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2008年03月30日

失政続きの戦後農政

こんにちわちわわです。
今回はこれまでの失政続きの農政について概要を押えてみようと思います。
●アメリカ誘導で農業を切り捨てた戦後の農政
1945(昭和20)年8月15日、終戦を迎えた日本。
GHQ主導の占領軍は、軍国主義の除去と民主化の促進のため、 軍国主義の基盤にもなった財閥は、経済の民主化を進める意味でも弊害とされて解体。それと同時に地主・小作制度が日本全体の民主化を妨げるものだとして農地改革も実施された。
敗戦直後の、ものすごいインフレと失業と食糧不足の中、3つの政策を実施。
①農地拡大策は開拓・干拓。
②農業形態の種類増加策は有畜農業の奨励。
③食糧確保は食糧管理法を盾にした強権発動での強制供出。
しかし、供出を強制しても、基本的な低米価政策と慢性的な食糧不足は、ヤミ価格の高騰を招くばかりで、強権発動型の食糧強制供出率は45%内外にとどまっていた。
そんな折の1954(昭和29)年、アメリカは日本に経済社会構築のための防衛上の再軍備実施と食糧増産の打ち切りを要求、財政投入型の食糧増産をやめて日本はアメリカの余剰農産物を円で買う、そのかわりにアメリカは受け取ったその円を日本への防衛投資や日本製品購入に当てるという内容のMSA協定を提示。それを日本政府は、アメリカ側の新しい援助だとして飛び付き、即座にMSA協定を締結すると、これまでの方針を大転換、米麦を中心とした増産対策(いわば食糧自給)の放棄と小農保護政策の中止を決めていく。
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●1960年代、国家の命題は「経済成長」/国家丸抱えの誘導政策が開始。
 1961(昭和36)年、所得倍増計画の下で、『農業基本法』を制定。「農業も工業である」と位置付け、三つの政策を実施。
①生産品目の拡大。
 経済成長に伴って国民の食生活の内容の変化に対応して、果樹・畜産・酪農・各種野菜など、より高級品に重点を置いた生産を広げるべきだと考え、
都道府県や市町村ごとにその得意分野を選定して果樹なら果樹一本槍の地域、酪農なら酪農一本槍の地域、という具合に地域毎の単作化を促進。
②生産基盤そのものの整備。
全国の農業地域で灌漑や排水路の整備、区画整理・整備や農道の舗装など、農業土木工事を遂行することが最良だとされ、水田を中心に一区画30aに拡大、農道も5m以上に拡幅整備して、機械化や大型化を進め易くして、高能率化した農業を促進。
③農業経営だけでやっていける農家の育成。
 農家一戸の耕地面積(当時平均0・8ha)では規模が小さいので、これを拡大(2・4haを目安)して整備し、規模拡大によるスケールメリット追求型の農業が必要だと考え、三分の二の農家に離農を促し、農地の集団化や協業方式を含めて規模拡大できる農家だけを残そうとした。
 そして、これらの3本柱を支柱にして、1962(昭和37)年、『農業構造改善促進対策事業』が本格化、これらの施策を実施していくために、数限りない補助事業や助成事業を金融制度と絡めて誘導し、「目の前に補助金というカネをぶらさげて食いつかせて従わせる」という今日に至る農政の施策パターンの原型をつくりあげていった。
●政策とは裏腹の農業の現状
 農業そのものは、工業製品としての機械や設備などを売り込んだり、農業土木工事をして公共土木事業の拡大に結び付ける格好の消費市場になっていく。
 1971(昭和46)年の『農村地域工業導入促進法』では農地までもが工業用地に移行していき、国家計画が意図する「鉱工業の生産性の伸び」にも大きく貢献していった。
 農業現場では、農政の意図どうりに畜産・酪農・園芸などの拡大が進み、機械化・装置化・大型化・施設化・効率化に拍車。農業現場そのものが、石油関連業界や商社、機具・設備メーカーの市場となり、農政とタッグを組む農協の商業活動に大きく貢献していく。
 その反面、農家は、経済的に圧迫されて「機械化貧乏」という状況に悲鳴をあげ、家計のやりくりに必死になって息子や娘たちを高学歴な企業社会に送り出すと、農家は、ただひたすら高齢化の一途を辿っていくようになる。
 政策としては、「稲作以外の生産品目の単作化」がもくろまれていたのだが、政府が生産者から米を高く買って、消費者に安く売る米価算定方式では、稲作が最も条件的に安定、有利になっていることから、稲作を拡大選択する農家や地域が多く見られるようになっていった。
 さらに、国家計画の意図どうり工場の地方進出・分散が進み、道路網の整備やモータリゼーションが浸透していくようになると、農家自らも他産業への在宅通勤が可能になり、農政の薦める「小規模農家の離農」の必要もなくなり、どこかに勤務する傍ら自分の農地で時間的に拘束されることが比較的少ない稲作をやっていく兼業農家が増えていくようになっていった。
 そして、農政がぶちあげた「農業経営だけでやっていける農家の育成」、においては皮肉にも、農家自らが兼業化して自分たちの工夫で他産業との所得格差の是正を実現させていくのだった。
 一方、農政の方針にそって規模拡大した畜産部門は、設備投資に失敗して破産するところが続発
果樹部門も、作付拡大による過剰生産で所得の伸びも頭打ちし、農業経営だけでやっていける農家は、ほんの一握りにとどまった。
●失政の象徴減反政策へ
 米は生産過剰気味になり、日本人食生活の変化が一気に米消費の減少に拍車をかけていく。そして、「逆ザヤ」という米価負担は過剰米でさらに増していき、食管会計の赤字が始まる。
 それを抑止するために、「他産業との所得均衡を図る米価算定方式」を放棄して「価格や数量は生産者側と流通側の双方が決定する」という自主流通米制度の導入と、規模拡大の考えとは矛盾する方向の「米の生産調整」いわゆる「減反政策」を取っていく。

投稿者 tiwawa : 2008年03月30日 List   

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コメント

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