【農園便り】冬の農園 ～鶏の解体編～ |
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2008年02月27日
残留農薬報道は冷静に・・・マスコミに扇動されないようにしましょう！
まるいちです。昨年から「食」の「安全・安心」に関わる問題が多発しており、社会的関心がかなり高まっていると思います。
しかし、マスコミの報道は加熱する一方で、その問題の位相、重要度、危険度、と言った肝心の事実を伝えないで、扇動的に問題を取り上げ、あまり意味の無い犯人捜し、責任追及を繰り返すばかりです。
■以下にその一例としての【えっ サバから１４倍のジクロルボス!? 残留農薬報道は冷静に】と言う記事を紹介します。
～以下引用～
ＪａｎＪａｎＮｅｗｓ【えっ サバから１４倍のジクロルボス!? 残留農薬報道は冷静に】伊吹春夫2008/02/22
「DDVP」という商品名で流通している「ジクロルボス」は安価でよく効き安全性も高いとされているが、冷凍サバから「基準の１４倍の農薬」が検出、などとセンセーショナルなテレビ報道がまかり通る今、食品販売の現場から輸入食品が消えてしまいかねない。
中国製ギョーザ中毒事件の製造元として注目浴びる中国・天洋食品（AFLO）
農薬ギョウザ事件のめどさえ立たない中で、今度は「しめさば」から農薬が検出されるという事態となりました。
「朝日新聞」は【香川県さぬき市の食品販売会社「香西物産」（吉川晴夫社長）は１８日、中国で加工され、同社が取り扱っている業務用の冷凍サバ製品の切り身から、有機リン系殺虫剤成分「ジクロルボス」が０．１４ppm検出されたと発表した。今回の検出濃度について、香川県は「検出量は微量で、健康への影響はない」としている】（２月１８日）と、かなり冷静に報道しています。
ところが２月１９日の「朝ズバ」で「みのもんた」氏は、【基準の１４倍もの農薬が……】とセンセーショナルに報道していました。
●ちなみに残留農薬とは、農林水産消費安全技術センター
(1)残留農薬とは
農薬は、病害虫や雑草などの防除、作物の生理機能の抑制などを目的として農作物に散布されますが、目的とした作用を発揮した後、ただちに消失するわけではありません。
このため作物に付着した農薬が収穫された農作物に残り、これが人の口に入ったり、農薬が残っている農作物が家畜の飼料として利用され、ミルクや食肉を通して人の口に入ることも考えられます。このように農薬を使用した結果、作物などに残った農薬を「残留農薬」と言います。この残留農薬が人の健康に害を及ぼすことがないように、農薬の登録に際して安全性に関する厳重な審査が実施されています。
(2) 安全な範囲での農薬の残留基準とは
まず、農薬の登録申請時に提出される毒性試験の結果から、その農薬を一生涯に渡って仮に毎日摂取し続けたとしても、危害を及ぼさないと見なせる体重1kg当たりの許容1日摂取量（ADI：acceptable daily intake）を求めます。
一方、作物に散布された農薬は、作物に付着するもの、付着しきれずそのまま土壌、大気中にいくもの、水田水から河川に入るもの、また分解してしまうものがあり、農作物や水などを通じて人間が農薬を摂取することになります。したがって、各経路から摂取される農薬がADIを超えないように管理、使用する必要があり、環境大臣が定める登録保留基準は、この点を考慮して設定されています。
こののち、農薬の有効成分（成分）ごとに食用作物に残留が許される量を決めたのが、農薬の残留基準です。大気や水からの農薬の摂取を考慮して、各作物の農薬の残留基準の総計が、この農薬のADIの8割以内となるように決められています。
★毎日一生食べ続けても健康に影響の無い範囲が「農薬の残留基準」です。
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以下、ＪａｎＪａｎＮｅｗｓ【えっ サバから１４倍のジクロルボス!? 残留農薬報道は冷静に】の続きです。
