2022年8月19日
2022年08月19日
『有機農業をまるっと見る!!』シリーズ6:持続可能な農業とは?~持続可能な農業の主役は炭素。土中炭素をいかにして増やすか?
前回までの記事で見てきたように、植物は土中微生物との共生ネットワークの中で、健全に育ち、また何世代も生育し続けられる環境を自ら作るメカニズムを持っていることがわかり、さらに、化学肥料を施すことは、そのメカニズムを壊して、土を砂漠化させていくことがわかってきました。
私たちは「同じ土地でずっと作物を作り続ければ、地力が低下して作物は生育しなくなる」「だから肥料を施さなければならない」と考えがちですが、実際はそうではないことがわかってきました。植物は歴史上、肥料なんかなくても、同じ場所で何百年、何千年と世代を繋ぎ、それどころか生息域を拡げてきました。
人間は、化学肥料と農薬を多用する近代農法によって、一過的な増収を実現したものの、植物本来の生存戦略を無視したために、植物が何千年もかけて作ってきた豊かな土壌をわずか50年で砂漠化してしまっているのです。地力を維持するのとは反対に、壊しているのです。
逆に言えば、植物の生態・摂理に即した農業ができれば、化学肥料や農薬に頼らず、収穫量も見込める農法が可能かもしれません。今回の記事では、そのような「再生農業」についてみていきます。
投稿者 o-yasu : 2022年08月19日 Tweet