2009年2月26日

2009年02月26日

奈良県宇陀地区の小豆「宇陀大納言」栽培講習会

奈良県宇陀地区の小豆「宇陀大納言」栽培講習会
に出席してきたのでその報告をします。正国です。
なんと地元の農家さんが100人近く集まり、これまでにない盛り上がりとなり、今年にかける意気込みも感じられました。
始めの三名の方からの挨拶でも、「宇陀地区として小豆を産地化して儲かる農業をやろう!」ということでした。しかし、そのためには量が全然足らない。現在の10トンにも満たない量では有利な交渉が出来ない。みんなで頑張って50トンは目指そう!とにことで、そのための講演が行われました。以下その報告です。
「宇陀大納言」栽培講習会
 ~小豆の産地作りを目指して~ 
 2月25日(水)
1「大納言小豆の特性と栽培について」
   京都府丹後農業研究所 主任研究員 大橋善之氏
○概要他
・国内の小豆は、北海道産だけで97%あり、その他は3%である。
・小豆全体は、国内:7万㌧、輸入:3万㌧、輸入あん:2.3㌧。
○機械化と慣行農法
・小豆は、莢の成長・成熟のバラツキがあるため、手取りが主である。
一方、一年の作業のほとんどが収穫・選別で大幅な手間がかかる。そこで、コンバインによる収穫など機械化が求められている。
慣行手収穫体系で860時間かかる作業が、部分耕狭条密植栽培・コンバイン収穫体系だと17時間だった(1/50)。
○部分耕狭条密植栽培
・播種前の耕運時期である7月の中頃は雨続きが多く、耕運・播種が8月にずれ込むことになり、水不足で発芽不良になったりする。そこで、播種する条だけ耕運・播種する機械を使う「部分耕狭条密植栽培」であれば、雨後2~3日でも可能だった。
・排水用の溝を15m間隔でいれ、その間は条間30cmの密植とすることで平らになりコンバイン収穫で土が入りにくい。土の混入した豆は嫌がられる。改善のためには刈り取り高さを上げることになるが、多少の刈り残しはある。
○播種時期と収量、水が重要!
播種時期は7/20~30が良い。早過ぎいると倒伏や黒くなることもある。遅れて8月になると終了が落ちる(水不足で発芽不良も)。
種に穴があり、そこからしか水が入らない。周辺からは吸水しない
水に敏感である。種は水が不足すると成長せずにじっとしており、過剰になると根腐れする
開花期の散水が極めて重要。期待した雨の予報が3日遅れたら収量が下がると思ったら良い
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2「宇陀の小豆作りについて」
   宇陀市大宇陀区平尾 的場善次郎氏
○失敗と改善
・草に負けて小豆が大きくならない。⇒マルチ。
・水田で根腐れして枯れた。⇒20cm高畝・外周に排水溝。
7/25~8/5日に播種したら、青ザヤで霜にやられた。
 ⇒7/20日までに播種。

・シカに食べられた。⇒電柵を張った。
○その他
・11月上旬より根を切り、マルチの畝に並べて自然乾燥する。
始めからハウスで乾かすと豆が黒くなる傾向。
3「シカ・イノシシから小豆を守る」
   奈良県農業総合センター 普及技術課 主査 林良考氏
○鳥獣害の原因となる「餌」と「慣れ」
・シカたちにとっては、畑の農作物だけではない。
雑草・収穫後の外葉・未収穫の野菜など魅力的な大量のを放置している
・耕作放棄地・藪などの増加。人の気配を感じるが危険な目にあわないことを知り、「人は怖くない」という人慣れ行為が進んでいる。
農地を戸別に囲っても、集落全体が餌場。みんなで理解して、みんなで取り組まないと解決しない。向こうは集団でやってくる。こちらも集団で対抗しよう。
・ケダモノにとって、「行っても怖いだけ」「餌にありつけない」集落を目指そう。
○メンテナンスが重要
・弱い部分は補強。
・破られても諦めずに原因を考える。

投稿者 totokaka : 2009年02月26日