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2007年11月25日
米の“食味”って何?
こんにちは、小松です。みなさん新米おいしく食べてますか? 😀
この時期になると、“米の食味”という言葉をよく耳にするようになりますね。そう、ご飯のおいしさのことです。実際お米を食べ比べてみると、確かにおいしいお米ってあるし、同じお米でも炊き方によって味が違いますよね。この“食味”ってなんだか気になりません?
現在、日本農業新聞に、米の食味についての記事が連載されているので、紹介したいと思います。
米の食味は生産から炊飯に至るまでの多くの要因が影響する。ご飯のおいしさのなぞを解説する。
(食品総合研究所 食品素材科学研究領域長・大坪研一)
米の食味すなわちご飯のおいしさは、「白くてつやがあり、かすかな芳香があり、かむとかすかな弾力と粘りを感じ、かんでいるうちにわずかなうま味と甘味が増してくる」と表現される。「コシヒカリ」や「ひとめぼれ」などの良食味品種や、新潟、宮城、秋田などの良食味米産地があることは、よく知られている。
窒素肥料の量や施肥条件が食味に影響し、実肥を与えると収量は上がるが食味は低下するとされる。適期に収穫し、米粒が割れたりしないようにゆっくりと乾燥することが必要だ。米は貯蔵によって古米化すると食味が落ち、精米時に割れたり、糠が多く残ったりすると、やはりおいしさが低下する。炊飯に使う釜の種類や加水条件、蒸らしの有無などでも、ご飯のおいしさは違う。
(2007.11.12「日本農業新聞」より)
この食味を数値化して、言わば評価指標にしたものが”食味値”なんですが、でも、おいしさを数値化するって、どういうことなんでしょう?
・・・そもそも“食味値”ってなんだろう?
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という訳で、調べてみました。
同じ米に見えても、食べてみると確かにおいしさが違う。それは夫々の物理的な成分バランスに起因しているようです。なので、それを計ることによって米のおいしさ=食味を数値化している、ということのようです。
以下、「お米のソムリエ 米・食味鑑定士協会」のHPより。
食味値
近赤外線分析機で、「アミロース」「タンパク質」「水分」「脂肪酸度(玄米)」の4つの成分を測定し、食味方程式により食味値を出します。食味値は、100点満点で表し、数値が高いほど美味しいお米になります。 最近の良食味品種の増加や美味しい米作りの努力により、日本産では、60~65点が標準になっています。
1.アミロース・・・・・・デンプンの中のアミロースの比率を表します。
お米の主成分であるデンプンは、2割のアミロース(硬さの成分)と8割のアミロペクチン(粘りと軟らかさの成分)でできています。もち米は、100%アミロペクチンでできています。
日本では、「粘りのある」お米が美味しいため、アミロースの割合が低いほど美味しいお米になります。食味評価の最も良い新潟産コシヒカリは、アミロースの割合が16~17%位であり、パサパサして硬くてまずいお米は、22~23%位になります。
アミロースは、主に「品種・土壌・気候」により変化します。
2.タンパク質・・・・・・お米のタンパク質の比率を表します。
タンパク質は水を通さないため、お米の吸水を阻害します。タンパク質が少ないお米は、吸水が良いため、炊き上がりがふっくらとした美味しいご飯になります。
日本の白米のタンパク質含有量の平均値は、6.8%です。(玄米7.4%)
タンパク質は、窒素成分を多く吸収すると増加します。
タンパク質は、窒素肥料の施肥量により変化し、肥培管理により改善できます。
タンパク質は、「品種・施肥・気象・土壌」により、変化します。
3.水 分・・・・・・お米の中の水分を表します。
16%基準の範囲内で、水分の高い米ほど美味しいお米になります。
14%以下の過乾燥米は、炊飯前の浸水時にヒビ割れを起こし、炊飯する時にデンプンが糊となって流れ出るため、ベットリしたご飯となり、食味が悪くなります。
