【世界の食と農】第5回 オランダ~官・民・大衆が垣根を超え、新しい農の形を追求する潮流が世界に広がりつつある~ |
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2022年01月14日
食料問題シリーズ5:データを見ていくと「日本は超優秀な農業大国」だった!
さて前回は国連が世界中を「食糧危機」で煽っているという構造に踏み込みました。
そしてその食糧危機を煽るわかりやすい数字としてあるのが「食糧自給率」です。そして日本人なら誰でも聞いたことがある決まり文句、「日本の食料自給率は低い」ということ。
はなしてこれは事実なのでしょうか?
今回はその辺りに突っ込んでいきたいと思います。
◆日本の食料自給率は38%・・・本当に実感と合う?
では日本の食料自給率は何%ぐらいかご存じでしょうか?農林水産省の公式ホームページ(リンク)によると平成29年値の食料自給率は実に38%です。
これだけを見ると、私たちの食事のおよそ3分の1しか国内で生産されていないことになります。かなり危機的な状況です。
しかしもう一つの実感と合いません、スーパーで買う野菜や果物、魚やお米などその多くは国産です。唯一牛肉はアメリカ産、オーストラリア産を見ますが、豚肉、鶏肉も日本。本当に3分の2も輸入しているのでしょうか?
ここで先ほどのページを詳しく見ると38%の数字は「カロリーベース」と書いています。これはどういうことなのでしょうか?
◆食料自給率には2つの数字がある!
実は食料自給率は大きく2つの数字があります。一つはカロリーベース、そしてもう一つは生産額ベースです。
カロリーベースは日本人一人当たりに供給される国産の食べ物のカロリーを、全体の食べ物のカロリーで割った値です。
一方、生産額(お金)で見た場合はどうかというと、実は66%までその数字は回復します。
あれれ・・・66%って結構良さそうじゃないでしょうか?
◆世界との比較では・・・
そして世界の国と比べてみると、以下のようになっています。
2012年なので少し古いデータですが、実は日本の農業生産額は世界第7位!最新のものは以下のサイト(世界の農業生産額 国別ランキング・推移 – Global Note)で出ていますが、10位!
1位の中国はおよそ日本の12倍の生産額を誇っていますが、実は中国の面積は日本の25倍、そして人口は11倍。
つまり人口1人当たりの農業生産額を考えると、日本は中国に引けを取らないし、面積効率でいくと中国の2倍の生産額を上げている計算になります。
こうやってデータを見ていくと「日本は超優秀な農業大国」であることが見えてきます。
ではなぜここまで、必要以上に「日本は食料自給率が低い!」と煽っているのでしょうか?
それはまた次回以降に扱いたいと思います。
投稿者 sue-dai : 2022年01月14日 TweetList
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