利便性をとるか、『農』の効用をとるか? |
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2007年03月29日
ODA、世銀、IMFは途上国の農業・社会を破壊している?
どうも雅無乱です。
ODA(政府開発援助)というのがあるが、数年前まで、日本もなかなかええことをしてるんやな、と能天気にも思っていた(なんておバカな自分…)。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4088754603/249-9752704-6852350
でも、この本『SEED』(ラデック・鯨井←あの「マスターキートン」の原作者:本庄 敬 集英社)を読むと、かなり問題がありそうな感じがする。
簡単に言うとどうも↓こういう事が行われているようだ。
発展途上国は、資金を低金利とはいえ3%前後で貸し付けられて(与えるのではなく借金をさせる)、先進国が「近代化が遅れている」と勝手にレッテルを貼った地域をターゲットに開発していく。
ダム建設や農地の大規模開墾や圃場整備などは、日本のゼネコンが受注してそこが中心となって行われることが多いようだ。また、近代農業に必要な農業機械や化学肥料、生産性が高い(とされる)種苗なども、日本の機械メーカー・化学・製薬メーカー・種苗会社から購入される。
政府が発展途上国にお金を貸しておいて、そのお金で日本企業ががっぽり儲ける(日本に戻ってくる)、というからくり。
開発が終わったあとも、農業機械のメンテナンスや部品、そして燃料などを先進国から買うために、現地の人々は借金を続けなくてはならず、またそうして収穫された農作物はたいていの場合、激安の値段で買い叩かれることがほとんどなので、現地では借金で首が回らなくなる人々が続出する。
実際、そのようなことになって、暮らしていけなくなって都会へ出た人々の農地が荒れ果てたままになっていたり、燃料を買う金もメンテをする金もなくなって放置されている農業機械(給水ポンプやトラクターなど)が、アジアのそこここにゴロゴロ転がっていたりするらしい。
日本の援助によって作られたダムが、土砂災害や、下流の漁業に大被害を与え、現地の人々の生活に大打撃を与えている例もある(スマトラ島のコトパンジャンダム) 。
あと、「緑の革命」 http://econgeog.misc.hit-u.ac.jp/excursion/00bengal/column/hyv.htmlの深い傷跡から立ち直ろうとしているバングラディッシュは有名。
実はこの背後には、IMF・世界銀行(その背後にはアメリカ)の意図が巧妙に隠されている。少し長くなるが引用する。
続きを読む前に応援よろしくお願いします!
http://blog.goo.ne.jp/leonlobo/e/0fc4adb4a94bf22503588efcdbff4fa0
(「途上国はなぜ飢えるのか」Blog:報道写真家から)
>IMFや世界銀行の融資というのは、使用目的が制限されている。たいていの場合、農業や教育といった分野には使えない。食料生産を伸ばしたくても、農業にお金をまわせない。ただし、融資金を輸入食料の購入に当てることは許されている。そして、その場合の食料購入国もあらかじめ指定されている。要するに、アメリカや先進国から買わなければならない。隣国で小麦が豊作であっても買えないのだ。
>IMFによるこうした理不尽な制約を「コンディショナリティ:付帯条件」という。いくら理不尽でも、これを承諾しない限り、融資は受けられない。途上国には、選択の余地も交渉の余地もない。こうして、融資を受ける途上国は、100余もの付帯条件を甘受する。先に書いたように、農業や教育、福祉、医療といった分野には一切使えないよう条件が付けられている。それでも、無いよりはましと途上国は考えた。しかし、「コンディショナリティ」とは、罠以外の何ものでもない。
>IMFや世界銀行の融資というのは、鉱工業などの資源開発分野に集中していた。鉱物や石油・ガスの開発と輸出だ。また、それらに付随する産業や輸送手段の整備といった分野も含まれる。アメリカが必要とする膨大な原料や燃料を開発・輸送することに限定することによって、農業生産力をも奪うことできた。
>もともとの農業人口の多い途上国の労働力は、必然的にこうした分野に流れた。途上国の農業の衰退がはじまる。農業生産力が落ちた分、途上国政府は、融資金で先進国の農業製品を輸入するしかなかった。
>農業の衰退が進むと農産物の価格は上昇し、安い輸入品と競合できなくなった。農業生産で生活できなくなった農村人口は、都市へと流れ始めた。人口は時と共に都市に集中し、農業の衰退はさらに進むことになった。したがって途上国政府は、農産物の輸入を増加せざるを得ない。途上国の農業衰退と食料輸入は構造的なものになり、歯止めが利かなくなってしまった。(注:強調は雅無乱による)
※画像はネオコン出身の世銀総裁 ポール・ウォルフォウィッツ
画像出典は ここhttp://www.nakagawa-masaharu.jp/wbank.htmより
ほんまにエゲツな~
こうして彼らの思惑通り、資源は安くアメリカに入ってくるようになり、自国の農業生産品まで途上国に売りつけることができるようになり、ついでに自国の建設業者や農薬・種苗・肥料メーカー・農業機械メーカー・エネルギー企業が潤うことになった。
しかも、これらのエゲツないことを、途上国になんとなく「いいことしてやってる」と思い込ませながらやるわけやから、実に見事というしかない。“詐欺”もここまでいくと芸術的って感じやな。それで「我々は民主主義を広めているのだ」ときたもんだ!地元の人々の主権を無視してよく言うよなぁ
しかし一般には、日本のマスコミ等のメディアも、なんとなく発展途上国を支援する行為は「いいことだ」と報道しているし、社会常識もなんとなくそうなっている。そして、漠然と「何か役に立つことがしたい」という気持ちを持つ若者を、短絡的「豊かになりたい」という一部の現地の人々の要求に応える行為に向かわせる。せっかくの、「途上国の人たちの役に立ちたい」という若者の純粋な意識が、結果的には、現地の人々を欧米型の「市場システム」に取り込み、現地の生活環境や共同体を決定的に破壊することにつながっていく。そして若者たちの「役に立ちたい」という意識は、農業や生活を破壊された人現地の人々の恨みや憎しみとなって戻ってくる(現在携わっている方々、携わろうとしている若いみなさん方、できればその行為が何をもたらすのかよくよく考えてください)。なんとかならないものかと思う。
>世界の飢餓、貧困、低賃金労働の問題を解決するには、まず世界がこの事実を知ること以外にない。(from同ブログ)
激しく同意!である。
投稿者 nanbanandeya : 2007年03月29日 TweetList
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コメント
投稿者 コータロー : 2007年5月17日 19:39
コータローさんコメントありがとうございます。
>正直、こんな魚は食べたくないです。
調べて見ると、この三倍体の魚もう実用化されています。
絹姫サーモンhttp://www.tansui.net/index.html
信州サーモンhttp://www.pref.nagano.jp/xnousei/suishi/s_salmon/salmon.htm
広島カキhttp://www.chugoku-np.co.jp/setouti/seto/12/971212.html
道産サクラマスhttp://www5.hokkaido-np.co.jp/keizai/bio_special/new_time/hassou/sakuramasu.html
などですがまだまだありそうです。
私たちも知らずに食べている可能性もありそうです。
投稿者 hakosuka : 2007年5月18日 21:36
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魚にまで応用されていたとは驚きです。
他にもこんな例があるなら、ちょっと怖いですね。。。
正直、こんな魚は食べたくないです。