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2009年02月07日
地元発・ものづくり発のモクモクファーム
こんにちは。
新しい農業の成功事例として、モクモクファームの記事がるいネットに掲載されています。
【書籍紹介】伊賀の里 新農業ビジネスただいま大奮闘(モクモクファーム)(1/3)
【書籍紹介】伊賀の里 新農業ビジネスただいま大奮闘(モクモクファーム)(2/3)
【書籍紹介】伊賀の里 新農業ビジネスただいま大奮闘(モクモクファーム)(3/3)
私もこの本を読んでみました。
地元の養豚をどうする?という課題からスタートして、様々な取り組みを次々と実現させていく様子には、とてもわくわくし、これからいろんなことが出来そうだ、と勇気やヒントを与えてくれるものでした。
特に、社長である木村氏の言葉は、実践の中から生まれて来たとても説得力のあるものでした。そこで、数ある木村氏のコメントの中から、印象に残ったものを一部ご紹介したいと思います。
応援 よろしくお願いします
ありがとうございます
以下「新農業ビジネス 伊賀の里 ただいま奮闘中」より引用
でも養豚農家っておかしいんですよ。子供が、お父さんうちの豚肉おいしいの、どこで売ってるのと聞かれても答えられない。なぜかというと、豚を市場に出すと、どこで売られているのか、どのくらいの値段かまったくわからない。スーパーで海外の豚肉と並んで売られて、どっちが旨いかなんてこともわからない。これ変ですよね。ふつうメーカーだったら、自分の商品がどんな材料で、値段がいくらで、どこがいいか、どこで売られているかわかる。うちのものがなぜ旨いか言える。でも養豚農家ではそれがない。それで輸入肉も県内肉も同じに並べられ売られている。
結局ね、豚肉もおいしいものをつくらないとだめだ。そして安心して食べられるものでないといけない。おいしい、安全は、当たり前のことなんですね。それを外したら、なんにも価値がなくなる。
おいしい豚はなんだろう。私達は各地の銘柄豚を取り寄せたり視察したりして勉強しましたよ。サツマイモがいいというので、中国の甘藷を取り寄せて食べさせたら糞ばかり多くなったりと、そんな失敗もあった。そしたら偶然、酢をやると肉がさっぱりしておいしくなるということを聞いたんです。
大事なことはマーケティングですけど、ブランドというのは、誰が認めるかということですね。肉屋が認めるものでもスーパーやバイヤーが認めるものでもない。最終的には消費者なんですよ。それでね、消費者はどこにいるかということですけどね、まず大事なのは地域にいる人なんですよ。生産地に近い地元の人なんですよ。そしてその周辺。この人たちに認めてもらわないと、真のブランド化とは言えない。
松阪牛のブランドは、もともと地域内のブランドだった。地域の人がおいしいと食べていたものなんです。松阪の人がおいしいと食べた。それがおいしいから県外の親戚にやろうか、となってきたものなんです。いままで名品、名産とかは、すべてそうでしょう。地元で愛されている。だから僕達は『愛着ブランド』と呼んだ。
地元の人に愛され、支持される土着性の強いブランドですね。これが『愛着ブランド』。それが、どんどん外に広がっていると僕は考えているんです。まずは地元に認めてもらうブランドです。それが食べ物には、特に大事だと思うんですね。
せっかく安心でおいしい豚肉をつくったんだから、おいしくて安全な本物のハムをつくろうと。ハムをつくったら付加価値も付いて、売れるんじゃないかと思いましてね。
で、僕が計算した。儲かるような計算したから、これ儲かるんですよ(笑)。
これね、いいものをつくったら売れるという保証はない。そのとき、生協とかジャスコとか、置いてもらったら当然売れると思っていたんですよ。あにはからんや、ぜんぜん売れないんですよ。これが売れへん。なぜ売れへんのやろ、悩んで、よくよく考えてみたら、ハムは嗜好品なんですよ。それに対して肉は必需品なんです。例えば、伊賀豚が店頭になかっても台湾豚が置いてあったら買うんですよ。必需品だから。そこでたまたま台湾豚と九州豚と伊賀豚とあって、安心、安全とあれば、伊賀豚といっても、そんな高くないから、選択して購入してくれる。ところがハムは嗜好品だから、そんなバカスカ売れることはありえない。自分たちのよさを知ってもらうために、まずは認知してもらうことから始めなきゃならない。
どうしたかというと、ここに来てもらって、自分達の工場を見てもらって、試食をしてもらって、われわれの話を聞いてもらって、徐々に増やしていくことを考えた。それでね、料理教室を始めようかとなった。それが偶然ね、ウインナ―をつくりたいという人が現れたんですよ。これがきっかけでウインナ―教室が始まったんですよ。
