2022年8月27日

2022年08月27日

【ロシア発で世界の食糧が変わる】~追求の足跡 世界の食糧危機の背後で世界の革命は着実に進行している~

「ロシア発で世界の食糧が変わる」は今回で最終回となります。
今回は、これまでのシリーズの追求の足跡をダイジェストとしてまとめていきます。

◯シリーズ1~ 世界の食糧貿易の変遷~農業生産が少ないから、輸入国になるのではない

1900年代前半は、世界的に戦争が広まっており、軍事力が最大の制覇力となり、イギリス・アメリカが大きな力を持ちました。
1950年以降は、世界的に経済成長が加速した時代であり、経済支配力≒食糧支配力となりました。アメリカ・中国が大きく台頭してきました。

イギリス⇒アメリカ⇒中国⇒ロシア・ウクライナ・ブラジルへと、時代の変化にともない、国家制覇力≒食糧制覇力が転換していることは世界情勢を考える上で、非常に重要な認識です。

 

◯シリーズ3~食糧急騰や国家破産。革命前夜の世界。

ロシア・ウクライナ侵攻を機とした食糧問題は、単に「食糧が大変な状況だ」という次元を大きく超えて、国民の暮らし、都市の維持、国家の存亡にまで関わる大きな影響を及ぼしてきているという認識が重要です。
食糧 ⇔ 金融市場 ⇔ 国家財政 ⇔ 市場経済がパラレルで、大きな変革が起こり始めています。

むしろロシアは、現在のような状況になることを予測し、食糧を機に全世界的な革命を起こそうとしているようにも感じます。

 

◯シリーズ4~小麦の価格高騰は世界で革命を起こしてきた

ロシアのこれまでの農業改革は、今回の世界的に変革の機運を高め、世界を変えていくために行っていたのかもしれません。
事実、輸出停止により世界を食糧難に陥らせ、世界的に革命前夜の様相が現実のものとなってきています。

ロシアが農業改革によって世界的な食料事情への影響力を高め、今回のウクライナ侵攻による世界的な食糧危機はつながっているのかもしれません

 

◯シリーズ5~世界最大の小麦輸出国にのし上がったロシアの農業戦略

食糧を制するものが、世界を制する力を獲得する。

事実、輸出停止による食糧価格の高騰に代表されるように、ロシアは世界の農産物市場の価格をコントロールできるほどの強靭な力を持つまでに至っており、今回のような世界を揺るがす大きな事態となっています。

 

◯シリーズ7~世界の勢力図の転換。ロシア・中国・BRICSが新たな経済圏を作り出しつつある

要するに、①欧州系・②米国系は、低迷に向かっており、これからの時代は、③ロシア・中国・BRICSの新興勢力によって、世界の主導権を握っていくことを世界的に表明したのです。
ロシア(プーチン)は、まるで、このような時代を到来させることを約20年も前から描いていて、そのために農業・食糧政策などに非常に力を入れてきたようにも見えます。

 

◯シリーズ9~ロシア主導の世界へ。世界が自給自足国家へと大転換していく未来シナリオ

「食糧政策」と「貿易=貨幣」は切り離せない重要戦略であり、同時並行で、大きな改革が起こると予測できます
ロシア主導の世界では「自給国家・民族自決国家」へと突き進んでいくのではないかと考えます。

 

 

◯食糧危機を契機として世界の体制転換は既にはじまっている

本シリーズでは世界の食料状況を分析しながら、ロシアが食料を基盤として旧勢力に対して革命を仕掛けていっている状況を明らかにしてきました。
それは西欧のグローバリズムを基盤とした旧勢力を解体し、ロシアや中国などBRICs新興勢力による「自給国家・民族自決国家」の実現です。

そして、ロシアのウクライナ侵攻の影で、世界の体制転換は着実に進んでいっています。
事実、フランスやイギリス、イタリアのトップが辞任し、新たな体制へと移り変わっているのです。

ロシアのウクライナ侵攻はその革命を目立たせない、隠れ蓑として利用されているのかもしれません。

参考:西欧諸国でトップ層が続々と退陣 世界の向かう先は

 

◯ロシア発の食糧危機は世界に何をもたらすのか

近代農業は土と植物の共生のネットワークを壊し、世界経済・流通システムは支配・被支配の構造を生み出してきました。
しかし、今回のウクライナ侵攻によって引き起こされた食糧危機は、それらのシステムの脆弱さを示し、新たな仕組みの必要性を強めて言います。

ロシアが創造しようとしている次の世界は、支配から解放され、各国が自給自足を行い、民族自決を高めていく世界です。
そして、自然の摂理に則った農業の質の改革です。

本シリーズは今回で終了しますが、今後も世界の変革は続いていきます。
これからもロシア発で世界がどのように変化していくのかを注意深く見ていきたいと思います。

投稿者 tiba-t : 2022年08月27日