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2009年09月04日

耕作放棄地の何が問題なのか?

こんにちは 😀
1週間にトピックが目まぐるしく変わって申し訳ないですが、今日明日は「耕作放棄地」について調べたことをUPします。
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耕作放棄地(元棚田):画像はコチラから
国内で農業への関心が高まること久しく、そのせいか耕作放棄地という単語もけっこうメジャーになってきました。ちなみに「遊休農地」も同じ意味の言葉です。
2005年農林業センサスでは、日本の農地470万haのうち、38万haが耕作放棄地だと発表されました。
年々増えるこの耕作放棄地を「何とかしなきゃ」という声もよく聞きます。
そりゃあ食糧自給率の低い日本で、更に農地が減っていっている状況は大変ですよね。
しかし、「耕作放棄地の何が悪いの?」という点については意外と知られていません。けっこう雰囲気で「耕作放棄地=悪者」として扱っている人も少なくないのです。
ということで、本投稿では「耕作放棄地の何が問題なのか?」を追求してみます。
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さて、改めまして耕作放棄地の定義を確認します。
耕作放棄地(遊休農地):過去1年以上作付けされておらず、今後もされる予定のない農地
その発生原因や現状は以前の記事に書いてあるので、是非ご覧になってください。
では、耕作放棄地の問題点をこれから挙げていきます。
病害虫の発生
 農業は、常に病害虫との戦いです。少しでも気を抜けば農作物が病気にかかったり、害虫に食べつくされたりしてしまいます。だからこそ農薬などの対応が必要なのですが、作付けされなくなった農地に農薬を撒く人はいませんね。放置された元農地では病気も虫も発生し放題。それが周囲の農地に広がって大変なことになってしまいます。
周りの農地への雑草繁茂の原因となる
 病害虫同様、「雑草」 も農業の大敵です。農作物よりよっぽど生命力の強い植物が生い茂ってしまうと、作物に成長の余地が無くなってしまいます。当然、作付けされない農地はあっと言う間に草木に覆われ、周囲に広がって迷惑をかけてしまいます。
野生の鳥獣の棲家となってしまう
 これは特に中山間地に見られます。もともと山に住んでいたシカやイノシシなどは、農地から人の気配が消えるとすぐに戻ってきてしまいます。一旦そこが鳥獣の棲家になってしまうと、そこを拠点に周囲の田畑を荒らすことになるのです。
用排水路などの管理が困難になる
 集落における田んぼは個々に存在しているわけではなく、いくつもの田んぼに上流~下流の流れを上手く使って水を分配しています。これは昔の人が多くの人手と時間をかけて作り上げた用排水システムなのですが、田んぼが放棄されると当然管理も上手くいかなくなってしまいます。
農地のもつ災害防止機能が低下する
 田畑には上記の水管理機能や、土砂災害を防ぐ機能があります。しかし、これもあくまで農業が行われている時の話。放置されて荒れた田畑は原野みたいなもので、自然災害に滅法弱くなってしまうのです。
景観の悪化
 土地の形状に合わせて整えられた農地って綺麗ですよね。例えば、秋は辺り一面が黄金色の稲穂で溢れたりもします。自然と人工の調和とも言える農村風景は、よく「~百景」などに選ばれたりもします。しかし、そういった景色の中に草木がボウボウに生えた場所が混じっていると、「エェェェ・・・」とげんなりしてしまいます。
ごみの不法投棄場となってしまう
 これは一概に言えた話ではありませんが、不法投棄といえば中山間地なのです。特に、耕作放棄地は微妙に整地された面影が残っており、まとまったゴミを捨てやすい場所となりがちです。大規模にゴミを埋め立ててしまう業者も少なくないという話もよく聞きます。
食糧の安定供給にも悪影響
 これは少しマクロな話ですね。食糧生産基地である農地が減るということは、当然生産量も減るということです。食糧自給率の低さを問題視している日本にとって、これは非常に由々しき問題だと言えます。
上に挙げた例は、比較的よく取り上げられるもので、実はまだまだ問題点があるのかもしれません。
それにしても、問題の共通点は「周囲の農地に悪影響を及ぼす」ということだと言えそうですね。田んぼが一枚だけ独立しているなんてケースは稀で、どこに行っても「多くの田畑が地形に沿って並んでいる」ものです。どこかが耕作放棄地になるだけで、近くで普通に農業を行っている農業者に多大な悪影響を及ぼすのだから、良い現象でないことは間違いありません
また、一度耕作放棄地になって荒れてしまうと、元の田畑に戻すのにかなりの人手と時間がかかります。例えば、農業に参入した企業が耕作放棄地を整備する際、まともにやると作付け可能な状態にするまで半年以上、しかも1千万円近くもコストがかかるとのことです(例は5haほどの土地)。昔の人々がどれだけの労力をかけて農地を造成してきたか、そのありがたみが非常によく分かりますね 😥
そんな耕作放棄地、まずは発生させないに越したことはありません。
ただ、農村人口は激減し、跡継ぎも少なく高齢化が進む日本農業界においては、その拡大を止めることすら困難なのが現状です。
しかし、そんな現状に暗くなるのはナンセンスです 😉
耕作放棄地を有効に利用して上手く農業経営をしている主体だって沢山いるのです
現状は事実として認識しないといけませんが、探せば可能性はいくらでもあるのだということもまた事実!
明日の投稿では、そういう事例をいくつかご紹介させて頂きます。
お楽しみに

投稿者 staff : 2009年09月04日 List   

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コメント

言葉や画像のひとつひとつに想いが込められていて、みなさんの活力や喜びが伝わってきました。
なんか、心の中に「ぽっ」と灯りがついたような・・・
ありがとうございます☆

投稿者 ふぇりちゃん : 2010年10月26日 22:38

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