代を到来させることを約20年も前から描いていて、そのために農業・食糧政策などに非常に力を入れてきたようにも見えます。

今回は、世界の勢力図の状況について、大きく俯瞰して見てきました。次回は、ロシア・中国・インドはこれからの時代をどのように築いていこうとしているのか?について追求していきたいと思います。

投稿者 hasi-hir : 2022年08月05日 List   

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