2009年2月11日

2009年02月11日

達人とは、同化能力に秀でた人たち

最近のマスメディアでは、『農』や『自然』にまつわる情報が、日に日に増えてきているように感じます。普段はめったに見ることのないTVですが、先日、偶然目にしたものを紹介します。

山の声を聞け ~林業再生にかける80歳~
2月 9日(月)午前0:35~1:18 NHK総合テレビ
 大阪・千早赤阪村に、全国から注目されている山の達人がいる。林業を経営する大橋慶三郎さん、80歳だ。若手林業家に林業再生の切り札を伝授する大橋さんの活動を追った。
 大橋さんが考える林業再生の切り札とは、山の中に作る道だ。道さえあれば、簡単に山に登り、伐採した木を搬出することができる。コストはかからず利益が上がる。
 しかし、道は崩れやすい。そこで徹底的に観察し、危険な場所を避けて道を作るのが大橋流。「山は人間と同じ。異常があれば、必ず表に出る。」と言い、50年前に作った道も崩れはない

80歳と高齢ながら、今でも山に分け入り、後進の林業家を現場実施指導する姿に、慄然とする気迫が感じられました。昇るときは自力ながら、斜面を降りる時には弟子の介添えを必要とするほど足腰が衰えつつあるというのに、語る言葉は力強いのです・・・。
現地での実施指導の場面では、・・・情景を目にして、手に触れ、足裏に感じて、這い蹲って移動する時の抵抗を全身で受け止めることで、対象を捉えよ・・・と云っているように思えます。
状況を見切った結果を聞き、その根拠を糺すなかで、明らかにしていく「理(ことわり)」なので得心できるのです。次代を担って欲しいという期待が響き・伝わるのです。 「口伝」 とは、そういうことだったのか、と想いに至りました。

(さらに…)

投稿者 staff : 2009年02月11日