結局、これがどういう結果をもたらしたかというと、ウインナーが身近な商品だというのがわかった。自分たちでできる。あるいは家庭の延長にある。身近ということはどういうことか。原料が見えてくる。伊賀豚が見えてくる。伊賀豚がおいしくて安全というのも見えてくる。つくり手が見えてくる。あ、この人たちは、伊賀の農家の人たちが集まって、自分たちでおいしい安全なウインナーをつくっている。そこで感動と共に共感を覚えてくれる。共感が生まれる。それでね、ここのだったらお中元、お歳暮に送ってあげられるわ、私ここのこと好きだから、なにか応援したいな、という気持ちになる。ファンができるんですね。その人たちをガチッとつかまえて、ファンづくりをしていこうと。でね、モクモククラブという会員制度をつくった。
会員制がよかった。ウインナーづくり教室と、自分たちの消費者を組織していくという、この成功が要因でしょうね。でもね、最初、会員といっても身内ですよ(笑)。
特典というのはね、要するに割引。でも割引だけじゃ面白くない。だからコンサートとか自分たちでイベントを始めたんです。リピートしてもらうようにしようと。リピート対策を含めてイベントを行ない、そこから会員を増やしていったんです。
驚くことにね、ウインナー教室がまたたく間に広がった。口コミなんです。あっという間に県内に広がった。予約がどんどん入ってくるんです。それには驚きましたねえ。なにせこのあたりはなんにもなかったんですから。山の中にちっぽけなログハウスがぽつりとあるだけ。ログハウスに教室がある。それも事務所だったんですから。でね、食事するところがない。教室の外で食事していた。それで掘っ建て小屋を建てて事務所にしたんです。
面白いもんでね、口コミが広がってきますとね、今度は、スーパーや百貨店で、ハムが売れ始めた。ギフトで扱いたいと言ってくれるし、生協でも売れるようになったんです。
農業公園のきっかけは、人が集まるということなんです。立てたのは1995年。農水省が農業公園の推進ということでお金を出していたんです。われわれのときはバブルの崩壊のころ。その前から農業の振興をしようということで、農業公園を各地につくらせようとしていた。ところが受け皿がない。農家だって、自分で規模拡大して大きくしようなんていう人もいない。それでうちに人がたくさん来ていて、なんでこんなに人が来るんだ、人が来るんなら、予算を出すから農業公園をつくりなさいと、話が来たんですね。
僕と吉田専務で、面白い、やろう、となった。でね、全国の農業公園や農業関連の施設を全部見て回った。
そこでヒントになったのは、観光に重きを置いているところは失敗しているということです。成功しているろころは、そこにものづくりがあるということ。農業公園というのは、当初から観光であり、水商売なんです。それは人気商売でもある。でも人気がなくなると、すぐにだめになる。それで、人が来なくても飯が食えるようにするにはどうしたらいいのかと吉田と考えた。そこでヒントになったのは、盛岡の手作り村、小岩井牧場、宮崎の高千穂牧場です。そこには、全部ものづくりがあった。高千穂牧場を例にあげると、なにが感動したかというと、ストーリー性がはっきりしていたことです。自分たちがつくって生産した牛乳がチーズやバターになる。その必然性、そこに商品の魅力があるんです。
原点はものづくり。だから公園をつくるときにはすべてものづくりでいこうということにした。というのも農業はドラマじゃない。ノンフィクション、要するにドキュメンタリーなんです。ドラマ仕立てで、見せかけドラマにしたところは全部だめだということです。それを観光にしたところはだめになっている。
われわれは、地元で麦をつくり、地元でハムをつくり、ここで加工して販売していく。その当初の出発した基点がよかった。だから消費者が支持してくれる。
投稿者 sbaba : 2009年02月07日 TweetList
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コメント
投稿者 naganobu : 2009年8月16日 20:39
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投稿者 france hermes handbags : 2014年1月29日 20:33
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>欧米の農業政策は市場原理の中で国際競争に適応できる産業として農業政策を進めていることに対し、日本の農業は自給率を上げることを重点に農業政策を進めている。>欧米の農業政策は市場原理の中で国際競争に適応できる産業として農業政策を進めていることに対し、日本の農業は自給率を上げることを重点に農業政策を進めている。< 本当にその通りですね。 日本は、「食糧は、市場原理には委ねられない。」と突っぱねるだけの基盤をつくる必要がありそうですね。