最近では精米工場の水分管理が厳しくなっており、農家でのより厳格な管理が求められています。
14.5%以上の水分管理を徹底しましょう。15%以上の水分のお米は、低温貯蔵することが必要になります。
水分は主に「乾燥・貯蔵」により変化します。
4.脂肪酸度・・・・・・脂肪の酸化度を測定し、表します。
米の脂肪は、貯蔵中に徐々に酸化されるため、酸化度により古米化の進み度合いがわかります。
収穫直後の新米は、10~20㎎が標準ですが、時間とともにこの数値は高くなります。
脂肪酸化度は、低いほど新鮮で美味しいお米になります。
脂肪酸化度は、主に「乾燥調整・貯蔵・品質」により変化します。
つまり、食味計」で計測した数値のうち、アミロースは、そのお米の基礎的な体質のようなもので、たんぱく質及び、特に水分と脂肪酸度については、時間とともに変化・分解され、食味を低下させていくようです。要するに、新米のおいしさは、残念ながらその後低下する一方だと言うことなんですね。
再び「日本農業新聞」からです。
細胞壁厚いと低下
米の食味は、米の組織構造と成分に影響される。細胞を仕切る壁が厚く、硬くなると米の食味は低下する。乾燥や精米で割れた粒は、「花咲き米」と呼ばれる、こしのないご飯になってしまう。
米の主成分はでんぷんで精白米の約77%を占め、食味にも強く影響する。たんぱく質も約6%を占める。たんぱく質含量や、でんぷんのアミロースが多いと、硬くて粘りの弱いご飯になる。微量成分の脂質や各種の酵素も食味に影響する。
(2007.11.12 「日本農業新聞」より)
貯蔵中に低下進行
米を貯蔵している間に、古米化が進行して食味が低下する。
でんぷんは、一部がアミラーゼなどによって分解され、ブドウ糖などの還元糖が増える。
脂質からは、脂肪酸が分離する。この遊離脂肪酸と、でんぷんが結合することで、糊化(こか)が進みにくくなり、硬い米飯となる。脂肪酸は、さらに酸化分解され、ヘキサナールなどの古米臭発生の原因となる。
たんぱく質に含まれるシステインなどの硫黄を含むアミノ酸は、米飯の芳香の一部を形成するが、古米化する過程で酸化され、芳香が少なくなる。また、2個の硫黄原子を介した結合による架橋が増加して水溶性成分が減少するとともに、一部は分解されてアミノ酸を生成する。アミノ酸と還元糖は、炊飯の過程で、黄化の原因となる化学反応を起こす。
細胞壁はフェルラ酸などによる架橋が進み、米飯が硬化する。
米に含まれるアミラーゼやプロテアーゼなどの酵素は、水に浸してから炊飯前期にかけて、でんぷんやたんぱく質を分解し、少糖類やアミノ酸、ペプチドなどの味にかかわる成分を生じるが、これらの酵素活性化が古米化で低下すると、米飯の風味も低下する。
米は夏季で約3週間、冬季で3ヶ月ほど経過すると、古米化が進み、食味の低下が顕著になる。精白米は、密閉して冷蔵庫に保管するか、小袋で購入し開封後は早く使い切ることが勧められる。
(2007.11.20 「日本農業新聞」より)
図表 古米化の仕組み
食味が低下するということは、米の物性が変化しているということなんですね。
ということは、それを補うように何種類かのお米を上手くブレンドすれば、いつもおいしいご飯が食べられる、ということではないでしょうか?
食品偽装問題が騒がれる折、ブレンドというと、何が入っているか判らない、という不安感が先行してしまいがちな今日この頃ですが、みんなをだますためではなく、みんなにおいしい米を提供するためにするブレンドなら、それは立派な技術といえると思います。
「ブレンド米」、気になってきました。 🙄
農業新聞の連載もお楽しみに~。
投稿者 komayu : 2007年11月25日 TweetList
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コメント
投稿者 花咲種子のブログ : 2010年6月26日 07:56
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