2007年6月9日

2007年06月09日

ヤバイ! 水不足! でも、少雨だけが原因?

 やっと田植えを終えました。長谷です。
 やれやれ、やっと一息と思いきや、今度は、水が足りない
 わが集落の水田の水を賄っている溜池の水位の低下にストップがかからない!
 1つ目の取水口が水面から露出してしまって、このまま1、2週間雨らしい雨が降らなければ、もう1つの取水口も顔を出して、干上がってしまう危険が!
    ↓                   
VFSH0106.jpeg  VFSH0107.jpeg ←シーズン当初は、木が生えているところまで水が蓄えられていたのですが…。
 と言うことで、集落で緊急の寄り合いをして、対策を話し合いましたが、他に水源を持たない集落なので、できることは、
 ○節水(水田に入れる水を少なめで我慢する。各田んぼの漏水の防止の徹底etc.) と
 ○いよいよの時の池の泥水の汲み上げ。(池の底の泥溜めの部分の水を仮設ポンプで汲み上げる。) 
 くらい。

 
「それでも、水が無くなったら、みんなで眺めとくしかないわなあ」

と腹を決めてます。 
 さすがに、昔と違って、米作りに生活をかけている農家はいないので、雨乞いをしようという話までは出 ませんでした。
 今までも、何度か、渇水の危機はあったようですが、もっとも酷かった年でも、前述したポンプでの汲み上げで、ぎりぎり凌げたので、大丈夫と言う自信もあるのでしょう。
 何れにしても、打てる手を打って、後は、お天道様にお願いするしかありませんが。
ところで、水不足のことを考えていて、少し疑問が湧いてきました。
 確かに、今年は、異常な少雨。
 当地域に近い尾鷲市(屋久島と並ぶ、日本一の多雨地域)では、五月の雨量が平年の約50%と言う状態。
 それを考慮しても溜池の水の減り方が異常なのはなんで?
 ・池の改修工事を行って、老朽化による漏水は無くなった。
 ・昔と比べて、水路は整備された。(溜池から田んぼの近くまで、パイプラインが設置されて、途中での漏水はほとんど無くなった。)
 ・減反政策によって、水田作付け面積は年々減っている。つまり、水の必要量(使用量)は減っている。
 等々、むしろ、水不足に起こりにくい条件が年々整っているはずなのですが。

 おそらく、全国的にも、同じような状況のところも多いと思います。
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 1つ考えられる原因は、以前の記事で書きましたが、田植え時期が早くなったため、水が豊富な梅雨時よりも早い時期に水を大量に使うことになってしまっているということ。
 しかし、それよりも、もっと大きな原因がありそうと考えていると、
 毎日、溜池の水の様子を見ていて、気づいたことがあります。
 いつもの年だと、
 その日、溜池の水を使って、水位が少し下がっても、一晩で、ある程度回復します。たとえ1,2週間雨らしい雨が降っていなくても自然水が流入してきます。
  ところが、今年は、全く回復しません。溜池の水を使い始めた時の満水状態から、日々低下の一途。
 そうか、つまり、溜池の背後の森に水が蓄えられていないということ。
 「森は、天然のダム」
と言うフレーズを聞いたことがありますが、
その森が水を蓄える能力(保水力)を低下させているので、溜池に自然水が安定供給されないということなのではないか。
 そして、それが、顕著に現れたのが、異常な少雨の今年ということでは。
 そこで、森の保水力について調べてみると、参考になるサイトがありました。
「明日を守る」
http://www.oita-press.co.jp/bousai/115571167832376.html
上記サイトより転載
115571167832376-1.jpg
私達の地域は、かつては、林業も盛んで、町内の森林面積の66%(約3分の2)が針葉樹(杉、ヒノキ)の人工林。しかも、近年は、木材の価格低迷で、ほとんど手入れされずに荒れた状態。上の図では、最も浸透力(保水力)が少ないケース。
 これでは、天然のダムの役割は果たさない。
 水の供給に関しては、溜池設備や水路の整備も必要だが、それよりも、
 大元の森の機能回復が何よりも重要なのでしょう。
 とは言え、
 雨よ降ってくれ~!

投稿者 naganobu : 2007年06月09日