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2007年08月30日

腐ってしまう野菜ばかりになったのはなんで?(第2回)・・・窒素過多で何が起こる?

まるいちです。
前回の投稿「腐ってしまう野菜ばかりになったのはなんで?・・・野菜は本来「食べ物」であって「商品」として扱うと無理が出る!?」の続きです
まず「腐る」 と言う事の定義ですが、辞書の記述 では、
■ くさ・る 2 【腐る】 (動ラ五[四])
(1)食べ物が細菌の作用によって変質し、食べられなくなる。腐敗する。いたむ。
「肉が―・る」
(2)動植物の組織が細菌の作用で破壊され、悪臭を発したり、形が崩れたりする。また、うみただれることもいう。
「死体が―・る」「倒木が―・る」「指が―・る」
(3)物が変質してだめになる。木や金属などが、ぼろぼろになる。
「水が―・る」「釘が―・る」「土台が―・る」
・・・で、「野菜が腐る」と言う現象は上記の(1)(2)と一部(3)も含まれると思います。
一方、「枯れる」 と言う事は、
■か・れる 0 【枯れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 か・る 〔「涸(か)れる」と同源〕
(1)草木が水分を失って、生気がなくなる。
「植木が―・れる」「花が―・れる」
(2)(比喩的に用いて)本来の勢いがなくなる。朽ちる。
「やせても―・れても武士だ」
・・・で、「野菜が枯れる」と現象は(1)のように乾燥していく、と言う事だと思います。
私自身はまだ実験はやっていませんが、衝撃!本来野菜は、「腐る」のではなく「枯れる」!? と言う記事の実験結果やブログ「へなちょこ百姓日記」の記事「枯れる野菜、腐る野菜」 、それと日常的に栽培途中でも「窒素過多の作物は病害虫に犯されやすい」「もやしは冷蔵庫の中ですぐに腐る」と言う事実から「窒素過多が作物に与える影響」と言う観点から「腐ってしまう野菜が多いのはなんで?」を考えてみました。
まず、窒素は作物体内では、根の発育を助け、茎や葉っぱを伸長させ葉の緑色をよくする働きをします。窒素の施肥量を少なくしたり、土壌の有効態窒素が少ない圃場で作物を栽培すると、良品質の作物を多収することは一般的に難しくなってきます。しかし、逆に窒素を過剰に施用すると作物体は軟弱になり、病害虫の発生や徒長といった弊害が頻発する事も良く知られています。
作物は土壌中のアンモニアや硝酸(=窒素)を吸収し、アミノ酸をつくり、このアミノ酸からタンパク質を作ります。
【土壌中のアンモニア , 硝酸 → 根から吸収 → アミノ酸合成 → タンパク質合成】で、
水稲の栽培でよく注意されるのが窒素過多によるいもち病の発生や害虫の発生、倒伏です。

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   ◆水稲の病気 いもち病◆    ◆水稲の害虫 ウンカ◆      ◆野菜の害虫 アブラムシ◆
この原因は、窒素過多になると菌や虫の好きな養分となる「アミノ酸」 や「アミノ酸アミド」 の含量が植物体内で高まる事にあって、これらを養分(エサ)にしている虫 がたかったり、菌 が繁殖して病気が激発したりします。それと、もうひとつの原因としては、窒素が多すぎる事でタンパク質を作るためにアミノ酸の合成が促され、そのエネルギー源として細胞壁を作るのに必要な糖類までが使われてしまい、結果として細胞壁が薄く なり、外部からの刺激に弱くなる・・・病原菌や害虫の侵入を防御する力 が弱く なってしまう為と考えられます。同じように物理的な力にも弱くなって倒伏しやすくなる・・・徒長と言う言葉でも表現しますが、これも異常に葉が大きく茎も柔らかくなる事を意味し、原因は同じです。ちなみに、植物は虫や動物のように甲殻や骨格を持っていないので、細胞壁の強度で自立しています。
この現象を簡単に言うと…
【細胞が弱くなり病害虫や外力に対する抵抗力が弱る。】 ということです!
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ですから、第一の推論としては、
現代の野菜は基本的に窒素過剰であるため、細胞壁が弱くなっていて、保存するとまず、細胞壁が壊れて細胞液が流れ出し、これに腐敗菌が付きやすくなって腐る、或いは、細胞液が空気に触れる事によって酸化し変質する。これが、すぐ腐る野菜の正体ではないかと思います。
この辺りは、成分分析をすればすぐにわかると思います。
最初に紹介した ブログ「へなちょこ百姓日記」の記事「枯れる野菜、腐る野菜」の見解も同じようです。
それと、MT.Farm ~やまさんのお庭~ と言うブログに  「農法あれこれウォッチング」 と言うコーナーがあって、ここに「ナチュラルハーモニー」(無肥料栽培)に対する考察があるのでこれも参考 になると思います。
それで「枯れる」と言う現象に対して第一の推論から導き出される結論としては、
無肥料で栽培する事によって、野菜が窒素飢餓状態となり、細胞壁が硬くなって細胞液が蒸発するまで細胞膜が維持された結果、「枯れる」と言う状態を引きおこした、と考えるのが自然なような気がします。
野菜が腐るメカニズムについては窒素の過多だけが原因とするにはまだ早いと思うので、さらに追求したいと思います。
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投稿者 nara1958 : 2007年08月30日 List   

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