「ジクロルボス」は「DDVP」という商品名で広く流通しており、比較的安価でよく効き安全性も高いとされています。家庭菜園やガーデニングの経験者なら、ご家庭にもきっとある農薬です。国内では多くの農産物で使用許可（登録農薬と言います）されています。残留基準値は、私たちが毎日食べているお米で（玄米基準ですが）０．２ppm。他の穀類・大豆でも同様です。さらに、生食を標準とするキュウリでも０．２ppm。イチゴでは０．３ppmです。
しかし、魚介類である「しめさば」には登録されていない薬品です。『もしも』はいけませんが、香西物産が今回の農薬残留を予測して登録薬品にDDVPを申請していたとしましょう。「キュウリ並みなら良いでしょう」という判定で登録農薬として認可されていたら０．２ppmが基準値です。この「しめさば」は、０．１４ppmですから基準の７０％で何の問題にもならなかったはずです。
農薬成分に対する基準値がない
この記述が十分理解できる読者は少ないと思いまして「極論」を書きました。平成１８年５月２９日以降は、無許可農薬（使用登録をしていない農薬）ということになれば、自動的に０．０１ppmが残留基準ということです。専門分野ですから細かく書きますと、「わさび」などを代表とする「生産量の少ない農産物」でも、同様の事例があり、生産者を悩ませています。つまり、大根やキャベツには登録されているのに、わさびには登録されていないという農薬もあるのです。
健康被害の報告はないという
私は、この種の書き方にいつも疑問を抱いています。「当たり前でしょう」。毎日、米でも野菜でも基準内なら平気で食べてるんですから……。消費者市民の安全ために……という大義名分の他に、海外農産物の締め出しをねらったとも言われている、残留農薬ポジティブリスト制度は、文字通り「両刃の剣」です。
基準の〇〇倍という報道を野放し、テレビという視聴率本意のマスコミ報道を基準にすると、食品販売の現場から輸入食品が消えかねません。結果、国産食品は高騰し、回転寿司は開店休業に追い込まれるでしょう。極論すると国民が栄養失調に陥りかねません？（なつかしい言葉ですね）
今回のしめさば問題は、ポジティブリスト制度の典型的な事象です。生食する魚介類に「DDVPが含有されていても良い」と言うつもりはありません。農薬に限らず、食品添加物に於いても、基準の〇〇倍という表現をする時には、その基準を客観的に対比させて欲しいものです。いたずらに、センセーショナルな報道で市民を誤った方向に誘導すれば、新たな国際貿易問題に発展することさえあり得ます。
食品は全数検査の出来ない商品です。大きな事件とならないよう祈る思いでいます。
●残留農薬ポジティブリスト制度とは、【新たな残留基準制度（ポジティブリスト制度）関連 Ｑ＆Ａｊ】
１ 従前の食品衛生法の規制においては、残留基準が設定されていない農薬等については、食品中に残留が認められても販売禁止等の措置を行うことが困難であり、特に輸入食品を中心として残留農薬等の規制の強化が求められていました。このことを踏まえ、食品に残留する農薬等について、一定の量を超えて農薬等が残留する食品の販売等を原則禁止する新たな残留基準制度（ポジティブリスト制度）を導入することとしました。
２ この制度は、食品中の農薬等の検査や検査結果の提出を義務づけるものではありません。食品に残留する農薬等については、これまでと同様、農畜水産物の生産段階において適正な使用や管理を行うことが重要です。
・・・と言う事で、ポジティブリスト制度では、全ての食材に関して全ての農薬の検査を行う事は不可能なので、０．０１ｐｐｍが基準値になっています。
この数値は上記記事にある基準値よりかなり低めに設定されている事がわかります。
★少なくとも、事実を知らせる為にはこのような状況をしっかり報道する必要があると思います。
むやみやたらに不安や不信を煽り立てるだけのマスコミ報道は社会混乱の癌にしかならない。
【事実】をしっかり知る事の大切さを痛切に感じます。
最後まで読んでくれてありがとうございます
投稿者 nara1958 : 2008年02月27日
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コメント
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