『農業と政治』シリーズ11 日本農業の真価は「森林」と「水田」にある |
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2022年02月25日
食糧問題シリーズ10(最終回):「自分たちの生きる場は、自分たちで作る」からこそ農業に活力が生まれる
食糧問題シリーズも今回で最終回です。今回はこれまでの復習と、そこから見えてくるこれからの農業の姿を見ていきたいと思います。
まずこの食糧問題シリーズ第1回目(リンク)では、世界の飢餓マップをおさえ、世界全体でみれば、けして食料が足りていないわけではないという事実と、局地的に飢餓が起こる原因は「生産と流通に問題があるのではないか?」という仮説を出しました。
そして第2回目(リンク)食料で国を支配するという、衝撃的な「白人発の市場経済を使った支配構造」を捉えました!
では、この支配構造をけん引しているのはいったい誰なのでしょうか?
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◆国連主導のフェイク報告が世界をミスリードする!
ここから第3回目(リンク)は、なんとあの平和を標榜する国際連合こと国連が、フェイク情報を流し、世界中をミスリードしているということでした。
なぜ国連は、フェイク情報を流して食料危機をあおるのでしょうか?
◆国連は第2次世界大戦の戦勝国の連合
その答えは、第4回目(リンク)、第6回目(リンク)にあります。
国連は何を隠そう「第2次世界大戦の戦勝国の連合」であり、その背後には国際金融資本、いわゆる金貸しがあったのです。
日本語にするとなんとも、中立的な立場で世界平和を守る組織のように見えますが、英語では「the United Nations」つまり「連合国」なのです。
そして世界の食糧危機をあおり、金貸しの傘下にある「穀物メジャー」による食料支配を実行しているのです。
では日本は実際に、そこまで問題視されるほど食料自給率が低いのでしょうか?
◆数字で見れば日本は超優秀な農業大国だった!
そのあたりに突っ込んだのが第5回目(リンク)です。
日本の食糧自給率の低さの原因は「カロリーベースによる自給率の計算」にありました。カロリーベースで計算したら38%の食糧自給率も、「生産額ベースで計算すると70%近くまで高まります」。
そしてこの数字は、人口、面積などを考慮すると、世界1位の農業大国である中国に何ら遜色のない数字だったのです!
ではそんな日本が今後向かうべき農の在り方は?
◆脱グローバル化⇒地産地消へ、大量生産・大量消費⇒充たし合う農へ
ではこのまま、国連が推し進めるグローバル化の流れに日本はこのまま乗っかっていって良いのでしょうか?この辺りを扱ったのが題8回目(リンク)です。
日本は戦後の焼け野原から奇跡的な経済成長を遂げました。それは国内産業の工業化があってこそ達成した成長です。1950年代、60年代は文字通り農村から都市へ多くの若者が移住し、農業よりも工業化を優先してきたのです。
しかし1970年に豊かさは実現され、すでに物的生産は飽和状態、消費もどんどん縮小する現状から、これまで通りの大量生産・大量消費を誰も望んでいないという状況になっているのです。
そのなかで新たな可能性は、生産者と消費者の距離が近い「地産地消」、お互いが「充たし合う農」というあたりにあるのではという仮説を出しました。
そしてその可能性の原石は確かにあったのです!
◆「自分たちの生きる場は、自分たちで作る」からこそ農業に活力が生まれる!
その可能性の原石を紹介したのが第9回目(リンク)です。
それは道の駅などの地産地消のシステムを上手く使いながら、大阪府という都市の中で地産地消を実現している「類農園直売所」です。
近畿広域から商品を集める物流システムを構築しながら、その運営は、生産者自身が商品化、価格決定を行うなど、自ら当事者となりお客さんにどうやったら喜んでもらえるかと考えるというところが画期的です。品も良く、価格競争にも巻き込まれず、なにより生産者自身の活力が違うのです!
これはまさに「自分たちの生きる場は、自分たちで作る」という、人として当たり前の構造に立脚しているからです。
この食糧問題シリーズ全般に言えることですが、食糧という私たちの生活の最基底部にある課題を、そもそも市場経済にゆだねながら、他国に依存することそのものがおかしいのです。
「自分たちの生きる場は、自分たちで作る」という考えのもと、自国で生産し、自国で消費し、その運営も自分たちで考えることが、何よりも生産者に活力をもたらし、農業そのものを再生することになるのです!
以上で食糧問題シリーズを完結とします。ありがとうございました。
投稿者 sue-dai : 2022年02月25日 TweetList
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