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2009年06月08日

グレーゾーンを残したWTOの補助金規定

こんにちわちわわです。
なんかよく分からない輸出補助金について、書いたらよけい分からんくなるかもしれませんが、書いてみます。
では、アメリカの米の価格決定システムを日本の米の価格を例えに見てみましょう。
生産費を保証する目標価格18,000円/60kg (60kg=1俵)で
国際価格4000円で輸出または国内販売すると、
生産者が商品金融公社に米1俵を質入れして12,000円借り入れることができます。(これをローンレートという。)
この時ローンレートと国際価格との差額8,000円は返済免除されます。
その上、政府の固定支払いが2.000円あります。
それでも目標価格に達しない4.000円は政府が不足支払いします。
こうした輸出価格との格差14,000円は、3段階の手段で全額政府が保証することになります。

これが輸出補助金でないというのは子供でもおかしいと思うところですが、WTOでは法律上認められているのです。
その根拠は、「輸出を特定した支払いではない。」からだそうです。輸出を特定したし払いとして制度上仕組まれているもののみが輸出補助金だというのがWTO規定上の定義だから、撤廃の対象とならない。ようですが、なんか悪がきの言いがかりみたいな気がします。
さすがにブラジルはアメリカの綿花に対する不足支払いに対して提訴し、勝利しました。
この結果がアメリカに衝撃を与えました。
去年ドーハラウンドが決裂したのも、この裁定がアメリカの穀物に及ぶのを恐れたからです。
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WTOでは補助金を3段階に区分しています。
WTO関連養護集よりhttp://www.zenchu-ja.or.jp/food/wto/wtokanrenyougo/001.html
■イエローボックス(黄の政策)
ウルグアイ・ラウンド農業合意における削減対象外の措置(緑、青の政策)を除く全ての国内支持が該当する。ウルグアイ・ラウンド農業合意では、これらについて貿易を歪める政策と位置付け、基準期間(1986~88度)の国内支持総額の20%を、実施期間中(1995~2000年の6年間)に毎年同じ比率で削減することになった。
 
■ブルーボックス(青の政策)
生産調整を前提とする直接支払いで、緑の政策に準じて、ウルグアイ・ラウンド合意では削減対象外となっていた。EU は、2003年6月のCAP中間見直しでこれまでの青の政策(生産調整を条件とする直接支払い)から、生産と切り離した緑の政策へ移行する方向を決定した。
 
  2004年の枠組み合意では、青の政策の定義について、これまでの生産調整という条件に加えて、新たに「生産が求められない直接支払いであり、一定の固定した面積や生産に基づき、かつ基準となる生産水準の85%以下の生産について行われるもの」の追加について検討されることとなった。これは、米国が2002年農業法で導入した「価格変動対応型支払い制度」を新青の政策として青の政策に組み入れるように米国が要望したものである。これまでの交渉で、上限を設けることを条件に新青の政策と位置づける方向となっている。しかしながら、ブラジルなど途上国を含め、米国以外の国が反発して、新青の政策に対する規律強化を求めている。なお、枠組み合意では青の政策全体の上限は農業総生産額の5%とされていたが、その後の交渉で上限を2.5%まで引き下げることが合意された。
■グリーンボックス(緑の政策)
農業政策として国が交付している助成のうち、食料安全保障のための公的備蓄や災害救済など生産に結びつかない政府の公的資金、生産者に対し価格支持の効果のない直接支払いなどが該当する。これらは、貿易を歪める影響や生産に対する影響が全くないか、あるいはほとんどないものと解釈されており、削減の対象から除外されている。

【実際どのくらい政府支払いが行われているか?】
アメリカのトウモロコシ、小麦、米、の平均経営収支
(USDA ERS 、Agricltural Resource Management Survey:Farm Business and Household Survey Date の全推計農場平均データより
 
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単位ドル 2003年~2006年の平均値
イリノイ州は全米2位のトウモロコシ生産州
カンザス州は小麦の全米第1位の生産州
アーカンソー州は米の全米第1位の生産州
農業所得=(現金粗収益+政府支払い)-(農業経営費+自給分)
依存率=政府支払い/農業所得×100%
このように、アメリカでは約半分は補助金で占められてるようです。
ちなみに、フランスでは7割~8割、JA共済総合研究所調査によると、日本は2割弱のようです。
アメリカ、ヨーロッパの輸出補助金が、先進国を食糧輸出国、途上国を食糧輸入国たらしめてる最大の要因なのです。

投稿者 tiwawa : 2009年06月08日 List   

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コメント

今年は、まずは、自然の摂理に違わない農法の追求、そしていよいよ、ガタガタになった日本の農業を建て直すための具体的な政策提言に着手ですね。
楽しみです!!

投稿者 雅無乱 : 2010年1月2日 12:20

明けましておめでとうございます。
農法・農政ともに新しい農へ向かうために不可欠なものですね。
どう追求するのか?
どんな結論が出てくるのか?
期待しながら読ませて頂きます。

投稿者 Yoshi : 2010年1月2日 16:31

あけましておめでとうございます!
いつも楽しみに読ませて頂いてます。
今年は
◆「今後可能性のある農法」 
◆「新しい農のかたち」の実現に向けた政策提言 
ということで今の時代にあった新しい農のかたちの追求を楽しみにしてます!

投稿者 ∫mosimoboxdx : 2010年1月3日 14:51

農の現場や実態も踏まえて考えたいと思います。
よろしくお願いします!

投稿者 せきや : 2010年1月6日 22:36

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